2016年12月31日土曜日

耐摩耗性に優れた新型エクストルーダーノズル「 Olsson Ruby 」がリリース

スウェーデン発:ストックホルム市内に本拠を置くデスクトップ3Dプリンター販売代理店 3DVerkstan AB は現地時間 12 月 29 日、自社ブランドの新型エクストルーダーノズル「 Olsson Ruby 」をリリースした。

同社は過去 5 年以上、「 Olsson 」ブランド製品の研究開発を協力企業と共同で行ってきた。今回発表された新製品は、カーボンファイバーや鉄、炭化ホウ素( B4C )、発光顔料といった従来のエクストルーダーノズルでは押し出すことが困難な高硬度フィラメント素材に対応するためホットエンド部に耐摩耗性に優れているルビーを使用したもの。一般的な ABS、PLA、ナイロン素材のフィラメントももちろん使用可能で、いずれのケースでも本来のプリント速度や品質を維持したまま出力できるとしている。ルビーはダイアモンドに次いで高硬度の鉱物。

同社は「 Olsson Ruby 」ノズルを最もシビアな出力条件を要求するプロユース層を想定して開発したが、幅広いフィラメント素材にも対応することで、一般的な3Dプリンターユーザー層にも売り込みたい考え。

「 Olsson Ruby 」ノズルは付加価値税( VAT )込 90 USD / 80 EUR で、3DVerkstan が契約する全世界の代理店を通じて販売される。

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2016年12月30日金曜日

豪研究所が心臓に直接移植可能なバイオ3Dプリント技術を開発

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州発:シドニー市のハートリサーチ研究所( HRI )はこのほど、機能不全に陥った心臓に直接貼り付け治療することが可能なバイオ3Dプリント人工組織の作成に世界で初めて成功したと発表した。

この画期的なバイオ3Dプリンターを開発したのは同研究所のフェロー研究員で3D人工組織の世界的権威 Carmine Gentile 医博で、必要なのは患者本人の皮膚から採取した細胞だけで、それを担当医が3Dプリントで人工心組織として培養したものを問題の箇所に移植して治療する。Gentile 氏によると、今回の成果は患部に直接移植可能なバイオ3Dプリント心組織の実用化という究極の目標に向けた大きな一歩だとしている。「患者自身の細胞が幹細胞を形成し、それが心筋細胞にもなる」。

同研究所によると、今回開発されたバイオ3Dプリンターで作成した心筋細胞が「実際のヒトの心臓と同様、互いに拍動する」ことを確認したという。同国内では 35 万人以上が何らかの心臓疾患に罹患しているされ、治癒率が年々向上している一方で毎日平均 24 人の国民が心臓疾患のため命を死亡していると言われている。

また今回開発した手法で作成した人工心臓組織は、新薬の副作用の試験用としても使用可能で、既に Gentile 氏らはどのような副作用が出るのかをこのバイオ3Dプリント新組織を使用しての検証を開始している。

Gentile 氏らは今回開発したバイオ3Dプリント技術による心疾患治療法を 5 - 10 年以内に実用化したい考えだ。

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2016年12月24日土曜日

Flirtey、3Dプリント部品を含むドローンによるコンビニ商品 77 件の配送を実施

米国ネバダ州発:ドローン宅配サービススタートアップの Flirtey はこのほど、コンビニエンスストア大手 7-Eleven, Inc. ( 本社テキサス州ダラス )がリノ市内において同社のドローンを使用して 77 件の自律配送を完了したと発表した。同社のドローンには3Dプリント製部品が使われている。

Flirtey によれば、今回の配送ミッションは 7-Eleven との協業提携により先月、リノ市内の 7-Eleven 店舗で実施された。両社は今年 7 月にドローン商用利用に関する協業提携を結んでおり、先月実施された配送ミッションはその最初の成果となる。

ドローンによる自律配送で顧客のもとに無事届けられた商品は温かい食品や冷たい飲料、市販薬を含む日用品で、前もって選ばれた高齢者 / 共働き夫婦や学生など十数名の顧客から専用アプリを介して受注した商品を専用容器に収納して週末の定期配送として実施。顧客は専用アプリ画面上で配送可能商品リストや、配送中のドローンの現在位置を確認することができる。両社によれば、今回の 77 件のドローン自律配送にかかった平均時間は 10 分以下だったという。顧客からは配送のスピードや利便性について満足しているとのフィードバックを得ている。

両社今回の配送結果を顕彰した上で来年度以降、ドローンによる自律配送サービスを拡大する計画だ。Flirtey は既にニュージーランドで宅配ピザ大手 Domino's と共同でピザの宅配試験を実施済みで、ドローンによるピザ宅配サービスも米国内での事業展開を本格化させる計画だ。

同様のドローンによる自律配送サービスを事業化する計画の Amazon も同社初となる自律配送を今月初旬に英国ケンブリッジ州で実施しており、こちらの配送時間は約 13 分だったという。

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2016年12月19日月曜日

世界初の移動式大型コンクリート造形用3Dプリンター「 CyBe R 3Dp 」

オランダ北ブラバント州発:建設用3Dプリンター製造スタートアップ CyBe Construction BV はこのほど、移動式大型コンクリート造形3Dプリンター「 CyBe R 3Dp 」を開発した。

同社によると、この新型コンクリート造形用3Dプリンターはキャタピラー台車による移動式。この種の移動式建設用3Dプリンターは、スウェーデンのルンド大学の開発チームが既にキャスター付きアルミフレームに搭載したコンクリート造形用3Dプリンターを試作しているが、同社の新製品は更に大型( 最大高 4.5 m、プリント可能範囲 2.75 m )で、世界初の実用移動式大型コンクリート造形3Dプリンターだとしている。プリント速度は通常モードで 200 mm / sec だが、最大 600 mm / sec までの高速プリントも可能。層間解像度は 30 mmで、コンクリート素材は純正品の CyBe Mortar を使用する。操作要員は2名。アウトリガー付きなので高さ調節もでき、不安定な場所でも作業が容易だという。

同社は広範な造形試験を実施し、「非常にたくさんの製品」が作れると主張する。たとえば高壁、汚水ピット、橋台、型枠なども従来製法よりはるかに低コストで建造可能としている。また同社は「 CyBe R 3Dp 」を使用することで建設現場での CO2 削減にも貢献するとしている。

「 CyBe R 3Dp 」は専用ソフトウェアおよびコンクリートミックスポンプ等専用の備品とパッケージ販売される予定で、2017 年前半にもドバイの提携先建設現場に搬入されて稼働する見通し。





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2016年12月16日金曜日

2060 年のホテルには3Dプリンターが全部屋に常備と最新研究が予測

米国テキサス州発:オンラインホテル予約サービスを提供する Hotels.com L.P. ( ダラス市 )はこのほど、「未来のホテル」と題したホテルサービスに関する未来予測研究最新版を公表した。

今回の報告は未来予測専門シンクタンク「地球未来研究所」CEO で未来学者の James Canton 博士をパートナーに迎えて分析された結果を発表したもの。それによると 2016 年のホテルには自律型ロボットによる「ロボ執事」、ホテル環境自体を宿泊客の投票に応じて変えられる「クラウドソースドホテル( このサービスが実現すれば、たとえば「ジュラシックパーク」のような環境を出現させることも可能 )」、DNA 解析によるインスタントチェックインや DNA モバイルペイメント、DNA 情報に基づき各個人にカスタマイズされ健康寿命を促進する「スパ 2.0 」など奇抜なサービスが挙げられているが、中でも現実可能性の高いサービスと言えるのが3Dプリンターの常設配備だ。

同報告によると 2060 年にはどのホテルにも3Dプリンターが各部屋1台ずつ配備され、「重い荷物を持っての移動」は過去の話になると予測する。利用客は部屋に備え付けの3Dプリンターで歯ブラシや靴、薬、果ては PC やモバイル端末まで、「物質から作られている物全て」をその場でプリントアウトすることができるという。

Canton 博士の話「未来の旅行はじつに胸躍ることになるだろう。ホテル予約そのものがデータマイニングや思考を直接読み取るインテュイティヴ・コンピューティングを駆使した人工知能( AI )エージェントが代行するようになり、このような新しいトラベルデザイン研究の進展でより各個人のニーズにカスタマイズした宿泊体験の提供が可能になる。またこれらのサービスはその個人が利用するときはいつでも呼び出せるため、一生涯楽しむことができる」。

3D技術関連ではたとえば3Dホログラムを駆使したリアルスポーツ観戦や、居ながらにしてレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画鑑賞やエベレスト登山が体験可能な VR エンターテインメントも挙げられている。

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2016年12月12日月曜日

3T RPD の AM 新生産拠点が完成

英国バークシャー州発:AM による樹脂 / 金属製品製造大手 3T RPD Ltd はこのほど、元英空軍基地グリーナムコモン飛行場にある同社本部近くに新生産拠点を完成させた。これは同社の推進する AM 生産施設増強計画の最初の成果となる。

新拠点の敷地面積は従来の生産施設の 3 倍に当たる約 3,300 m ² あり、このため仕上げ等最終工程を含めた製造全工程を行えるようになった。同拠点は先月から金属部品生産を開始しており、金属 AM 機、3D 測定設備( 3D CMM )、ブルーライトスキャナー設備および品質管理ラボが稼働しており、今後は非破壊検査( NDT )、多軸 CNC、真空炉も順次稼働を開始する見込みで、特に AM 生産設備は増加する需要に応じて更に増強することも計画しているという。

この新生産拠点の完成と稼働開始により、2017 年度以降は同社の金属および樹脂製品の AM 製造能力が一段と拡張されることになる。

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2016年12月10日土曜日

MICRON3DP、世界初の溶融ガラス3Dプリンターの試作機を来年にも発表へ

イスラエル発:ケフェア・サバ市内に本拠を置く MICRON3DP Ltd. はこのほど、世界初の溶融ガラス3Dプリント技術を搭載予定の3Dプリンターによる製作デモおよび開発の進捗状況を公表した。

