2015年9月29日火曜日

UCT が東南アジア地域最大の3Dプリントセンターを稼働へ

シンガポール発:米カリフォルニア州ヘイワード市に本拠を置く Ultra Clean Holdings, Inc. ( NASDAQ:UCTT )子会社 Ultra Clean Asia Pacific Pte. Ltd( UCAP )は現地時間 9 月 28 日、シンガポール市ウッドランズ地区において東南アジア地域最大規模の3Dプリントセンターを稼働した。

同センターは既に昨年 11 月から試験稼働していたが、UCT 側はアジア地域の製造業支援強化のため、同センターの3Dプリントサービスを拡充させた。貴金属やセラミックを含む 17 の素材から3Dプリントができるようになったとしている。

新施設は個人、産業双方を対象とした3Dプリント全般を網羅するサービスを提供する。産業用としては主に航空宇宙、医療部門をターゲットにプロトタイピング、3Dエンジニアリングを請け負う。コンシューマー向けサービスとしては、同社は i.materialise.com.sg というマーケットプレイスも用意している。

UCT は組立、加工、溶接等の受託サービスを請け負っており、アジア太平洋地域の統括拠点として 2008 年に UCAP を設立した。同社のアジア地域の拠点は UCAP の他に上海に2か所、フィリピンに1か所ある。

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2015年9月27日日曜日

瞬時に固まるゲル内に複雑な造形を可能にする新しい3Dプリント技術を開発

米国フロリダ州発:フロリダ大学航空宇宙工学科助教 Thomas E. Angelini 氏率いるソフトマター研究所グループはこのほど、特殊な性質を持つゲル内にコロイド等のソフトマター素材から成るインクを注入し、内部で「宙吊り」状態にして複雑な形状を自由に造形する新たな3Dプリント技術を開発したと 電子版科学ジャーナル Science Advances 上に発表した。

同グループによると、形の崩れやすい液体状物質を粒状ゲル内に閉じ込めることで、通常の硬質素材による3Dプリントでは造形不可能な形状物の作成に成功した。7µm 粒状ヒドロゲル母体として使用するのは市販の Carbopol® ETD 2020 ポリマーで、このゲルは力が加わった瞬間、固体から液体へと変化する特性を持つ。このゲル母体に様々な粘性を持つポリマー素材やコロイド、バイオ素材等を注射器状の針先からインクとして注入すると、その衝撃で周囲のゲルが液化し、その後内部のインクを永久固定する。Angelini 氏らはこの技術を用いて、マトリョーシカ状の入れ子式オブジェクトや結び目などの複雑な形状物を試作した。いずれも従来の3Dプリントでは作成不能なデザインだ。

Angelini 氏は次のように述べる。「現在、大学病院の外科医のために3Dプリンターの開発に取り組んでいる。我々は既にヒドロゲルから脳全体の 1/4 スケールモデルを作成した」。

だが、英マンチェスター大学材料科学科教授 Brian Derby 氏によれば、流体内の中空にドローイングするという技術自体は既に存在するという。「今回、極めて敏感に反応するポリマー素材をゲルとして使用した点は目新しいが、用途は非常に限定的で、作成に時間がかかる」。

また同氏は、ヒドロゲル内のプリント物の取り出しが困難な点も指摘している。この点は Angelini 氏も認めており、新しいゲル素材を開発中だとしている。



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2015年9月26日土曜日

Kickstarter で記録的な資金調達を果たした「 The Micro 」にリテール版が登場

米国メリーランド州発:3Dプリンタースタートアップの M3D LLC は昨年、「真のコンシューマー向け3Dプリンター」と銘打った「 The Micro 」の Kickstarter 資金調達キャンペーンが 340 万 USD を突破してギネス世界記録に認定されるほどの大成功を収めて話題になったが、今月 26 日にニューヨーク市で開幕した「 World Maker Faire 」に「 The Micro 」を出展すると同時に、同機リテール版の販売も開始する。

