2019年9月28日土曜日

コンクリート使用量を 60 % 削減した3Dプリント歩行者専用橋がお目見え

オランダ・ユトレヒト州発:大型構造物の3Dプリントを手掛ける Vertico はこのほど、ベルギーのヘント大学と共同でコンクリート3Dプリントの歩行者専用橋を建造した。

同社は 2017 年に設立された3Dプリントのスタートアップ。ガントリー型ロボットアームに設置した大型3Dプリンター(最大造形容積 8x5x 2.2 m)を使用して、これまでに重量 2.5 トン、50 の異なる形状からなるコンクリートファサードや、コンクリートカヌーを製作してきた。今回は造形容積 4.5 x 2 x 2.5 m のロボットアーム式3Dプリンターと特製生コンを使用して、小型の橋を出力した。設置場所などは明らかになっていない。

同社とヘント大学側は今回のプロジェクトについて、形状面での最適化を図り、不要な部材の削減も実現しているという。また建設部門から排出される CO2 は世界の CO2 排出量の約 23% を占めると言われるが、コンクリート3Dプリント工法ならばコンクリート使用量を 60 % 削減できるため、環境にも優しいとしている。

現在、同社はコンクリートドームの3Dプリントに取り組んでおり、2020 年 2月には建造を開始するとしている。

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2019年9月13日金曜日

デンマークの美大生が生分解性3Dプリントシャツなどを制作

デンマーク発:デンマーク王立美術院(KADK)の学生 Mats Beckman 氏は、卒業作品として3Dプリント + 3Dペン + アイロンの組み合わせで、生分解性素材でできた半袖シャツを含むメンズアウトフィットを制作した。

卒業制作で使用したのはデスクトップ型 FDM 3Dプリンターの Ultimaker 3、各種の3Dペン、アイロンを含む熱圧機器。遺伝子組み換えではないコーンスターチでできたフィラメントを使用して、作品を堆肥に転用可能にした点が評価され、同大学から国連 SDGs 賞を受賞した。

同氏によれば、制作したシャツやアクセサリー類は寒暖に対する耐候性があり、湿気、微生物、酸素、高温すべてに晒されないかぎり、一度着用しただけでバラバラになったりしない、としている。Beckman 氏は今後も3Dプリント方式の生分解性の服の開発を継続するとし、この新方式はアクセサリーから家具調度の追加パーツに至るまで、すべての製品のデザインに使える可能性のある、と考えている。

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2019年9月3日火曜日

世界最大級の3Dプリンターが商用化へ

南アフリカ・ハウテン州発:科学産業研究評議会(CSIR、本部プレトリア)が 2017 年に完成させた世界最大級の金属3Dプリンター「 Aeroswift 」の完全な商用化に向けた調整が行われている。

1億ランド[日本円で約 7 億円相当]以上の費用をかけて開発・建造した同3Dプリンターはもともと研究調査用だが、同会議の Ntombi Mathe 博士は、大型部品を扱うグローバルサプライヤーとの正式な商業使用契約が結ばれる見込みだと語った。

「 Aeroswift 」は現時点ではチタン素材による航空機部品製造に特化した3Dプリンターとなっている。これまでに製造した部品にはチタン製スロットルグリップがあり、これは従来の樹脂製グリップより軽量、かつ高剛性なのが特徴。

同評議会は、この「 Aeroswift 」テクノロジーは南アフリカにおおいに利益をもたらすだろうと話す。原材料だけの輸出とは違い、半完成部品および完成品の輸出能力が備われば、世界の3Dプリント市場へ同国も新規参入を果たせるだろうと期待をかけている。

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