2016年2月29日月曜日

Leica Geosystems がハンドヘルド3Dレーザースキャナー「 Leica Absolute Scanner LAS-20-8 」を発売

英国 / スイス発:Hexagon Manufacturing Intelligence は現地時間 2 月 24 日、子会社 Leica Geosystems 製ハンドヘルド型3Dレーザースキャナー「 Leica Absolute Scanner LAS-20-8 」を発売すると発表した。

同ハンドヘルド型3Dレーザースキャナーは、同社のポータブル型非接触3次元形状測定レーザートラッカー「 Leica Absolute Tracker AT960 」やハンドヘルド型座標測定マシン( CMM ) T-Probe 」と自動連動するよう設計されている。同社によると「 LAS-20-8 」は自動車用シートメタルや航空機製造用金型等、大型で複雑な形状を有する対象物の精密な3次元測定に最適なツールだとしている。最大測定可能容積は約 60 m 四方で、防塵保護等級は IP 50 。取り扱いに対する特別な訓練もほとんど必要なく、計測面が暗かったり反射していたりしても問題なく使用可能で、レーザー強度も測定物に応じて自動で切り換わる。

また最新ハプティクス テクノロジーを採用し、計測中のフィードバック機能を更に強化した。測定可能範囲はトリガー型スイッチによる切り替えで、最小 13 µm から最大 2.4 m のワイドスキャンまで調節できる。

「 LAS-20-8 」は同社のポータブル測定アーム「 ROMER Absolute Arm 」製品群と同様のソフトウェア インターフェイスを搭載し、既存製品とシームレスに操作可能だ。

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2016年2月28日日曜日

21 種類の金属素材を同時に使用可能な新しい高速金属3Dプリンターを開発

米国ペンシルベニア州発:ボストン市内に本拠を置くスタートアップ New Valence Robotics Corporation( NVBOTS )は現地時間 2 月 25 日、21 種類の異なる金属素材を同時に組み合わせ可能な新しい高速金属3Dプリンターの試作機を開発したと発表した。

同社 CEO の AJ Perez 氏によると、この新しい金属3Dプリンターは同社の R & D 部門 NVLABS が開発したもので、従来の SLS 方式の約 10 倍という超高速での3Dプリントが可能だという。アルミ、銀、錫、チタン、ジルコニウム、ステンレス合金、ニッケル銅合金を含む 21 の金属素材に対応する。

この新型金属3Dプリンター現段階では比較的小型部品の製造用に限定されているが、Perez 氏によると金型成型方式の代替手段として活用可能で、高剛性だが重い金属部材と軽量だが剛性に劣る金属部材とを組み合わせて新製品を製造する用途への使用に最適だとしている。

従来の金属3Dプリントでは高温環境が必要であり、これが個人向けを含む市場規模拡大を阻む要因にもなっていた。今回同社が開発した新方式では、ワイヤ状の金属素材を電熱で溶融させ、同時に高精密溶接を行う手法を採用している。

開発した新型金属3Dプリンターはまだプレアルファ機段階で、出力されたオブジェクトを見ると FDM 型3Dプリンターの金属版のような印象。金属3Dプリンター本体についてはまだ詳細は不明だが、同社と NVLABS では現在、アルファテスター参加企業を募集している。

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2016年2月27日土曜日

3Dプリントモデルを使用して4歳少年の心臓手術に成功

米国マサチューセッツ州発:アラバマ州に住む医師 Jason Ayers 氏は3年前、中国から養子に迎えた当時 1 歳の Patrick 少年を引き取った時、この少年があとどれぐらい生き延びられるか分からなかった。

Patrick 君の心臓には重い先天的異常があった。2つあるべき心室が1つしかなく、肺動脈と肺動脈弁も発育不全のままだった。

Ayers 夫妻は Patrick 君に外科手術を受けさせるため、アラバマ州から空路ボストン子供病院へと向かった。同病院の心臓外科医チームは3Dプリントで Patrick 君の心臓の3次元モデルを製作し、実際の手術の手順を事前に確認した。

