2015年12月31日木曜日

ネパール大地震被災地で3Dプリンターが活躍

ネパール発:現地時間 2015 年 4 月 25 日 11 時 56 分に発生した M 7.8 の大地震は死者 8,964 名、そして翌月に発生した M 7.3 の余震でも 200 名の死者を出すという大災害となった。このような大規模自然災害がとりわけ財源の乏しい発展途上国で発災すると、その被害の影響は長期化し、地震発生から半年以上が経過した現在もなお被災者の救援活動が続けられている。

英国の NGO Field Ready イノベーション部担当 Andrew Lamb と同製造部担当の Mark Mellors の両氏は 9 月中旬、ネパール中央部に位置する山村バフラビスに入った。同村では住宅を失った 200 家族が仮設テント暮らしを強いられていた。仮設の水道設備は各所で水漏れを起こしていたが現地に補修用品はなく、テープやビニール袋で応急処置が施されていただけだった。

Mellors 氏は到着した日の夜にノート PC を開いて給水管の継ぎ手を 45 分ほどかけてデサインし、翌朝、被災家族のいるキャンプにランドローバーを走らせて戻るとデスクトップ型3Dプリンターを取り出し、ランドローバーのバッテリーにつないで継ぎ手を作り始めた。2 時間後、完成したばかりの継ぎ手を給水管に取り付けると、漏水は収まった。

Lamb 氏は次のように語った。「国内避難民[ IDP ]キャンプで必要とされる品物をその場で作れることが実証できてとても興奮している。その場しのぎの間に合わせではなく、給水管に正しく適合する継ぎ手を3Dプリントで製作するということは我々の知る限りでは初めてのことだ。現地で必要な物をデザインし、その場で製作して取り付ける。こうした工程が 10 時間ほどで全てできてしまう。この種のテクノロジーの用途として、これはかなり重要な前進だと考えている 」。

Lamb 氏は他の団体もこの手法を採用すれば、救援資材輸送にかかる高額な費用も相当圧縮できるとし、Field Ready では他の被災地域でも現地の住民が自力による生活再建に有用なこの手法の確立に取り組んでいる。現在、同 NGO は国際 NGO World Vision と共同でネパール国内にイノベーションラブ設置を準備中だが、同時にオープンソースの支給品目録 Web サイトを開設し、当該品目を必要とする人全てが無償でダウンロードして使用できる製品デザインを投稿することも計画している。

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2015年12月29日火曜日

3D Systems が「 Cube ® 」の生産打ち切りを発表

米国サウスカロライナ州発:ロックヒル市に本拠を置く3Dプリンターベンダー大手 3D Systems ( NYSE:DDD )は現地時間 12 月 28 日、同社個人コンシューマー向けデスクトップ FDM 3Dプリンターのエントリーモデル「 Cube® [ 999 USD ]」の生産打ち切りおよびコンシューマーユーザー向けプラットフォーム「 Cubify.com 」を 2016 年 1 月 31 日付でサービス提供を終了すると発表した。「 CubePro® 」は今後も生産を継続する。

同プレスリリースによると、今回の決定は同社の経営資源を個人向けから企業向け部門に集中させ、当面の利益を確保するための執行部方針を反映したものだという。同製品ユーザーサポートおよび「 Cubify.com 」利用者に対する対応は、同社のメインドメイン[ 3dsystems.com ]で受け付ける。「 Cubify.com 」で販売している3Dプリントデータや3Dプリント製品の取り扱いも停止する。「 Cube 」の在庫分に関しては今後も販売を続ける。

この発表後、同社株価は前日比 - 6.76 % ( 0.71 USD )の 9.79 USD に下落した。3D Systems 株価は今年 5 月 22 日以降 52.19 % 下落し、現在も下降傾向が続いている。S&P 500 指数は 49.13 % の下落となっている。

一方、Stratasys ( NASDAQ:SSYS )Q3 決算も当初予測を下回り、2013 年に買収して子会社化した個人コンシューマー向け部門 Makerbot 事業見直しに着手している。

