2016年6月28日火曜日

12 歳の少年が作ったユニークな3Dプリンター DIY キット

インド・カルナータカ州発:12 歳の少年 Amogh Palasamudram 君は、3Dグルーペンと LEGO® を組み合わせたユニークな発想の3Dプリンター自作キットを編み出した。

Amogh 君は、Lego Mindstorms EV3 と3Dグルーペンを合体させて3Dプリンター DIY キットの製作を思いついた。発想は至ってシンプルだが、LEGO ブロックの X, Y, Z 軸で3Dグルーペンを支えるだけでなく、各軸をモーター駆動することでペンの3方向制御を可能にした。

この DIY キットは LEGO ブロックや知育玩具の K'NEX、LEGO Mindstorms EV3 コントローラーと3Dグルーペンといった一般に市販されている製品と、撚り糸や輪ゴム、厚手の段ボールといった日用品だけで構成されている。3Dプリントするには事前に PC 上で制御プログラムを用意してコントローラー側に送信して実行する。

この DIY セットの組立手順は製作者 Amogh 君自身が Instructables サイト上で公開している。母親によると Amogh 君は米国籍で、2年前から両親の故国インドに在住。 Mindstorms やプログラミング環境として人気のある Arduino UNO で様々な電子工作をこなし、この3Dプリンター DIY キットの他に、iPhone のホログラム投影機化なども考案している。母親によると、大学進学のため再び米国に戻るという。



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2016年6月27日月曜日

NASA、ISS 用再生フィラメント使用3Dプリンター開発企業に資金提供

米国ワシントン州発:米国航空宇宙局( NASA )はこのほど、再生フィラメントのリサイクラーを組み合わせた3Dプリンターの開発企業に 750,000 米ドルの開発資金提供を行った。

この資金提供を受けたのはボセル市に本拠を置く航空宇宙先端技術関連企業 Tethers Unlimited, Inc. ( TUI )の 1 部門 Firmamentum。NASA は同社の再生フィラメントリサイクラー付き3Dプリントシステム「 Refabricator 」を ISS に導入し、ISS 内での循環製造用として活用する計画だ。

Firmamentum は NASA の他に国防高等研究計画局( DARPA )からも、優れた先端技術製品開発で何度も開発支援を獲得している。過去の採用開発事例には宇宙 / 海洋兼用高剛性繋留索、宇宙空間で巨大構造物を自己建造可能なロボティクス3Dプリントシステム「 SpiderFab 」、新型衛星など多岐に渡る。

TUI によれば「 Firmamentum 」の開発は既に進行しており、地上試験も実施済みだという。今後は微小重力下での性能試験後、翌 2017 年にも ISS に搬入したい考え。

ISS 用3Dプリンター開発では Made In Space が先行しているが、TUI をはじめ、欧州や中国、ロシアでも独自に宇宙ステーション用3Dプリンター開発が進められている。Made in Space では今回の導入計画を受け、同様のフィラメントリサイクラー付き3Dプリントシステムと、「 SpiderFab 」の対抗製品「 Archinaut 」開発を進めている。

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2016年6月25日土曜日

英大学が幹細胞入りの新しいバイオインクを開発

英国発:ブリストル大学によると、同大学研究者グループがこのほど、幹細胞を含む新しい3Dバイオプリント用インク開発に成功したと発表した。

同大学分子細胞医学部博士研究員 Adam Perriman 氏によれば、新開発のバイオインクは海藻から抽出した天然素材ポリマーと医療産業界で使用される合成ポリマーから構成される。合成ポリマーは一定の温度まで上昇すると液体状態のバイオインクを固結させ、海藻由来の天然ポリマーは細胞養液に浸した状態で立体構造を維持する役目を果たす。

Perriman 氏は次のように述べている。「新しいバイオインク開発は非常に困難だった。養液中で強度を維持できるバイオプリント素材が必要だった。最終的な組み合わせにたどりつくまで試行錯誤の連続だった。このバイオインクは 37°C になると液体から固体となり、これによって複雑な3次元生体組織の作成が可能になる」。

同開発グループは幹細胞から骨芽細胞と軟骨細胞の分化に成功した。その後5週間かけ、実物大の気管軟骨を含む3Dプリント人工組織を生成した。

「養液注入後、作成した3次元構造から合成ポリマーだけが完全に排出されたのには驚嘆した。バイオプリント細胞内には幹細胞と海藻から抽出した天然ポリマーのみが残され、その後組織内部には無数の微小孔ができ、養分が効率よく幹細胞に取り込まれるようになった」。