執刀医の1人 Emani 医博は次のように述べている。「[3Dプリント技術により]従来手法では不可能だったやり方で、複雑な細部まで入念に打ち合わせることができた」。

Patrick 君の心臓手術は延べ 13 時間にもおよぶ大手術だったが、Patrick 君は無事乗り切った。

Ayers 医博は次のように言った。「以前にも増して健康体になった我が子をこうして抱けるなんて、本当に素晴らしいことだ」。



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2016年2月26日金曜日

Zortrax の3Dプリント用品売上が前年比 350 % 以上の急伸

ポーランド発:Zortrax S.A. はこのほど、 2014 - 2015 年における同社3Dプリント用品の売上が 350 % 増だったと発表した。

同社によると、2015 年第 1 四半期の同社総収益に占める3Dプリント用品の売上は 前年比 7 % 増の 17 % と好調だったという。

また Zortrax はペンシルベニア州エクストンに本拠を置く Media Supply, Inc. と販売提携を結んだ。これにより、Media Supply は米国内における Zortrax 製品2番目の正規販売会社となる。Media Supply は 1986 年創業の記録媒体の小売会社で、日本の太陽誘電製品も 15 年以上前から取り扱っている

Media Supply は Zortrax 製品を米国東海岸の企業、公官庁、教育機関等の顧客向けに販売する。特に教育機関は Zortrax が市場開拓に力を入れている部門で、米国内での販売提携を Media Supply と結んだ理由の1つとなった。Zortrax の最初の米国販売代理店契約を結んだのは 3D Proshare で、こちらは米国西海岸を販売エリアに持つ。

Zortrax は売れ行き好調な主力3Dプリンター「 M200 」を始めとする自社製品の更なるシェア拡大を目指し、年内にもワルシャワ証券取引所に IPO を計画している。

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2016年2月22日月曜日

脊索腫患者への3Dプリント人工骨移植に世界で初めて成功

オーストラリア発:脊索腫は現在、極めて治療困難な悪性腫瘍の1つとも言われ、頭蓋骨および脊椎に発現する。3Dプリントはその脊索腫治療の助け舟になるかもしれない。

シドニー市のプリンス・オブ・ウェールズ病院外科医チームは昨年末、この悪性腫瘍を発症した男性患者に対し、世界で初めて脊椎骨の3Dプリント インプラントの移植手術を行い、手術は成功した。

Drage Josevski 氏は後頭部から首にかけての脊椎骨2枚にこの悪性腫瘍が見つかった。診断に当たった Ralph Mobbs 医博によれば、このまま放置した場合、Josevski 氏は手足の身体機能が徐々に奪われ、呼吸もできなくなってしまっただろうという。

Mobbs 医博はまず腫瘍に浸潤された部位の脊椎骨を完全に取り除き、除去部分に3Dプリントで製作したチタン製人工脊椎骨を移植した。そこはちょうど頭蓋骨と頚骨との接合部分だ。この移植手術は開口状態で行われ、また頭蓋骨と頚骨とを切り離して腫瘍部分を除去するという非常に困難なものであったため、延べ 15 時間もかかる大手術だった。

Josevksi 氏は幸いな事にこの危険な手術から無事、妻と愛娘の許に生還した。Mobbs 医博は次のように述べている。「 15 時間かかって複雑な腫瘍部位を除去し終えた後、3Dプリントのインプラントがぴたり適合し、腫瘍のあった部位が元通り再建できたのは素晴らしい経験だった」。

過去のチタン素材の3Dプリント インプラント / 人工装具の成功例と同様、今回のケースも患者本人の頚骨 CT スキャンデータに基いて人工脊椎骨が製作された。製作を請け負ったのはメルボルン市に本拠を置く医療機器ベンダー Anatomics Pty Ltd 。

Josevksi 氏は手術中に長時間に渡って口を開けていたためか、食事と会話の際に予期せぬ後遺症にしばらく見舞われたが、半年以内に回復する見込みだ。同氏の娘によると、「父は私の結婚式に出席して、孫の成長を見ることができると考えるだけでとても楽しい」そうだ。

