2024年1月31日水曜日

老舗靴メーカーが3Dプリント金型で低コスト、生産効率アップを実現

イタリア発:高性能ウォーキングシューズや安全靴を 40 年以上にわたり製造する Grisport(ヴェネト州トレヴィーノ県)はこのほど、生産プロセスを見直して、高価なアルミ製射出金型から3Dプリント金型へ変更した。3Dプリント金型に切り替えたことで、従来のアルミ金型と比べコストは 1/10、生成速度は 50 倍高速化した。
同社は今回の更新で、製造コスト 5,000 ユーロ(5,500ドル)のアルミ金型に見合う最低販売数量(MSQ)を確保するデザインで呻吟する必要はもはやなくなったと話す。3Dプリント金型単体当たりコストは約 500 ユーロに下がり、従来より多くのデザインの商品を市場投入でき、限定生産品やカスタム品の受注生産する機会も生まれた。
同社は、高耐久の耐熱素材と3Dプリント技術の研究に数ヵ月取り組み、大型樹脂3Dプリンターの Photocentric Liquid Crystal(LC)Magna、素材として HighTemp DL401 を選択した。 同社が3Dプリント金型移行を承認した理由で重視したのは製品強度以外に、製造工程の時間短縮があった。
LC Magna 3Dプリンターは、3つのパーツから成る完全な靴型を 14 時間で製作できる。サードパーティの供給業者からアルミ金型を仕入れる場合は、数週間かそれ以上を要していた。従来のアルミ金型の場合、初期設計から最終製品完成まで約 4ヵ月を要していたが、3Dプリント金型ならばわずか 1ヵ月半ほどで最終製品の生産が可能だ。
3Dプリント金型の大量生産に関しては、フィジビリティスタディ(F/S)終了後、アルミ金型製造で培った技術でじゅうぶん対応可能だろうとコメントした。