2019年12月19日木曜日

人間の骨組織を応用した高耐久ポリマー素材を3Dプリントで試作

米国インディアナ州発:パデュー大学の研究者グループはこのほど、3Dプリント素材を人間の骨組織に似せた構造にすることで、従来より耐久性に優れた3Dプリント製品の作成が可能になることを発見した。

同グループはこの推論を証明するために、超極微細な組織構造を持ったポリマー素材を3Dプリントで試作。手本としたのは、人体の骨などにみられる骨梁、あるいは海綿質の小柱組織で、互いに接続しあっている梁ないし柱状の組織だ。この接続が稠密であれば稠密なほど、剛性も高くなる。

同グループがこの小柱組織を約 30 % 増の厚さで再現したところ、耐久性能は 100 倍も向上したという。一般的なポリマーの場合、そのほとんどがこのような急激な強度の向上は見られなかった、としている。

今回の研究結果は、『米国科学アカデミー紀要[December 3, 2019 116 (49)]』に発表された。また同グループによると、疲労寿命を伸ばしていたのは垂直方向の柱状組織ではなく、一見するとあまり役目を果たしていないように思われていた水平方向の梁状組織だったことも判明した。




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2019年12月3日火曜日

DMG森精機が5軸ハイブリッドレーザー加工機「 LASERTEC 125 3D 」を発表

日本発:工作機械メーカー DMG森精機(DMG MORI CO., LTD.)はこのほど、5軸ハイブリッド CNC マシニングセンター「 LASERTEC 125 3D 」を発表した。

最大の特徴は、CNC 加工中に異なる二種の溶接素材を切り替えられる点。このため異種混合部材の加工がしやすく、また部品の冷却特性を制御して効果的に放熱させることができると同社は説明する。

新製品は 2013 年発売の「 LASERTEC 65 3D 」をベースとした上位モデルの位置付けで、最大径Φ = 1,250 mm 、最大高 745 mm、最大重量 2,000 kg までの金属製品の加工、修繕、メンテナンスに対応する。

5軸制御のマシニングセンターと統合されているのは、レーザー肉盛溶接方式の金属積層加工技術で、パウダーノズルは独 Siemens NX が開発した CAM ソフトウェアで制御され、マシニングセンターとの切り替えもシームレスに行える。加工工程を監視する熱赤外線カメラを内蔵したAM アシスタント、金属パウダーやイナートガス量の調節を行える AM Guard、パウダー流量やレーザー出力、溶融池データをグラフィカルに解析する AM Evaluator の各インターフェイスが付属する。

同社によると、このハイブリッドレーザー加工機はクローズド羽根車や鍛造型といった複雑な形状を持つ部材加工、熱間 / 冷間加工部門に最適だという。たとえばダイカスト金型の補修に用いた場合、耐用年数が手作業による溶接に比べ3倍も伸びるとしている。

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2019年11月25日月曜日

Prusa Research が Thingiverse からの自動転送ツールを密かに提供していたことが明らかに

チェコ発:プラハを拠点とする3Dプリンター製造の Prusa Research はこのほど、米 MakerBot の3Dプリントデータライブラリの Thingiverse から3Dモデルデータの自動転送を可能にするツールを密かに提供していることが明らかになった。

これは、Prusa から発信されたニュースレター中に、Thingiverse 内に格納された3Dデータを同社のレポジトリの PrusaPrinters.org 内に自動インポートを可能にする独自ツール開発に触れた内容があったことから判明した。

Thingiverse プラットフォームは 2008 年、当時独立した民間会社だった MakerBot が自社製3Dプリンターで出力するデータの保管と共有を目的に開発された。現在、同プラットフォーム上で公開されている3Dモデルデータ総数は約 400 万と言われている。

これに対し、2019年に開設されたばかりの PrusaPrinters.org 上で公開されている3Dモデルデータ総数は、現時点で 4,000 弱。3Dモデルデータ共有ライブラリとして業界最大手の Thingiverse にあまり好意を抱いていないデザイナーらも少数ながら存在しており、彼らは Thingiverse 以外のライブラリにも同一データを公開している。

Prusa 側の提供する自動転送ツールはこの点に着目し、Thingiverse ユーザーに自社プラットフォームへの乗り換えを促しているように見える。この自動転送ツールは少数のベータテスターらがテスト運用していたが、現在は一般公開済みで、 PrusaPrinters.org 登録ユーザーならば誰でも利用できる。