同社によると、溶融ガラス3Dプリント技術は原理的には FDM / FFF 方式と同等のものだが、1,000 °C という超高温でガラスを溶かしながら、100 µm の高解像度で積層造形するという。最大造形サイズは現段階では 200 x 200 x 200 mm で、ソーダガラスとホウケイ酸ガラスによるプリントが可能だとしている。

同社のような溶融ガラスによるラピッドプロトタイピング技術が確立すれば、耐熱性や耐薬品性といった利点を持つガラス素材の3Dプリントが普及する可能性がある。また金属やセラミックなどパウダー素材を使用する場合と比べて、仕上げ精度の高い溶融ガラスなら後処理がほとんど不要になる。

現在、同社は開発中の溶融ガラス3Dプリンターの商品化や、商品化した場合の発売時期について明らかにしていないが、α 版となる試作機を来年にも発表したいとしている。




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2016年12月6日火曜日

Microsoft、「3D Builder 」最新版で「 Windows 10 Mobile 」および「 Xbox One 」でも利用可能に

米国ワシントン州発:Microsoft( NASDAQ:MSFT )は現地時間 12 月 5 日、3Dデザインアプリ「3D Builder 」最新版をリリースした。

「3D Builder 」は PC 用の同社 OS「 Windows 10 」に標準でバンドルされている簡易3Dデザイン編集アプリで、編集した3Dデータはそのまま3Dプリンタブルファイル( 3MF、STL、OBJ、PLY、WRL[ VRML ])に変換してダイレクトにプリントアウトできるが、携帯端末では利用できなかった。今回の最新版で初めて「 Windows 10 Mobile 」搭載携帯端末機器および同社のゲーム機器「 Xbox One 」に対応した。

同社は今年 5 月にオンライン3Dプリントサービス i.materialise と業務提携しており、「3D Builder 」で取り込んだ3Dデータはそのまま i.materialise サイトでプリントアウトを依頼できる。

Microsoft は「3D Builder 」のモバイル対応について、10 月に開催された同社主催イベント会場で事前に告知していた。また来年始めにも予定されている「 Windows 10 Creators Update 」では3D対応を更に強化する大型アップデートになることが明らかにされているため、「3D Builder 」も大幅に仕様変更される可能性がある。「 Windows 10 Creators Update 」は標準搭載の「 Paint 」アプリもネイティブで3Dデータに対応した「 Paint 3D」へと改められることが発表されている。

* 「3D Builder 」の取扱いについてはこちらを参照。

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2016年12月5日月曜日

Audi の3Dプリント月面無人探査車が開発完了、来年にも打ち上げへ

ドイツ・バイエルン州発:Audi AG( NASDAQ:AUDVF )は現地時間 12 月 2 日、開発を進めていた月面無人探査車「 Audi Lunar Quattro 」の開発完了を発表した。

「 Lunar Quattro 」は同社が独科学者グループ Part-Time Scientists と共同開発した月面無人探査車(ローバー)で、民間による最初の月面無人探査を競う「 Google Lunar X Prize 」コンテストにエントリーしている。同ローバーは高剛性チタンおよびアルミ製で、ローバーの車輪を含む多くの部材製造には3Dプリント技術を活用している。ローバー製造工程に3Dプリントを採用することにより、製造期間短縮と軽量化の 2 点が達成できたとしている。

3Dプリントで製作されたローバーの車輪は当初のオープンスポーク型から月面での防塵性を高めるため密閉タイプに設計変更したため、車輪そのものは 22 % ほど大型化したにもかかわらず、合計 1.6 kg の軽量化に成功している。月面での運搬可能な観測機材重量 1 kg は通常 80 万ユーロ分に相当するため、「 Lunar Quattro 」の場合は約 128 万ユーロ相当分の機材がさらに搭載可能になったことになるという。

最後に開発チームに残された課題は、「 Lunar Quattro 」を無事に月面へと送り届けること、最低 500 m は月面を走行させ HD 動画を地球へ送信することだ。「 Lunar Quattro 」の車載カメラは 360 ° の全周撮影タイプ。ローバーは他の Audi 車と同様に 4輪駆動仕様だが、その最高速度はわずか 2.2 m / h だという。

Audi では、月へ打ち上げるまでに最終の地上試験をいくつか実施する計画で、月面活動全体の予行演習を中東の砂漠地帯で行うとしている。



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2016年12月3日土曜日

OR Laser が金属3Dプリンター新製品「 ORLAS CREATOR 」を来年発売へ

ドイツ・ヘッセン州発:工業用レーザーシステム製造 O.R. Lasertechnologie GmbH は先月フランクフルト市内で開催された「 formnext 2016 powered by tct 」において、金属3Dプリンター新製品「 ORLAS CREATOR® 」の先行予約受注が 43 件あったことを明らかにした。

「 ORLAS CREATOR 」はコンパクトな筐体の低価格帯金属3Dプリンターで、中小企業の試作用途に特化した製品。従来の SLM 方式とは異なるダイレクトレーザー溶着方式で、円形造形ベッド上を円運動するコーターにより金属粒子を均一に積層しながら造形するため、従来の3軸座標( カルティジャン )型より 30 % 高速なプリントを実現したという。層間解像度は 20 – 100 μmで、造形可能サイズは Φ= 60 mm - 100 mm のフリースケーラビリティ設計。本体外寸は 717 x 858 x 1794 mm で、重量は 350 kg。Wi-Fi 接続のタブレット端末からの遠隔監視も可能。対応素材はステンレス、工具鋼、コバルトクロム、アルミニウム、ニッケル合金、チタン、貴金属。全ての操作は本体前面のタッチパネルで直感的に行える。

foamnext 会場の「 ORLAS CREATOR 」ブースは大盛況で、確定した受注分以外にもデモを見に来た顧客から 250 件以上の問い合わせもあったという。「 ORLAS CREATOR 」販売開始時期は 2017 年第 2 四半期を予定している。



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2016年11月28日月曜日

Carima、高速高解像度の大型 DLP 3Dプリンター「 DM250 」をリリース

韓国発:光学機器製造の Carima, Inc. は今月中旬に独フランクフルト市内で開催された「 formnext powered by TCT 2016 」で、DLP 3Dプリンター「 DM 」シリーズ新製品「 DM250 」を発表した。同製品は「 MASTER EV 」の後継シリーズに位置付けられている。

「 DM250 」は最大造形容量 250 x 140.6 x 250 mm で、DLP 3Dプリンターでは最大級。 光源ユニットは 405nm UV LED、X/Y 軸方向画素サイズは 130 µm、Z 軸制御精度は 25 / 50 / 75 / 100 µm。樹脂素材はアクリルライク、ABS ライク、キャスタブル、フレキシブル、そして耐熱 / 高解像度 / 速硬性樹脂など幅広く対応。本体操作は全てタッチパネルで実行できる。高速プリント可能でしかも仕上げ精度も高いため、後処理もあまり必要ないことも特徴だという。

Carima DM250 の主な仕様

最大造形サイズ X / Y / Z( mm ):250 x 140.625 x 250
画素サイズ:X,Y=130µm
Z軸制御:25, 50, 75, 100 µm
Z Control 25, 50, 75, 100 µm
光源ユニット:405nm UV LED
解像度:フルHD 1920 x 1080
対応素材:各種光硬化樹脂
ファイル入力形式:stl, obj, 3ds, amf
ソフトウェア:Carima Slicer
ネットワーク:Ethernet
本体外寸( cm ):65 x 46 x 149
本体重量:92 kg
電源:AC 100 - 240 V 5A

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2016年11月26日土曜日

3Dプリントが化石燃料消費量削減の鍵とスウェーデンのアナリストが指摘

デンマーク発:北欧諸国を中心に事業展開するスウェーデンの金融グループ Nordea Bank AB は現地時間 11 月 24 日、コペンハーゲン市内で開催された国際エネルギー機関( IEA、事務局所在地:仏パリ市 )のカンファレンスで、3Dプリントや電気自動車( EV )といったデジタルテクノロジーによって全世界で消費される化石燃料の削減は可能とする見方を示した。

この発表を行ったのは同金融グループ石油アナリスト Thina Margrethe Saltvedt 氏。発表に先立ち IEA 事務局長 Fatih Birol 氏が最新版 World Energy Outlook 分析に基づき、化石燃料消費量は今後も増加し続けるとの懸念を表明したのに対し、Saltvedt 氏はこの懸念に真っ向から反論する形となった。

Saltvedt 氏によると、2000 年代は石油価格が高止まりする一方で代替技術があまり存在していなかった点を指摘。現在は環境に配慮した新技術開発が進み、低燃費で経済的な船舶や EV 車の増加などの相違点を挙げた同氏は、3Dプリントの利点についても言及した。

Saltvedt 氏は、3Dプリント技術の普及により、モノ作りの地産地消化がさらに加速するため、陸海空の遠距離輸送で消費される化石燃料総量も大幅に削減されると主張した。同氏の根拠となっているのは米通信社 Bloomberg による試算で、それによると 2040 年までに全世界の EV 車台数は約 4億 5,000 万台と見積もられ、さらにその一部の製造工程は3Dプリントに置き換わると考えられている。ただし IEA 側の試算はこれとは異なり、2040 年の全世界における EV 車台数は約 1 億 5,000 万台程度と予測している。

また Saltvedt 氏は化石燃料消費量削減につながる技術として太陽光および風力発電の普及も挙げ、「化石燃料消費量は今後しばらくは増加するが、2025 年以降は減少に転じるだろう」と述べている。

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2016年11月24日木曜日

ロシアのフレキシブルな透明フィラメント「 PROTOTYPER SOFT 」

ロシア発:3Dプリンターフィラメントベンダー Filamentarno はこのほど、「 PROTOTYPER 」シリーズ新製品「 PROTOTYPER T-SOFT / M-SOFT 」をリリースした。