同グループによれば、将来的には患者自身の幹細胞から人工膝軟骨組織などの複雑な生体組織作成と移植が可能になるとしている。今回の成果は学術誌 Advanced Healthcare Materials 電子版に掲載されている。

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2016年6月24日金曜日

無重力状態での3Dバイオプリントに世界で初めて成功

米国インディアナ州発:長年 NASA の業務請負を担ってきた航空宇宙および医療機器製造の Techshot Inc. は現地時間 6 月 14 日、世界で唯一の無重力状態をシミュレート可能な民間航空機「 Zero G 」内で、人間の幹細胞から心臓および血管組織の一部を3Dバイオプリントすることに世界で初めて成功した。

同社によると、今回の実験に使用した3Dバイオプリンター試作機はバイオプリンティングの nScrypt, Inc. とバイオインク製造プロジェクト Bioficial Organs と共同開発したもの。実験はメキシコ湾上空高度3万フィートで実施された。

「 Zero G 」がシミュレート可能な無重力状態は1回当たり最大 30 秒しか継続せず、試作機が作成できるバイオプリント体も必然的に微小組織に制限されるという欠点はあるものの、同社チーフサイエンティスト Eugene Boland 氏によれば、「3Dプリンターは稠密な組成の立体物作成は得意だが、そうでない大きな中空構造を持つ物体、たとえば心臓などの作成は苦手。地球重力の影響を受けない宇宙空間でバイオプリントを試みれば、作成物が重力に引っ張られて崩壊するといったこともない」ので、極めて短時間での実験だったとはいえ作成成功を確認できたことは非常に大きな成果だったとしている。

また宇宙空間での3Dバイオプリントのメリットとして、「 地上でのバイオプリントではどうしてもバイオインクに含まれる化学物質が多くなる。その点、宇宙空間なら足場材などの補強措置を取ることなく、健康な細胞組織の生成が可能になる( Bioficial Organs CEO の  Stuart Williams 氏 )」。

同社によると、今後も無重力下でのバイオプリント作成試験を続け、詳細なデータを収集した上で 2017 年 1 月までに3Dバイオプリンター実用機を完成させ、翌 2018 年頃を目処に ISS に搬入して宇宙空間で3Dバイオプリント実験を始めたい考え。ISS で稼働予定の3Dバイオプリンター実用機は今回の試作機より更に小型化し、耐久性能も向上させたいとしている。



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2016年6月21日火曜日

3Dスキャナーのスタートアップに連邦政府機関が助成金を交付

カナダ・オンタリオ州発:トロント市内に本拠を置く Matter and Form Inc. は現地時間 6 月 17 日、連邦政府南オンタリオ地区経済開発局( FedDev Ontario )から総額 858,560 CAD の助成金を交付された。

同社は 2013 年、デザイナーとプログラマーの混成チームによって設立された3Dスキャナー製造のスタートアップ。主力製品「 Matter and Form 」デスクトップ3Dスキャナーの他、これまでにスマートフォンを簡単に3Dカメラ化するアタッチメント「 Bevel Clip 」など、数々のユニークな製品をリリースしている。

同社は今回の交付( 償還型助成 )を受け、「 Matter and Form 」次期製品開発に取り組むと共に、社員を増員して販売強化と顧客のさらなる確保、研究開発を推進したいとしている。同社への資金援助は FedDev Ontario 担当で連邦政府機関「イノベーション、科学および経済開発庁」担当大臣 Navdeep Bains 氏の代理として、ダベンポート区選出連邦議会議員 Julie Dzerowicz 氏によって発表された。

Dzerowicz 議員は次のように述べた。「我々は、Matter and Form 社による3Dスキャナー技術開発をこのような形で推進できて光栄だ。 Matter and Form 社製品は他の国内企業にとって、独創的なアイディアを国内外の市場に投入する好例となる」。

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2016年6月19日日曜日

ミネソタ州の公共図書館が3Dプリンター講座開催

米国ミネソタ州発:近年、米国内では FDM デスクトップ型3Dプリンターを配備する公共図書館が増えているが、ファーガスフォールズ公共図書館もその1つ。同図書館では現在、市民利用者対象の3Dプリンター講座を開講しているが、今夏は対象者を子供たちにも拡大して開くことになっている。