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2016年2月20日土曜日

「アイスマン」の精巧な実物大3Dプリントレプリカを製作

ベルギー / 米国発:Materialise NV ( NASDAQ:MTLS )と米国人パレオアーティスト Gary Staab 氏はこのほど、1991 年にイタリア - オーストリア国境付近のエッツ渓谷の氷河から発見された青銅器時代人「アイスマン・エッツィー」の精巧な実物大3Dプリントレプリカを完成させ、その作業を追うドキュメンタリー番組が現地時間 2 月 17 日夜に PBS ネットワークで放映された。

今回の「アイスマン」レプリカ製作は Materialise, USA 社長 Bryan Crutchfield 氏を含む医療3D技術専門家と Staab 氏との共同プロジェクトとして実現した。まずミイラ本体の豊富な CT スキャンデータから 2,000 枚以上のスライスデータを作成し、それらを基に大型 SLS 3Dプリンターで出力された。その後 Staab 氏が画像を基に本物と見間違えるほど精巧に細部を再現した。アイスマンの身長は 165 cm ある。

「アイスマン」には肋骨の一部などが欠損しており、Crutchfield 氏と Staab 氏は残存部分の CT スキャンなどから3次元データを取り込んで復元に当たった。

Staab 氏は次のように述べた。「 Materialise の行ったスキャンデータのおかげで素晴らしく精密な3Dプリント作品だった。私はそのレプリカに本物と瓜二つに最終仕上げを施すことができた」。同氏と Materialise のコラボはこれで2度目で、両者最初の共同プロジェクトは 5 年前、有名なツタンカーメン王のミイラの3Dプリントレプリカ製作の時だった。

「アイスマン・エッツィー」は今から約 5,300 年前に死亡したと推定されている。死因については殺人説を含む仮説が幾つか提示されているが、真相はいまだ不明。2012 年に初めて完全解凍されて徹底的な調査が行われた。現在ミイラはボルツァーノ県立考古学博物館に所蔵されている。



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2016年2月19日金曜日

大型人体組織や器官の複製も可能にする新たな3Dバイオプリント技術を開発

米国ノースカロライナ州発:ウェイクフォレスト大学付属バプティスト メディカルセンター再生医療研究者グループはこのほど骨や耳などの人工器官 / 組織を作成可能な新たなバイオ3Dプリント技術を開発し、外耳、骨、筋肉組織の一部の作成に成功したと発表した。この研究成果は現地時間 2 月 15 日付専門誌 Nature Biotechnology 最新版に掲載された。

掲載論文によると、新たに開発したバイオ3Dプリント技術で作成したこれらの人工生体組織をラットやマウスに移植したところ、血管網を持った完全に機能する安定体として定着したとしている。

同研究者グループを率いるウェイクフォレスト大学付属再生医療研究所長で再生医療の世界的権威 Anthony Atala 医博によると、今回同グループが独自開発した「統合型組織 / 臓器プリンター  Integrated Tissue-Organ Printer( ITOP )」によって従来のバイオプリンティングでは困難だった大きな人体組織や器官の「複製」が可能になるとしている。同グループによるとこの ITOP システム開発には 10 年以上かかった。

Atala 医博は次のように述べている。「従来の組織工学では毛細血管網は再生できなかったため、自然成長限界点 100 - 200 µm( 約 1 - 2 mm )を超える人工組織や細胞はほとんどが死滅した。これに対して我々が新たに開発した ITOP は極小流路も同時に作成し、血液や栄養がこの人工毛細血管網を通じて組織内部に運ばれるため、この限界を克服することができた」。