「 PROTOTYPER SOFT 」はフレキシブルな透明フィラメントで、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体( SBS )と呼ばれる硬質ゴム用ポリマー素材でできている。「 T-SOFT 」は一般的な仕上げのフィラメントでカラーは透明、イエロー、オレンジ、レッド、ボトルオリーブなど 12 色。同「 M-SOFT 」はメタリック光沢仕上げで全 9 色。3Dオブジェクトの透明度は Slic3R、Simplify3D、Cura などの3Dスライサーなどに搭載されている「らせん造形」のような機能を利用すれば簡単に調節できる。ガラス様質感を得たい場合は、キシレンや芳香性素材の d-リモネンといった溶剤で後処理することを推奨している。

販売価格は「 PROTOTYPER T-SOFT / M-SOFT 」ともに 1,200 RUB だが、マゼンタのみ 700 RUB。フィラメント詰まりしにくく、また変形にも強い素材なので花瓶、ランプシェード、玩具などの3Dプリント出力に適しているとしている。

製品の主な仕様

径( mm ):Φ = 1.75
耐衝撃性能および耐霜性:-80°C まで
ガラス転移温度:80°C
プリント設定:PLA
耐酸 / 耐アルカリ / 耐アルコール / 耐油脂、およびロシア食品安全性基準準拠製品

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2016年11月19日土曜日

3Dプリント関連国際見本市「 formnext 2016 」に出品された各社新製品について

ドイツ発:今月 15 - 18 日にかけてフランクフルト市内で開催された3Dプリンティングを中心とした最先端技術の国際見本市「 formnext powered by TCT 2016 」には、次のような企業による展示が注目を集めた。

1. Concept Laser GmbH の「 M LINE FACTORY 」:昨年、次世代型 AM 技術コンセプト 「 AM Factory of Tomorrow 」を掲げた同社は、同コンセプトを具現化させたシステム試作品を出展した。パウダー素材処理と生産ユニットを分割、パウダー素材供給とプリント製品除去を同時処理する方式を採用し、大量生産に最適な AM システムだとしている。

2. 3ntr の PEEK代替素材「 nPower 」:イタリアの産業向け3Dプリンターベンダー 3ntr は現在、幅広い分野で高い需要を持つ高機能性樹脂ポリエーテルエーテルケトン( PEEK )に代わる新素材「 nPower 」を参考出品した。「 nPower 」は PEEK に比べて廉価で加工がしやすく、PEEK と同等の耐熱 / 耐水性能を持つとしている( 最高耐熱温度 200 °C )。

3. Roland のセラミック3Dプリンター:DLP 型デスクトップ3Dプリンター「 ARM-10 」を販売する Roland DG Corporation は、同社初となるセラミック専用3Dプリンターを参考出品した。商品化は未定だが、同社では自動車、電気、航空宇宙分野での需要を見込んでいる。

4. Robonze の「 One + 400 」:イタリアの3Dプリンターベンダー Robonze は同社最新製品「 One + 400 」を出品した。医療対応 PEEK、ポリエーテルイミド樹脂、複合素材対応のハイエンド産業用3Dプリンターとのこと。

5. Michelin の「 FormUp 350 」:Michelin SCAFives Group との合弁事業 AddUp Solutions 初の業務用金属加工用3Dプリンター「 FormUp 350 」を出品した。 AddUp Solutions は AM 導入コンサルタントから AM による生産までを統合した新しいソリューションという位置付けで、「 FormUp 350 」は同合弁事業によるハードウェア第 1 弾となる。

6. Prodways の「 ProMaker P4500 」:仏レ・ミュロー市に本部を置く産業用3Dプリンターベンダー Prodways は SLS 大型造形用3Dプリンター「 ProMaker P4500 」を出品した。30W レーザーのスタンダードモデル「 ProMaker P4500 SD 」から 100W レーザーの最高機種「 ProMaker P4500 HT 」の4機種で構成されている。

7. Stratasys の新型「 Fortus 900mc 」:米 Stratasys は独 Siemens AG と共同開発した「 Fortus 900mc 」の新型製品を出品した。「 Fortus 900mc 」は大型造形用 AM 複合機で、同社のクラウドベースプリントソフト「 GrabCAD 」との連携や、遠隔操作による内部モニタリングも可能にしている。

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2016年11月18日金曜日

Markforged がカーボン複合材対応の3Dプリンター2製品を発表

米国マサチューセッツ州発:世界で初めてカーボンファイバー含有素材に対応した3Dプリンター「 MarkOne 」を開発した Markforged, Inc. は現地時間 11 月 17 日、「 Onyx One 」と「 Onyx Pro 」2機種を発表した。

新型2機種は共に今年 6 月にリリースした純正チョップドカーボンファイバーフィラメント「 Onyx 」に対応する。「 Onyx One 」はエントリーモデルという位置付けで販売価格は 3,500 米ドル、上位モデルの「 Onyx Pro 」は 7,000 米ドル。両製品は同社最上位製品「 MarkTwo 」の搭載する CFF 方式とは異なるプリントシステムを採用して価格を抑えているが、仕上がり精度は上位機種並みだとしている(「 MarkTwo 」の販売価格は 13,500 米ドル)。

「 Onyx One 」および「 Onyx Pro 」には同社の開発した3Dプリントソフト「 Eiger」による高速モードも用意され、仕上がり精度を犠牲にすることなく従来より高速の製品出力が可能となっている。両製品は北米地域のみ販売が開始されるが、順次世界 50 か国の同社販売代理店を通じて販売される予定。

Onyx One 
販売価格:3,500 USD
最大造形サイズ:330 x 250 x 200 mm
対応素材:プラスチック( Onyx )
Z軸解像度:100 µm
800cc Onyx spool 同梱

Onyx Pro
販売価格:
最大造形サイズ:330 x 250 x 200 mm
対応素材:プラスチック( Onyx )、グラスファイバー
Z軸解像度:100 µm
800cc Onyx spool, 50cc Fiberglass, スペアプリントベッド同梱

「 Onyx 」フィラメントはナイロンベースにカーボン短繊維を混合したもので、強度はナイロンのみの場合と比べて約 3.5 倍ある。

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2016年11月15日火曜日

iPad をモバイル3次元計測器に変えるアプリ「 Canvas 」

米国カリフォルニア州発:サンフランシスコ市に本拠を置く先進的アプリケーション開発スタートアップ Occipital はこのほど、同社の iPad アドオンデバイス「 Structure Sensor 」用アプリとして新たに「 Canvas 」を追加した。

同社の「 Structure Sensor 」は iPad をモバイル3D深度センサー化するアドオンデバイスで、初代( 2013 年リリース )は Microsoft の「 Kinect 」とほぼ同等の技術を応用してリリースされた。「 Canvas 」はこの「 Structure Sensor 」で部屋の間取りなどの3次元キャプチャーおよび3Dデータ化を簡単に実現させる付属アプリケーションという位置付けだ。

「 Canvas 」の使用法はいたってシンプルで、「 Structure Sensor 」と画角 120° の広角レンズアタッチメントを装着した iPad を持ってアプリ画面上でスキャンボタンをタッチし、測定したい部屋の周囲を歩き回るだけ。あとはアプリ側が自動処理して3次元画像化する。この3次元画像を3D CAD データ化するには、別途同社の作業チームに委託することになる。この場合3D CAD データの完成まで約 48 時間かかるという。測定だけなら 30 秒ほどで完了する。

「 Canvas 」アプリを利用するには「 Structure Sensor 」本体( 379 米ドル )および 120° 広角レンズアタッチメント( 39 米ドル )が必要。3D CAD データ化には 1 件につき別途 29 米ドルかかる。同社はこのアプリの使用で大幅な省力化が見込めるとし、顧客層として工事請負業者、リフォーム業者、インテリアデザイナー、建築家などを想定している。

同社マーケティング部門バイスプレジデント Adam Rodnitzky 氏の話「そのうち、現在の状況がちょうど写真が発明された 1830 年代のように見える時が来るだろう。現在は、我々を取り巻く世界の3次元記録技術が実用化されつつある黎明期に入ったと言える」。

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2016年11月12日土曜日

豪州の教師が廃ロープから3Dプリントフィラメントを作成

オーストラリア・タスマニア州発:タスマニア州技術・継続教育機関( TasTAFE )所属の建築設計科非常勤講師 Marcos Gogolin 氏はこのほど、船舶ロープ廃材を3Dプリンター用フィラメントとして再生する方法を考案した。

Gogolin 氏によると、ロープ廃材からフィラメント製造を思い立ったのは 5 年前にタスマニア島西海岸地方を旅した時、海岸に打ち上げられて散乱するロープの細かい破片の多さに愕然としたからだと言う。「その 5 か月後、今度は3Dプリント講座のために3Dプリンターを支給され、自分がプラスチック製品を更に製作する側になった。いろいろ考えた末、廃ロープを3Dプリンター用フィラメントとして再生することを思いついた」。

Gogolin 氏は当初、市販のグルーガンでロープ廃材を溶融してフィラメントを作成しようと試みたが、うまくいかなかった。そこで産業用の高品質のグルーガンを購入して TasTAFE 学の生たちと共同で廃ロープから再生フィラメントが作成可能な製造機を自作し、実用に耐えられるフィラメントが製造可能になった。再生フィラメント製造機は極めて原始的な作りだが、Gogolin 氏らは地元企業やエンジニアたちがこの再生フィラメント製造技術に着目し、改良の申し出が来ることを期待している。

Gogolin 氏の話「この世界はあまりに多くのプラスチック製品を生産し続けている。まったくクレイジーで、完全に制御不能の状態にある。これ以上のプラスチック製品製造は高コストで、もはや非実用的とさえ言える段階に達している。いずれ人々は資源としてのプラスチックごみの価値に気づくことになるだろう」。

