米国 / ウクライナ発:Volodymyr Usov 氏は 2013年、キエフ市内で開催されたテクノロジーカンファレンス「 IDCEE 2013 」会場で、初めて3Dプリンターに触れた。その時、3Dプリンターが人類に対してもたらす可能性は理解したものの、実際に一般ユーザーがゼロから3Dオブジェクトをプリントアウトするのは依然として敷居が高すぎることも痛感した。
そこで同氏は、誰もが容易に3Dプリントできるオンライン プラットフォームを提供すべく、Kwambio をニューヨーク市で起業した。
Kwambio では Apple のアプリストア「 App Store 」と同様の事前審査を実施し、通過したプロのデザイナーのみ3Dモデルデータを公開できる。利用者は数回のクリック操作で3Dモデルの形状や色を好みにカスタマイズし、あとは各自の3Dプリンターに転送するだけ。利用者が購入した金額の7割がデザイナーに支払われ、残りは Kwambio 側の手数料となる。現在はベータテスト版で、2014 年末時点で約 200 件のデザイナーズモデルが登録されている。利用者数は 1,500 人ほどで、その内訳は米国、英国、フランス、ロシア、ウクライナとなっており、うち 42% を米国利用者が占めている。ちなみにウクライナ国内の3Dプリンター所有者数は、わずか 30 人ほどだと言われている。
Kwambio は昨年 10 月に開催された IDCEE スタートアップコンペティションで優勝し、賞金 17,000 EUR を獲得した。また、オデッサの投資家からも多額の投資を受けている。
Usov 氏は次のように述べている。「世界に同じ人間は1人としていない。作品もそうであるべきだ。弊社プラットフォームの最大の利点は簡単にカスタマイズでき、便利なことにある。次いで、必要な3Dモデルデザインを安心して提供できること。海賊版を作成される恐れがあるため、プロデザイナーはあまり3Dモデルデータを公開したがらないが、Kwambio ではセキュリティが担保されているという強みがある」。
現在、Usov 氏ら開発チームは4月にニューヨーク市内で開催予定の3Dプリント展示会でのプレゼンテーションの準備中で、その後、Kwambio サービスを正式公開する予定だ。
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カナダ発:3Dプリンターの低価格化と関連アプリケーションの拡充が進行中の今、世界中の起業家、ホビイスト、アーティスト、そして一般消費者も3Dプリンティングに強く惹きつけられ始めている。
バンクーバー市にあるカナダ西海岸最大級のメイカースペース MakerLabs の共同設立者 Derek Gaw 氏は言う。「起業家からアーティストまで、様々なメイカー達がとてつもない製品を作っている。3Dプリントの持つ可能性に気付いた彼らの顔の輝きを見るだけで、もう満足だ」。
以下、ブリティッシュコロンビア州で3Dプリントサービスを提供する個人と企業を5つ紹介する。
Corbel 3D は「自分撮り」3Dフィギュア出力サービスから、映画製作者、視覚効果プロデューサー、エンジニア、不動産業者、ビデオゲーム開発者、歯科医、外科医、建築家といったプロユース対応品質の3次元スキャニングと3Dプリントも請け負う。同社はバンクーバー市で創業したが、特殊効果産業への3Dプリントビジネスを展開すべく、昨年5月に本拠を内陸のエドモントン市に移転した。
同社の個人向け3次元スキャニングサービスでは、128 台のデジタルカメラで全周撮影した被写体画像をつないだ3次元データを基にミニフィギュアを3Dプリントする。フィギュアはポリマー樹脂製で、撮影後1週間ほどで完成する。5インチ( 12.7 cm )モデル1体の価格は 250 CAD、6インチモデルは 340 CAD。
Aspect Biosystems Ltd.