研究者グループによると、この ITOP と CT / MRI 画像とを組み合わせれば、理論上はどのような人体組織 / 器官であっても複製可能だとしている。ITOP プリンターに生体インクとして使用されるヒドロゲルにはカプセル化した細胞組織が埋め込まれ、細胞成長に最適化されている。この生体インクと同時に、極小流路構造を作成する機械的安定性に優れた生分解性ポリマーが滴下され、一時的な細胞組織外層も形成する。ヒドロゲル内の細胞組織はプリント作業中に破壊されることはなく、Atala 氏によると ITOP では従来方式と異なり足場材の組織も同時に作成可能だという。

今回の研究には米国国防脅威削減局( DTRA )からと、米国陸軍医療研究 / 資材統合本部付属遠隔地医療 / 先進技術研究センターおよび米軍再生医療研究所から研究資金の拠出を受けている。今回開発された ITOP は、将来的には負傷兵等の治療への導入も期待されている。

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2016年2月15日月曜日

アイオワ州立大学が業務用 SLS 3Dプリンターを導入

米国アイオワ州発:現在、アイオワ州立大学工業研究サービスセンター( CIRAS )は導入した金属3Dプリンターで、同州内の製造業を対象に積層造形技術( AM )を学んでもらうプログラムを準備している。

CIRAS は昨年 10 月、米国標準技術研究所( NIST )の「 生産拡張プログラム[ MEP ]」、アイオワ州立経済開発局および同大学工学部からの総額 90 万ドルの資金拠出により大型業務用 SLS 3Dプリンターを1台導入した。約1か月間の調整作業と研修を経て、同州内の製造業活性化に向けて活用する方針だ。導入された SLS 3Dプリンターの層間解像度は 40 μm だという。

CIRAS の技術支援推進部長 Chris Hill 氏は次のように述べる。「この 25 年間、私が学んだのは部品1点も作れない、ということだ。[ 従来の加工方式では ]あまりにも制約事項が多過ぎる。だが AM ならばそんな数多い制約は一掃される」。家電製品生産現場経験のある同氏は現在、CIRAS に導入された3Dプリンターシステムの責任者だ。

CIRAS では同大学工学部の教授陣と学生と協働で、今後数年かけてこの金属 AM システムの最善の活用策を探りつつ、州内の製造業に対して広く広報活動も行う予定だ。

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2016年2月13日土曜日

「 ThingMaker 」が半世紀ぶりに子供向け3Dプリンターとして復活

米国カリフォルニア州発:バービー人形で有名な玩具大手 Mattel Inc. ( NASDAQ:MAT )が 1964 年に発売した「 ThingMaker 」は流体プラスチック樹脂を昆虫、花、ホットホイール等のダイカスト金型に流し込んでオーブンで固めて作る製造玩具の元祖的存在で、後に「 Creepy Crawlers 」と改名して '70 年代まで販売されていた( その後他社ブランドで各種後継製品が販売された )。

その Mattel が、半世紀ぶりに子供向け FDM 3Dプリンターとして生まれ変わった「 ThingMaker 」を今年秋頃にも Amazon.com で販売を開始する。販売予定価格は 299.99 USD。

3Dプリンター「 ThingMaker 」および関連アプリは昨年、Mattel が Autodesk, Inc.( NASDAQ:ADSK )と子供向け市場開拓に向けた業務提携後に共同開発したもの。両社によるとタブレット端末にダウンロードした専用アプリ上パレットにあるパーツをドラッグ・アンド・ドロップでテンプレートに投入して好きな形にデザインし、3Dプリントするという仕様。プリント開始後はパネルが自動ロックされ、3Dプリント初心者の子供達でも安全にモノ作りを学べる3Dプリンター製品( プリンター本体の対象年齢は 13 歳以上、プリントアウト製品の対象年齢は 3 歳以上 )という。対応フィラメントは PLA。

ThingMaker Design App 」は iOS / Android に対応。Amazon での先行予約開始は次週以降となる。Mattel 側は販売開始までの期間に顧客層のマーケティングを行い、得られたフィードバック結果を製品版に盛り込む意向だ。

Mattel / Autodesk の「 ThingMaker 」は今月 15 - 16 日にニューヨーク市内で開催される玩具メーカー見本市 Toy Fair 2016 で披露される。