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2016年11月8日火曜日

仏政府が AM と IoT 分野に特化した行動計画策定へ

フランス発:フランス政府はこのほど、3Dプリントを含めたデジタルテクノロジーを推進する目的で新たに 2 つの行動計画を策定する方針を明らかにした。

同国工業相 Christophe Sirugue 氏の声明によると、 2 つの行動計画は共に同国に「未来の産業」を創出し、とりわけ積層造形( AM )および「モノのインターネット」( IoT )分野に照準を合わせた内容とのことだが、計画の詳細は追って発表すると述べるに留めた。

Sirugue 氏は声明で、国内産業がデジタルテクノロジーにおいて他国より遅れを取っている点を深刻に受け止めた上で、「総力を上げて」計画に取り組むとし、この分野における外郭団体による投資の必要性を指摘した。また同氏は財界首脳にもデジタル化による事業近代化のための投資を呼びかけ、デジタル化による付加価値創出効果は 2014 年と 2015 年末時点との比較で 29.4 % から 31.3 % に増加したと述べている。

同氏はまた、従業員がデジタル革命に伴う様々な変化に柔軟に対応できるようにする研修の必要性も強調した。フランス政府は「未来投資プログラム( PIA )」の一環として、今後総額 1 億ユーロを拠出して全労働者のデジタル化対応を目指す意向と伝えられている。

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2016年11月7日月曜日

Aether、スタンフォード大学研究拠点と新型バイオ3Dプリンター共同開発で提携を発表

米国カリフォルニア州発:バイオ3Dプリンタースタートアップ Aether は現地時間 11 月 2 日、スタンフォード大学癌 / ナノテクノロジー研究拠点( CCNE-TD )とバイオ3Dプリント関連の研究開発提携を結んだと発表した。

同社によると、新開発のバイオ3Dプリンターのベータ試験機「 Aether 1 」を CCNE-TD に提供し、CCNE-TD 側はこのベータ機を使用してコンピューターシミュレーション上に仮想的に作成した細胞、組織、器官で行ったシミュレーション内容をバイオ3Dプリントした等価物と比較することで結果を検証するという。

「 Aether 1 」は FDM/ FFF 方式で、最大 2 基までのエクストルーダー / ホットエンドおよび 8本までのシリンジ型エクストルーダー、さらに 14 基までの滴下式のドロップレットジェットエクストルーダーに対応する独自開発のモジュラー方式を採用している( 特許申請中 )。同機は単一プリント作業でこれらのプリント機構を同時に組み合わせてバイオプリントを行う。モジュラー方式なので必要に応じて CNC ドリル、顕微鏡などのパーツに交換可能な仕様となっており、電子回路基板の3Dプリントも可能。キャリブレーションやプリントベッド高さ調節も全て自動で行う。筐体は密閉式で、外装はアルマイト仕上げ。ベータ版のため、今後も仕様変更が予定されている。

同社によると、「 Aether 1 」の販売予定価格は 9,000 米ドルだが、従来数百万ドル台のバイオ3Dプリンターが行っていたのとほぼ同等のバイオファブリケーションが可能だとしている。同社と CCNE-TD は、今後このようなバイオ3Dプリント技術が発展を遂げれば、これまでは不可避だった動物実験の全廃も可能になるだろうと期待する。

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2016年11月4日金曜日

New Balance が Concepts NYC との限定コラボ3Dプリントスニーカーをリリース

米国マサチューセッツ州発:スポーツシューズ製造の New Balance はこのほど、スニーカーブランドショップ Concepts NYC とのコラボ3Dプリントスニーカー「 MS066 」をリリースした。

「 MS066 」は Concepts NYC ショップ( マンハッタン、ハドソン通り 225 番地 )で限定 40 足のみの販売となり、価格は 349.95 米ドル。ミッドソールは SLS 方式の3Dプリント製で、今年 4 月に New Balance がリリースした3Dプリントランニングシューズ「 Zante Generate 」と同様の技術で製造されているが、こちらのミッドソールには衝撃吸収性能と安定性をさらに向上させた特殊なハニカム構造を採用している。

「 MS066 」のデザインを担当したのは東京に拠点を置く New Balance’s Lifestyle Design Studio で、製造工程は全て米国内で行っている。ミッドソールに使用されているのは 3D Systems のエラストマー素材「 DuraForm® TPU 」。シンプルさとフィット感を極めたアッパーは流れるようなニット仕様で、シューレースさえ廃している。

New Balance は「 Zante Generate 」の研究開発と製品試験に数年がかりで取り組んできた。「 MS066 」リリースに合わせて、同社はトレーニングウェア商品 2 点もリリースしている。

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2016年11月1日火曜日

アイダホの大学チームが3Dプリントで製作した超小型衛星が来年3月にも打ち上げへ

米国アイダホ州発:ノースウェストナザリーン大学( NNU )研究チームが3Dプリントで製作した同州初の超小型衛星が、来年3月にも打ち上げられる運びとなった。

同チームが製作したのは 10 x 10 x 11.35 cm の立方体型超小型衛星( キューブサット )「 MakerSat 」で、完成まで2年半かかったという。打ち上げは NASA が行い、NASA 側は3Dプリントで作られた部材が宇宙空間でどのような状態になるのか、データ収集のためにこの「 MakerSat 」を活用することになっている。同衛星は軌道投入後、地球を毎 100 分ごとに一周する。

同チームは2名の教授と4名の学生からなる混成チームで、NASA によって選抜された。当初「 MakerSat 」の打ち上げは 2018 年に予定されていたが、NASA がスケジュールを前倒しした。同衛星は 2017 年 3 月 16 日、米国海洋大気庁( NOAA )の衛星と共に打ち上げられる予定だ。

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2016年10月29日土曜日

高解像度の歯科技工用 DLP3Dプリンター「 DentalFab 」

スペイン・マドリード発:3Dプリンター製造スタートアップ Microlay はこのほど、比較的安価な歯科技工用 DLP3Dプリンター「 DentalFab® 」をリリースした。

「 DentalFab 」は歯科技工現場で要求される高解像度( 光源 UV フル HD プロジェクター、X Y 軸最大解像度 50 μm、Z 軸最大解像度 10 μm ) を実現すると同時に販売価格 1 万ユーロと、シンガポールの Structo 製品「 OmniForm 」と比べれば安価に設定されている。最大造形容量は 107 x 60 x 160 mm、プリント速度は最大 40mm / h。患者の歯型の正確な3Dスキャンデータさえあれば、7インチのタッチパネル操作により数クリックでプリントできるとしている。筐体は耐久性のあるアルマイト仕上げで、外形寸法は 473 x 357 x 464 mm。市販のほとんどの UV 硬化型樹脂( Detax、Envisionlab、Nextdent 等 )に対応する。スライサーソフトは Autodesk の Meshmixer を使用している。

同社は 2014 年設立のスタートアップで、社員の大半が3Dプリンターキット販売の Kitprinter3d 出身者で構成されている。




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2016年10月24日月曜日

超高出力レーザーによる材料強度試験試料の3Dプリント作成に成功

米国カリフォルニア州発:ローレンス・リバモア国立研究所( LLNL )の研究者チームはこのほど、超高出力レーザーによる極限環境下での強度試験に使用可能なターゲット試料を3Dナノプリント技術によって作成することに成功したと発表した。

同チーム主幹 Juergen Biener 氏によると、この3Dナノプリント技術は2光子重合ダイレクトレーザーライティング( 2PP DLW )と呼ばれるもので、この3Dプリント技術を使用して、世界で初めてミリメートルサイズの大きさの低密度発泡体試料を作成することに成功した。同チームの作成した試料はロチェスター大学レーザーエネルギー研究所( LLE )の紫外線レーザー発射装置 OMEGA で実地試験にかけられる。

同チームの 1 人で博士研究員の James Oakdale 氏は、このような強度試験用試料が3Dプリントで作成できれば、密度、脆性、弾性といった強度特性を変えた試料の作成が従来製法より柔軟かつ短時間で可能になると語る。「試料作成に不具合があった場合、これまでは再作成に 2か月かかる場合もあったが、この方法なら翌日か、その日の夜には再作成できる」。

Biener 氏は、2PP DLW 技術は数百種類の微妙に特性を変化させたターゲット試料を材料ライブラリ化し、高速連続試験にかけることも可能になると話す。同チームは 2PP DLW による3Dナノプリント技術について、将来的には高出力レーザーによる材料試験に使用するターゲット試料製造における費用対効果と、従来製法では実現不可能な試料素材のカスタマイズができる3Dプリントならではの利点を挙げ、新しい物理学の要求に即応できるだろうと期待を寄せている。

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2016年10月22日土曜日

コンパクトな筐体のフィラメント製造機「 3devo NEXT 1.0 / Advanced 」

オランダ発:フィラメントエクストルーダー製造の 3devo B.V. はこのほど、再生フィラメントおよび未使用プラスチック粒子からフィラメントの押し出し製造を行う新製品「 3devo NEXT 1.0 」と「 3devo Advanced 」をリリースした。

両製品ともに極めてコンパクトな筐体( 50.6 x 21.6 x 54.0 cm )ながら、自動制御による 0.5 - 3 mm 径フィラメントの安定製造を可能にしている。強力な冷却システムにより高速製造を実現、製造途中での材質切り替えにも対応する。対応素材は ABS / PLA だが、ハイエンド機の「 Advanced 」は最高 450 °C まで加熱でき、ポリエーテルエーテルケトン( PEEK )など工業用プラスチックにも対応する( NEXT 1.0 は 350 °C まで )。同社によると両製品を使用した場合、フィラメント費用は1ポンド( 0.45 kg)当たり 0.55 ドルにまで抑えることができ、フィラメントも無駄にならずにすむメリットもあるとしている。製造能力は平均 0.7 kg /h。