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2015年12月28日月曜日

地方都市の総合病院が3Dプリンターシステム運用を開始へ

英国ランカシャー州発:バーンリー市総合病院はこのほど、主に口腔や頭部の癌治療用として医療用新型3Dプリンターと付属ソフトウェア一式を導入した。

同病院外科部はプレストン市内に拠点を置く NPO Rosemere Cancer Foundation の援助でこの3Dプリンターシステムを購入した。購入金額は 32,000 GBP。

東ランカシャー病院 NHS トラスト 口腔外科回復医療コンサルタント Derek Moore 氏は次のように述べている。「今回の3Dプリンター導入は執刀医にとって強力な援軍になる。個人的にはインプラント治療計画において役立つと思う。術後の治癒力を高め、合併症リスクも抑えることができるだろう」。

従来のX線写真や歯型のような出力物と比べ3Dプリントによる3次元モデルは正確で、顔面再建術等で執刀医と患者双方の負担も軽減される。再建が不可能な場合も3Dプリントモデルの精密な再現力により、患者当人に最適な人工装具製作が短時間で可能になる。また患者にとっても執刀前に事前にその結果を目で見ることができるため、不安軽減につながる。

Rosemere Cancer Foundation 代表 Sue Thompson 氏は次のように述べている。「この3Dプリンターは執刀医の診断と手術計画にとって助けになるだろうが、最大の受益者は外科手術を受ける患者側だ。見た目の美しさも保証されるから、従来手法よりも高い生活の質( QOL )を享受することができる」。

バーンリー市総合病院に納入された3Dプリンターは年明けにも運用が開始される見込み。

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2015年12月27日日曜日

ツタンカーメン王の黄金のマスク、「付け髭」復元に3Dスキャンも一役買う

エジプト発:昨年8月、エジプト考古学博物館に展示されている古代エジプト新王国時代の少年王ツタンカーメン[ Tutankhamun ]の黄金のデスマスクの「付け髭[ 顎髭 ]」が、博物館職員の不手際から脱落し、その後の杜撰な補修方法が物議を醸したが、このほど専門家チームによる修復作業が完了し、同博物館は現地時間 12 月 17 日より同マスクの展示を再開した。

同王の黄金のマスクと付け髭は 10 月、エジプトとドイツの専門家チームによって修復作業が始められた。修復チームはまず黄金のマスクの3Dスキャンデータを数回に渡って取得した。その結果、古代エジプトの至宝を傷つけることなく接着剤のエポキシ樹脂を完全除去する方法として、段階的に温めて固まった接着剤を溶かし、それを木のへら等を使用して慎重に取り除くのが最善策だと判断した。

こうして同チームは無事に付け髭を再び取り外した後、今度は伝統的な昔ながらの手法に立ち返って元通りの姿に修復を試みた。同チームは数々の接着方法を検討していたが、最終的には「蜜蝋」を用いる手法を採用することになった。

修復チーム代表 Christian Eckmann 氏は次のように語った。「[ ツタンカーメン王墓発掘者 ] Carter が付け髭の最初の修復を試みた 1925 年 12 月からちょうど 90 年目に当たる節目の時に、黄金のマスクを元通りの姿でお見せすることができてとても喜んでいる」。

ツタンカーメン王の黄金のマスクは 1925 年、英国の考古学者 Howard Carter が玄室の石棺を初めて調査した時に発見されたが、マスクの顎髭は既に取れかかった状態だった。Carter はマスクを取り出す際、一旦付け髭を外し、その後再びマスクに取り付けた。同博物館員による「誤った修復」を合わせると、3度目にしてようやく黄金のマスクは本来の姿を取り戻したことになる。



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2015年12月26日土曜日

Tamicare の3Dプリント衣料製品「 Cosyflex 」が大量生産へ

英国グレーターマンチェスター州発:Tamicare は 2001 年の創業以来、独自の3Dプリント製法を開発してきた。2005 年には3Dプリント製法による使い捨て衣料製品「 Cosyflex 」の特許を初取得したが、それから 10 年後の今年、同社は「 Cosyflex 」の大量生産を可能にする新しい生産施設の本格的稼働を開始した。