はブリティッシュ コロンビア大学でコンピューター工学を教える Konrad Walus 氏と同大学の研究施設に所属する細胞生物学者 Sam Wadsworth 氏などの混成チームからなるバイオプリント会社で、2013 年 11 月に設立された。従来方式による新薬開発には巨額の開発費用とリスクが付き物だったが、同社はこの問題を3Dバイオプリントによって解決しようとしている。
同社 CEO Walus 氏は8年ほど前からバイオプリンティング研究に取り組んできた。現在、同社には3名のエンジニアと2名の生物学者が所属している。目下、Walus 氏らのチームは、肺線維症患者に検査薬を確実に投下可能な人工気道組織の3Dバイオプリントに従事している。将来は移植可能な人工臓器の3Dバイオプリント技術を開発したいとしている。
Wiivv Wearables Inc. は5年前、Louis-Victor Jadavji 氏がバーナビー市で開かれた競技会場で走り高跳びの最中に着想された。膝関節を脱臼した Jadavji 氏は矯正器具を特注したが、「慣れるのにかなりの苦痛を伴った。こんなので本当に良くなるのか、今考えても非常に非科学的だった」。
それ以来、同氏はオーダーメイド インソールの価格をもっと下げられないか模索してきた。自動車部品の3Dプリント体験を経て、この新しい技術こそ、求めていた答えになるかもしれないと考えた。
昨年7月、友人の Shamil Hargovan と共に、バンクーバー市で Wiivv を起業、次世代型オーダーメイド矯正器具の開発と販売を目指した。来月から、同社は3Dスキャンと3Dプリントによるオーダーメイド インソールの製造と販売を開始する。顧客はスマートフォンの専用アプリを使用して自身の足のサイズを計測し、それを同社サイト上のカスタマイズ エンジンに送信、そのデータを基に3Dプリントする仕組み。インソールは医療用ナイロン製で、販売予定価格は 99-175 USD 。最安価製品は従来製品の 800 分の1の出費で入手できる。
また同社は矯正器具にバイオセンサーを追加し、歩幅や消費カロリーといった記録も残せるように改良する予定だという。
ビクトリア大学機械工学科教授 Nick Dechev 氏は、手の切断手術を受けた中南米諸国の人々のための3Dプリント義手の開発に従事している。
同氏が義手の設計を始めたのはトロント大学修士課程在籍中の 1999 年だったが、当時は高額だったため、その後 15 年間、保管されたままだった。そこへ登場したのが、3Dプリントという白馬の騎士だった。
3Dプリンター価格の急激な低価格化が始まった5年前、Dechev 氏は自分の開発した義手がついに日の目を見ることを確信した。
Dechev 氏と数名の学生達は、低賃金国の貧困層の健康向上を目指す連邦政府出資の団体から資金援助を得て、義手の3Dプリント化に着手。従来方式では製作費用が 10,000-18,000 CAD もかかっていたのと比べ、こちらは 200 CAD ほどしかかからない。
グァテマラやアフリカの一部、東南アジアでは戦争や糖尿病といった理由で手足を失う確率が依然高い。同氏は言う。「そういう事態に陥ると、たちまち社会の最下層へと落ち込む。これはあまりにもむごいことだ。グァテマラでは中間層でさえ人工装具を買うことができない」。
「 Victoria Hand 」と名付けられた同氏開発の3Dプリント義手は 49 のパーツおよび鉄ピン、ネジ、バネから構成され、プリント完成まで 20 時間、組み立てには3-4時間を要する。「 Victoria Hand 」はデリケートな動作にも対応し、刃物類、鉛筆、歯ブラシ、靴紐なども楽に扱えるという。「指は閉じることもできるし、完全ではないがそれぞれの指を動かすこともできるので、様々な形状の品物もつかむことができる」。Dechev 氏は、10 月にも現地で実地試験に臨みたいとしている。
Eugene Suyu 氏は 2010 年、サイモンフレーザー大学在学中に3Dプリントに夢中になった。そして、世界中の家庭と教育機関には手頃な価格のデスクトップ型3Dプリンターが必要になると感じた。同氏と3人の友人がバンクーバー市で起業した Tinkerine.com の最新作が、「 DittoPro 」だ。昨年5月にリリースされたこの3Dプリンターは同社の第3世代機種で、販売価格は 1,999 CAD。環境にやさしい PLA フィラメントを採用している。
「 DittoPro 」はオンラインマガジン「 Make: 」サイト上で、「美しいデザインと性能がマッチした3Dプリンターで、廉価機種ながら、上位のベスト3Dプリンター数機種に匹敵するスコアをマークしている」と評価された。ユーザーフレンドリーでインテリアにもなる3Dプリンター作りを目指す同社はまた、3Dプリント教育にも力を入れている。
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イタリア発:ミラノ市に本拠を置くスタートアップ Ontic Design はこのほど、3Dプリント ジュエリーの第一弾「 Eidos 」シリーズの取り扱いを開始したと発表した。