「 NEXT 1.0 」の販売価格は 3,100 ユーロ、「 Advanced 」は 4,300 ユーロ( 出荷費用と税金は別途 )から。色はブラック粉体塗装仕様と白のアルマイト加工仕様の2種。同社は「 NEXT 1.0 」を一般個人ユースや教育向け、「 Advanced 」をプラスチック製品産業や大学、研究機関といったプロフェッショナル向けとしている。

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2016年10月20日木曜日

独 Trumpf が産業用金属3Dプリンターの新製品を発表へ

ドイツ・バーデン-ヴュルテンベルク州発:レーザー加工機械の Trumpf Laser und Systemtechnik GmbH は来月 15 - 18 日にフランクフルト市内で開催される次世代生産技術関連見本市「 foamnext 2016 」に、産業用金属3Dプリンターの新製品出品を発表した。

同社によると、出品予定の新製品は産業用金属3Dプリンター「 TruPrint 」シリーズの最新版「 TruPrint 3000 」。同社のレーザーメタル溶融技術 ( LMF )最新版を搭載し、最大造形容積( 高さ x 直径 )は 400 x 300 mm。現行製品「 TruPrint 1000 」の 300 W を上回る 500 W 高精度レーザーを出力して造形する。ドイツ国産産業向け AM 製品では最大かつ最強クラスになるとしている。同社は「 TruPrint 3000 」を航空宇宙、自動車、医療産業など幅広い産業での導入を見込んでいる。

同社は昨年の foamnext で、レーザー加工機「 TruLaser Cell 7040 」および「 同 3000 LMD 」、「 TruPrint 1000 」を出品している。

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2016年10月18日火曜日

名画「接吻」の3Dプリント複製作品が公開

オーストリア発:ベルヴェデーレ宮殿オーストリア絵画館( ウィーン市 )は現地時間 10 月 12 日、世紀末ウィーンの代表的画家 Gustav Klimt の名画「接吻 ( 1908 )」の3Dプリントによる3次元複製作品の一般公開を開始した。

同館によると、今回の「3次元複製画」は視覚障がい者に美術品をより身近に感じてもらうための取り組みの一環として制作された。欧州連合( EU )はこのような視覚障がい者に対する「アート作品のバリアフリー化」を推進している。

「接吻」の3Dプリント複製品は無彩色で、サイズも実物よりかなり小さいものの、手で触れるとセンサーが感知して作品解説の音声も流れる仕組みになっている。

3Dプリントを活用した「アートのバリアフリー化」の試みはオーストリア絵画館に限らない。既に米メトロポリタン美術館も「タッチコレクション」を擁しているし、スペインのプラド美術館( マドリード市 )でも昨年 3 月、レオナルド・ダ・ヴィンチ Leonardo da Vinci の「モナ・リザ( 1503 - 1519 )」やフランシスコ・デ・ゴヤ Francisco José de Goya の「日傘( 1777 )」などの名画を3Dプリントレリーフ複製を展示している。また米ミネアポリス美術館およびデンバー美術館、伊フィレンツェ市のウフィツィ美術館でも同様に3Dプリント複製作品展示を先駆けて行ってもいる。

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2016年10月17日月曜日

HP、3Dプリント分野注力の一環として従業員 3,000 - 4,000 名を削減へ

米国カリフォルニア州発:HP Inc. ( NYSE:HPQ )は、今後 3 年間で全従業員の 8 % に相当する人員削減策を含む大規模な再編計画を明らかにした。

現地時間 10 月 13 日、同社社長兼 CEO Dion Weisler 氏がニューヨーク市内で開かれた会議の席上でこの組織再編計画を明らかにした。それによると、2017 - 2019 会計年度にかけて同社従業員 3,000 - 4,000 名を削減する。同社取締役会は、この人員削減策および組織再編により、2020 会計年度以降 2 - 3 億ドルのコスト削減効果が見込まれるとし、今回の人員削減計画にかかる総費用は3 億 5,000 万 -5億ドルを見込んでいる。同社は同日付でこの人員削減計画を米国証券取引委員会( SEC )に提出した。

同社は昨年 9 月にも、エンタープライズ部門( 現 Hewlett Packard Enterprise Co. [ NYSE:HPE ])を分社化する際に 3,300 名もの人員カットを実施している。

Weisler 氏は今後、同社は3Dスキャニングや3Dプリントに至る3Dエコシステム完成に向けた取り組みを本格化させ、経営資源を集中することを明言している。既に同社はスペインに3Dプリント関連の研究開発施設稼働のために 6,500 万ドル以上を投資している。

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2016年10月15日土曜日

MIT が多素材3Dプリントに特化した3Dプリントソフトを開発

米国マサチューセッツ州発:MIT コンピューター科学・人工知能研究所( CSAIL )はこのほど、複合素材を組み合わせた3Dデザインを一元的に作成可能にする新しいソフトウェア「 Foundry 」を開発した。成果は今月 16 日から東京で開催される米国計算機学会 UI ソフトウェア技術会議( UIST 2016 )で発表される。

開発チームの 1 人で論文筆頭筆者の Kiril Vidimče 氏によると「 Foundry 」は、「 Photoshop の3Dプリント版」。物理特性の異なる素材を組み合わせた3Dプリントを行うには、従来の方式では各パーツごとに SolidWorks のような3D モデラーで設計し、別々にプリントアウトする必要があった。「 Foundry 」はこの工程をシームレスかつ直感的に処理し、同じく CSAIL の開発した「 MultiFab 」のような多素材対応3Dプリンターでの製造を容易にする。

基本的な使い方は、まず通常の 3D CAD でモデリングした 3D モデルを「 Foundry 」にインポートし、「オペーレーターグラフ」で各素材の構成を精密にマッピングして決定する。オペーレーターグラフには約 100 通りのカスタマイズ機能が用意され、カスタマイズ機能を複数組み合わせることで、2 種類以上の素材への分割や再配置、割り当てができる。例えば一方の側面は硬素材で、もう一方の面はラバーライクの弾力のある素材から成る立方体を3Dプリントする場合、「硬素材用」と「軟素材用」オペレーター、そして両素材を結合するオペレーターを使用すればリアルタイムで確認しながら作成できる。

同開発チームは「 Foundry 」の使い勝手を検証するため、3D デザイン経験のない被験者に 1 時間のレクチャー後にテディベア、骨格標本、タイヤ付きホイールをそれぞれプリントしてもらうテストを実施した。その結果、テディベアが平均 56 分、骨格標本が 48 分、タイヤ付きホイールが 26 分だった。

Vidimče 氏の希望はこの「 Foundry 」が将来、3D CAD システムに統合されることだ。今回の研究は全米科学財団( NSF )の助成も受けている。




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2016年10月10日月曜日

脱毛症もこれで解決 ?! 仏 L’Oréal が画期的新3Dバイオプリント技術を開発中

フランス・オー-ド-セーヌ県発:化粧品大手 L’Oréal S.A. ( EURONEXT:OR )はこのほど、生きた人間の毛包細胞を3Dプリントする技術の実用化を目指して開発を進めている。将来、この技術が実用化されれば、脱毛症に悩む男性にとって最終的解決となる可能性もある。

同社はバイオプリントのエキスパート企業 Poietis を共同開発者として独占契約を締結。同社の持つ毛髪生物学のノウハウと Poietis の持つ精密なバイオレーザープリント技術を組み合わせ、世界で初めて人間の毛包細胞を人工的に作成する新技術を開発した。

同社によると、核となるのは Poietis が数年前から開発を進めてきたレーザーアシスト3Dバイオプリント技術で、レーザー光で生きた毛包細胞を含むバイオインクをマイクロレベルで精密に3Dマッピングされた位置に毎秒約 1 万個を滴下してレイヤーを形成し、そこで毛包組織として成長させるという。現行の再生医療技術では細胞型の複雑さから限界があったが、開発中の新技術ならば細胞レベルの超高解像度で3次元造形が可能で、細胞生存率も 95 % 以上だとしている。こうして成長させた人工毛包組織を頭皮に移植すれば、毛髪が再生する可能性がある。

ただし同社によるとこの新技術応用について、当面は新製品開発用途に限ると断っている。この新しい手法では幅 1 x 厚さ 5 cm の皮膚上へのプリントに約 10 分かかるとしているが、人間の毛包細胞は 15 の異なる細胞から成る複雑な組織構造を持つため、更に時間がかかる可能性がある。





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2016年10月8日土曜日

3Dプリント製品取り出し時の失敗を防止する「 3Dプリンタープラットフォームシート 3099AB 」

日本発:3M Japan Limited は 10 月 4 日、FDM /FFF 3Dプリンターで出力した3Dオブジェクト底面の「反り」に起因するトラブルを解消する新ソリューション「 3M™ 3Dプリンタープラットフォームシート 3099AB 」を発表した。

「 3099AB 」は 210 x 180 mm の特殊な耐熱ポリエステルフィルムをベースに、フィルム表面にナノレベルの微細な凹凸構造をもつコーティングが施されたシート。使い方は至って簡単で、造形前に造形ベッド( ヒートベッド / 非加熱型兼用 )に貼り付けるだけで、貼り直しもできる。厚さ 0.1 mm のこのフィルムシート上に3Dプリント出力するだけで、メイカー達の悩みの種だったプリントアウトの失敗や取り外し時の失敗を防止するという。対応フィラメントは ABS / PLA。繰り返し使用もできるが、フィラメントカラーを変更した場合は新しいシートに取り替えることを推奨している。

同社は米国 3M Company( 本社ミネソタ州メイプルウッド )の日本支社。同社には以前から、3Dプリント直後の完成品底面部の歪みや反りといった変形に起因する取り外しの失敗による損壊に関するフィードバックが多数寄せられており、「 3099AB 」を造形ベッドに貼り付けてプリントアウトすれば、冷却時の底面部の反りは一掃され、どのような形状の完成品でも底面は完璧に平坦になり、取り外し時の失敗もなくなるとしている。