同図書館司書で成人利用者向けサービス担当 Katelyn Boyer 氏によると、同図書館は「 Zortrax M200 」1台を館内のバードディスプレイ上に配備してあり、無料の入門講座を受講する以外に個人利用もできるという。同3Dプリンター導入には West Central Initiative( WCI )の支援を受けている。

入門講座では3Dプリンターの歴史と使用法を学習した後、3Dデザインライブラリーの Thingiverse.com から好みの3Dオブジェクトを選んでダウンロードし、Zortrax M200 に転送してプリントアウトするまでを体験する。使用するフィラメント( 同製品専用 Z-Filament  )は好みの色が選べる。

入門講座の開講日と所要時間は毎週月曜午前 10 - 11 時 30 分と、木曜午後 4 - 5 時 30 分の 1 時間半。対象はそれまでの成人利用者に加え、7 歳以上の子供も参加できる。7 - 10 歳までの児童は保護者同伴が条件。講座内利用ではなく個人的に利用したい場合は材料費のみ実費負担で受け付けている。

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2016年6月18日土曜日

海洋考古学者チームが沈没船の精密な3Dプリントスケールモデルを制作

英国発:海洋考古学者 John McCarthy 氏はこのほど、スコットランドとイングランド沖に眠る沈没船の3Dプリントスケールモデルを制作した。

Wessex Archaeology Limited のプロジェクト部長を務める同氏はスコットランド北西のエドラチリス湾に沈む 17 世紀頃の帆船と、第 1 次大戦時に病院船として使用され、イングランド南方沖で撃沈された汽船「 HMHS Anglia 」号の調査をしている。両船の3次元モデル制作のため、同氏は写真測量法とソナーイメージングを組み合わせて3D点群データを作成し、そこから3Dモデルデータを生成して3Dプリントした。

McCarthy 氏は次のように述べている。「目の前に立体として展示できれば、もっと受け入れられやすいし、学校や会議に持っていくこともできる。スケールモデルが最終的に完成したら地元博物館への寄贈も考えている」。

McCarthy 氏がエドラチリス湾の沈船調査を開始したのは 2012 年。そこで同氏は豪フリンダース大学講師 Jonathan Benjamin 氏と共同で、博士号取得のための指導を受けながらこの沈船調査に従事してきた。両氏は同湾で、堆積物に分厚く覆われた3基の大砲を発見し、その下には木造船体構造が残っていることを確かめた。この沈船について詳細は不明ながら、オランダの商船「 Crowned Raven 」だと見られている。同船は 1600 年代後半、エドラチリス湾で遭難したことが知られている。

3Dモデルが生成可能なだけの精確なデータ収集のため、両氏が用いた方法が写真測量法とソナーイメージング技術だった。写真測量法は異なる画像データをコンピューター上で重ね合わせて物体間の正確な位置関係を割り出すことができ、忠実な色再現とともに高解像度画像が得られるが、海底では海藻類などの海洋生物付着や視程不良のため、広範囲をカバーできない。そこで、それを補うためにソナーイメージングを活用した。全長 329 フィートの HMHS Anglia 号の場合、マルチビームソナーシステムも使用してさらに広い範囲をスキャンした。マルチビームソナーはミリ単位の精密測定には不向きなため、高解像度の機器も併用して走査を繰り返して正確な3Dモデルデータが獲得できたとしている。

McCarthy 氏は写真測量法とソナー探査技術が向上し、またまったく新しいレーザースキャニング手法の開発も進んでいることを理由として挙げ、今回のような調査手法が今後飛躍的に増えるだろうと指摘する。

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2016年6月17日金曜日

Local Motors が IBM と共同開発した自動運転ミニバス「 Olli 」を初披露

米国メリーランド州発:量産型3Dプリントカーを世界で初めて開発したアリゾナ州フェニックス市に本拠を置く Local Motors は現地時間 6 月 16 日、同社と IBM が共同開発した自動運転電気ミニバス「 Olli 」をナショナルハーバー市内に建設した同社新工場開所式典に合わせて公開した。

同社によると、「 Olli 」は3Dプリントで製造された最大 12 人乗りの自動運転車。IBM が自動車専用に開発した認知コンピューティングによる自学自習 AI「 IBM Watson Internet of Things (IoT) for Automotive 」を搭載し、乗客とインタラクティブなやりとりを介して目的地まで走行してくれる。披露当日は同社創業者で現 CEO John B. Rogers, Jr. 氏と、「 Olli 」設計者の Edgar Sarmiento 氏を乗せて新工場まで走った。

