2015年9月29日火曜日

UCT が東南アジア地域最大の3Dプリントセンターを稼働へ

シンガポール発:米カリフォルニア州ヘイワード市に本拠を置く Ultra Clean Holdings, Inc. ( NASDAQ:UCTT )子会社 Ultra Clean Asia Pacific Pte. Ltd( UCAP )は現地時間 9 月 28 日、シンガポール市ウッドランズ地区において東南アジア地域最大規模の3Dプリントセンターを稼働した。

同センターは既に昨年 11 月から試験稼働していたが、UCT 側はアジア地域の製造業支援強化のため、同センターの3Dプリントサービスを拡充させた。貴金属やセラミックを含む 17 の素材から3Dプリントができるようになったとしている。

新施設は個人、産業双方を対象とした3Dプリント全般を網羅するサービスを提供する。産業用としては主に航空宇宙、医療部門をターゲットにプロトタイピング、3Dエンジニアリングを請け負う。コンシューマー向けサービスとしては、同社は i.materialise.com.sg というマーケットプレイスも用意している。

UCT は組立、加工、溶接等の受託サービスを請け負っており、アジア太平洋地域の統括拠点として 2008 年に UCAP を設立した。同社のアジア地域の拠点は UCAP の他に上海に2か所、フィリピンに1か所ある。

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2015年9月27日日曜日

瞬時に固まるゲル内に複雑な造形を可能にする新しい3Dプリント技術を開発

米国フロリダ州発:フロリダ大学航空宇宙工学科助教 Thomas E. Angelini 氏率いるソフトマター研究所グループはこのほど、特殊な性質を持つゲル内にコロイド等のソフトマター素材から成るインクを注入し、内部で「宙吊り」状態にして複雑な形状を自由に造形する新たな3Dプリント技術を開発したと 電子版科学ジャーナル Science Advances 上に発表した。

同グループによると、形の崩れやすい液体状物質を粒状ゲル内に閉じ込めることで、通常の硬質素材による3Dプリントでは造形不可能な形状物の作成に成功した。µm 粒状ヒドロゲル母体として使用するのは市販の Carbopol® ETD 2020 ポリマーで、このゲルは力が加わった瞬間、固体から液体へと変化する特性を持つ。このゲル母体に様々な粘性を持つポリマー素材やコロイド、バイオ素材等を注射器状の針先からインクとして注入すると、その衝撃で周囲のゲルが液化し、その後内部のインクを永久固定する。Angelini 氏らはこの技術を用いて、マトリョーシカ状の入れ子式オブジェクトや結び目などの複雑な形状物を試作した。いずれも従来の3Dプリントでは作成不能なデザインだ。

Angelini 氏は次のように述べる。「現在、大学病院の外科医のために3Dプリンターの開発に取り組んでいる。我々は既にヒドロゲルから脳全体の 1/4 スケールモデルを作成した」。

だが、英マンチェスター大学材料科学科教授 Brian Derby 氏によれば、流体内の中空にドローイングするという技術自体は既に存在するという。「今回、極めて敏感に反応するポリマー素材をゲルとして使用した点は目新しいが、用途は非常に限定的で、作成に時間がかかる」。

また同氏は、ヒドロゲル内のプリント物の取り出しが困難な点も指摘している。この点は Angelini 氏も認めており、新しいゲル素材を開発中だとしている。



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2015年9月26日土曜日

Kickstarter で記録的な資金調達を果たした「 The Micro 」にリテール版が登場

米国メリーランド州発:3Dプリンタースタートアップの M3D LLC は昨年、「真のコンシューマー向け3Dプリンター」と銘打った「 The Micro 」の Kickstarter 資金調達キャンペーンが 340 万 USD を突破してギネス世界記録に認定されるほどの大成功を収めて話題になったが、今月 26 日にニューヨーク市で開幕した「 World Maker Faire 」に「 The Micro 」を出展すると同時に、同機リテール版の販売も開始する。

同社によれば、「 The Micro 」リテール版は Amazon.com、Micro Center 等国際展開する EC サイト上で売り出す予定。*  リテール版の販売価格はベアボーンキットとして販売中の「スタンダード版」より若干高い 399-449 USD。