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2019年11月19日火曜日

Autodesk が MES テクノロジー2社と統合型 AM ワークフローを提供へ

米国カリフォルニア州発:3D CAD の Autodesk はこのほど、AM テクノロジーによるエンドトゥエンド デジタル工程管理に注力する Link3D、AMFG 両社と統合型 AM ワークフロー提供のための協働で提携したと発表した。

発表によると、Link3D は同社の MES(製造実行システム)完全統合型 AM ワークフローで Autodesk の提供する「 Fusion 360 」や「 Netfabb 」といったソフトウェアを組み込み、上流工程から下流工程まで双方向で一貫したトレーサビリティを提供する。

AMFG は同社の MES ソフトウェア、および Autodesk の「 Netfabb 」/「 Fusion 360 」ユーザーに対し、今回の3社の協働により、設計から生産までのワークフロー簡素化と省力化が可能になる、としている。これには Autodesk のシミュレーション、ネスティングおよび生成サポートツールを使用して生産用3Dファイルの作成を行い、作成後はそのままシームレスに AMFG のワークフローオートメーションソフトウェアでリクエスト要求や生産のスケジューリング、リアルタイムデータ解析などの調整ができるようになる。

3社は 11 月 19 − 22 日に開催の3Dプリント関連国際カンファレンスの Formnext でそれぞれ展示を行う。

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2019年10月27日日曜日

世界最速の大型3Dプリンターシステムを開発

米国・イリノイ州発:ノースウェスタン大学の研究者チームはこのほど、人間の身長ほどの高さのオブジェクトを数時間以内に高速プリントアウト可能な大型3Dプリンターシステムを開発したと発表した。

同開発チームによると、この新型3Dプリンターは SLA 方式を改良した新方式の HARP(ハイエリア高速プリント)テクノロジーを搭載し、造形サイズ 0.2 m² 以内で高さ1m 以下のオブジェクトならわずか 1時間で造形することができ、これは現時点で最速だという。またプリンター本体の高さも 4m ほどで、倉庫一軒分を占有するような従来製品と比べればコンパクトな点もメリットに挙げている。

この HARP テクノロジー搭載の高速大型3Dプリンターは現時点ではまだ学内のみの使用にとどまってはいるが、同開発チームは今後 1年半以内に商用化して販売することを目指している。




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2019年10月15日火曜日

Prusa、同社初の低価格小型 FDM 3Dプリンター「Prusa Mini」をリリース

チェコ発:オープンソースベース FDM 3Dプリンターベンダーの Prusa Reaearch は現地時間 10 月 12 日、新型3Dプリンター「 Original Prusa Mini 」をリリースした。

今回リリースされたのは、同社の RepRap ベース FDM 3Dプリンターブランド「 Prusa i3 」シリーズのビギナーおよび教育機関向け製品。造形可能容積は 180 mm x 180 mm x 180 mm。造形ベッドはオートレベリング機構付きで、造形物の安定に不可欠な着脱式ビルドプラットフォーム PEIシートは、底面仕上げの美しさにも配慮した粉体塗装を採用している。

「 Prusa Mini 」の操作は付属のフルカラー LCD パネルで行い、同シリーズ初となるイーサネット接続にも対応、遠隔操作や複数台制御も可能にしている。販売価格は 349 米ドルから。






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2019年9月28日土曜日

コンクリート使用量を 60 % 削減した3Dプリント歩行者専用橋がお目見え

オランダ・ユトレヒト州発:大型構造物の3Dプリントを手掛ける Vertico はこのほど、ベルギーのヘント大学と共同でコンクリート3Dプリントの歩行者専用橋を建造した。

同社は 2017 年に設立された3Dプリントのスタートアップ。ガントリー型ロボットアームに設置した大型3Dプリンター(最大造形容積 8x5x 2.2 m)を使用して、これまでに重量 2.5 トン、50 の異なる形状からなるコンクリートファサードや、コンクリートカヌーを製作してきた。今回は造形容積 4.5 x 2 x 2.5 m のロボットアーム式3Dプリンターと特製生コンを使用して、小型の橋を出力した。設置場所などは明らかになっていない。

同社とヘント大学側は今回のプロジェクトについて、形状面での最適化を図り、不要な部材の削減も実現しているという。また建設部門から排出される CO2 は世界の CO2 排出量の約 23% を占めると言われるが、コンクリート3Dプリント工法ならばコンクリート使用量を 60 % 削減できるため、環境にも優しいとしている。