「 Olli 」は同日付で首都ワシントン D.C. の公道での運用が開始され、今年後半にもフロリダ州マイアミデイド郡、ネバダ州ラスベガス市内での試験運用が予定されている。

「 IBM Watson Internet of Things (IoT) for Automotive 」はクラウドベースの自動運転支援システムで、車体に取り付けられた 30 以上のセンサーから読み取った膨大な交通データを収集 / 解析する。専用開発された API 群により、乗客の嗜好や地元のお薦めスポットへの案内も行う。

Local Motors の新工場には Cincinnati Incorporated とオークリッジ国立研究所( ORNL )が共同開発した世界最大級の産業用3Dプリンター BAAM がある。同工場は3Dプリント電気自動車製造拠点の1つとして使用されることになっている他、STEM プログラム公開講座等にも活用される予定だ。

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2016年6月16日木曜日

Kudo 3D がDLP SLA タイプのデスクトップ3Dプリンター「 Titan 」改良版をリリース

米国カリフォルニア州発:2014 年に独自技術を搭載した DLP SLA タイプのデスクトップ3Dプリンター「 Titan 」の資金調達が大々的な成功を収めた Kudo 3D Inc. はこのほど、同機の改良版「 Titan 2 」をリリースした。

新型機は初代より若干大型化しているが、手頃な価格( 今月 19 日迄先行予約特価 3,288 USD )を維持したとしている[「初心者向けプリンターセット」は直販価格 3,488 USD ]。

「 Titan 2 」はオールプラグアンドプレイ、組み込み Raspberry Pi 、大型化された造形プラットフォームが特徴。特許出願中の独自技術 PSP ( 受動自己剥離技術 )は初代より強化され、未硬化レジン層との分離力を更に弱めることに成功している。最小積層ピッチは 5 µm、XY 軸解像度は 37 - 100 µm。Wi-Fi 対応でスライサーソフト等のインストールも不要。スマートフォンやタブレットから直観的な制御ができる。不要な露光を防ぐためのシャッターも搭載している。

「 Titan 2 」本体サイズ( 奥行 x 全幅 x 全高 )は 41 x 35 x 85 cm、本体重量は 13.5 kg。最大造形サイズは 19.2 x 10.8 x 25.0 cm。初回生産分の出荷は 7 月初旬の見通し。

[ 付記 ] Kudo 3D では同社サイト上で日本語版取扱説明書を掲載する予定とのこと。

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2016年6月13日月曜日

「女性の敵」を撃退する3Dプリント ランジェリーを女子大生が開発

英国ノッティンガムシャー州発:ノッティンガムトレント大学の女子学生がこのほど、3Dプリントを活用してある女性の悩みに対する解決法を提案した。

同大学でファッションデザインを専攻する 23 歳の Jess Haughton 氏は、ランジェリー / アンダーウェアに付き物の「パンティーライン」を根絶するため、ストレッチシリコン素材を3Dプリントしてアンダーウェアを作る方法を思いついた。

従来製法によるアンダーウェアでは、縫い目やゴムバンドがどうしても浮き上がってしまうが、Haughton 氏の3Dプリント製法のアンダーウェアならこうした見苦しさは解消され、同時にボディーラインにより密着する製品が製造できるとしている。

Haughton 氏は次のように述べている。3Dプリントにはランジェリー市場に真の近代化をもたらす可能性があること、そして個性的な見た目で従来製品に代わることを示したかった。ストレッチシリコンは肌触りも抜群で、従来製法ではできなかったレースのような凝った意匠もデザインできる」。3Dプリントなのでカスタマイズ自在で、顧客に最適なオーダーメイド ランジェリーも仕立てることができる。

同氏はこの3Dプリントシリコン製法でボディスーツ、ブラジャー、Tバック、パンティーを試作している。

同大学スクール オブ アートの上級講師 Emma Prince 氏は次のように述べる。「彼女は様々な3Dプリント製品を開発することで、卒業後もこの新しい技術の知識を活かしたキャリアを積むことができると思う。最新技術がアパレル製品の製造法を変える素晴らしい一例であり、商品性の向上と市場アピールを共に高める」。