「 The Micro 」リテール版には1年保証、同社製 3D Ink フィラメント( Φ=1.75 mm )1スプール、複数台サポートライセンス等が付属する。

今年で6回目を迎えたニューヨーク市の「 World Maker Faire 」は翌 27 日まで、同市クイーンズ区のニューヨーク科学ホールで開催される。

*… M3D LLC の「 The Micro 」日本での購入は、こちらが同社の正規輸入代理店となっている。

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2015年9月23日水曜日

Formlabs が最新版デスクトップ SLA 3Dプリンター「 Form 2 」をリリース

米国マサチューセッツ州発:MIT 出身のエンジニア達によって 2012 年に設立された3Dプリンタースタートアップ Formlabs は現地時間 9 月 22 日、デスクトップ SLA 3Dプリンターの最新版Form 2 」のリリースを発表した。同社は「 Form 1 」開発時、 Kickstarter 上で 280 万ドルもの資金調達に成功している。今回発表された新型モデル「 Form 2 」は、設計をゼロからやり直したまったくの新開発製品だという。

同社共同設立者 Max Lobovsky 氏は次のように述べる。「旧モデル[ Form 1、Form 1+ ]開発を通じて、弊社はプロのエンジニア、クリエイターなどから簡単に扱える強力な3Dプリンターの必要性を学んだ。コンパクトなデスクトップ型でありながら高解像度の Form 2 は、3Dプリント産業にとって第2の波となるはずだ」。

「 Form 2 」の最大造形容量は従来比 40 % 以上増の 145 x 145 x 175 mm。レーザー性能は 250 mW で、従来比で 50 % 向上した。層間解像度は 25 - 200 μm。樹脂槽は専用カートリッジから自動的に最適な効率で注入される機構を採用し、樹脂の無駄を最小限に抑えたという。


また Wi-Fi 経由でモバイル / タブレット端末 / PC からの遠隔操作も可能。フルカラータッチディスプレイを搭載し、「 PreForm 1.9.1 」ソフトウェアを使用すればクリックするだけで簡単にプリントアウトもできるとしている。販売価格は樹脂カートリッジ1L およびクリーニングキット込みで 3,499 USD。

シンガポールに本拠を置く IT 関連市場調査会社 Canalys によれば、3Dプリント市場規模は3年後の 2018 年には 162 億ドル、2013-18 年にかけての5年間の複合年間成長率( CAGR )は 45.7 % と見積もられており、Formlabs はそんなマーケットにおけるシェア拡大を狙う[ 文中の記述に誤りがありましたので、訂正しました ]。



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2015年9月22日火曜日

低コスト & 環境にも優しい3Dプリンタブルな太陽発電パネルを開発

スペイン・カタルーニャ州発:バルセロナ材料科学研究所( ICMAB )が設立したハイテクベンチャー Oxolutia はこのほど、3Dプリントで製造可能なフレキシブル太陽発電パネル「 Solar Oxides 」を開発した。

「 Solar Oxides 」の素材は導電性酸化物という、自然界に無尽蔵に存在する無害で安定した材料だ。従来、このような太陽発電パネルは単結晶シリコンが使用されてきたが、今回の成果により、低コストで環境負荷の少ない持続可能型発電の新たな選択肢になりそうだ。また、輸送、医療、通信といった分野への応用も考えられる。

フレキシブルな発電パネルを製造するために、開発グループは3Dインクジェットプリントと化学溶液塗布( CSD )材料とを組み合わせ、導電性酸化物の薄膜を形成する方法を採用した。彼らによれば、この技術はデジタルファブリケーションおよび積層造形において新しい市場を開拓するだろうとしている。

同社は 2013 年に試験生産施設を設置済みで、来年には製品プロトタイプを生産する計画だ。

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2015年9月20日日曜日

3Dプリントでカキ生育環境の復活を目指せ

米国マサチューセッツ州発:地球温暖化や乱獲などで海産資源の減少が懸念されているが、「海のミルク」カキもまた例外ではない。

1986 年にケープコッドで創業したカキ養殖業者 Woodbury Shellfish Company はカキ養殖用人工リーフを3Dプリントで製作する試みに取り組んでいる。

オーナーの Patrick、Barbara Woodbury 夫妻は海洋学者でもあり、同社は創業以来、一貫して環境に負荷をかけない方法でカキなどの二枚貝養殖に従事してきた。カキを育てる干潟は、他の魚介類にとっても安全な食物供給源であり、カキを守ることが何百もの海の生物の生態系維持にとって不可欠だという。夫妻は過去5年、減少したカキの生息数を増やすことに全力を注いできたが、このほどセラミック3Dプリントサービスの Tethon 3D と干潟の役目を果たす人工リーフを共同開発した。