同社によれば、「 The Micro 」リテール版は Amazon.com、Micro Center 等国際展開する EC サイト上で売り出す予定。*  リテール版の販売価格はベアボーンキットとして販売中の「スタンダード版」より若干高い 399-449 USD。

「 The Micro 」リテール版には1年保証、同社製 3D Ink フィラメント( Φ=1.75 mm )1スプール、複数台サポートライセンス等が付属する。

今年で6回目を迎えたニューヨーク市の「 World Maker Faire 」は翌 27 日まで、同市クイーンズ区のニューヨーク科学ホールで開催される。

*… M3D LLC の「 The Micro 」日本での購入は、こちらが同社の正規輸入代理店となっている。

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2015年9月23日水曜日

Formlabs が最新版デスクトップ SLA 3Dプリンター「 Form 2 」をリリース

米国マサチューセッツ州発:MIT 出身のエンジニア達によって 2012 年に設立された3Dプリンタースタートアップ Formlabs は現地時間 9 月 22 日、デスクトップ SLA 3Dプリンターの最新版「 Form 2 」のリリースを発表した。同社は「 Form 1 」開発時、 Kickstarter 上で 280 万ドルもの資金調達に成功している。今回発表された新型モデル「 Form 2 」は、設計をゼロからやり直したまったくの新開発製品だという。

同社共同設立者 Max Lobovsky 氏は次のように述べる。「旧モデル[ Form 1、Form 1+ ]開発を通じて、弊社はプロのエンジニア、クリエイターなどから簡単に扱える強力な3Dプリンターの必要性を学んだ。コンパクトなデスクトップ型でありながら高解像度の Form 2 は、3Dプリント産業にとって第2の波となるはずだ」。

「 Form 2 」の最大造形容量は従来比 40 % 以上増の 145 x 145 x 175 mm。レーザー性能は 250 mW で、従来比で 50 % 向上した。層間解像度は 25 - 200 μm。樹脂槽は専用カートリッジから自動的に最適な効率で注入される機構を採用し、樹脂の無駄を最小限に抑えたという。


また Wi-Fi 経由でモバイル / タブレット端末 / PC からの遠隔操作も可能。フルカラータッチディスプレイを搭載し、「 PreForm 1.9.1 」ソフトウェアを使用すればクリックするだけで簡単にプリントアウトもできるとしている。販売価格は樹脂カートリッジ1L およびクリーニングキット込みで 3,499 USD。

シンガポールに本拠を置く IT 関連市場調査会社 Canalys によれば、3Dプリント市場規模は3年後の 2018 年には 162 億ドル、2013-18 年にかけての5年間の複合年間成長率( CAGR )は 45.7 % と見積もられており、Formlabs はそんなマーケットにおけるシェア拡大を狙う[ 文中の記述に誤りがありましたので、訂正しました ]。



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2015年9月22日火曜日

低コスト & 環境にも優しい3Dプリンタブルな太陽発電パネルを開発

スペイン・カタルーニャ州発:バルセロナ材料科学研究所( ICMAB )が設立したハイテクベンチャー Oxolutia はこのほど、3Dプリントで製造可能なフレキシブル太陽発電パネル「 Solar Oxides 」を開発した。

「 Solar Oxides 」の素材は導電性酸化物という、自然界に無尽蔵に存在する無害で安定した材料だ。従来、このような太陽発電パネルは単結晶シリコンが使用されてきたが、今回の成果により、低コストで環境負荷の少ない持続可能型発電の新たな選択肢になりそうだ。また、輸送、医療、通信といった分野への応用も考えられる。

フレキシブルな発電パネルを製造するために、開発グループは3Dインクジェットプリントと化学溶液塗布( CSD )材料とを組み合わせ、導電性酸化物の薄膜を形成する方法を採用した。彼らによれば、この技術はデジタルファブリケーションおよび積層造形において新しい市場を開拓するだろうとしている。

