2021年6月22日火曜日

手持ちの3Dプリンターをフードプリンターに改造して楽しもう! 

オーストラリア発:新型コロナウイルスのパンデミックで、大好きなホビーや趣味が思うようにできなくなったという人も多いだろう。一方、DIYやパン作り、手芸など、家にいながらにして楽しめるホビーの人気が高まっている。そこで、プラスチック製品をプリントアウトする低価格帯の3Dプリンターをフードプリンターに改造する、というのはどうだろうか? 
一般的なフードプリンターは、原料を入れるカートリッジと、カートリッジから食品を出力するためのプリントヘッドから構成されている。フードプリンターは何年も前から市場に出回っているが、その価格は 安くても1,000 ポンド[日本円で約 15 万円超]から。しかし自宅で楽しみたいのなら、そんな高い製品を買い足す必要などない。手持ちの3Dプリンターを改造するだけでよい。
改造のポイントは、プラスチックのフィラメントを溶解して押し出すプリントヘッド部をペースト/クレイ素材出力用の「シリンジポンプ」に交換すること。シリンジポンプは、プラスチック製の注射器と、必要に応じて供給材料を絞り出す機構からなる。注射器本体がプリンターカートリッジとして機能し、モーター駆動によって原材料を針先から絞り出すようになっている。
3Dプリントのおもしろいところは、3Dプリンターの改造に入る前に、そのシリンジポンプをその3Dプリンターでプリントアウトできることだ。用が済めば、元のプリントヘッドに戻すだけで再び通常の3Dプリンターとして使用可能になる。
実際の改造手順と、シリンジポンプを含む全パーツの3Dデータはこちらに記述してある。シリンジはほとんどの半固形素材に対応し、通常の3Dプリンターと同じように食品を3Dプリントすることができる。今回は試験的に2種類の食用ガムを3Dプリントしてみた。

2021年6月12日土曜日

米豪の共同研究チームが「目と頭脳を持った」新しい医療用3Dプリント技術を開発

オーストラリア発:クイーンズランド工科大学教授 Dietmar Hutmacher 氏とオレゴン大学教授 Paul Dalton 氏はこのほど、マシンビジョンと人工知能( AI )を組み合わせた医療用3Dプリンターによる、オールカスタムメイドの組織インプラント施術を可能にする共同研究を発表した。
それによると、両教授率いる米豪の共同研究チームはヒトの心臓弁、骨組織の足場材、歯の組織の再生医療用の膜組織、最小侵襲手術用のソフトアクチュエーター(ソフトロボティクス)など、過去に3Dプリントされたことがないさまざまな生分解性人工組織の3Dプリント化を可能にするという。
Hutmacher 氏は、次のように説明する。「我々は、メルトエレクトロライティング(MEW)プリンターとマシンビジョン、およびマシンラーニングシステムを組み合わせたビジョンシステムを開発した。これは、押し出された繊維状材料の軌道全体を画像化して、リアルタイムでエラーを修正し、同時にマシンラーニングシステムが送られてくる情報をもとに足場材の繊維径を予測して、より精確な最終製品を作るのが目的だ。マシンビジョンと AI が加わることで、MEWプリンターにはこれまで欠けていた “目”と“頭”が備わり、人間には認識不可能なプリントパラメータの自律的調節も可能になるだろう」。