2018年4月30日月曜日

人体に直接プリントできる3Dプリント電気回路を世界で初めて試作

米国ミネソタ州発:ミネソタ大学の研究者グループはこのほど、人体へ直接電気回路を3Dプリントする技術を開発し、学術誌 Advanced Materials 電子版に発表した。

同グループが開発したのは改造を施した市販の廉価な3Dプリンターを使用して、銀インクベースの電気回路を直接、人間の皮膚上にプリントするという技術。将来、戦場にいる兵士が化学兵器や生物兵器などの検知を可能にすることに応用できるという。人体に電気回路を直接3Dプリントする技術は今回が世界初。

論文の代表著者 Michael McAlpine 氏によると、3Dプリント回路はマーカーを通じて皮膚の動きや形状変化を感知でき、皮膚の動きに応じて回路形状を安定させているという。素材の銀インクは従来のように 100°C を超えるような高温ではなく、室温で固結する特殊な導電素材を使用している。同氏は今回開発した技術について、「その場で必要なものすべてがこのウェアラブル3Dプリントツールひとつで用意可能になる、スイスのアーミーナイフのようなツール」と説明する。




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2018年4月22日日曜日

世界最強・最長の3Dプリント製「メガチェーン」が初披露へ

ドイツ・レックリングハウゼン郡発:3Dプリントソリューションの EnvisionTEC は、世界最強の超高剛性3Dプリント素材で製作したチェーンを初披露する。

同社の開発した史上最強の3Dプリント素材「 E-RigidForm 」はポリウレタンに似た樹脂素材で、引張強度 68-73 MPa、伸び率 7% まで耐えられるという高強度を持ち、試作品製作用途、最終製品製造用途どちらにも適しているという。公開される E-RigidForm チェーンの全長は約 100 mで、これは単一3Dプリント製チェーンとしては史上最長記録。16 層からなり、ジョイント総数は 6,144。

同社はこの世界最長の単一3Dプリント製チェーン製作に当たり、「 Xede 3SP 」3Dプリンターを延べ 4 日と99時間、無人稼働させて完成させた。設計から製品完成までには 2 週間以上かかっている。

「 E-RigidForm 」の発表で同社の持つ3Dプリント樹脂素材の製品ラインアップ数は歯科技工業界認定のキャスタブル樹脂も含め 50 に達した。この3Dプリント「メガチェーン」は 4 月 24 - 26 日に米国テキサス州フォートワース市内で開催される「 RAPID + TCT 」に出品される。

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2018年4月14日土曜日

GE Additive が3Dプリント最新技術と今後の展望を発表

米国オハイオ州発:GE Additive はこのほど、同社設立からの軌跡と今後の金属を含む AM 部門の展開について、同社戦略担当主任が発表を行った。

GE の AM 部門として 2016 年に設立された同社はその年のうちに金属3Dプリンターベンダー Arcam AB( スウェーデン )と Concept Laser( ドイツ )2 社を買収。同社は 2 社買収前から AM 部門を強化しており、航空機製造部門 GE Aviation は同社供給の「 LEAP 燃料ノズル」を含む金属3Dプリント製エンジン部品の使用率を 40 % にまで引き上げている。

AM 部門の展望については「 A.T.L.A.S 」と銘打たれたプロジェクト、M Line Factory および Binder Jet プラットフォームに関する説明があり、4 月 23 − 26 日に開催される AM 関連イベント「 RAPID + TCT 」に出展予定の同社最新技術「電子ビーム溶結法( EBM )」についてのプレビューも披露された。

現在、同社は 1,000 以上もの AM 関連プロジェクトを進めており、AM 市場は今後 10 年以内にも 760 億ドル規模にまで達すると予測している。

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2018年4月3日火曜日

油の除去方法を一新する可能性を秘めた3Dプリント微小構造物を開発へ

米国カリフォルニア州発:南カリフォルニア大学の研究者グループはこのほど、自然界の葉の形状にヒントを得て3Dプリントで作成した微小構造物の開発に取り組んでいる。

同グループによると、開発する上で着目したのが南米ブラジル原産のオオサンショウモの構造。オオサンショウモは疎水性のある構造で、浮袋のように水面に浮くことができる。同グループではこのオオサンショウモの撥水構造を3Dプリントで再現した微小構造物の製造と実用化に向けて研究を進めている。これが実用化できれば、たとえば原油流出事故などの人為的原因による海洋汚染の際、汚染物質と海水とを分離可能になるとしている。

同グループが使用した3Dプリント技術は一般的な FDM 方式ではなく、「表面浸漬積層法 ISA-3D printing 」と呼ばれる方式のもの。同グループはこの3Dプリント技術でプラスチック樹脂とカーボンナノチューブ素材からオオサンショウモを模した泡立て器のような構造の並ぶ微小構造物を試作した。同グループはこれから実施する検証作業で疎水性および油分を吸着する毛細管現象が確認されれば、油の除去作業を一新できる可能性があるとの期待を示す。




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2018年4月2日月曜日

新方式の3Dプリント住宅がお披露目へ

フランス・ロワール=アトランティック県発:現在、ナント大学や建設大手 Bouygues S.A. など5つの企業と団体グループが協業して、3Dプリント住宅プロジェクトが進められている。

この3Dプリント住宅プロジェクト「 Yhnova 」は 2017 年9月に発足。同グループはこのプロジェクトによる床面積 95 m² の住宅を3Dプリントで完成させており、3 月21 日に竣工式を執り行った。

同プロジェクトが完成させた3Dプリント住宅は 5 室からなり、ナント大学研究者らが開発した建築用3Dプリントの特許技術「 BatiPrint3D 」を使用して建造したもの。レーザー誘導で自律動作する全長 4 m のロボットアームが組成の異なる建材を決められた形状に積層してゆく仕組み。従来方式のようなコンクリート混合物のみを積層するのではなく、泡状素材、断熱素材、構造素材の 3 素材を独自開発のコンクリート混合物から生成して積層する。

この3Dプリント住宅「 Yhnova 」のオープンハウスイベントは 4 月 7 日に開催され、6 月にも最初の入居者を受け入れる予定。入居者は住宅供給公社の基準により必要だと判断された家族世帯の希望者から選抜される。




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