同社は 2013 年に試験生産施設を設置済みで、来年には製品プロトタイプを生産する計画だ。

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2015年9月20日日曜日

3Dプリントでカキ生育環境の復活を目指せ

米国マサチューセッツ州発:地球温暖化や乱獲などで海産資源の減少が懸念されているが、「海のミルク」カキもまた例外ではない。

1986 年にケープコッドで創業したカキ養殖業者 Woodbury Shellfish Company はカキ養殖用人工リーフを3Dプリントで製作する試みに取り組んでいる。

オーナーの Patrick、Barbara Woodbury 夫妻は海洋学者でもあり、同社は創業以来、一貫して環境に負荷をかけない方法でカキなどの二枚貝養殖に従事してきた。カキを育てる干潟は、他の魚介類にとっても安全な食物供給源であり、カキを守ることが何百もの海の生物の生態系維持にとって不可欠だという。夫妻は過去5年、減少したカキの生息数を増やすことに全力を注いできたが、このほどセラミック3Dプリントサービスの Tethon 3D と干潟の役目を果たす人工リーフを共同開発した。

このセラミック人工リーフは Woodbury 夫妻により、カキの繁殖だけでなく、本来の自然環境を回復させることも考慮されて設計された。成果が現れるのはまだ先だが、夫妻によれば既に良い結果が得られているという。

Pat Woodbury 氏は次のように述べている。「3Dモデリングソフト SketchUp による設計と、Tethon 3D のセラミック3Dプリントによって、当初考えていた通りの設計基準を満たす構造体が短期間で製作でき、湾内の養殖場で試験することが可能になった」。

世界のカキ生育環境の 85 % が乱獲、環境破壊、気候変動で破壊されていると言われている。持続可能素材のみ使用した3Dプリント人工リーフによるカキ生育環境復活への試みが、同時に利益も生むことができれば、他のカキ養殖業者にとっても従来手法からの転換を促すことになるかもしれない。

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2015年9月19日土曜日

世界で初めて神経組織を再生させる3Dプリントガイドの開発に成功

米国ミネソタ州発:ミネソタ大学、ジョンズ・ホプキンス大学、ヴァージニア工科大学など6大学の研究者グループはこのほど、損傷した感覚神経および運動神経再生を助ける3Dプリントガイドの開発に成功したと発表した。研究成果は Advanced Functional Materials 電子版最新号に掲載された。

この3Dプリントガイド開発は画期的で、年間 20 万人以上とも言われる事故・疾病による神経損傷患者を救う可能性を秘めている。

神経組織の再生は複雑なプロセス経て行われ、そのため一度傷ついた神経組織が再生するのは極めて稀なケースで、障害が恒常的に残る場合が多い。

研究者グループの開発した新手法は、3Dイメージングおよび3Dプリント技術を使用して、神経組織の再生を助ける生化学素材を埋め込んだシリコンガイドを生成するというもの。この3Dプリントガイドの有用性はラットを使った実験で実証されたという。

研究者グループ代表でミネソタ大学理工学部機械工学教授 Michael McAlpine 氏は、「今回の研究は、複雑な損傷から神経組織を3Dプリントガイドによって再生させるという概念実証にとって重要な成果を上げた」と述べている。

実験ではラットの坐骨神経組織を切断し、切断部位を3Dスキャンして構造解析したデータを基に3次元イメージを作成。独自開発したバイオ3Dプリンターで坐骨神経の感覚神経分岐と運動神経分岐とを含む「Y」字型の神経ガイドをプリントしてラットの坐骨部に移植した。施術後 10-12 週ほどで、ラットは不完全ながらも再び歩行能力を取り戻したという。

McAlpine 氏は次のように語っている。「いずれは院内に備え付けた3Dスキャナーと3Dプリンターでその患者に最適な神経ガイドをその場で生成し、患者の損傷した神経機能を回復させることも可能になる」。



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