2016年3月29日火曜日

Polar 3D、地元 STEM 提供団体と新しい3Dプリントカリキュラムを共同開発

米国オハイオ州発:米国内の学校教育部門に3Dプリントを含む3Dテクノロジー体験教育の促進に力を入れているスタートアップ Polar 3D はこのほど、シンシナティ地域の教育機関向けに新しい3Dプリントカリキュラムを STEM プログラム提供組織 Partnership for Innovation in Education( PIE )と共同開発に取り組んでいる。

シンシナティ市内に活動拠点を置く PIE は、幼児 - 高校生( K12 )までを対象とする事例ベース学習プログラムモデルによる教育支援ツール開発を手がけている。同組織のミッションの1つが、高等教育で初めて触れるようなハイテクを子供達に直接体験させることであり、これには3Dプリントも含まれる。最近のプロジェクトでは、子供達はシンシナティバレエ団と共同で3Dモデリングソフトを使用し、従来より人間工学に配慮したバレエシューズデザイン製作を体験した。

マイアミ大学ファーマー・スクール・オヴ・ビジネスのマーケティング学元教授で事例研究法の第一人者 David Rosenthal 氏は次のように述べている。「Polar 3D と PIE のような取り組みは、まさしく生徒自身がエンジニア、デザイナー、問題解決者としての役割を直接体験できる学習法だ。このような経験をした子供達は将来のキャリア選択が思い描きやすくなるという利点があるし、教室で学んだ項目はそのまま実生活において応用可能でもある」。

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2016年3月28日月曜日

PV Nano Cell、ナノメートル導電デジタルインク製品群をお披露目

イスラエル発:単結晶ナノメートル導電デジタルインク製造の PV Nano Cell Ltd. はこのほど、同社ハイエンド導電デジタルインク Sicrys™ シリーズを来月7-8 日、独ミュンヘン市内で開催されるプリンテッドエレクトロニクス見本市「 LOPEC 2016 [ Hall B0, Booth 109 ]」にて展示する。

同社 Sicrys シリーズは基盤に印刷される電子回路パターンをナノレベルまで極小化させ、同時に省資源性能も極限まで追求したデジタルインク製品で、プリンテッドエレクトロニクスの大量生産用として開発された。最新製品は耐水性や耐湿潤性能に優れる銀インク製品「 Sicrys I50TM-119 」、および業界初となる銅インク製品。同社によると銅インク製品は銀インク製品より廉価だが、性能は銀インク製品と同等だとしている。

PV Nano Cell は 2009 年の創業で、Sicrys 製品はもともと2Dデジタルインクジェット応用製品( 太陽光発電機器、PCB、RFID など )用として開発されたもの。現在はスマートフォンなど非平面デバイスの内蔵アンテナ用途を含めて幅広く使用されており、同社は「 2015 IDTechEx 」で3Dプリント素材開発における最高賞も受賞している。

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2016年3月27日日曜日

ExOne が 2015 年 Q4 決算と通期決算を発表

米国ペンシルベニア州発:ExOne Co.( NASDAQ:XONE )はこのほど 2015 会計年度第4四半期( 2015 年 12 月 31 日締 )および同通期決算を発表した。

それによると、パウダーベースおよびサンドプリント技術に経営資源を集中した効果が現れ、Q4 連結売上は前年同期売上 1,580 万ドルの 3 % 増の 1,620 万ドルを計上し、また 120 万ドルの損失( GAAP ベース希薄化後1株当たり利益[ EPS ]は0.08 USD )を計上した。また 2015 Q4 の利払い前 / 税引き前 / 減価償却前 / その他償却前利益( EDITDA )は 80 万ドルで、510 万ドルの損失を計上した前年同期に比べて改善した。売上総利益率は 37.5 % だった。

3Dプリンター製品部門の売上は 960 万ドル、非製品部門売上は前年同期比 19 % 増の 660 万ドルで、約 30 万ドルの為替差損を引いた前年同期比 24 % 増となり、合わせて 1,620 万ドルとなった。同社の前年同期決算は為替差損の影響で 720 万ドルの純損失を計上して 2013 年度より悪化していた。

長期販売サイクルと年間製品売上は各四半期で変動があるが、同社ではこのような四半期毎の売上変動はより広いトレンドの影響を反映したものではないとしている。

同社 2015 年通期決算は 2,590 万ドルの営業損失、連結売上は前年度の 4,390 万ドルの 8 % 減となる 4,040 万ドルだった。同社は手持ちの普通株式 14 万余りを放出した売却益 1,240 万ドルも合わせて計上しているが、最大株主は依然として同社 CEO の S. Kent Rockwell 氏であり、同氏は同社普通株式の 28.6 % を保有している