このセラミック人工リーフは Woodbury 夫妻により、カキの繁殖だけでなく、本来の自然環境を回復させることも考慮されて設計された。成果が現れるのはまだ先だが、夫妻によれば既に良い結果が得られているという。

Pat Woodbury 氏は次のように述べている。「3Dモデリングソフト SketchUp による設計と、Tethon 3D のセラミック3Dプリントによって、当初考えていた通りの設計基準を満たす構造体が短期間で製作でき、湾内の養殖場で試験することが可能になった」。

世界のカキ生育環境の 85 % が乱獲、環境破壊、気候変動で破壊されていると言われている。持続可能素材のみ使用した3Dプリント人工リーフによるカキ生育環境復活への試みが、同時に利益も生むことができれば、他のカキ養殖業者にとっても従来手法からの転換を促すことになるかもしれない。

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2015年9月19日土曜日

世界で初めて神経組織を再生させる3Dプリントガイドの開発に成功

米国ミネソタ州発:ミネソタ大学、ジョンズ・ホプキンス大学、ヴァージニア工科大学など6大学の研究者グループはこのほど、損傷した感覚神経および運動神経再生を助ける3Dプリントガイドの開発に成功したと発表した。研究成果は Advanced Functional Materials 電子版最新号に掲載された。

この3Dプリントガイド開発は画期的で、年間 20 万人以上とも言われる事故・疾病による神経損傷患者を救う可能性を秘めている。

神経組織の再生は複雑なプロセス経て行われ、そのため一度傷ついた神経組織が再生するのは極めて稀なケースで、障害が恒常的に残る場合が多い。

研究者グループの開発した新手法は、3Dイメージングおよび3Dプリント技術を使用して、神経組織の再生を助ける生化学素材を埋め込んだシリコンガイドを生成するというもの。この3Dプリントガイドの有用性はラットを使った実験で実証されたという。

研究者グループ代表でミネソタ大学理工学部機械工学教授 Michael McAlpine 氏は、「今回の研究は、複雑な損傷から神経組織を3Dプリントガイドによって再生させるという概念実証にとって重要な成果を上げた」と述べている。

実験ではラットの坐骨神経組織を切断し、切断部位を3Dスキャンして構造解析したデータを基に3次元イメージを作成。独自開発したバイオ3Dプリンターで坐骨神経の感覚神経分岐と運動神経分岐とを含む「Y」字型の神経ガイドをプリントしてラットの坐骨部に移植した。施術後 10-12 週ほどで、ラットは不完全ながらも再び歩行能力を取り戻したという。

McAlpine 氏は次のように語っている。「いずれは院内に備え付けた3Dスキャナーと3Dプリンターでその患者に最適な神経ガイドをその場で生成し、患者の損傷した神経機能を回復させることも可能になる」。



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2015年9月14日月曜日

業界最速の大型3Dプリンター「 Massivit 1800 」

イスラエル発:ロード市に本拠を置く3Dプリンタースタートアップの Massivit はこのほど、業界最速の産業向け大型3Dプリンター「 Massivit 1800 」を発表した。

「 Massivit 1800 」は最大で高さ 1.8 m、幅 1.5 m、奥行き 1.2 m の大型オブジェクトの造形が、35 cm[ 1 ft ] /h の速さで可能。150 cm ほどの身長の人間の実物大モデルを出力したい場合、約 5 時間で完了するという。

同機の3Dプリント機構は独自開発した「ゲル供給プリント( GDP )」方式[ 特許申請中 ]。これは UV 光を当てると固結する光硬化ポリマー樹脂を特殊なゲル状にして連続造形を行うため、非常に高速な出力ができるという。流動性の低いゲル素材とスマートサポート機能の搭載で、垂直面の全くない壁や天井などの造形もサポート材不要でできるとしている。ゲル素材は一般的な ABS 並みの強度があるという。

「 Massivit 1800 」GDP テクノロジー:

最大プリント速度:1,000 mm / 39 inch / sec [ X x Y 軸 ]
生産性能:35 cm / h 
最大造形サイズ:1.5 m x 1.2 m x 1.8 m( 4x5x6 ft )
2種の異なるオブジェクトの同時出力も可
サポートレスによる素材の効率的使用