現在、同社はコンクリートドームの3Dプリントに取り組んでおり、2020 年 2月には建造を開始するとしている。

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2019年9月13日金曜日

デンマークの美大生が生分解性3Dプリントシャツなどを制作

デンマーク発:デンマーク王立美術院(KADK)の学生 Mats Beckman 氏は、卒業作品として3Dプリント + 3Dペン + アイロンの組み合わせで、生分解性素材でできた半袖シャツを含むメンズアウトフィットを制作した。

卒業制作で使用したのはデスクトップ型 FDM 3Dプリンターの Ultimaker 3、各種の3Dペン、アイロンを含む熱圧機器。遺伝子組み換えではないコーンスターチでできたフィラメントを使用して、作品を堆肥に転用可能にした点が評価され、同大学から国連 SDGs 賞を受賞した。

同氏によれば、制作したシャツやアクセサリー類は寒暖に対する耐候性があり、湿気、微生物、酸素、高温すべてに晒されないかぎり、一度着用しただけでバラバラになったりしない、としている。Beckman 氏は今後も3Dプリント方式の生分解性の服の開発を継続するとし、この新方式はアクセサリーから家具調度の追加パーツに至るまで、すべての製品のデザインに使える可能性のある、と考えている。

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2019年9月3日火曜日

世界最大級の3Dプリンターが商用化へ

南アフリカ・ハウテン州発:科学産業研究評議会(CSIR、本部プレトリア)が 2017 年に完成させた世界最大級の金属3Dプリンター「 Aeroswift 」の完全な商用化に向けた調整が行われている。

1億ランド[日本円で約 7 億円相当]以上の費用をかけて開発・建造した同3Dプリンターはもともと研究調査用だが、同会議の Ntombi Mathe 博士は、大型部品を扱うグローバルサプライヤーとの正式な商業使用契約が結ばれる見込みだと語った。

「 Aeroswift 」は現時点ではチタン素材による航空機部品製造に特化した3Dプリンターとなっている。これまでに製造した部品にはチタン製スロットルグリップがあり、これは従来の樹脂製グリップより軽量、かつ高剛性なのが特徴。

同評議会は、この「 Aeroswift 」テクノロジーは南アフリカにおおいに利益をもたらすだろうと話す。原材料だけの輸出とは違い、半完成部品および完成品の輸出能力が備われば、世界の3Dプリント市場へ同国も新規参入を果たせるだろうと期待をかけている。

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2019年8月12日月曜日

シリコーン3Dプリントのスタートアップが約 140 万ユーロの資金を獲得

スイス発:シリコーン3Dプリントのスタートアップ Silicone 3D はこのほど、戦略的投資を手掛ける AM Ventures からシード投資ラウンドで約 140 万ユーロの資金を獲得した。

‎同社はチューリッヒ工科大学(ETH Zurich)で 5 年の研究開発期間ののちに設立された3Dプリントのスタートアップ。シリコーン樹脂を使用した可塑性に富む新しい人工装具をシリコーン3Dプリント技術で提供することを目的としている。今回の資金調達は同社設立後 11 か月で実現した。

Spectroplast は今回の資金調達により、主として医療機関向け3Dシリコーンプリントサービスの拡充を目指す。同社はすでに、医療機器の生物学的安全性評価の ISO 10993-5、および ISO 10993-10 認証を取得済みだ。

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2019年7月18日木曜日

Cadbury が期間限定の3Dプリントチョコを販売

オーストラリア・ビクトリア州発:製菓・飲料大手 Cadbury は 7 月 7 日の「世界チョコレートの日」に合わせ、メルボルン市内のデパートで同社の看板商品「 デイリーミルク 」チョコレートバーの3Dプリント版を期間限定で販売している。

同社はこの特別な日のために、「デイリーミルク3Dプリンター」でプリントアウトしたチョコレートを製造し、メルボルン市内のデパートで期間限定商品として提供を開始。アルファベットやオーストラリアを象徴するカンガルー、ゴムバンドサンダルなどが立体的にかたどられている。ただし同社のこの「デイリーミルク3Dプリンター」について判明しているのは英国製ということだけで、それ以外のスペックは不明だ。

Cadbury の「 デイリーミルク 」チョコレートバーの3Dプリント版の販売価格は2個セットが 8.00 AUD、4個セットが 15.00 AUDで、今月 28 日までの販売。

