2020年3月27日金曜日

HP が世界の医療現場向けに3Dプリント製品の緊急供給に着手

米国カリフォルニア州発:HP Inc. は現地時間 3月 24 日、同社が世界各地に展開するデジタルマニュファクチャリング ネットワークを総動員して、3Dプリント製品を含む医療機器の重要部品の増産と供給を開始した。

同社によると、スペインのバルセロナ市内にある研究開発拠点をはじめ、オレゴン州、カリフォルニア州、ワシントン州にある米国内拠点と世界の HP 提携グループ会社と協力して今回の緊急増産で 1,000 点以上の3Dプリント部品が各地域の医療拠点に配送される見込み。緊急増産されるのはフェイスシールド、フェイスマスク、鼻腔検査用綿棒、ハンズフリードア開閉装置、人工呼吸器用部品など、医療現場で不足が深刻化している器具と備品類。

また同社と提携会社は、簡単に組み立て可能な3Dプリント部品の無償提供と、3Dプリント製品デザイナーが COVID-19 封じ込めに役立つ製品アイディアやアプリケーションの提供ができる特設ページも用意している。

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2020年3月23日月曜日

英製造大手、新型コロナ禍で3Dプリントパーツを含む人工呼吸器の緊急生産開始

英国発:Vauxhall、Airbus など英製造大手は3Dプリント製品を含む医療機器の緊急増産への対応を開始した。これは英首相 Boris Johnson の緊急要請に応じたもの。

Johnson 首相はこのほど英産業界に対し、今後 2 週間以内に人工呼吸器 2万個の供給を「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する戦時体制にある」として要請。これに対し、前出の 2社をはじめ Rolls-Royce、Jaguar Land Rover など 60 社を超える各分野メーカーがただちに応じた。

グループ PSA 傘下の自動車製造 Vauxhallはこの要請に対し、3Dプリントパーツの組み立てをウイルス対策により閉鎖予定の製造拠点で緊急生産を開始。同拠点には防塵対策の施された塗装部門および3Dプリント部門があり、そこを利活用する。

人工呼吸器 の仕様は英国政府の研究資金助成機関「 Innovate UK 」から提供され、プロジェクト本体の進行は国際コンサルティング会社 PA Consulting が管理する。同社は宇宙飛行用レギュレーター開発で英宇宙局の支援も手掛けていた。

ある関係筋によると、今回の緊急要請を受けた人工呼吸器生産に関して、製造拠点と従業員は無償で貸与されているというが、英政府が完成した人工呼吸器の代金を立て替えるとの見方も出ている。

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2020年3月13日金曜日

独大型3Dプリンター製造 BigRep の出荷台数が 500 台に

ドイツ・ベルリン発:製造現場向け大型3Dプリンターベンダー BigRep GmbH は今週、500 台目の出荷のお祝いを行った。

記念すべき 500 台目となったのは「 BigRep ONE 」。同製品は 2014 年の販売開始以来、同社を代表する FDP 方式の大型造形用3Dプリンターで、最大造形容積は 1m x 1m x 1m。

この 500 台目の納入先はイーモビリティのスタートアップ JAMADE GERMANY。同社の水中スクーター「 AMAZEA 」はパーツの 75 % が3Dプリント製だ。

BigRep は JAMADE の他にAirbus、Etihad Engineering、Ford、Volvo といった製造大手への納品実績を持つ。先月には北米における3Dプリントサービス拠点をマサチューセッツ州ボストンに開設、また PA6/66, PET-CF を含むエンジニアリンググレード フィラメント 4点もリリースしている。

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2020年3月3日火曜日

スイスの研究者グループが世界最速の3Dプリント方式を開発

スイス発:スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)応用フォトニクスデバイス研究所(LAPD)の研究者グループはこのほど、ソフト素材を使用した小型・高精度パーツの製造を超高速で行う新しい3Dプリント方式を開発したと、専門誌 Nature Communications 電子版上に発表した

同グループによると、この新方式ではプリント開始から完成まで 30 秒もかからず、現時点で世界最速の3Dプリント方式だという。原理は CT スキャンで使用される断層撮影術を応用したもので、液体樹脂素材にレーザーを全方位的に照射して一気にポリマー化して固結させる。試作機は2cm 大のオブジェクトを 80 μm の精度でプリントアウトが可能。将来的には 15 cm 大のオブジェクトまでの造形性能を目指す。

今回の研究成果で画期的なのはその高速プリントもあるが、ソフト素材による超小型・高精細なオブジェクトを作成できる点。従来の積層方式では強度不足による破損がネックとされてきたが、この新方式はその問題も克服されている。同グループはおもにソフト素材が多く使用される再生医療向けに最適だとし、この新方式3Dプリンターを商品化するための会社 Readily3D も設立した。





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