「 Massivit 1800 」システム初生産分は、大型印刷とビジュアルマーチャンダイジング企業 E.S. Digital が納入している。

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2015年9月13日日曜日

「 でこぼこMAP 」に戦国合戦地図編が登場

日本発:株式会社カブク( Kabuku. Inc )が運営するモノ作りマーケットプレイス rinkak は 9 月 10 日、3Dプリンタブル地形図作成サービスでこぼこMAP 戦国合戦地図編 」を同日付で提供を開始した。

この「戦国合戦地図編」は厳島の戦い、関ヶ原の戦いなど、8つの戦国時代の合戦布陣図をコンパクトな立体地図モデルとして忠実に再現、研究者や学生に限らず戦国時代好きや合戦地に興味関心のある旅行者にも最適なサービスとなっている。

戦国合戦地図編」各3D 地形図の大きさは 5cm、7cm、10 cm 四方の3種類から選べる。価格はそれぞれ 2,000 円、4,000 円、6,000 円。地形図はフルカラー3Dプリントされるので、主要陣形や城などの拠点も一目瞭然だ。

「でこぼこMAP 」は昨年リリースされ、現在はバージョンアップした2代目。用意された画像の代わりに手持ちの画像をアップロードしてカスタム化も可能。立体地図はサンドストーン素材を焼結法で生成する。地図データは地理院地図およびオープンストリートマップ(OSM)を利用して作成している。

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2015年9月12日土曜日

世界で初めて3Dプリントで製作された人工胸骨の移植に成功

オーストラリア / スペイン発:サラマンカ大学病院は現地時間 9 月 11 日、癌患者への3Dプリント人工胸骨の移植に世界で初めて成功したと発表した。

この3Dプリント人工胸骨は同病院の依頼を受けてオーストラリアのメルボルン市に本拠を置くカスタム医療機器専門メーカー Anatomics が製作した。製作チームは患部の高解像度 CT スキャン画像を基に、胸骨と肋骨の一部を忠実に再現。そのデータから、オーストラリア連邦科学産業研究機構( CSIRO )の3Dプリンターラボで出力した。

この3Dプリントインプラントはチタン製。CSIRO のラボにはチタン等の金属素材の加工ができる 130 万ドル相当のスウェーデン Arcam AB 製 SLS 3Dプリンターがあり、インプラントはこの3Dプリンターで製作された。* 

このインプラント移植を受けたのは、胸壁腫瘍と診断された 54 歳のスペイン人男性患者。この部位の形状は複雑で、従来のインプラント製造法では再現が極めて困難だった。チタンプレート自体は胸部外科手術では以前から使用されていたが、接合部のネジが時間が経過するにつれて緩むなどの問題があった。そこで執刀医達が選んだのが、この患者の移植用にカスタムメイド可能な3Dプリントによる再建術だった。

サラマンカ大学病院外科医 Jose Aranda 医博は次のように述べている。「我々は患者により安全性の高い選択肢を提供すると共に、術後の回復も早い手法を採用することにした」。この男性患者は移植手術のわずか 12 日後に退院し、その後の経過も良好という。

CSIRO の Adam Knight 氏は次のように述べる。「3Dプリントの利点はラピッドプロトタイピングにある。生命を救う外科手術法を期待するのならば、3Dプリントこそ間違いなくこれからのスタンダードだ」。



* Arcam AB 製3Dプリンターの日本国内向け販売は HTL Co. Japan Ltd. が行っている。

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2015年9月11日金曜日

MIT が直感的操作可能な3D CADインターフェイス「 Fab Forms 」を開発中

米国 / イスラエル発:MIT と IDC ヘルツリーヤ の研究者達は共同で、クラウドベースで操作可能な3D CAD インターフェイス「 Fab Forms 」の開発に取り組んでいる。

出力側の3Dプリンターは技術革新が進み、誰でも扱える直感的インターフェイスの搭載などを売りにする機種が増えているものの、元になる3Dデータを作成する3D CAD ソフトウェアのほうは熟練ユーザーでも手間がかかるなど扱いやすいとは決して言えない。

MIT のコンピューターサイエンス / エンジニアの大学院生 Masha Shugrina 氏および IDC ヘルツリーヤの研究者チームはこの現状を改善すべく、Web ブラウザベースで動作する新しい3Dデータ作成インターフェイスを開発することにした。CAD ファイルを自動的に実際の見た目の立体モデルに変換し、ユーザーはそれを見ながら画面上の仮想スライダーでサイズなどを調整するだけでよいとしている。

