2019年2月25日月曜日

見る角度によって色が変わる3Dプリント新素材を開発

オランダ・ヘルダーラント州発:ヴァーヘニンゲン大学研究者グループはこのほど、見る角度によって異なる2色に変化する3Dプリント用新素材を使用して小型ゴブレットの試作に成功したと、専門誌 Beilstein Journal of Nanotechnology 電子版上に発表した。

この新素材はポリビニル・アルコール(PVA)と、ごく微量の金粒子(全体の 0.07 %)とを混合して作成。見る側とおなじ角度から入る光源からは金粒子が光を反射して不透明な茶色に見えるが、反対側から光を受けると光は3Dオブジェクトを透過して全体が透明感のあるバイオレット色となる。市販の一般的な3Dプリンターでも使用可能だ。

現在、同グループは他のナノ粒子と樹脂素材との組み合わせで生じるさまざまな色彩効果を検証し、さらに改良を重ねている。




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2019年2月18日月曜日

NASA、ISS にプラスチック再利用可能な新型3Dプリンターを設置

米国発:米国航空宇宙局(NASA)は、国際宇宙ステーション(ISS)に昨年11月に運ばれた3Dプリンターとプラスチック再利用装置の設置をこのほど終えたと発表した。今回の再利用装置付き3Dプリンターは 2014 年に ISS に設置された Made In Space 製3Dプリント設備「 zero-G 」につづくもの。製造元によれば、プラスチック部品のリサイクルにより、ISS 内での部品製造でどれだけのコスト削減が可能になるかが今後の実験で明らかになるだろうとしている。

ISS に設置された3Dプリンターとプラスチック再利用装置はワシントン州に本拠を置く宇宙ベンチャー Tethers Unlimited 製。同装置は NASAの「スモールビジネス・イノベーション研究プログラム」から2,500万ドル契約で受注し、製造されたもの。NASA によれば現在、数週間後に開始される実験に向けた最終調整に入っているという。

同3Dプリンターは小型冷蔵庫ほどの大きさで、ISS 内の設置作業では同社エンジニアが地上から交信して設置作業を支援した。

同3Dプリンターと再利用装置を ISS まで運搬した無人宇宙補給機 Cygnus は、81日間の ISS ミッションを終えて分離された。分離後は5基の超小型衛星を軌道上に放出、その後は計画された再突入ルートに従って下降、燃焼廃棄される予定。





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2019年2月9日土曜日

米の開発グループがオブジェクト全体を一気に造形可能な3Dプリント方式を開発

米国カリフォルニア州発:カリフォルニア大学バークリー校、およびローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)の研究者グループはこのほど、非積層方式の超高速3Dプリント技術を開発、研究成果を学術誌 Nature 電子版上に発表した。

同グループが開発したのは、「コンピュータ制御軸リソグラフィー(CAL)」と呼ばれる光硬化造形の新方式。これは従来のように「積層」するのではなく、回転容器に入れられた感光性アクリレート樹脂がプロジェクターから発したビームを受けて固結、一気に3Dオブジェクト化される、というもの。同グループの電気工学者 Hayden Taylor 氏によれば、コンピュータ断層撮影(CT)にも似た方式だが、そのプロセスはすべてCT とは逆になる、という。つまりビームの被写体側が回転し、そこに全方向撮影のデジタルデータが光のさまざまなパターンとなって投射され、もっともビームを強く受けた部分のみが固結してそれ以外の樹脂を排出すれば完成となる。3Dプリンター本体も市販のプロジェクターを改造したもので、彼らは『スター・トレック』に登場する架空マシンに倣って「 Replicator 」と呼んでいる。

この新方式にはたんに造形にかかる時間が大幅短縮されるにとどまらず、オーバーハング形状を含むオブジェクト作成には不可欠だったサポート材などもいっさい不要、というメリットもある。同グループによれば、オブジェクト全体をほぼ一度の投射で造形できるとしている。

また、表面仕上がりも従来の積層方式より滑らかで、柔軟な素材でも加工が可能になるという。現時点ではまだ粗さが残るものの、ロダンの「考える人」のミニチュア版もたちどころにプリントアウトされる。

また同グループによれば、この新方式は完成したオブジェクトの全方向画像データを処理して、通常の2D画像として出力するリバース処理も可能になるだろうとしている。




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