新生産施設は「 Cosyflex 」製品を年間最大 300 万個を生産する能力があり、しかもゼロエミッションも同時に実現したとしている。同社は既にスポーツウェアブランドと生産契約を結んでおり、他の企業も同社の持つ3Dプリント生産施設に関心を寄せているという。

Tamicare CTO で、「 Cosyflex 」共同開発者 Ehud Giloh 氏は次のように述べている。「スポーツシューズの場合、従来製法では 100 を超える個別工程があったが、Cosyflex 方式ではたった3つの工程で済む。これはスポーツシューズに限らず、他の複雑なデザインにも対応する。以前ならば世界規模のサプライチェーンを必要としていた製品が、1か所の生産拠点で生産可能だ」。

「 Cosyflex 」は液体ポリマーと織物繊維を使用したマルチステージ3Dプリント方式により製造される。また「 Cosyflex 」はセンサーや電子部品などを繊維内に組み込んでプリントすることも可能で、現在同社は技術起業家 Tim Harper 氏と共同で医療機器、グラフェン素材、スマートテクスタイル分野へ応用した製品の開発に取り組んでいる。



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2015年12月22日火曜日

Airbus APWorks が金属 AM システム「 MetalFAB1 」導入へ

オランダ・北ブラバント州発:Airbus S.A.S の完全子会社 Airbus APWorks はこのほど、アイントホーフェン市内に本拠を置く3Dプリンタースタートアップ Additive Industries B.V. ( AI )の次世代ハイエンド金属積層造形( AM )システム「 MetalFAB1 」導入と、「 Additive Industries Beta Program 」参加を明らかにした。

Airbus は今月 2 日、Autodesk と共同開発した航空機客室用パーティション「 Bionic Partition 」を公開したばかり。これは Airbus APWorks の開発したアルミニウム・マグネシウム・スカンジウム合金「 Scalmalloy 」を採用して直接金属レーザー焼結方式( DMSL )3Dプリンターで製作されたもので、大幅な軽量化と CO2 削減が見込めるという。同社は今後、この新しい3Dプリントパーティションを来年以降に生産予定の「 Airbus A320 」で使用する計画だ。

「 MetalFAB1 」は金属造形用のモジュラー型積層造形総合システムで、AI によると同システムは生産現場の要請に応じた柔軟なカスタマイズが可能であり、その生産能力は既存機種の最大 10 倍で、省コスト化も実現したという。AI は航空宇宙、医療、ハイテク機器、自動車といった産業の厳しい要求にも対応できる高信頼度の金属3Dプリンター市場で地歩を築きたい考え。

Airbus APWorks 代表取締役社長 Joachim Zettler 氏は次のように述べている。「 MetalFAB1 統合 AM システム 導入により、AM 製品の一貫性向上と生産コスト削減を同時に実現可能になると期待している」。

AI は今月初め、独 AM ベンダー大手 EOS GmbH と特許ライセンス契約を締結している。

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2015年12月21日月曜日

本物そっくりな3Dプリント製「 BB-8 」等身大レプリカが登場

英国発:現在公開中の「スター・ウォーズ[ SW ]」シリーズ最新作「フォースの覚醒」に登場する新ドロイド「 BB-8 」は、「 BB-8 Builders Club 」など愛好家達がレプリカ製作に励んでいるが、XRobots 代表 James Bruton 氏は自身が3Dプリント出力したパーツを組み上げて自作した等身大「 BB-8 」レプリカモデルの製作過程などを動画サイトにて公開している。

Bruton 氏の「 BB-8 」は、初号機に改良を施した2代目となる。「 BB-8 Builders Club 」有志が自作したような2輪ホイールで「ハムスターボール」を動かす方式ではなく、「この BB-8 の基本構造は一方向にのみ動く単軸ハブレスホイールと、本体を回転させるフライホイールと平衡装置を組み合わせたもの」。同氏は「 BB-8 」本体部を構成する 16 のパーツを「 Ninjaflex 」等も使用して「 LulzBot TAZ 3D printer 」で出力した。プリント作業は各パーツ当たり 2 時間半ほどかかったという。

