2023年6月30日金曜日

NASAが火星用3Dプリント住宅「Mars Dune Alpha」実験棟を公開

米国テキサス州発:NASAはこのほど、ジョンソン宇宙センター(ヒューストン)内に作った「閉鎖居住施設」を報道陣に公開した。これは火星環境を模したシミュレーション計画 Crew Health and Performance Exploration Analog(乗組員の健康及びパフォーマンス探査研究、CHAPEA)のために作られたもの。NASA史上最長の模擬環境ミッションとなる。
約 160 ㎡ の居住空間は「 Mars Dune Alpha 」と命名され、4人の実験参加者が今後378日間をNASAの監視のもとで過ごす。Mars Dune Alpha の外壁や内部を区切る壁は3Dプリントで作られ、キッチン、クルー専用の部屋、2つのバスルームのほか、医療、仕事、レクリエーション区域が設けられている。
Mars Dune Alpha の建設を請け負ったのは、建設用3Dプリント専門会社の ICONで、同社の建設用3Dプリンター「Vulcan」を使用して建造された。この居住施設がシミュレートできない唯一の制限は火星の重力で、地球の表面重力の約 38% しかない。