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2016年2月12日金曜日

3Dプリンターを含む格安セットをスーパーマーケットチェーンが販売開始

オーストラリア発:スーパーマーケットチェーン ALDI Australia は現地時間 2 月 17 日の同店特売日から、3Dペン、フィラメント、3Dプリンターの格安セットの販売を開始する。

格安セットの内容は、3Dプリンター「 Cocoon Create 」および3Dペン、フィラメントで、3Dプリンターがセット価格 499 AUD、3Dペンとフィラメントがセット価格 79 AUD で提供される。Cocoon は豪家電機器ベンダー Winplus のブランド名。

「 Cocoon Create 」は最大造形サイズ 200 x 200 x 180 mm のコンパクトな初心者向け FDM 3Dプリンター。最高温度 260 °C でプリント速度は 10 - 70 mm / sec、対応フィラメントは PLA、ABS、PVA、HIPS で USB / SD メモリーカードに対応している。

セットに含まれる同ブランドの3Dペンの詳細は不明だが、標準的な Φ = 1.75 mm の ABS / PLA フィラメントに対応し、ノズル径は 0.7 mm。PLA フィラメント追加購入は1スプール当たり 35 AUD。



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2016年2月8日月曜日

スーパーボウルで3Dプリントプロテクターを装着した選手が初めて出場

米国カリフォルニア州発:現地時間 2 月 7 日にサンタクララ市のリーバイススタジアムで開催された第 50 回スーパーボウルでは、NFL 史上初めて3Dプリントで製作されたプロテクターを装着した選手が出場した。

この選手は NFC カロライナ・パンサーズに所属するアウトサイド ラインバッカーの Thomas Davis 選手。Davis 選手は 2 週間前に行われた NFC チャンピオンシップゲームでアリゾナ・カージナルスとの対戦中に右前腕尺骨を骨折し、翌日 40 針以上を縫合する外科手術を受けた。前腕内部には金属板が 12 本の小ボルトで固定された。

術後の前腕を保護するため、Davis 選手には3Dプリントで製作されたアームブレースも用意された。このプロテクターを提供したのは3Dプリントサービスの Whiteclouds Inc. 。同社は Davis 選手の負傷した前腕を3Dスキャンし、Stratasys の業務用3Dプリンター「 Connex 」によってポリマー樹脂と PORON XRD との混合素材を使用して出力した。プリントアウトには延べ 30 時間かかり、決戦前の練習に間に合うように Davis 選手の許に届けられた。

決定戦当日、Davis 選手の所属するカロライナ・パンサーズは 24 - 10 で全米プロフット制覇を逃し、Davis 選手は次のようにコメントした。「今季は間違いなく上々のシーズンだったが、多くの人の期待には応えられなかった。この悔しさを乗り越えるのにはまだ当分かかる」。

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2016年2月7日日曜日

多層プリント基板も製造可能な3Dプリンター「 DragonFly 2020 」

米国テキサス州 / イスラエル発:3Dプリント技術開発の Nano Dimension Ltd. ( OTCQX:NNDMY )は 1 月 31 日 -2 月 3 日にかけて開催された「 SOLIDWORKS World 2016 」のパートナーパビリオンにおいて、プリント基板( PCB )試作品製造用3Dプリンター「 DragonFly 2020 」を披露した。同展示会場には Nano Dimension の他に、 100 社以上の SOLIDWORKS 取引先企業が出展した。

Nano Dimension は 2012 年に設立され、最新ナノテクノロジーベースの導電 / 誘電インク製造と3Dプリンター開発を行っている。

同社によると、「 DragonFly 2020 」は 1 台で完結する世界初の PCB 製造専用3Dプリンター。多層基板製造を外部委託する代わりに社内で数時間で試作でき、また完成品は完全動作可能ですぐに試用することができるとしている。同機は専用の AgCite 導電ナノインクおよび誘電ナノインクを使用する。