「 Fab Forms 」にはまずプロの CAD デザイナーの手になる作例が表示され、各パラメーターを変更するとデータベース上に蓄積されたデータが呼び出され、変更箇所が随時、実際の立体モデルとして反映されてシミュレートされる。変更されたパラメーター値がデータベースにない場合は、クラウド上に分散するサーバーに送信されて計算された値が返されて反映される。物理的にプリントが不可能なパラメーターを入力すると、システム側が自動的に排除する。従来、こうした手法は単一コンピューター上では何百時間もかかる計算だが、クラウドサーバーを使用するこちらの方式では数分もあれば完了する。同時に、作成されたデータ等の結果も全てクラウド上のデータベースに格納され、データが蓄積され続ける仕組み。

「 Fab Forms 」については先月、MIT と IDC 両開発者チームが先月、ACM SIGGRAPH カンファレンスAssociation for Computing Machinery's Siggraph conference )で論文を発表している。また彼らによれば、Autodesk も彼らの研究成果に関心を示しているという。Autodesk も同様の問題の改善を目指し、独自開発した「 Shapeshifter 」という Web GL ベースの3D CAD モデラーを既に公開している。



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2015年9月8日火曜日

高さ 12 m! もある世界最大級デルタ型3Dプリンターがお披露目へ

イタリア・ラヴェンナ県発:3Dプリントによる開発途上地域での持続可能型住宅開発を目指して 2012 年に設立された WASP (World’s Advanced Saving Project)は、世界最大級のデルタ型3Dプリンター「 BigDelta 」を今月 18 日から3日間、同社が本拠を置くマッサ・ロンバルダ市内で初公開する。

「 BigDelta 」は高さ 12 m のクレイハウス建造用デルタ型3Dプリンター。現時点で詳細は不明だが、同社はお披露目イベントでカンファレンスやワークショップも開催するとしている。

同社は次のように説明する。「試算によれば 2030 年には年間所得 3,000 ドル以下人口は全世界で 40 億人を超え、これらの人々のための住宅供給が喫緊の課題であり、また国連の発表では、15 年間に毎日平均 10 万棟もの住宅を建設しなければ需要に追いつかないという。BigDelta 開発は夢のそのまた夢を実現させるようなものだ。我々は世界を救うためにまず3Dプリントから挑戦してゆく」。
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2015年9月7日月曜日

古代角笛の失われた吹き口を3Dプリントで復元、演奏も

オーストラリア・キャンベラ発:オーストラリア国立大学アジア太平洋カレッジ( ANU Asia-Pacific )考古学博士課程に在籍する Billy Ó Foghlú 氏はこのほど、古代の角笛の吹き口を3Dプリントによって再現し、完全な形での角笛のレプリカ製作に成功した。

 Ó Foghlú 氏によれば、この角笛は青銅器-鉄器時代のもので、欧州全土、特にスカンディナヴィア半島で多く出土している。同氏が注目したのが、アイルランドで出土した出土例の少ない角笛の遺物で、一様に吹き口( マウスピース )が欠けていた。これが長年、研究者にとって謎だった。理由の1つとして、所有者の埋葬儀式で武具など他の貴重品と共に分解されて副葬品として埋められたという慣習があったためと考えられている。

20 世紀初頭、アイルランドのミース州ナヴァンで出土した「ナヴァンの槍石突( B.C. 2世紀頃 )」も、そんな「武具」遺物だと考えられてきた。しかし Ó Foghlú 氏は、実は石突ではなく、本来は失われたと思われてきた「吹き口」ではないかと推測した。

そこで同氏は精密な計測データを基に3D CAD データを起こし、それをキャンベラ市内の3Dプリント プロバイダーおよび3Dプリントスタジオの協力を得て 3D Systems の光造形3DプリンターProjet 」で復元し、さらにブロンズ仕上げを施して本物に忠実なレプリカを完成させた。

この吹き口を角笛レプリカ本体に装着して吹いてみると、「たちまち楽器に生命が戻った」。

こうして、以前は音楽に乏しい暗黒時代のように考えられていた青銅器-鉄器時代のアイルランドには、このような管楽器による音楽が奏でられていた可能性が高まった、としている。「先史時代の角笛は単なる狩猟ホルンではなく、注意深く組み立てられた立派な楽器であり、当時の文化において音楽が重要な役割を果たしていたことは明らかだ」。

