2022年7月7日木曜日

世界初のフル3Dプリントプールがお目見え

米国発:プール製作の San Juan Pools(フロリダ州)はこのほど、世界初のフル3Dプリントによるグラスファイバー製プールを発表した。
San Juan Pools は 1963 年にワシントン州シアトルで創業した3代続く同族経営会社で、ボート船体の建造術を応用してプール製作を手掛ける。最先端技術を採り入れたプール作りを追求する同社が手掛けた最新型プールが、このフル3Dプリントプールだ。
San Juan Pools が新製品製作で労力、時間、生産コストを削減する方法を探したところ、同じくフロリダに拠点を置き、特注の大型造形用3Dプリンターベンダーの Alpha Additive を知り、同社に掛け合って専用の3Dプリンターを提供してもらったという。特殊なビニルエーテル樹脂とグラスファイバーを FDM 3Dプリンターと同様な手法でプリントアウトして完成したのが、世界初のフル3Dプリントプールだ。
3Dプリントプール「 Baja Beach[バハビーチ]」モデルは縦横 12 × 25フィート(約3.6 × 7.6m)、深さ3フィート(約 0.9 m)。長さ12フィートのアクリルグラスのファサードウィンドウがあり、最奥部には温水が出るジャグジーセクションも付属する。プール主要部が浅めに作られて泳ぎには向かないが、子どもが水遊びをしたり、大人が水の中でクールダウンするのに最適なプールとなっている。
グラスファイバーで船体を製造する従来の工法では、有毒な化学物質やリサイクル不能な素材の使用が地球の生態系に重い負荷を与えていた。この点でも、3Dプリントプールは環境負荷が軽くメリットがある。また、従来工法は多くの労働者を必要とし、完成までに数か月かかるという問題があったが、3Dプリント方式ではサスティナブルな素材の使用と少ない労力、そして完成までわずか数日で済む。
フル3Dプリントのグラスファイバー製プール各種の価格は、約 17,000 ~ 38,000 米ドル。