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2019年6月25日火曜日

世界初のメイクアップ専用ポータブル3Dプリンター「 Mink 」が来年にも販売へ

米国発:コスメ関連スタートアップの Mink Beauty はこのほど、世界初のメイクアップ専用ポータブル3Dプリンター「 Mink 」を発表した。同社は 2014 年、ハーバード大学経営大学院(HBS)の卒業生 Grace Choi、Janet Kim 両氏によって設立された。

「 Mink 」プリンターじたいは 2014 年に試作品としてすでに発表されていたが、その後改良を重ねて商品化にこぎつけたもの。3 色専用インクのカートリッジとシートを使用し、画像の使いたいカラーの写っている部分を専用アプリで読み取り、それを約 15 秒でプリントアウトして専用シート上に出力する仕組み。原材料はすべて米国食品医薬品局(FDA)承認済みであり、また生分解性なので 100 % 安全に使用できる、としている。

本体重量わずか 997g の「 Mink 」は、公式発表では 1,670 万色が出力可能で、お気に入りのカラーのメイクアップパレットが時間と場所を問わずに作成でき、作成したオリジナルパウダーは市販のアイシャドウパウダーと同様、指やブラシなどで使用できる。

「 Mink 」メイクアッププリンターシステムはプリンター本体、専用カートリッジ、専用メイクアップシート、専用アプリの 4 つで構成される。現在は先行予約受付中[ただし米国内のみ対象]で、期間中の価格は 295 USD。2020 年秋頃の出荷を予定している。




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2019年6月10日月曜日

英学生グループがワット没後 200 年を記念した3Dプリントレプリカを製作

英国スコットランド発:グラスゴー大学の学生グループはこのほど、同大学卒業生でもあり、産業革命をもたらしたジェームズ・ワット没後 200 年を記念して、ワットの設計した蒸気機関「ボールトン-ワット蒸気機関」の精密な3Dプリントレプリカを製作した。

これは同大学による、ワット没後 200 年記念の大規模回顧イベントの一環で製作されたもので、800 点以上のパーツを3Dプリントで製作して組み立てた。同レプリカは全長 1m、総プリント時間は約 845 時間(約 5 カ月)。

学生グループの製作したワット機関の3Dプリントレプリカは、同大図書館で 6 月 6 日から展示されている。

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2019年5月31日金曜日

3Dペン「 3Doodler 」に STEAM 教育用特別キットが登場


米国ニューヨーク州発:3Dペン「 3Doodler 」製造元の WobbleWorks はこのほど、事務用品販売チェーン Office Depot と共同開発した児童生徒の STEAM 教育向けキット「Juku[日本語の「塾」から]」4製品を Office Depot で販売すると発表した。

同キットには「 3Doodler 」付きバージョンが用意され、同パッケージには「 3Doodler 」のほかに PLA フィラメントも2パック同梱される。対象年齢は 12 歳以上で、Office Depot の Web サイト上で今月 29 日から販売を開始する。同チェーン店頭、OfficeMax 店頭でも販売する。

「 3Doodler 」付き「 Juku 」キットの販売価格は 74.99 USD。 Office Depot ビジネスソリューションから、教育機関向け割引パックも用意されている。

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2019年5月20日月曜日

セラミックレジン製造の Tethon 3D が新型 DSP 3Dプリンターを発表

米国ネブラスカ州発:3Dプリント素材製造のスタートアップ Tethon 3D はこのほど、デスクトップ型 DLP 3Dプリンター新製品「 Bison 1000 」を発表した。

2011 年に設立された同社はセラミックレジン製品および「 Porcelite® 」をはじめとするパウダー素材シリーズの製造販売を手掛けてきたが、昨年以降、同製品群の性能を最大限発揮できる専用3Dプリンターの製造も手掛けており、今回発表の新製品もそのリリースの一環。新型3Dプリンターは同社セラミックパウダーの開発用に設計した DLP タイプの3Dプリンターをベースに開発した。

最大造形容量は 110 x 60 x 130 mm で、加熱式造形ベッドはレジン粒子の固着を低減し、素材の大量供給が必要な部品製作でも品質を落とすことなくプリントが可能。監視カメラ内蔵のため、モバイルアプリ経由でリモート操作も可能。

「 Bison 1000 」の初回出荷は 2019 年第 3 四半期以降に開始予定。

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2019年4月30日火曜日

IoT 通信デバイス回路の短時間3Dプリント製造に成功

イスラエル発:ネスジオナ市に本拠を置く3Dプリンターベンダー Nano Dimension はこのほど、3Dプリントを使用して1日以内で IoT 通信デバイスの製造に成功したと発表した。