 Ó Foghlú 氏は次のように述べる。「ツタンカーメン王墓にも、トランペットに似た古代楽器が副葬品として出土している。先史時代スカンディナヴィア、スコットランド、ヨーロッパ大陸にも同様の角笛が墓から出土しており、それらの古代楽器にも不可欠な構成部品として吹き口はついていた」。



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2015年9月6日日曜日

タイで初めての3Dプリントデザインコンテストが開催

タイ・バンコク発:石油関連企業大手 Chevron の子会社 Chevron Thailand Exploration and Production, Ltd はタイ国立科学技術開発庁( NSTDA )と共同で同国初の3Dプリントデザインコンテスト「 Enjoy Science:Let’s Print the World 」をこのほど開催した。

これは、同国における STEM 教育推進と、それによる同国の長期的な競争力強化を狙った官民連携の「 Enjoy Science 」プログラムの一環として実施されたもの。学生と一般の2部門からなり、応募総数 140 組から最終選考に残った 20 組の作品が、今月 26-27 日に開催される「 Bangkok Mini Maker Faire 2015 」にて一般展示される。一般部門の最優秀賞に選ばれたのは、Saowakon Pummalee 氏の製作した、タイの古典文学の傑作で現在も学校教材として使用されている叙事詩『ラーマキエン』の主要登場人物トッサカン等をモチーフに3Dプリントしたランプだ。

同氏のデザインしたランプは Stratasys の「 Objet Eden3Dプリンターによってランプ各パーツが造形された後、接合されて仕上げられた。各パーツ当たりのプリントアウトおよびサポート材除去に 20 時間以上かかった。作品は、青銅器時代以来の伝統の象牙彫刻を想起させる、いかにもタイらしい造形美が際立つフォルムとなっている。

最優秀賞および優秀賞として、それぞれドイツで開催されるメイカーズフェアへの往復航空券および3Dプリンター用品が贈呈された。

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2015年9月5日土曜日

XYZ Printing がフード3Dプリンターを来年にも発売へ

台湾発:「 Da Vinci 」シリーズで知られる XYZ Printing Inc. は同社初となるフード3Dプリンター「 XYZ Food Printer 」を来年、発売する。販売予定価格は 1,800 USD。主として業務用を想定している。

同社によれば、アジア市場で販売を開始し、その後、規制当局の承認を待って米国および欧州市場に投入するとしている。

 XYZ Food Printer 」の動作原理は通常の FFF / FDM 3Dプリンターと同様で、クッキングシート上に1層ずつペースト状生地を積層して造形する。クッキーやピザなど、食品によってはプリント終了後オーブン調理が必要な場合もある。

出力可能なペースト状素材は3種類まで対応。ピザを作りたい時は、ピザ生地、トマトソース、チーズソースの3種類を専用カートリッジチューブに装填して使用する。

タッチパネル液晶搭載で、USB メモリからの直接出力もできる。本体にはプリセットレシピも用意される。



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2015年9月1日火曜日

Polar 3D が子供向け3Dプリンターラボを提供へ

米国オハイオ州発:シンシナティ市に本拠を置く3Dプリンターベンダー Polar 3D は 今年 1 月に開催された CES 2015 でユニークな駆動機構を持つ3Dプリンター「 Polar 3D 」を出品して注目を集めた。このほど同社は、Boys & Girls Clubs of America ( BGCA )に同社3Dプリンターの寄贈と、3Dプリンターラボ設置の提携を結んだと発表した。

同社によれば、3Dプリンターを活用してもらうことにより、BGCA 側の STEM 教育戦略に協力するという。BGCA スタッフには Polar Cloud によるガイダンスを行い、子供達に3Dプリントを教えるための支援を行う。

同社は ワシントン D.C.、シンシナティ、ポートランド各支部を皮切りに、BGCA 各地支部に3Dプリンターラボを順次設置する計画だ。

今回の提携は、Polar 3D 創業者 William Steele、Ed Estes 両氏の働きかけによって実現した。Steele 氏は元 Microsoft 役員、Estes 氏は元ソフトウェア会社経営者で、同社は 2013 年に設立された。同社は Polar Challenge 始め、イノベーション関連の数々のプログラムやコンペを主催し、優秀者には同社3Dプリンターの贈呈や、奨学金の支給などの活動を行っている。

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