「 3099AB 」は現在 Amazon Japan で取り扱っており、販売価格は 1,998 円。海外向け展開は現時点では未定。




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2016年10月7日金曜日

MIT 研究者チーム、弾性を自由に調節可能な3Dプリンタブルスキンを開発

米国マサチューセッツ州発:MIT コンピューター科学・人工知能研究所( CSAIL )所属の研究者チームはこのほど、弾性を自由に調節可能なクッション素材の「スキン」を3Dプリントで作成する新手法を開発したと発表した。

同チームによると、今回案出したのは一般的な3Dプリンターで「プログラマブル粘弾性材料 ( PVM )」を出力する方法。この新技術により、低コストで調達しやすい粘弾性素材から、目的に応じて硬度や弾性を自由に調節可能にした3Dプリンタブル製品が作成可能になる。同チームはこの PVM 手法でゴムライク素材でできた「スキン」を装着したキューブ型ロボット( モーター 2 基、マイクロコントローラー、バッテリー、慣性計測センサー搭載 )を3Dプリントで製作、その後サポートの役目をする通常の硬素材とゴムライク素材( TangoBlack+ )を非硬化液と同時に組み合わせて3Dプリントした PVM の保護材を装着して、落下試験を行って装着前と比較した。

その結果、このキューブロボットをバウンスさせると正確に着地させる確率は 4 倍近く向上し、また着地面に伝達される衝撃もスキン付きでは 1 / 250 にまで減衰した。CSAIL 研究者によると、この衝撃吸収素材スキンは複数の企業で開発が進められている宅配ドローンなどの輸送機器の寿命を延ばす助けになる他、携帯電話、靴、ヘルメット等幅広い製品での応用も期待できるとしている。





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2016年10月3日月曜日

再生廃材を含む複合建材に対応した新型建設用3Dプリンター開発が進行中

ルーマニア・ヤシ県発:ヤシ市に本拠を置くデジタルデザイン建築会社 Austrocasa International Varna BG は現在、コンクリートミックス、粘土、リサイクル木材等の複合建材に対応した新しい建設用3Dプリンター開発に取り組んでいる。

同社は、「汎用積層システム技術 ( VAST )」を搭載した建設用3Dプリンターの試作機「 DesignVAST 」を今年初めに開発した。この試作機はコンクリートミックス、粘土など数種の建材を使用して3Dプリント工法による建造が可能。同社によると、今後はこの試作機をさらに改良し、ロボティクスも取り入れた製品版の「 RoboVAST 」として市場投入する計画だ。

同社は 2003 年に設立され、セルロースファイバーや再生廃材を建材として使用した持続可能型住宅キット開発と販売を手掛ける。従来このような工法で建てられた住宅やオフィスは建築コストが非常に高くつき、また運搬の問題などで僻地居住者には手の届きにくいものだった。またこのような建造物では設計者にとっても、自分のデザインが図面通りに反映されるとは限らず、実現可能なデザインも制限される。同社によるとこの3Dプリント工法ならば少ない現場作業員で従来工法と同等かそれ以上の品質の住宅を短期間で、しかも市価の半額ほどで提供できるとしている。

その解決策として同社がたどり着いたのは、3Dプリント工法であり、これは同社にとっては当然の帰結だったという。同社は「 RoboVAST 」商品化に向けて開発を進めると同時に、西アフリカのガンビアで 50 棟分の3Dプリント住宅供給に向けた提携を結ぶための交渉に入っているという。

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2016年10月1日土曜日

超柔軟性を持つ3Dプリンタブル人工骨を開発

米国イリノイ州発:ノースウェスタン大学( エバンストン市 )研究者チームはこのほど、超柔軟性セラミック複合素材でできた3Dプリント人工骨を開発したと雑誌 Science Translational Medicine 最新号に発表した。

同開発者チームの 1 人で論文上席執筆者の生物材料工学者 Ramille N. Shah 博士によると、今回開発したのは骨や歯の主成分ハイドロキシアパタイト( 塩基性リン酸カルシウム ) 90 % 、生分解性ポリマー 10 % から成る「超弾性骨( HB )」をバイオインク化して3Dプリントで出力する技術。HB は切断、折り曲げ、生体組織への縫合が可能で、炎症を起こすこともなく、血管組織も生成できるという。従来のハイドロキシアパタイト製インプラントは柔軟性がほとんどない人造セラミックのため、破損しやすいという欠陥があった。逆に、セラミック以外の素材の多くは組織が稠密すぎて血液が浸透しないなどの欠点がある。Shah 氏と開発チームは生分解性で拒絶反応も炎症も起こさず、血流が浸透する多孔質で柔軟性に富み、外科手術の際に取り扱いやすい、熱処理不要の3Dプリンタブル複合素材を追求した。

この新素材をマウス、ラット、サルにそれぞれ移植して実験したところ、全て骨組織に融合し、新たな血管生成も確認でき、拒絶反応も一切なかった。Shah 博士は、究極的には成長過程の子供の骨組織欠陥の外科療法での応用を目指している。Shah 博士らが開発したこの新技術ならば、子供の成長に合わせて新しいインプラントを製作して再手術する必要もなくなるからだ。もちろん3Dプリントなので、従来製法より安価に MRI 画像などからインプラント作成ができる。

Shah 博士の話「この3Dプリンタブル素材はほとんどがセラミックでありながら、非常にユニークな微小構造特性のため弾性に富んでいる。初めて3Dプリントで出力した時、圧縮 / 変形させてもバネのようにすぐ元通り復元したのでとても驚いた」。




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2016年9月26日月曜日

ポーランドの宇宙開発スタートアップが来年にも3Dプリント製超小型衛星を打ち上げへ

ポーランド・ドルヌィ・シロンスク県発:宇宙開発スタートアップ SatRevolution S.A. はポーランド初となる3Dプリント製超小型商用衛星「スヴィアトヴィト Światowid 」を来年中にも打ち上げる計画だ。

同社によると公的機関から私企業、さらには天体物理学を探求する個人まで、非常に幅広い顧客を対象として事業展開を図るという。ポーランド最大の研究開発機関ヴロツワフ研究センター EIT+ は同社の計画に対し研究設備を提供するなど全面的に支援する方針だ。

計画によれば、打ち上げる超小型衛星は外寸 10 x 10 x 20 cm の立方体型( キューブサット )で、震動、宇宙線、150 - 300 °C の急激な温度変化にも耐えられる特殊アルミ合金製。開発担当者によると、最大限の軽量化と最適な形状の双方を実現するには、3Dプリントが最も適した製造方法だとしている。衛星には電源の太陽電池パネルの他、格納式アームカメラ、軌道安定用の特殊な磁気平衡装置なども搭載する。

同社は今年 6 月に設立されたばかり。この野心的な3Dプリント超小型衛星打ち上げ計画には政府と複数の提携企業の支援も受けている。打ち上げ時期は 2017 年第 3 四半期頃で、衛星放出には超小型衛星用放出機構 P-POD システムを新たに開発して使用する予定だ。

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2016年9月24日土曜日

Valplast に正式対応した新型歯科用3Dプリンター「 r.Pod® 」

米国ニューヨーク州発:歯科関連製品製造大手 Valplast International Corp. はこのほど、3Dプリンターベンダー Arfona LLC と共同開発した義歯製造用3Dプリンター「 r.Pod® 」を発表した。

従来、義歯製造向け製品は DLP / SLA 方式が主流だったが、「 r.Pod® 」は FFF / FDM 方式を採用。FFF / FDM は X,Y 軸解像度の限界などから精巧な仕上がりが要求される歯科技工用途では利用されてこなかったが、DLP / SLA 方式では歯科模型や試作品しか作れないという欠点があった。両社によると、「 r.Pod® 」は最終製品としての部分義歯、印象トレイ、人工歯肉が製造可能な FFF / FDM 3Dプリンターとしている。

「 r.Pod 」は多素材 / マルチカラー対応のデュアルエクストルーダー製品。フィラメントは ABS / PLA の他、NinjaFlextaulman3D 全製品と、FFF / FDM 方式としては唯一 Valplast International のナイロン樹脂ベースの金属不使用部分義歯素材 Valplast® に正式対応した。3Dプリントソフトには Simplify3D を採用し、単一エクストルーダー機種も用意する。

「 r.Pod 」デスクトップ3Dプリンター初期出荷は年末までの予定。販売は Arfona / Valplast の先行予約直販のみで、小売価格は 4,999 USD。12 月以降に順次出荷する。

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2016年9月22日木曜日

MakerBot が新型デスクトップ3Dプリンター 2 製品と新サービスを発表

米国発:MakerBot は現地時間 9 月 20 日、新型デスクトップ3Dプリンター「 Replicator+ 」と「 Replicator Mini+ 」を発表した。同社が新製品ラインアップを発表するのは CES 2014 以来約 2 年ぶり。

「 Replicator+ 」は同社初のプロフェッショナル向け製品で、「 Replicator Mini+ 」は主に教育機関向けに新規開発されたもの。両製品共に全面的に設計を見直し、従来製品より造形可能エリアの大型化と高速化および静音化を図り、高硬度 / 高強度 PLA フィラメント対応でより幅広い製作用途に使用できるとしている。同社幹部によると「 Replicator+ 」のプリント速度は従来比 30 % の高速化、27 % の静音化を、「 Replicator Mini+ 」は「 Replicator Mini Compact 」より 10 % の高速化と 58 % の静音化をそれぞれ実現しているという。「 Replicator+ 」の販売価格は来月末まで期間限定割引を適用すれば 1,999 USD、「 Replicator Mini+ 」が最低価格 999 USD から( 10 月末から 1,299 USD ~ )。