「 Eidos 」はモジュール型の女性向けブレスレットシリーズで、ダークナイロン、銀、金メッキ真鍮の組み合わせから選べ、 中心にはオリジナルデザインのアイコンを配することができる。アイコン用アートワークは同社 Web サイト上に公開されており、ブレスレット本体との接続はマグネット方式。現時点では完成品の出荷は欧州の顧客に限定されている。
Ontic は欧州で事業展開する3Dプリントサービス数社と提携し、最適な加工技術と素材を提供している。3Dプリントを始めとする最新デジタル技術とイタリアの伝統的なクラフトマンシップとを融合させたジュエリー製作を手がける。
同社は共同創業者の Erica Tacconi、Nathan Gray 両氏によって昨年、ミラノ市内のアパートの一室で設立された。ジュエリー好きの Tacconi 氏と、テクノロジー好きの Gray 氏というカップリングは、自然とデジタルアートとモダンジュエリー デザインの結合という形になった。同社はプログラマー、デザイナー、開発者、ハッカーと緊密に連携し、見た目も美しいアイコン製作用双方向型デザインツールを独自に構築している。
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シンガポール発:南洋理工大学( NTU )の学生チームはこのほど、世界初の3Dプリント ソーラーカー「 NV8 」を開発した。「 NV8 」は今月 26 日から4日間に渡り開催されるエコカーレース「 Shell Eco-marathon Asia 2015 」の都市コンセプトカー部門にもエントリーしている。
「 NV8 」はカーボンファイバー製モノコック シャシー上に、3Dプリントで製作したキャビン部が乗っている。キャビン部は軽量プラスチック製で、最大限のスペースを確保している。
開発チームリーダーの Ilmi Bin Abdul Wahab 氏は次のように述べている。「軽量プラスチックの3Dプリント キャビンを作ったのは、内部空間を目一杯取りたかったのと、総重量をできる限り軽くするためだった。出場するのは都市コンセプトカー部門だが、エネルギー消費は低く抑えつつ、最高時速 60 km を達成した」。
また、別の NTU 学生チームは3輪レーシングカー「 NV9 」も開発した。「 NV9 」は2輪車のようなティルト機構を搭載し、あまり速度を落とさずにコーナリングを可能にしたレース専用車となっている。
「 NV8 」開発チームは当初、スーパーカー型コンセプトカーを製作するつもりだったが、垂直方向に開閉するドアを持つミニソーラーカー製作に転じた。同開発チームによれば、学内の3Dプリンターを総動員し、多種素材を用いて行った組み立て工程が大変で、3Dプリント キャビンの製作だけで3か月かかったという。キャビン部に使用した部品は 150 点に上り、学生チームは同大他学部や Stratasys、Creatz3D といった協賛企業、およびシンガポール-MIT リサーチテクノロジーセンター( SMART )といった機関から助言を受けて完成させた。
両車両とも、低エネルギー消費を最大の目標に掲げて開発されている。そのため学生達は車体面に沿って柔軟に曲げられるシリコンソーラーセルといった最新技術を活用し、太陽光エネルギーを最大限取り込めるよう工夫を凝らしている。
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ドイツ・ニュルンベルク発:FDM 方式の3Dプリンターはエクストルーダーノズル付近が 200 °C を超えるような高温になり、またプリンター内部には高速稼働する機構もあるため、ユーザーが子供の場合、取り扱いは特に細心の注意が必要になる。
ニュルンベルクでこのほど開催された国際玩具見本市「 Spielwarenmesse ( 会期:2015 年1月 27 日-2月1日 )」で、日本の3Dプリンターベンダー BONSAI LAB, Inc. は子供でも安全に取り扱える3Dプリンター「 BS Toy 」を発表した。
東京都港区南麻布に本拠を置く Bonsai Lab は 2013 年 12 月に設立された3Dプリンターのスタートアップ。「 BS Toy 」開発に当たり、フィラメントベンダー Polymakr LLC と組み、専用フィラメント「 LT80 」を共同開発した。このフィラメントは融点が 80 °C に設定されており、 180 °C 近辺まで加熱する必要がある従来の PLA 製品と比べはるかに低温で造形可能になっている( ABS フィラメントはさらに高温まで加熱する必要がある )。またこの専用フィラメントはアメリカ食品医薬品局( FDA )の安全認証も取得している。「 BS Toy 」の販売予定価格は現時点では未定だが、今年中の販売開始を目指しているという。
Bonsai Lab「 BS Toy 」の主な仕様:
本体外形:200 x 200 x 200 mm
本体重量:2kg
造形サイズ:130 x 125 x 100 mm
ノズル径:標準 0.4 mm、オプションで 0.2-0.5 mm も選択可能
フィラメント:LT80 フレキシブル フィラメント
→ 参照元記事1.