この本体の上に、反対極同士を上向きに設置した一対のマグネットを介して頭部が搭載されている。本体内に格納されたドライブユニットには Bluetooth シールド付き Arduino Uno Adafruit BNO055 アブソリュート方位センサー、L298 モータードライバー、MD03 モータードライバー等を使用している。

Bruton 氏は「 BB-8 」以前にも、「アイアンマン」のハルクバスターアーマーや、SW シリーズではお馴染みのドロイド「 R2-D2 」の等身大レプリカも製作している。同氏は、製作過程動画を気に入ってもらえればとても嬉しいと述べ、本物そっくりの出来栄えに、「これは CG 合成画像ではないのかという問い合わせが2件ほど来たことがあった」。

Bruton 氏は更なる改良を目指して3代目製作に取り組むとしている。過去のプロジェクト作品と同様に、同氏は全ソースコードおよび 3D CAD ファイルを無償公開する方針だ。また同氏はこのような3Dプリントアイテム製作を継続するため、Patreon.com 上でカンパも募っている。



付記:「 BB-8 」縮尺モデルとしては、The Walt Disney Company 公認 Bluetooth / 音声制御型ドロイドモデルが Sphero から既に販売されている。

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2015年12月20日日曜日

UAE、様々な特典付きの学生対象3Dプリントコンペを来年春に開催

アラブ首長国連邦発:ドバイ市に本拠を置く Atlab Trading L.L.C は、学生を対象とした「 Gulf 3D Printing Olympiad 」を来年春に初めて開催する。

同社は最新テクノロジーを活用した教育訓練および人材開発サービスを提供する会社で、 UAE 教育省の支援も受けている。初回の課題は「コンシューマー向けオリジナル製品の設計」で、国内の小中高生および大学生と大学院生が対象( 10 - 25 歳 )。年齢別に4つの部門に分かれている。コンペでは、日常生活の助けとなるような革新的製品の設計と3Dプリントが要求される。参加を希望する学生生徒は指導者も含めた 2 - 3 名のチームを組む。参加申請締切は来年 3 月 30 日まで。本選は 4 月に行われる。

上位入賞者にはオランダ LeapFrog の「 LeapFrog Creatr 」をはじめ、各賞金も用意される。また、「年間最優秀革新的プロジェクト」として選出された団体には、来年 9 月末に英国バーミンガム市で開催予定の3Dプリントイベント「 TCT Show + Personalize 」に招待される。英国までの旅費や滞在費用等は全額主催者側が負担するという特典付きだ。

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2015年12月19日土曜日

子供達がハンディを持った子供達のために3Dプリント義肢を製作

カナダ / 米国発:ジャックマン アヴェニュー小学校第 5 学年の児童とジャーヴィス高等学校の生徒達は、トロント市参考図書館で共同で3Dプリント義肢の製作に励んでいる。

米国に本部を置く世界的規模の3Dプリント人工装具提供 NPO、e-Nable のボランティアの助けも借りて、児童生徒らはカナダで初めて実施された「 hand-a-thon 」に参加した。同図書館は手首から先を欠損した子供達に寄贈するために、この運動に協賛し、児童生徒らに製作の場を提供した。

第 5 学年担当理科教師 Sylvia Kwan 氏は研究休暇中に e-Nable の存在を知り、トロント地区学校運営委員会に子供達による発明クラブ創設に加わった。同図書館にはデジタルイノベーションハブがあり、3Dプリンターも所有している。第 5 学年の理科で人体の構造を学びながら、快適に動作する義肢を製作するため、同じトロント市内のジャーヴィス高等学校に通う生徒達と協力して取り組んだ。

9 歳の Artash Nath 君は 5 歳の妹と共に、子供向け義肢の3Dプリント製作を行った。テレビより3Dプリンターのほうが好きだという Artash 君は、このように言っている。「クラスで作った義肢がハンディキャップを持った子供達に贈られるなんて、なんて素晴らしいことだと思った」。

また、ウェストバージニア州ハッティントン市に住む 6 歳の少年も、地元のマウントウェスト コミュニティ工科大学( MCTC )工学部の学生達と彼らの指導教官 Ted Triplett 氏が3Dプリントで製作した左手の義肢を贈られた。同氏および学生達は、今後も開発と改良を続ける意向で、来年春には電子回路も使用したバージョンを製作したいとしている。