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2016年6月11日土曜日

Highcon Systems が次世代型紙ベース3Dプリンターを 2019 年に発売へ

イスラエル発:ヤブネ市に本拠を置くデジタル カッティング / クリーシングマシン製造 Highcon Systems Ltd. は 紙素材ベースの3Dプリンター「 Shape 3D 」を今月 10 日まで独デュッセルドルフ市で開催された印刷 / クロスメディアソリューション国際見本市「 drupa 2016 」展示ブース( Hall 9, C50 )にて初披露した。同機は 2019 年の発売予定。

「 Shape 3D 」は同社の「高速積層生産技術」を搭載した大型造形用3Dプリンター。詳細な仕様等は現時点では不明だが、紙素材を使用する3Dプリンターは既にアイルランドの Mcor Technologies Ltd の「 Iris HD 」や「 ARKe 」が販売されているが、Highcon の新型機は「従来の3Dプリント技術では成し得なかった低コスト / 高速プリントで3次元製品を生産可能」で、家具調度から様々な日用品、産業用モデルまで幅広い製造分野に対応するという。本体デザインは同じイスラエルの自動車デザイナー Padwa Design が担当している。

「 drupa 2016 」展示会場では「 Shape 3D 」の他に、同社のデジタルカッティングマシン「 Euclid 」で製作した巨大な折り紙オブジェクトが天井から吊り下げられ、注目を集めていた。オブジェクトのデザインは折り紙アーティストの Wanda Barcelona 氏によるもの。



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2016年6月10日金曜日

「メビウスの輪」のような無限建築を可能にする3Dプリンター「 3D Builder 」

オランダ発:アムステルダム市の建築事務所 Universe Architecture は現地時間 6 月 8 日、建設大手 BAM Bouw en Techniek( Euronext:BAMNB )と共同開発した建築用3Dプリンタープラットフォーム「 3D Builder 」を発表した。

同事務所を主宰する建築士 Janjaap Ruijssenaars 氏とによると、「 3D Builder 」は「メビウスの輪」のような無限構造物の自由造形を可能にする大型3Dプリンターロボット。

Ruijssenaars 氏は次のように述べている。「通常のプリンターと似ているが、用紙にインクを滴下する代わりに、水分を落とすと固結する砂粒素材を使用している」。具体的には酸化マグネシウム含有サンド上に、マグネシウム六水和物を含むバインダー溶液を吹き付けることで固結形成するもの。アイントホーフェン市に本拠を置く Aco Tech 製産業用ロボットアーム先端に取り付けた 300 基のノズルからバインダーを噴射する。層厚は 5 - 10 mm。

同氏は 2013 年に、「メビウスの輪」のような始点もなく終点もない建築物が建設可能な3Dプリンター構想を最初に発表していた。同氏は同日より 3D Builder で「 Landscape House 」の ¼ スケールモデルを制作するデモを、アムステルダム市内のファブラボ都市プロジェクト Fab City キャンパスで行っている。最終的には床面積 1,100 m² の「 Landscape House 」本体の建設を行いたい考え。



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2016年6月8日水曜日

子供向け IT 教室の Qremo が小学6年生対象の3Dプリンター教室開催へ

日本発:世界各国で、学校教育現場に3Dプリントなどのデジタルファブリケーションを導入する動きが加速している。米国では教育現場への3Dプリント導入に積極的なオバマ政権下で既に約 1,000 の小学校で3Dプリンターが導入されているし、英国でも、全小学校にデジタルファブリケーションを導入すべしとの政府報告が提出されているくらいだ。

日本ではどうかと言えば、3Dプリンターが導入されている小学校は殆どなく、また3Dプリンター等のデジタル機器を教育現場で活用するための専門家の数も少ないことからやや出遅れている感は否めないものの、最近になってようやく Kabuku や Microsoft Japan などの取り組み等の動きが出てきた。

就労支援等に取り組む LITALICO Inc. ( TYO:6187 )が 2014 年から運営する幼児 - 高校生向け IT モノ作り教室 Qremo は 10 日、杉並区立杉並第四小学校6年生2学級を対象に「3Dプリンター体験授業」を開催する。同区立小学校は教育現場の IT 化を積極的に取り入れていることで知られている。教室では既に電子黒板やタブレット端末を導入済みで、児童らは日々の授業で活用している。