それによると、同社の多層プリント回路基板用3Dプリンター「 DragonFly™ Pro 」を使用して、従来のプリント基板(PCB)ライクな外観の IoT 通信デバイス試作品をプリントアウト。従来技術では少なくとも2週間はかかっていたプリントアウトと組立、検査までの工程がわずか 18 時間で完了する、という。

今回、3Dプリント出力したリモート制御デバイスの試作品の外寸は 16 x 33 x 1.6 mmで、現在は品質試験を行っている。同社はこのIoTデバイス試作品について、今後は双方向でシグナルの送受信可能な通信デバイスとしての効率的拡張を見込んでおり、スマート家電や自律運転自動車製造マーケットでの実用化が考えられるとしている。スマート家電化と小型化が加速するなか、設計した PCB が機能するかどうかが 24 時間以内で判定できるようになるのはこの流れにも適っているとしている。

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2019年4月22日月曜日

ケンタッキー州のカフェでラテアートプリントのサービスを開始

米国ケンタッキー州発:オーエンズボロ市で直営カフェを運営する The Creme Coffee House は現地時間 4 月 16 日、店で撮影した顔写真をラテアートとして3Dプリントする新サービスを開始した。

このアイディアは、同社オーナーの Adam Patterson 氏がイスラエル旅行中に偶然、稼働中の「 Vevor 3D Latte Coffee Printer 」を見つけたのがきっかけ。同氏はたいへん気に入り、すぐに自社店舗用に1台を発注したという。

同店はケンタッキー州で唯一、3Dプリントラテアートを提供するカフェで、同プリンターの購入金額は 750 米ドル。ただし使用説明が英語で書かれてなかったため組み立てから起動までが煩雑だったという。現在はトラブルシューティングをマニュアル化して運用に充てている。

このラテアートサービスは20オンスサイズカップ[約 590 ml、Starbucks で言う「ベンティ」サイズ]の「ホットラテ」および「カプチーノ」に対応。サービス実施日は毎週月曜日のみだが、店舗スタッフのプリンター操作の熟練度が上がればさらにサービス実施日を増やすとしている。また、現在は店内で撮影した画像のみプリントアウト可能だが、今後はネットや SNS からダウンロードした画像のラテアートも提供してゆきたいと話す[動画クリップは日本国内でのラテアートプリントサービスの例]。





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2019年4月16日火曜日

3Dプリントで血管組織も備えた人工心臓の作成に世界で初めて成功

イスラエル発:現地時間 4 月 15 日、テルアビブ大学の研究者グループが人間の生体組織から3Dプリントで血管組織を備えた心臓の作成に世界で初めて成功したと発表した。

発表したのは同大学分子細胞生物学 / バイオテクノロジー部教授 Tal Dvir 氏らの研究グループ。Dvir 氏によると、血管や心室まで備えた心臓を丸ごと3Dプリントしたのは今回が初めてだという。

同グループは、心臓疾患を持つ患者から採取した脂肪細胞から心臓細胞や内皮細胞へと分化する幹細胞を作成、コラーゲン、タンパク質を含む生体分子から生成したバイオインクを使用して心臓を3Dプリントしたという。作成した人工心臓の大きさはウサギの心臓ほどの大きさで、まだ自律的な拍動もできていない。だが、Dvir 氏によれば、人間の心臓も基本的には同じ技術を用いて3Dプリントで作成することは可能だという。

過去にも軟骨や大動脈弁といった生体組織の3Dプリントに成功してはいたが、毛細血管を含む血管組織は再現されていなかった。これがなければ心臓組織は機能さえしない。今後は動物実験で実際の心臓移植を目指すとしている。




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2019年4月8日月曜日

Formlabs が「 Form 2 」後継2機種を発表

米国マサチューセッツ州発:デスクトップ型 SLA 3Dプリンターベンダーの Formlabs は現地時間 4 月 2 日、同社の主力製品「 Form 2 」の次世代プロフェッショナル向けモデル「 Form 3 」と、大型造形専用機「 Form 3L 」を発表した。

新型は「低圧剥離光造形(LFS)」と呼ばれる新方式を採用したことが大きな特徴。従来製品では積層硬化面と樹脂トレイ底面との癒着を防ぐためのワイパー機構を必要としたが、フレキシブルタンクに加え、モジュール化されたレーザー発振器と鏡を内蔵した光プロセスユニット(LPU)じたいを可動式にすることで従来型機以上の表面仕上げおよび工学的安定性を向上させるとともに、プリントのスピードアップも実現させた、としている。