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2015年12月18日金曜日

「ナノ3Dプリント画像」が「世界一小さい印刷画像」としてギネス世界記録に認定

スイス発:チューリッヒ工科大学( ETH Zürich )の研究者グループおよび彼らの設立した Scrona Ltd. は現地時間 12 月 16 日、独自に開発した「ナノ3Dプリント」による世界最小インクジェット画像印刷技術に対し、世界一小さい印刷画像として「ギネス世界記録」に認定されたと発表した。

この「世界最小画像」は人間の髪の毛の断面ほどの極小面積に、「イソギンチャクのそばを泳ぐクマノミ」画像がプリントされている。その面積は僅か 0.0092 mm² ( 80 µm x 115 µm )であり、これは Apple の開発した高精細ディスプレイ「 Retina Display 」の 1 ドットと等しい大きさだ。

このナノ3Dプリント技術でインクとして使用されるのは、量子ドット。量子ドットは半導体的な性質を持つナノ分子で、固有の色調の光を発する。研究者グループによると、サイクル数を変えることで発色が調整可能だという。ナノ3Dプリンターは赤、緑、青 の三原色を正確にレイヤーすることができ、解像度は 25,000 DPI 。ハイエンドレーザープリンターでさえ最高出力は 2,400 DPI に留まるから、10 倍以上もの超高画質だ。

同グループでは、ギネス世界記録として認定されたこと以上に、ナノ3Dプリント技術が達成したナノメートル単位の精確さで各量子ドットを配列させて極小印刷を実現した研究成果のほうがはるかに重要だとし、この驚異的超高画質によってエレクトロニクス、光学、バイオテクノロジー分野におけるナノ構造物質の新たな応用が見込めるとしている。

また Scrona Ltd. は現在、クレジットカード大の薄型顕微鏡「 µPeek 」の資金調達も行っている( 出資者募集期間は現地時間 2016 年 1 月 6 日まで )。

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2015年12月17日木曜日

公共図書館分館で3Dプリンターのお披露目

カナダ・オンタリオ州発:ウィンザー公共図書館は現地時間 12 月 15 日、同図書館セミノール分館に初めて納入した FDM 3Dプリンター「 Ultimaker 2 Extended 」1台を関係者に披露した。

今回導入された3Dプリンターは、このほど完了したばかりの同分館リニューアル事業の一環として購入された。以前、図書館運営委員会は各分館の統合に向け、同分館の閉鎖をいったん決定していたものの、その後この決定は白紙撤回された。購入金額は 5,000 CAD。

ウィンザー公共図書館 CEO Kitty Pope 氏はプレスリリースで次のように述べた。「図書館を訪れる人が喜ぶような体験を創出することが重要だ。今回のリニューアル事業完了により、分館を利用する地域の方々の多くが何度も足を運んでくれるようになってくれることを願っている」。

3Dプリンターお披露目式には David Maxwell 小学校の児童、ウィンザー市長 Drew Dilkens 氏らが招かれた。同分館の3Dプリンター利用するには使用料として1回につき 2 CAD を払って申し込む。同分館では今後、この3Dプリンターを活用したモノづくり講座等を開催する予定だ。

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2015年12月14日月曜日

Thales がモロッコに金属3Dプリント産業開発センター建設へ

フランス発:電機大手 Thales ( Euronext:HO )はモロッコに金属3Dプリント産業開発センターを設立する計画だ。

同社によると、来年にも建設着工し、2018 年ごろの開業を目指すという。

同センターが建設されるモロッコでは Thales の支援で、「産業加速化計画」事業を昨年度から 2020 年にかけて国を挙げて推進している。モロッコ政府はこの加速化計画により 50 万人規模の新たな雇用創出を、特に航空宇宙産業において目指している。

モロッコ王国 産業貿易投資 / デジタル経済担当省大臣 Moulay Hafid Elalamy 氏は次のように述べている。「このプロジェクトは我が国の基幹産業プラットフォームとしての立ち位置を強固にし、国内の航空宇宙エコシステムを拡張して今後の業界を形成する新技術も包摂するためのものだ」。