「 DragonFly 2020 」は極めて高精度な3軸インクジェット堆積システムが搭載され、PCB 産業ではデファクトスタンダードのファイルフォーマット形式の Gerber Format に対応した専用ソフトウェアで制御される。また本体サイズも場所を取らないコンパクト設計となっている。

現在、PCB 製造で主流なのは切削方式による多数の工程に分かれた製造法で、材料 / 労働集約型でコストも時間もかかり、外部発注するケースが多い。同社によると「 DragonFly 2020 」を導入すれば 、PCB 製造の各現場において従来方式では不可能だった新しい回路形状もその場で検討することができるようになるという。

同社は「 DragonFly 2020 」の出荷時期を今年終わり頃としているが、AgCite 導電ナノインクの販売は今月から開始している。

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2016年2月6日土曜日

大脳の3Dプリントゲルモデルで「皺」発達プロセスが明らかに

米国マサチューセッツ州発:ハーバード大学を始めとする米国、フィンランド、フランスの国際研究者チームはこのほど、人間の大脳皮質が発達段階で「折り畳まれる」現象が生物学的要因ではなく物理学的要因に起因する可能性が高いとする論文を学術誌 Nature Physics 電子版で発表した。

同チームのハーバード大学応用数学および発達生物学教授でワイス生物意匠工学研究所の Lakshminarayanan Mahadevan 氏によると、人間の大脳皮質の折り畳み[ gyrification と呼ばれ、それによって生成された大脳皮質の皺を脳回という ]がなぜ起こるのかについて、生物学的要因で発生するとした説と物理的要因により発生するとした説とが長年対立していたが、倫理的な問題等で実際の人間の大脳で実験することはこれまで困難だったという。

今回、Mahadevan 氏らのチームが採用したのは、妊娠 22 週目の胎児の大脳の MRI 画像を基に軟質ゲル製レプリカを3Dプリンターで作成する方法。この3次元モデルは溶媒に浸すとそれぞれ異なる膨張度を持つ軟質ゲルを使用し、大脳の白質と灰白質( 大脳皮質 )とを再現している。作成当初は実際の胎児の脳と同様、皺が何もない球体だったが、研究者チームによると溶媒に浸された3次元ゲルモデルは数分以内に外側の灰白質を模したゲル層の膨張が始まり、下の白質を模したゲル層からの圧縮力により、実際の大脳表面とよく似た皺が生成されたという。その結果、大脳皮質の折り畳み現象は「機械的不安定さ」が主要因であると結論づけている。

同時に研究者チームは胎児の大脳の発達初期段階を再現した数値モデルシミュレーションも作成し、この数値モデルでも実験を裏付ける結果が出たという。

Mahadevan 氏は次のように述べている。「最終的には全てはつながっている。この折り畳み現象は分子生物学的プロセスでもあり、それが細胞を動かし、細胞を分割させ、形を変えたり細胞数を変化させたりする」。同氏の次の目標は、このような大脳皮質の大きな構造変化と、分子レベルでも一定の役割を果たしていると見られる折り畳み現象との関連の解明だ。

人間の大脳皮質に皺が生成されるのは妊娠 20 週目以降に始まり、皺の生成は1歳半頃まで続く。研究者チームはこの実験結果はあくまで折り畳み現象の発生段階における標準的な大脳構造の極めて単純化された動作を再現したに過ぎないとしながらも、大脳皮質の持つ「物理的な発達過程」が証明されたことで、アルツハイマー病や自閉症、統合失調症といった神経障害の診断や治療にも影響を与える可能性があるとしている。



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2016年2月5日金曜日

Stratasys、Photoshop から直接3Dプリント可能な「 Stratasys Creative Colors 」をバンドルした新型「 Objet Connex3 」を発表

米国テキサス州発:Stratasys Ltd. ( Nasdaq:SSYS )は現地時間 2 月 2 日、ダラス市内で開催された3D CAD ベンダー SolidWorks の年次カンファレンス「 SOLIDWORKS World 2016 」において、同社製品「 Objet Connex 3 」シリーズ専用ソフト「 Stratasys Creative Colors 」および同ソフトを同梱した新型「 Objet Connex3 」3製品を発表した。