→ 参照元記事2.
スペイン発:ハードウェアベンダー bq はこのほど、DIY 方式オープンソース3Dスキャナー キット「 Ciclop 」を公開した。制御回路と電源、micro USB などの接続ケーブル、ワッシャーやナット以外は全て3Dプリンタブル。ファイルは GitHub サイトからダウンロードでき、極めて安価な材料費のみで組み立てられる。
このようなオープンソースの3次元スキャナーは、既に「 FabScan 」や「 MakerScanner 」などがあったが、いずれも専用キットを購入する必要があった。対して bq の「 Ciclop 」は3Dプリント DIY 可能な仕様となっている。bq によれば、組み立てに必要な経費は 500 USD もかからないとしている。
3Dスキャニングソフトはマルチプラットフォーム対応の「 Horus 」を採用。 「 Horus 」は Python で書かれたオープンソースソフトウェア( GPL v2 license )。こちらも無償公開されており、ソースコードやアルゴリズムの変更 / 改訂を他の開発者が自由に行うことができる。同ソフトにはデータキャプチャ、イメージ3次元処理、キャリブレーション、3次元点群生成等の機能が含まれている。対応ファイルは .ply、.stl、対応 OS は Ubuntu、Fedora、Windows 7 / 8。
3次元センサーを構成するのは Logitec 製「 Logitech C270 HD webcam 」と class1ラインレーザーモジュール2基を搭載した ZUM BT-3288 ボードで、Bluetooth または USB 経由で接続した PC から操作する。
スキャン可能容量は 205 x 205 mm、スキャン精度は 0.5-5mm。スキャンテーブル直径は 20 cm。メタクリル樹脂製で、天面は滑り止め防止ラバーが覆う。
→ 参照元記事
米国サンディエゴ発:ファインスタイン医学研究所は現地時間1月 28 日、サンディエゴ市で開催された「第 51 回 米国胸部外科医学会年次総会」において、3Dプリント技術を応用した新たな気管修復 / 復元術を開発した発表した。
発表したのはホフストラ大学ノースショア LIJ 医学部博士課程に在籍する Todd Goldstein 氏。同氏はノースショア LIJ 医療システム 外科医チームと共同で、1年がかりで3D技術を用いた気管修復術開発に取り組んできた。
Goldstein 氏らの開発した方法は、「 MakerBot Replicator 2X Experimental 」を使用して、一方のノズルから PLAベースのバイオ素材から成る足場材を、もう一方のノズルからは軟骨細胞やコラーゲンなどからなるバイオインクを吹き付けて軟骨組織を生成するというもので、長さ5cmの気管組織なら2時間以内で生成可能だとしている。生成後、バイオリアクターに入れて均一に増殖させて移植する。これは3Dプリントと組織再生医療とを組み合わせた手法で、腫瘍や気管内チューブ挿管術、鈍的外傷等で傷ついた気管組織の修復と復元に役立つという。また同氏によれば、バイオリアクターも手持ちの別の MakerBot Replicator を使用して既存の培養器を改造したもので、足場材生成に使用したのも市販の PLA フィラメントだという( 加熱時に殺菌されるため安全だとしている )。
Goldstein 氏は次のように述べている。「気管組織の3Dプリントは、未だ未開拓の分野。せきやくしゃみなどの動作に耐え、しかも首は自由に動かせる柔軟性を持たせなければならない。3Dプリントで足場を作れば、その都度外科医が検査して対応できる。人工細胞は3Dプリント中でも損傷しなかったし、その後も順調に分化し続け、気管軟骨細胞から細胞外マトリックスが目論見通り生成された」。
Goldstein 氏らのチームが開発した手法が実用化されるまでにはさらなる研究が必要だが、気管修復術を一変させる可能性がある。とりわけ小児外科に対しては患者の成長とともに柔軟に処置可能なので、その効果は大きいといえるだろう。
→ 参照元記事1.
→ 参照元記事2.