同時発表された大型物製造に特化したモデル「 Form 3L 」は、 体積比で「 Form 3 」の約 5 倍の大型製品のプリントアウトが可能。最大造形容積は 200 x 335 x 300 mm で、2基の独立したレーザー光源を搭載するため高速なプリントが可能としている。モジュール化された LPU は連続稼働型にアップグレードすることもできる。

また同社は、製品試作目的に特化した樹脂素材「 Draft Resin 」も併せて発表。「 Draft Resin 」は 300 μm の積層ピッチを設定しており、標準的樹脂素材より3 ~ 4倍のスピードで造形が可能になっている。

販売価格は「 Form 3 」が 3,499 USD、「 Form 3L 」が 9,999 USD。「 Form 3 」はすでに北米市場では出荷を開始しているが、「 Form 3L 」は 2019 年第4四半期以降に出荷開始が計画されている。日本を含むアジア太平洋市場には、2019 年後半にも販売を開始する予定とのこと。




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2019年3月31日日曜日

Aleph Objects、同社発の業務用デスクトップ3Dプリンター「 LulzBot TAZ Pro 」をリリース

米国コロラド州発:3Dプリンターベンダー Aleph Objects はこのほど、業務用デスクトップ3Dプリンター「 LulzBot TAZ Pro 」をリリースした。

この新型機は、同社のオープンソースベースの3Dプリンター「 LulzBot TAZ 」シリーズの業務用モデルという位置付け。造形容積 280 x 280 x 285 mm と従来製品より大型の3Dオブジェクトの製作が可能。Z軸は新開発のベルトドライブにより高速化と造形品質向上が図られているという。操作は内蔵5インチのフルカラータッチパネルですべて行えるようになっており、造形ベッドの自動調整機能、X、Y、Z軸の自動キャリブレーション機構、およびエクストルーダーノズル自動クリーニング機構を標準搭載。

また、独立昇降機構によるデュアルノズルと 360°パーツ冷却機構の採用で、ほぼ同じ融点を持つ異なる素材間での造形作業もスムーズに行え、フレキシブル素材と業務用ポリマー素材の作業途中での切り替えも可能。フィラメント切れを警告するセンサーも内蔵する。筐体は硬化鋼製で、複合素材から発する高熱にも耐えられる設計となっている。

現在、「 LulzBot TAZ Pro 」は予約販売を受け付けており、出荷は 4 月下旬以降の予定。同社は「 LulzBot TAZ 6 」の高速化と高精度化を図った後継製品の市場投入も計画しており、詳細は 5 月 1 日に発表するとしている。

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2019年3月17日日曜日

「デジタルスレッド」による3Dプリント管理を可能にするモバイルアプリをリリース

米国カリフォルニア州発:3Dプリント処理ソフトウェアサービス会社 Authentise はこのほど、新しいモバイル向けデータ駆動型ワークフロー管理Webアプリケーションを開発したと発表した。

この新モバイルアプリは、製造から後処理までの3Dプリント生産プロセスの各段階をすべてデジタル化して追跡可能にする「デジタルスレッド」と呼ばれる仕組みを実現するためのツール。組み込まれたQRコードをシンプルな UI 上でスキャンするだけで、サポート材除去や検証といった3Dプリントプロセスの追跡が可能になるとしている。

同社によると、このモバイルアプリは各プロセスにおけるパーツ生成の管理と、顧客に行うトレーサビリティ報告の詳細化を目的として開発したという。送信データは同社の機械学習アルゴリズムにフィードバックされ、製造時間予測や品質予測の向上に役立てられる。

新モバイルアプリは近日中に Google Play 上で試用配布される予定。





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2019年3月10日日曜日

Massivit、大型造形物専用3Dプリンターの新製品を発表

イスラエル発:3Dプリンターベンダー Massivit 3D Printing Technologies はこのほど、大型オブジェクト造形専用3Dプリンター「 Massivit 1800 Pro 」を「第 27 回上海国際広告 / サイン テクノロジー & エクィップメント見本市」で発表した。

今回発表された新型3Dプリンターは上位モデル「 1800 Flagship 」、および「 1500 Experimentation 」と同様にサインや POP ディスプレイ、キャラクター、展示装飾などの大型造形物の3Dプリント出力に特化した3Dプリンターとなっている。