「 Stratasys Creative Colors 」は、同社が提携企業 Adobe Systems Incorporated( NASDAQ:ADBE )と共同開発した製品。Adobe 3D Color Print Engine を搭載し、 Adobe Photoshop CC 上で指定したカラーや素材等が直接、「 Objet Connex3 」3Dプリンターで実行可能になる。これにより、従来の3Dプリントワークフローが一気に単純化されるとしている。また Photoshop CC 上で3D CAD データが直接読み込めるため、「 Stratasys Creative Colors 」を介して色情報を付加して3Dプリントアウトすることも可能になる。同時に発表された「 Stratasys Creative Colors 」バンドルモデル「 Objet 500 Connex3 」では従来の 46 色に対し、取り扱い可能な色数が一気に 1,000 種類以上に増えたのも特徴だ。

Stratasys North America 代表取締役 Josh Gould 氏は次のように述べている。「 弊社が用意している出力素材を Photoshop CC 内のカラーパレットに最適化した。対応可能色数は 46 種類ではなく 1,000 種類を超え、その間のどの階調も出力可能だ。Photoshop 内に文字通り Objet Connex3 のオプションが用意されており、Photoshop で指定した内容がそのまま Objet Connex3 でプリントできる」。

Photoshop CC で生成したデータは直接3Dプリンターに送る他にも、同社の提供するオンデマンド3Dプリントサービス「 Stratasys Direct Manufacturing 」に送信することも選択でき、これ1つでオンデマンド3Dプリント発注が行えるようになる。このクラウドサービスを利用した場合、発注した3Dプリント商品は翌日以降の発送[ 北米地域 ]となる。

また同社は、「 Connex1 」および「同 2 」シリーズの販売終了を発表、今後は最新の「 Connex3 」シリーズに一本化することも明らかにした。「 Stratasys Creative Colors 」は新「 Connex3 」シリーズに標準バンドルされるが、既存機種ユーザーは同ソフトウェアを単体購入することで利用可能になるとしている。



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2016年2月1日月曜日

3Dプリント部品内蔵エンジンを搭載した「 Boeing 737 MAX 」が初フライトに成功

米国ワシントン州発:The Boeing Company( NYSE:BA ) は現地時間 1 月 29 日、現在開発中の「 Boeing 737 MAX 」の初試験飛行をシアトル市内で実施した。このテスト機のターボジェットエンジン「 LEAP 1-B 」には、世界で初めて3Dプリントで製造された部品が搭載されている。

3Dプリントで製造されているのは燃料ノズル部分で、ニッケルコバルト合金製。従来製法では 18 の部品が必要だったが、3Dプリント方式では必要とされる部品点数はわずか 1 点だけになった。 LEAP 1-B にはこの3Dプリント燃料ノズルが 19 基内蔵されている。

また LEAP 1-B 本体には耐熱性と耐久性に優れ、従来素材より軽量なセラミック-マトリックス複合材料( CMC )が使用されている。Boeing は CMC 実用化研究のトップを走っており、その CMC 製品が組み込まれている LEAP 1-B は従来比で二桁台の燃費向上と、25 % の軽量化を実現したという。LEAP エンジンの製造は同社と 仏 Snecma の出資する子会社 CFM International が行っている。CFM によると、LEAP 1-B によって騒音と排気ガス量が共に「劇的に改善した」としている。

2 時間 47 分の初フライトを終えた同機開発プログラム主任パイロット Ed Wilson 機長は次のように述べた。「初フライトは成功だった。737 MAX は間違いなく弊社顧客の期待に応えてくれる旅客機だ」。

「 Boeing 737 MAX 」は現時点で全世界の 62 の 顧客と企業から 3,072 機が受注済みで、受注総額はエンジン分だけでも 850 億ドル以上と見られている。「 Boeing 737 MAX 」の最初の納入開始は来年以降の予定。

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