当日は、「海の生き物が進化したらどんな姿になるか?」というテーマに沿って、児童らが実際に3Dモデリング演習( 30 分 )と自由制作( 40 分 )、そして3Dプリンターの出力デモを間近で見ることになっている。

Qremo は、将来的には小学校の通常授業の一環としてデジタルファブリケーションを統合してもらうことを望んでいると話している。現在、日本政府は 2020 年から全小学校でプログラミングを必修化する方針を打ち出している。

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2016年6月6日月曜日

デザイン変更も反映される世界初の「オンザフライ」方式3Dプリンターを開発

米国ニューヨーク州発:コーネル大学情報科学大学院生 Huaishu Peng 氏率いるチームはこのほど、3Dモデリング作業をしながらプリントアウト可能なオンザフライ方式の3Dプリンター試作機を開発した。

同チームによると、サーモプラスチックの消費量を減らすと同時に3Dプリント作業の劇的な効率化を実現できるとしている。

同チームは市販のデルタ型3Dプリンターのエクストルーダーヘッドを3Dグルーペンのように急速固結する樹脂を押し出すノズルに取り替えた。そして従来の3軸制御に加えて回転およびヨー / ピッチ制御の5軸制御とすることで、これまではできなかった複雑な形状を持つワイヤフレーム構造の3次元オブジェクト造形を可能にしたとしている。3Dモデリングソフト「 Rhino 」のプラグインを同梱し、最適なプリント結果が得られるように自動更新されたデータをプリンター側に送信しながらプリントアウトされるので、「データ修正しながら」のプリントや、プリント作業の中断も可能。このため材料となるプラスチック樹脂の無駄も最低限に抑えられるとしている。

「今回の開発では、人間-コンピューター間の双方向性から、人間-機械間の双方向性を目指している」と、Peng 氏は述べている。今回のオンザフライ方式3Dプリンター開発は、米国立科学財団および Autodesk の後援を受けている。



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2016年6月4日土曜日

自動車部品大手 Delphi が「 Carbon M1 」を試作品製造に活用

英国ケント州発:自動車部品製造大手  Delphi Automotive PLCCarbon3D, Inc.  が4月にリリースした「 CLIP[ 連続的液体面結合製造方式 ] 」搭載3Dプリンター「 Carbon M1 」を導入し、試作品製造用として活用している。

Delphi によると、「 M1 」による造形には従来型3Dプリンターのようなレイヤー毎の積層ではないため全方向に対する部品強度が高く、射出成形による製造部品に匹敵する物理特性を持つ部品を短時間で製造可能な利点があるとしている。

Delphi が「 M1 」を納入したのは昨年秋。同社 AM 部門を統括する Jerry Rhinehart 氏は次のように述べている。「従来型の AM では製造できなかった機能部品も M1 なら製造可能になり、我々はとても興奮している。従来型 AM で製造できたのは、最終製造部品として要求される強度の半分程度に過ぎなかった。現時点で M1 は、今月行う走行試験と検証試験用に用意される 24 台分に組み込むコネクター類などの電気部品製造で使用している」。今後 Delphi としてはこの「 M1 」を、小規模生産用として活用することも検討している。



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2016年6月3日金曜日

全ての立体物に点字刻印可能な3Dプリンター開発資金を募集中

カナダ・オンタリオ州発:ウィンザー市で点字書籍や点字地図の製造販売を手掛ける Tactile Vision Graphics, Inc. は現在、立体物上に点字の刻印可能な3Dプリンター開発資金調達キャンペーンを今月末まで展開している。

Tactile の創業者 Rebecca / Emmanuel Blaevoet 夫妻は立体物に点字を正確に刻印可能な3Dプリンターを探したが、市販品にはそのような目的に合致する製品は皆無だったため、夫妻は出資者を募集して視覚障がい者の補助となる3Dプリンター開発を思い立ったという。

Rebecca Blaevoet さんは次のように述べている。「点字には規格があり、たとえ点字自体の刻印ができたとしてもこの規格をクリアすることにはならない。3Dプリンターには、私達の求める水準に達した点字を刻印可能なことが求められる。触れることによって情報を伝える点字がなければ、健常者が当たり前に接している情報でさえ視覚障がい者にはアクセス手段もない」。

Tactile 側の依頼を受けて点字刻印用3Dプリンター開発を実際に行うのは、提携先の3Dプリントデザイン会社 Exemor Inc 。クラウドファンディングによる開発資金の目標額は 15,000 CAD。



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