「 Massivit 1800 Pro 」は従来型より造形解像度と造形物の耐久性を向上させつつ、プリントプロセスのコストパフォーマンスも高めたとしている。素材の材質に応じて柔軟に解像度を調整可能な解像度可変機能を搭載し、各部位でさまざまに異なる要件に応じて解像度と層厚を造形中に変えることができる。

新型機も従来機と同じく専用ゲル素材を使用して造形を行うが、新機能の「メガクオリティ解像度」が実装され、ゲル消費とプリント作業時間の短縮により、生産ワークフローも最適化されるという。操作は独自インターフェイスの「 Massivit Smart Pro 」ソフトウェアで行う。また、タブレット端末経由での遠隔プリント操作と監視機能も追加された。

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2019年2月25日月曜日

見る角度によって色が変わる3Dプリント新素材を開発

オランダ・ヘルダーラント州発:ヴァーヘニンゲン大学研究者グループはこのほど、見る角度によって異なる2色に変化する3Dプリント用新素材を使用して小型ゴブレットの試作に成功したと、専門誌 Beilstein Journal of Nanotechnology 電子版上に発表した。

この新素材はポリビニル・アルコール(PVA)と、ごく微量の金粒子(全体の 0.07 %)とを混合して作成。見る側とおなじ角度から入る光源からは金粒子が光を反射して不透明な茶色に見えるが、反対側から光を受けると光は3Dオブジェクトを透過して全体が透明感のあるバイオレット色となる。市販の一般的な3Dプリンターでも使用可能だ。

現在、同グループは他のナノ粒子と樹脂素材との組み合わせで生じるさまざまな色彩効果を検証し、さらに改良を重ねている。




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2019年2月18日月曜日

NASA、ISS にプラスチック再利用可能な新型3Dプリンターを設置

米国発:米国航空宇宙局(NASA)は、国際宇宙ステーション(ISS)に昨年11月に運ばれた3Dプリンターとプラスチック再利用装置の設置をこのほど終えたと発表した。今回の再利用装置付き3Dプリンターは 2014 年に ISS に設置された Made In Space 製3Dプリント設備「 zero-G 」につづくもの。製造元によれば、プラスチック部品のリサイクルにより、ISS 内での部品製造でどれだけのコスト削減が可能になるかが今後の実験で明らかになるだろうとしている。

ISS に設置された3Dプリンターとプラスチック再利用装置はワシントン州に本拠を置く宇宙ベンチャー Tethers Unlimited 製。同装置は NASAの「スモールビジネス・イノベーション研究プログラム」から2,500万ドル契約で受注し、製造されたもの。NASA によれば現在、数週間後に開始される実験に向けた最終調整に入っているという。

同3Dプリンターは小型冷蔵庫ほどの大きさで、ISS 内の設置作業では同社エンジニアが地上から交信して設置作業を支援した。

同3Dプリンターと再利用装置を ISS まで運搬した無人宇宙補給機 Cygnus は、81日間の ISS ミッションを終えて分離された。分離後は5基の超小型衛星を軌道上に放出、その後は計画された再突入ルートに従って下降、燃焼廃棄される予定。





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2019年2月9日土曜日

米の開発グループがオブジェクト全体を一気に造形可能な3Dプリント方式を開発

米国カリフォルニア州発:カリフォルニア大学バークリー校、およびローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)の研究者グループはこのほど、非積層方式の超高速3Dプリント技術を開発、研究成果を学術誌 Nature 電子版上に発表した。

同グループが開発したのは、「コンピュータ制御軸リソグラフィー(CAL)」と呼ばれる光硬化造形の新方式。これは従来のように「積層」するのではなく、回転容器に入れられた感光性アクリレート樹脂がプロジェクターから発したビームを受けて固結、一気に3Dオブジェクト化される、というもの。同グループの電気工学者 Hayden Taylor 氏によれば、コンピュータ断層撮影(CT)にも似た方式だが、そのプロセスはすべてCT とは逆になる、という。つまりビームの被写体側が回転し、そこに全方向撮影のデジタルデータが光のさまざまなパターンとなって投射され、もっともビームを強く受けた部分のみが固結してそれ以外の樹脂を排出すれば完成となる。3Dプリンター本体も市販のプロジェクターを改造したもので、彼らは『スター・トレック』に登場する架空マシンに倣って「 Replicator 」と呼んでいる。