また同時に、同社は教育機関向けオンラインコミュニティーThingiverse Education も開始した。これは3Dプリンターを活用した授業を行う教師間の情報交換プラットフォームという位置付けで、既に参加者がアップした 100 以上の授業プランが公開され、幼稚園から高学年向け、習熟度に応じ最適なプランを選択できるようになっている。

この他、同社は新ソフトウェア「 MakerBot Print 」も公開した。20 の異なる ネイティブ CAD ファイルから自動で最適なスライスデータを作成してプリンターに出力する機能により、stl ファイルなしでプリントアウトできるためプリント作業が大幅に簡略化できるとしている。プリント完成品を予測してアニメーション表示するシミュレーション作成機能も搭載し、3Dデータの問題点を事前に発見しやすくなっている。同社モバイルアプリ経由で使用すれば複数の同社製3Dプリンターのモニタリングや遠隔操作も可能。




2016年9月20日火曜日

TPU 素材を3Dプリントで編み上げる新技術「 AMIMONO 」

日本発:ブランドアパレル作成サービスを提供する STARted を運営する Bandersnatch はこのほど、熱可塑性ポリウレタン樹脂( TPU )から作成可能な3Dプリントニット製品の試作品「 AMIMONO 」を発表した。

「 AMIMONO 」は、3Dデザインの Free-D と同社が共同開発した新技術で、各パーツを3Dプリントするのではなく、鎖帷子のように3Dプリンター自身が TPU フィラメントを編糸のように組み合わせ、アルゴリズミックデザインという手法によりニット製品を作成する。TPU 素材を編糸のように扱ってニットの質感を実現することが難点だったが、これを克服して仕上がった試作品は従来の3Dプリントアパレルでは得られなかった着心地のよさと伸縮性を実現し、折り畳むことさえできる。


2016年9月18日日曜日

投資銀行が Ultimaker に 1,500 万ユーロを融資

オランダ・ヘルダーラント州発:Ultimaker, B.V. は現地時間 9 月 14 日、投資銀行 The European Investment Bank ( EIB、本店ルクセンブルク )から総額 1,500 万ユーロの融資契約を交わしたと発表した。同社はこの融資金を研究開発および新製品展開に振り向け、世界市場規模拡張の足掛かりとする方針だ。

また同社は EIB と連携して EU 全域の学校を対象に同社デスクトップ3Dプリンター「 Ultimaker 2+ 」50 台と消耗品 1 年分のセットを寄贈し、教師向けテュートリアル講座も無償提供することも合わせて明らかにした。

Ultimaker は現在、デスクトップ3Dプリンター部門シェア 25 %、昨年度の売上高は 3,000 万ユーロと、世界屈指の3Dプリンターベンダーとしての地位を確立している。

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2016年9月16日金曜日

XYZPrinting、da Vinci シリーズ最小最安モデル「 da Vinci Mini 」を発表

台湾発:XYZPrinting Inc. は現地時間 9 月 15 日、教育機関および一般消費者を対象とした新型デスクトップ3Dプリンター「 da Vinci Mini 」を発表した。

同製品は「 CES 2016 」で出品されていたもので、販売価格は「 da Vinci 」シリーズ最安の 289. 95 米ドル( 直販価格 )。

価格だけでなく、筐体サイズも昨年リリースした da Vinci Jr. 1.0 を 30 % 下回る同社製品最小クラスの 550 x 390 x 470 mm。モデリングは専用ソフト XYZMaker で行う。対応フィラメント素材は BPA フリーの PLA のみ。

da Vinci Mini の主な仕様

3Dプリント技術:FFF / FDM 
本体外寸( W x D x H, mm ): 400 x 336 x 362
本体重量( kg ):10
最大造形サイズ( W x D x H, mm ):15 x 15 x 15
解像度:最大 0.1 mm( 100 microns ) / 標準 0.2 mm( 200 microns ) / 高速 0.3 mm( 300 microns ) / ウルトラスピード 0.4 mm( 400 microns )
プリントヘッド:シングルヘッド、ノズル径 Φ =0.4 mm
フィラメント:Φ =1.75 mm PLA
接続:USB 2.0、WiFi( 802.11 b / g / n )
ソフトウェア:XYZware
ファイル形式:.stl / XYZ Format ( .3w ) / 3mf
サポート OS :Windows 7 以上 / Mac OSX 10.8 以上
ハードウェア要件:X86 32/64-bit compatible PCs with 4GB+ DRAM
X86 64-bit compatible Macs with 4GB+ DRAM


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2016年9月12日月曜日

オール3Dプリントの 35 mm 判カメラ「 SLO 」

米国ニュージャージー州発:3Dデザイナー Amos Dudley 氏はレンズ、ボディ、シャッター、絞りなど全てのパーツを3Dプリントで製作したフィルムカメラ「 SLO( Single Lens Objective )」を自作、このほど公開した。3Dデータはオープンソースで、誰でも自作 / 改作ができる。

SLO は一般的な 35 mm 判で、全パーツは FoamLabs, Inc. 製 SLA 3Dプリンター「 Foam 2 」を使用してプリントアウトした( 許容交差 +- 0.075 mm、クリアランス 0.25 mm )。各パーツは加工しやすさを考慮したモジュラー式。同氏によれば最も困難だったのがやはりレンズで、ABS 素材のような炎研磨のできない樹脂でできているため、製作後は#12000 番マイクロメッシュペーパーによる手作業での研磨に数時間を要した。それでもなおレンズ面には微小な凹凸が残っていたため、商用レンズの研磨に使用するのと同じ原理の装置も自作して研磨スラリーを介して磨き、ようやく完成させた。

シャッター設計に際して、同氏は3Dプリントというデジタルマニュファクチュアツールを使用しつつも、200 年前の 19 世紀後半に考案されたシャッター板機構に立ち返っていた。試行錯誤の末、シャッター板機構はトグル連動ギア方式を、絞りは最小限の空間で最大口径を得るため、 Blender による3Dアニメーションで最適な機構を案出した。ただし速度調節機能はないため、シャッタースピードは「2 つのボタンを押し下げるときの指の速さ」で決める。回転式の絞りはレンズのすぐ背面に位置し、フィルムスプールも手動式。

Dudley 氏は完成した SLO にフィルム(   Fujicolor Superia 400 )を装填し、写真家の Rob Chron 氏と共にテスト撮影を行った。現像した結果、SLO で撮影された画像は四隅に「ケラレ」や遮光不良によるフレアなどがあるものの、ピンホールカメラのような独特な風合いの映像作品として記録されていた。


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2016年9月11日日曜日

豪の鉱物資源会社が米 ROBO 3D を完全子会社化へ

オーストラリア発:鉱物資源探査の Falcon Minerals Ltd. ( ASX:FCN )は現地時間 9 月 8 日、米国3Dプリンターベンダー ROBO 3D, Inc. ( 本社カリフォルニア州パロアルト市 )全資本を保有し、完全子会社化すると発表した。Robo3D の債務は継承しない。

Falcon Minerals は前年末、ROBO 3D の株式取得について、投資機関  Albion 3D Investments Pty Ltd 経由で最初の取り決めを締結し、同社取得資本割合を 51 % としていた。Albion 3D は ROBO 3D 取得に向け、総額 250万豪ドル の資本投下を行ってきた。親会社になる Falcon Minerals によると、正式に子会社化した後の社名を ROBO 3D Technologies Limited に変更する。

ROBO 3D は 2012 年に創業したコンシューマー向けデスクトップ3Dプリンターの製造 / 販売スタートアップ。創業以来、同社は堅調な売上を維持し、昨年度の収益は 460 万米ドルを計上している。その主要な収益源は同社オンライン販売および Amazon での販売となっている。今後も3Dプリンター市場の成長が見込まれることから、Falcon は最低 400 万豪ドルの資本調達を実施し、手持ちの 200 万豪ドルと合わせて 600 万豪ドルの資本増強を行う方針だ。

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2016年9月10日土曜日

小児の先天性心疾患治療に3プリント心臓モデルを導入

シンガポール発:政府系専門病院 KK 婦人 / 小児病院心臓外科センターはこのほど3Dプリントによる 3 次元心臓モデルを導入し、小児の複雑な先天性疾患治療への利用を本格化させる。

導入当初は実際の患者の症例を示す 8 つの 3 次元心臓モデルを作成した。今後はこうした3次元モデルから外科手術の事前計画を立てる。同センターでは年間約 200 の心臓外科手術を行っている。

同センター外科医によると、従来の平面画像を使用した手術の場合は相応のリスクが伴っていたが、3 次元心臓モデルは実際の患者の心臓の MRI 画像から作成するため胸腔が成人と比べて大変小さい小児患者の場合は特に威力を発揮するとしている。

今回導入した3Dプリントモデル作成には 2,000 - 3,000 ドルほどの費用がかかり、外科手術の事前計画の他に若い執刀医の研修用としても活用される。 同様の3Dプリントモデル導入は英米で先行している。

同センター心臓外科コンサルタントの 1 人、中尾雅一博士は次のように述べている。「小児の非常に小さな心臓の外科手術には多くの困難が伴う。手術を成功させ、最善な術後も保証するには、綿密な事前計画立案が絶対不可欠だ」。

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2016年9月7日水曜日

GE が欧州の産業向け AM ベンダー 2 社を 14 億ドルで買収へ

米国コネチカット州発: General Electric Company( NYSE:GE )は現地時間 9 月 6 日、欧州の3Dプリント企業 2 社を買収すると発表した。買収総額は 14 億米ドルと見込まれている。

買収したのはスウェーデンの 3次元電子ビーム積層造形装置( EBM )製造の Arcam AB と、独の SLM 3Dプリンター製造の SLM Solutions GmbH。同社によると、2 社の買収が成立すれば、同社3Dプリント部門収益は 2020 年までに 10 億ドル規模にまで拡大する見通しだという。