Thales とモロッコ政府は 3 つの主要分野において提携を締結済みで、今回のようなハイテク産業開発センター建設もその提携の一環。

Thales は高強度レーザーによる金属合金粒子層を連続焼結する積層造形技術を活用して、複雑な合金から成る高品質部材を航空宇宙産業向けに生産している。同社は同開発センター建設によって、仏国内および海外向け3Dプリント技術の普及を進めたい考え。

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2015年12月13日日曜日

SW 最新作、あの C-3PO コスチュームも3Dプリントで製作

米国発:今年最大のイベント( と言ってもクリスマスではない )、映画「スター・ウォーズ( SW )」シリーズ最新作「フォースの覚醒」公開まで1週間を切った。新顔のボール型ドロイド「 BB-8 」などが既に話題に上っている中、同シリーズ全編に出演した人間型ドロイド「 C-3PO 」に扮してきた英国の名優 Anthony Daniels 氏によると、最新作の撮影現場では3Dプリントが活躍したという。

今年 69 歳になる同氏は最新作で、3Dプリントで製作された「 C-3PO 」コスチュームを着用して撮影に臨んだ。

同氏はタイムズスクエアで開催された「スター・ウォーズ」最新作関連イベントでの取材に応じ、秘密厳守の最新作自体についての言及は避けつつも、初めて体験する3Dプリント「 C-3PO 」コスチューム着用体験を語った。

同作監督 J.J. Abrahams 氏は当初、別の俳優にこの3Dプリントコスチュームを着用させ、Daniels 氏には声の出演を依頼していたが、「自分が中に入って演じたいが、着脱がもっと早くできればいい」。制作陣が出した答えが、その場で改良可能な3Dプリントでコスチュームを作ることだった。Daniels 氏によれば、今回製作された3Dプリント「 C-3PO 」コスチュームの重量は以前のモデルとほぼ同じだが、「はるかに手早く着脱できるようになった。中はすぐ暑くなるから、これは重要なんだ」。

結果的に、この3Dプリント「 C-3PO 」コスチュームの採用は撮影現場で大いに威力を発揮した。「砂漠の砂はどこにでも入り込み、ヒンジ部分でガリガリ言ったりする。3Dプリント最大の利点は、試作品がその場ですぐ作れることだ。以前なら頭部の着脱に 30 分はかかっていたものが、今は 10 秒もかからない。とても気に入っている」。

以前の「 C-3PO 」コスチュームは約 14 kg もある合成樹脂とグラスファイバーからできており、着脱に 2 時間はかかったという。同シリーズのエピソード 6「ジェダイの帰還[ 1983、デジタルリマスター版の「特別篇」公開は 1997 ]」撮影時に使用していたコスチュームの価格は当時のレートで 300,000 USD もしていた。今回、撮影現場で3Dプリントしたコスチュームははるかに安価で、しかも容易に取り扱えた。

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2015年12月12日土曜日

Zortrax が直営店舗2号店をワルシャワ市にオープンへ

ポーランド発:オルシュティン市に本拠を置く3Dプリンターベンダー Zortrax S.A. は昨年、クラクフ市内に直営店「 Zortrax Store 」をオープンさせたが、この度首都ワルシャワ市内に直営2号店および3Dプリントショールームをオープンすることになった。同店舗の運営は Zortrax の公式代理店 3D Phoenix が行う。

3D Phoenix CEO の Łukasz Kaczmarczyk 氏は次のように述べている。「弊社の調査では、顧客 10 人のうち 8 人が実機に触れて試してから3Dプリンター購入を決めている。3Dプリントショールームの出店は、単にビジネスユーザー向けの判断ではなく、国民一般に広く3Dプリントを啓蒙したいという思いがある」。

3D Phoenix が運営する直営店舗は基本的に週5日営業で、3Dプリンター導入を検討する企業担当者を主な顧客層として想定している。Zortrax 全製品を始め、特注フィラメント、ソフトウェアパッケージも提供する。