この新方式にはたんに造形にかかる時間が大幅短縮されるにとどまらず、オーバーハング形状を含むオブジェクト作成には不可欠だったサポート材などもいっさい不要、というメリットもある。同グループによれば、オブジェクト全体をほぼ一度の投射で造形できるとしている。

また、表面仕上がりも従来の積層方式より滑らかで、柔軟な素材でも加工が可能になるという。現時点ではまだ粗さが残るものの、ロダンの「考える人」のミニチュア版もたちどころにプリントアウトされる。

また同グループによれば、この新方式は完成したオブジェクトの全方向画像データを処理して、通常の2D画像として出力するリバース処理も可能になるだろうとしている。




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2019年1月23日水曜日

一般家庭から出たプラスチックごみを3Dプリントでリサイクル

ギリシャ発:オランダのデザインリサーチ会社が立ち上げた Zero Waste Lab は、プラスチックごみを3Dプリントリサイクルする市民参加プロジェクトを各地で展開している。

ロッテルダムに本拠を置く同社はテッサロニキ市内に同ラボを開所し、同市民に自宅から出たプラスチックごみをこのラボに持ち込んでもらい、ラボ備え付けのプラスチック樹脂再生設備(粉砕機とロボットアーム式大型3Dプリンター)で快適なベンチ兼植木鉢にもなるスタイリッシュな調度品として再び提供するプロジェクト「 Print Your City 」を開催中だ。

同ラボは、Coca-Cola の展開する製品回収プログラム「 Zero Waste Future 」の一環。関係者は、プロジェクト終了時には4トンのプラスチック廃棄物が独創的デザインの家具などに生まれ変わると期待を寄せる。また、地域住民は廃棄プラスチックのリサイクル工程と循環型社会について学習することもできる。昨年12月以降、すでに 3,000 件以上のプロダクトデザイン案が市民から提出された。


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2019年1月13日日曜日

ミシガン大学研究者、従来比約100倍の超高速で出力可能な3Dプリンターを開発

米国ミシガン州発:ミシガン大学の研究者グループはこのほど、従来機の約100倍という超高速で出力可能な3Dプリンターの開発に成功したと専門誌 Science Advances 電子版上に発表した。

同グループが開発した方式は光造形方式のひとつになるが、光硬化を起こす光源とはべつに光硬化を阻害する別光源からなるデュアル光源方式を採用した点が異なる。2基の光源からはそれぞれ近紫外線と、それより波長の長い 458 nm のブルーライトが重ねて照射され、照射窓近くの樹脂が張り付くといった従来型機の欠陥を解消すると同時に、高速プリントアウトを可能にしたという。

この新方式は同一製品の少量生産効率化を実現できるとしている。小規模製造業者にとっては従来のFDM方式などの3Dプリント技術だと、数千点単位の製造規模の場合はかえって製造コストが高くついたりするからだ。

同開発グループはすでに3件の特許申請を行っており、新型3Dプリンターのスタートアップを起業したいとも考えている。



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2019年1月4日金曜日

ケンブリッジ大学研究者グループがピアノ演奏可能な3Dプリントロボットハンドを世界で初めて開発

英国ケンブリッジシャー発:ケンブリッジ大学の研究者グループはこのほど、単純なフレーズをピアノで演奏可能な3Dプリントロボットハンドを世界で初めて開発した。彼らの研究成果は専門誌 Science Robotics 電子版上に発表された。

同グループによると、今回開発したロボットハンドは3Dプリントで出力した硬軟の素材を結合させて製作したもの。人間の手の骨と靱帯組織の動きを再現して手首を動かすことで、ピアノの鍵盤を叩くことができる(ただし、筋肉および健の動きは再現されていない)。それでも同グループでは、今回のように人間の手の機械的動作の部分的再現に留まっていても、驚くほど幅広い動きが可能なことを発見したという。今回の試作を通じて、最小限のエネルギー消費で従来より一段と自然な動作をするロボットデザインのヒントが得られるだろうとも指摘する。

研究者らはごく短い音型をそれぞれスタッカート / レガートで弾き分けるようプログラムし、ロボットは手首の動きだけでプログラムどおりに弾き分けることができた。

現時点ではまだ制約が多いものの、研究者らは人間の骨の運動原理に関する研究を進めてより複雑な動きを可能にしたり、受動運動系の制約がどこにあるかを学習できるようになるだろうと期待を寄せる。この3Dプリントロボットハンド開発には工学 / 物理科学研究評議会(EPSRC)が資金援助を行った。




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