Arcam AB の買収は GE Sweden Holdings AB が行い、1 株当たり 285 SEK( 約 40 USD )、合計 58. 6 億スウェーデンクローネ( 約 6億 8,500 万米ドル )を提示した。SLM 買収額は 6 億 8,300 万ユーロ。

[付記:日本国内での 2社製品問い合わせ先について、Arcam が HTL Co. Japan Ltd.、SLM Solutions が 愛知産業株式会社  Aichi Sangyo Co ., Ltd. ]

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2016年9月5日月曜日

Ultimaker がハイエンド仕様フィラメント 4 種を発表

オランダ・ヘルダーラント州発:Ultimaker B.V. は現地時間 9 月 1 日、同社デスクトップ3Dプリンター「 Ultimaker 2 」用新フィラメント 4 種を発表した。

同社によると、今回新たにラインアップに追加したフィラメントは生産現場などの業務用に最適化した仕様。製品内訳は1). 化学的耐性に優れた共ポリエステルの「 Ultimaker CPE+ ( 耐熱 100 °C )」、2). ポリカーボネイトの「 Ultimaker PC ( 耐熱 110 °C )」、3). 耐摩耗性に優れたポリアミドの「 Ultimaker Nylon 」、4). 最大伸長率 580 %、Shore-A 硬度 95 熱可塑性ポリウレタンの「 Ultimaker TPU 95A 」の 4 種。

従来、こうしたフィラメント素材はハイエンドな高価格帯3Dプリンター向けであり、同社ではこの分野における需要増に応えるとともに、耐久性や強度に優れた3Dプリント製品を求める顧客にも比較的廉価で入手できるとしている。

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2016年9月3日土曜日

3Dバイオプリントで骨を再生する新技術を開発

アイルランド発:ダブリン大学トリニティカレッジおよび 先端素材 / 生体工学研究所( AMBER )はこのほど、骨組織を再生可能な新しいバイオプリント技術を開発した。同チームの論文は学術誌 Advanced Healthcare Materials 電子版で公開されている。

同大学教授 Daniel Kelly 氏率いる開発チームによると、バイオ素材と幹細胞の複合素材による3Dプリントで発達途上の軟骨組織テンプレートを作成し、失われた部位と同じ形状の骨を再生するもので、組織移植後は血管が成長し、完全に機能する骨組織になるという。

同チームによると、頭蓋、顎、脊柱といった部位や、腰や膝の整形外科手術といった分野に応用できるとし、従来の自家骨移植、あるいは第三者のドナーから骨組織の一部を採取して移植する手法の代替手段として期待を寄せる。また新方式では従来の移植法に付き物だった合併症のリスクもない。

全世界では毎年、200 万人以上もの人が腫瘍摘出、感染症、外傷、先天性奇形などの理由で骨移植が必要と言われている。

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2016年9月2日金曜日

3Dプリントで珊瑚礁再生の試み

オランダ領カリブ発:珊瑚礁保護活動を行っている NPO の Fabien Cousteau Ocean Learning Center( 米ニューヨーク市 )は小アンティル諸島の 1 つボネール島のリゾート Harbour Village Beach Club と共同で、3Dプリントで製作した人工珊瑚を活用した珊瑚再生プロジェクトを始動させる。

同 NPO 代表を務める Fabien Cousteau 氏は、高名な海洋学者だった Jacques Cousteau 氏の孫。同氏は Harbour Village の環境アンバサダーも務める。

両者によると、3Dプリントによる人工珊瑚礁は天然珊瑚とほぼ同じ外観と質感、化学組成を持ち、珊瑚ポリプの足掛かりとして最適だという。また3Dプリント人工珊瑚礁ならば従来ほど労働集約的手法に頼らず、短期間で大きな効果を発揮できるというメリットも挙げている。島のどの水域の珊瑚礁から再生プロジェクトを開始するかについては、現時点ではまだ決まっていないが、Harbour Village 内に Ocean Learning Center 拠点を設立し、そこで人工珊瑚を3Dプリントする。またリゾート滞在客向け環境教育プログラムも同時に実施する計画だ。

Cousteau 氏によると、珊瑚礁はリーフライフと呼ばれる生物生息圏の 25 % を占め、世界的経済発展への波及効果は 7 兆ドルにも迫る規模だという。同様の3Dプリント人工珊瑚礁による珊瑚再生プロジェクトは 2012 年にバーレーン沖で行われており、今年後半にはモナコ沖でも実施される計画だ。

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2016年8月30日火曜日

Lucy の死因に関する「新説」検証用3Dプリントデータが一般公開

米国テキサス州発:テキサス大学オースティン校の「 Team Lucy 」研究チームは現地時間 8 月 29 日、同チームおよびエチオピア・アジスアベバ大学研究チームとが雑誌 Nature 最新号に共同発表した約 318 万年前の猿人 Lucy の死因に関する新説と関連して、研究者だけでなく誰もが検証できるように3Dプリントデータ化して限定的な公開を始めた。

同チーム代表の古人類学者 John Kappelman 氏によると、今回、エチオピア政府および同国立博物館[ Lucy は現在、この博物館の所蔵で公開されているのは石膏レプリカ ]の許可を得て一般公開が可能になった。今回、初めて一般公開されたのは Lucy の右肩と左膝の骨格データで、形式は一般的な stl ファイル。

今回の Lucy の死因に関する「新説」について、Lucy の発見者でもあるアリゾナ州立大学古人類学者で同大学人類起源研究所長 Donald Johanson 氏は、Lucy と同年代の他の骨格化石も同様に「壊れている」として、「高い樹上から落下した」とする Kappelman 氏の仮説に反論する。Kappelman 氏らが今回、3Dデータ公開を決めたのは「研究者だけでなく、幅広く自分たちの仮説検証に役立ててもらいたい」という意図もある。

Kappelman 氏のチームは 2008 年、初めて Lucy の骨格化石が米国巡回をした際、10 日間の貸し出しを認められて同研究チームのラボにある高解像度 CT スキャナーを使用し、数百もの化石片を漏れなく調査した。今回、発表したのはその時の CT 調査結果に基づいている。

化石標本のデジタルモデルは極めて少数だが、南アフリカの人類化石遺跡群で 2013 年に発見された Homo naledi は、1,550 以上の全骨格断片のうち約 100 の断片がデジタルデータ化され、MorphoSource.org サイト上からダウンロードできる。また、Homo naledi 発見チームが 2008 年に発見した Australopithecus sediba の骨格標本データも各部位ごとに一般公開されている。



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2016年8月29日月曜日

3Dプリントドローンによるピザ宅配実験に初めて成功

ニュージーランド発:ドローンデリバリーサービス Flirtey( 米ネバダ州リノ )はこのほど、3Dプリントドローンによるピザ宅配の実証実験に初めて成功した。

今回の実験はニュージーランド国内の民間航空規制に則ってオークランド市で実施され、Domino’s Pizza, Inc. の宅配用ピザ( トッピングは不明 )を無事に送り届けた。専用ボックス内は一定の温度に保持され、商品の品質に問題はなかった。管制当局の手続きが終わり次第、数か月後には実際の Domino's 宅配業務用として一部店舗にて運用される予定。Domino's は Flirtey と業務提携を結んでいる。

Flirtey CEO の Matt Sweeney 氏は、ドローン関連規制の関係で、商用運用はニュージーランドが最初になったが、今後は米国でも同様のサービスを開始することになるだろうと明らかにした。「まもなく弊社のドローンが注文したピザをお手許に届ける日が来るだろう」。パートナーの Domino's 側も Flirtey の3Dプリントドローンによるピザデリバリーは革命的で、競合他社と差別化が図れるとして期待を寄せる。ピザデリバリー実験では両社 CEO と、交通大臣 Simon Bridges 氏も同席してドローンを見守り、届けられたピザを頬張った。

使用されたドローンはアルミ、ファイバー、3Dプリント部品から構成され、バッテリー 1 個で 20 km 近くを飛行する能力がある。バッテリー低下時や GPS 受信不能になった場合に備え、自動帰還機能も内蔵する。条件さえ良ければ 30 分以内のピザ宅配が可能だという。

Flirtey は今年に入ってからこうした3Dプリントドローンによる運送実験を続けている。米連邦航空局( FAA )のデリバリー試験に合格した後、同社は 6 月にニュージャージー州で海上の船舶から陸上への救急キット、医薬品、浄水錠剤の運送試験を行い、成功させている。



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2016年8月28日日曜日

Stratasys が大型部品生産用3Dプリントロボット 2製品を発表

米国ミネソタ州発:Stratasys, Ltd. ( NASDAQ:SSYS )は現地時間 8 月 24 日、大型製品製造用3Dプリントロボットシステム「 Infinite-Build 3D Demonstrator 」と「 Robotic Composite 3D Demonstrator 」2製品の試作機を発表した。2製品は共に来月シカゴ市で開催される国際工作機械見本市 IMTS 2016 にデモ出品される。

新製品 2 機種は共に FDM 型3Dプリンターシステムで「 Infinite-Build 3D Demonstrator 」は従来の垂直方向ではなく水平方向の造形を行う。このため設置場所の許容可能な最大の製品を製造できる。またウォーム推進機構を組み込んだ新型エクストルーダーを採用し、カーボンファイバーなどの複合素材による部品製造も可能で、製品強度を高めつつ軽量化も図れる。

「 Robotic Composite 3D Demonstrator 」のロボティクス技術は独 Siemens のモーションコントロールが使用され、「 Siemens PLM 」ソフトウェアと共に Stratasys の先端 AM 技術と統合されている。

両製品は Boeing、Ford といった航空 / 自動車大手の要請により開発され、現在は 2 社でベータテストが行われている。Boeing では主に少量生産の軽量部品生産で使用されている。

IMTS 2016 の会期は 9 月 12 - 17 日、Stratasys のブースは N-60 になる。



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