また Zortrax は、下肢静脈瘤除去のために行う血管内手術において、執刀医を補助するデバイス「 winch 」も開発している。ケースなどのパーツの大部分が同社製3Dプリンター「 Zortrax M200 3D 」で製作されているこの補助器具は、以前は全て執刀医の手で行っていた光ファイバーの挿入 / 抜き取り作業を一定速度で行う装置で、この種の補助器具は世界初だという。この補助デバイスは同社エンジニア Robert Klaczyński 氏と、ワルシャワ市近郊の町レギオノボで開業する Marcin Feliga 医博と共同開発した試作品で、同社は「 winch 」関連技術の特許を既に申請済みだ。

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2015年12月11日金曜日

大型造形用 FDM 3Dプリンター「 Atlas 」に改良版が登場

米国コロラド州発:コロラドスプリングス市に本拠を置く Titan Robotics Ltd. は同社初の大型ハイエンド3Dプリンター「 Atlas 」の改良版「 Atlas 2.0 」を発表した。初号機は昨年5月にリリースされている。

「 Atlas 2.0 」は、初号機の最大造形容積( 762 x 762 x 1143 mm )をさらに上回る 915 x 915 x 1220 mm にまで拡張され、高耐久 CNC パーツ、安川電機製 AC サーボモーター、新開発の高温潤滑剤、24 時間無休カスタマーサービスなどが含まれる。ヒートベッドも新たに開発され、また初号機と同様、密閉型の造形室内は常に 85 °C に保たれる。本体フレームは堅牢なスチール製で、3Dプリントソフトウェア Simplify 3D が付属する。

「 Atlas 2.0 」のプリント速度は 150 mm /s、移動速度は 600 mm /sで、ABS、PLA、PETG、ナイロン、TPE、Ninjaflex などほぼ全ての市販フィラメントに対応する。初号機および「 Atlas 2.0 」共に柔軟なカスタマイズが可能で、オプションでデュアルエクストルーダー仕様に変更できる。

同社は3年前、Clay Guillory 氏によって設立された。Guillory 氏は Diversified Machine Systems で 3 / 5 軸 CNC マシニングセンターの設計に携わっていた経歴を持つ。同氏はこの時の経験から、3Dプリンターにも同等の精度が必要だと考え、自宅ガレージで同社を立ち上げた。同社の産業向け FDM3Dプリンターは「 Atlas 」の他に「 Hyperion 」がある。



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2015年12月8日火曜日

ジャンクパーツを再生利用した3Dプリンターを自作

トーゴ発:Kodjo Afate Gnikou 氏はこのほど、廃棄された PC やスキャナーなどのいわゆる「 e-waste 」と呼ばれる電子機器のジャンクパーツを再生利用した3Dプリンターを自作した。

首都ロメ市内のハッカースペースに在籍する Gnikou 氏は NASA の火星探査計画にこのような廃材電子機器を再生利用して製作した機材を考案する活動を行っており、3Dプリンターのような機材は同ミッション計画にとって不可欠な要素だと考えた。

今回 Gnikou 氏の試作したリサイクル3Dプリンターは、その殆どがロメ市内のジャンクヤードから回収したスキャナー、PC、プリンター部品から作られている。製作費用はわずか 100 ドルだったが、幾つかの部品は市販品を調達せざるを得なかったという。

Gnikou 氏は現在、「貧困層にこの3Dプリント技術を触れさせ、アフリカがこの素晴らしい産業革命の単なる傍観者ではなく、表舞台に立てる好機を与える」ため、このプロジェクト支援者を募るサイトも立ち上げている。

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2015年12月7日月曜日

3Dプリントで製作された小型風力タービン試作モデルが COP21 会場に登場

フランス発:シリコンバレーに本拠を置く Lumenir, IncOrange Silicon Valley およびポーランドの3Dプリンタースタートアップ Omni3D の3社は現地時間 12 月 2-4 日、パリ市内で開催中の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議( COP21 )会場において、3Dプリントで製造された小型風力タービンの試作モデルを共同で披露した。

試作モデルのブレード素材は ABS で、0.5 m 長の各部材から成る。内部はユニークなハニカム構造の省資源設計で、うち 93 % は空気だという。これらは全て Omni3D の「 Factory 2.0 3Dプリンターで出力された。

試作モデルを製造した Omni3D の Konrad Sierzputowski 氏は次のように述べる。「産業用3Dプリントは、既存の生産現場により安価で、簡単かつ短時間で部材を製造可能にする可能性を創出する。ABS 素材の大型製品を出力可能な3Dプリンターは多くはなく、我々は今回の共同プロジェクトに参画できてとても光栄だ」。

3社によると、この3Dプリント小型風力発電装置は都市部の分散型風力発電に限らず、電力網のない遠隔地域の電力自給にも大いに役立つと見込んでいる。

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2015年12月6日日曜日

Graphene 3D、有機 LED 光源を3Dプリントで製造可能にする特許を仮出願

米国ニューヨーク州発:ロングアイランドに本拠を置くスタートアップ Graphene 3D Lab, Inc( TSX-V:GGG, OTCQB:GPHBF ) は現地時間 12 月 3 日、有機 LED 光源の3Dプリント工程に関する特許の仮出願を行ったと発表した。

また同社が仮出願した申請文書には、有機 LED 光源を製造するための多機能新型3Dプリンターの機構も含まれる。それによると、多重デポジション、ロボットマニピュレーター、レーザーおよび UV 硬化機能等を提供するとしている。有機 LED 光源に関しては、社名でもあるグラフェン素材を被覆した透明な窓状伝導体で、プリントアウト後すぐに自動発光し、追加工程も不要だという。

Graphene 3D Lab の今回の申請で特筆すべき点は、LED を作動させる光源をゼロから、しかも簡単に製造可能にした事にある。同社はこの多機能新型3Dプリンター開発に数年がかりで取り組んでおり、今回の仮出願によってこの3Dプリンターの一端が初めて明らかになった。今回の仮出願は、1台の3Dプリンターで LED デバイス製造を可能にすることで、より複雑な機構を持つデバイス製造技術への道を開拓する最初の一歩と言える。同社は現在、5つの米国特許を出願中で、その中には3Dプリント用高品質グラフェンを製造する低コストかつ無害な工程も含まれている。

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2015年12月5日土曜日

Apple がコンシューマー向けマルチカラー3Dプリンターの特許を出願中

米国カリフォルニア州発:米国特許商標庁( USPTO )は現地時間 12 月 3 日、Apple Inc. の出願したマルチカラー3Dプリントを実現させる技術に関する特許出願文書を公開した。

現在、3D Systems の「 Cube Pro 」や 来年にも販売開始予定の HP「 Multi Jet Fusion™ 」搭載3Dプリンターといった業務用ハイエンド向け製品を除き、廉価な一般コンシューマー向け製品のマルチカラー化は進んでいないしかも業務用機種では「手頃な」価格帯でも高級車1台と同程度の高額な買い物だ。今回公開された同社の特許出願文書「カラーオブジェクト3次元プリントのための方式と装置( 2014年 5 月 30 日付 )」によると、フィラメント供給とは別に着色用ノズルを備え、プリント作業と並行して着色するまったく新しい方式が提案されている。

プリントと同時に着色する方法として、1). 積層 / 着色を交互に繰り返す方式 2). 積層終了時点で着色する方式 3). 全方位回転可能なノズルで積層と同時に染料を噴射する方式などが盛り込まれ、非常に効率的かつ低コストでマルチカラー3Dプリントが可能だとしている。

同出願文書によれば、たとえば「色情報の埋め込まれた3Dモデルデータを販売し、それを購入した顧客が、特許出願中のマルチカラー機構対応3Dプリンターで出力する」ことも実現できるとしている。

同社はこの他にも既に3Dプリント関連の特許を出願済みだが、同社が今後、3Dプリンター製品を発表するかどうかは現時点では不明だ。

この特許出願文書の発案者 Howard A. Miller および Geoffrey Stahl 氏は、Apple のゲーム / グラフィックスソフトウェア部門責任者で、iOS、OS X の技術開発に携わっている.

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