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2016年3月25日金曜日

癌細胞生育環境を再現可能にする新しいヒドロゲルを開発

オーストラリア・クイーンズランド州発:クイーンズランド工科大学付属健康 / 先端医療研究所( IHBI )の Dietmar W. Hutmacher 博士ら4名からなる研究者グループはこのほど、人体組織の3Dバイオプリントに広く使用されているヒドロゲルを癌細胞組織の3Dモデルとして活用可能にする技術を開発し、学術誌 Nature Protocols 最新号( April 2016,  Volume 11  No 4,  pp. 727 - 746 )に発表した。

同研究者グループによると、今回開発したのはゼラチンメタクリロイル( GelMA )をベースとした生体適合半合成ポリマー。Hutmacher 博士によると、軟骨など人体組織と同様の生体組織立体モデルを作成できるヒドロゲルで、癌細胞の生育する微小環境を人工的に再現できたとしている。このヒドロゲルを3Dバイオインクとして活用すれば、化学療法選択の際、どの手法がその患者の症例にとって最適かをわずか1、2週間という極めて短期間で、しかも非常に安価にシミュレートすることが可能になるという。言わばオーダーメイド癌治療を可能にする技術だ。

同博士は次のように述べている。「ヒドロゲルは全世界の何万という研究者が日常使用しているバイオ素材。ゼラチンは人体内で最もありふれた結合組織のコラーゲンからできている。我々はこのゼラチンと化学的安定性のある合成素材とを組み合わせて癌組織を培養する立体微小環境を作成した。このヒドロゲルは非常に再現性に優れているので、世界中の研究者が作成可能だ。バイオファブリケーションは未来の医療だ。この学問は化学、物理学、生物学、医学、ロボティクス、コンピューター科学など多岐分野にまたがる理解が要求される。我々はこれら各分野で修士号取得を目指す学生を歓迎する」。

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2016年3月21日月曜日

mp3 開発元が高速一括生産を可能にする新しい金属3Dプリント技術を発表

ドイツ・ザクセン州発:mp3 フォーマット開発で知られる欧州最大の応用研究機関フラウンホーファー生産技術先端材料研究所( Fraunhofer IFAM、所在地ドレスデン市 )はこのほど、小型金属部品の高速一括生産を可能にする新しい3Dプリント技術を開発したと発表した。

同研究所によると、開発した新方式は古来からあるステンシル / シルクスクリーンを用いる孔版画の技法を3Dプリント技術に応用したものだという。オブジェクトは各層毎にスクリーン孔から積層され、各層を焼結して成形する。最大加工精度は 60 μm。

ただし各層毎にスクリーンを差し替える必要があることと、各層用にそれぞれスクリーンを用意する必要があるというデメリットもあるが、Fraunhofer IFAM によるとこのスクリーン方式による金属3Dプリントでは、5枚のスクリーンだけで 3,500 本の金属管を一度の工程で生産できるとしている。これは年産換算で 70 万ユニットの生産能力になるとし、中空形状部品の大量生産や、プリント中に材料を入れ替えることで鉄とセラミックといった複合素材部品の一括製造も可能になるとしている。

Fraunhofer IFAM では将来的には造形用スクリーン自体も3Dプリントで製作し、全工程の自動化を計画している。また多くの工作機械と連動させた 1,000  cm³ / h の統合生産システムへと拡張することも実現可能だとしている。

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2016年3月20日日曜日

Fujifilm USA、3Dプリントシステムユーザー向け保守サービスを提供

米国ニューヨーク州発:Fujifilm USA の1部門 Fujifilm Service は、米国内の既存3Dプリントシステムユーザーを対象とした保守整備サービスを提供している。

Fujifilm Service は 1983 年の設立以来、主としてフォトイメージングとプリンターシステムにおけるクリティカルサービス、導入 / セットアップ等技術サポートおよび技術研修を幅広い顧客層に提供してきた実績がある。

同社の3Dプリントシステム向けサービス内容は従来から提供してきた業務を引き継ぎ、補修 / 保守整備などの技術サービスの他、オンデマンドサービス、定期点検、パフォーマンス最適化のための技術研修、保証サポート等を提供すると同時に、3D CAD などの3Dデザインソフトウェアについてもサポートを行う。

Fujifilm USA は同 Service 部門を含む全米 9 か所の拠点と、500 名以上の熟練技術者を擁している。

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2016年3月19日土曜日

ISS に向けて2代目3Dプリンターが打ち上げへ

米国フロリダ州発:米航空宇宙局( NASA )は Orbital ATK Inc. の ISS 無人宇宙補給船 Cygnus を現地時間 3 月 22 日午後 11 時 5 分、改良型微小重力対応積層造形設備( AFM )を含む実験資材および乗組員補給品、マイクロサット等約 3.5 トンの物資を搭載してケープカナベラル空軍基地第41複合発射施設( SLC-41 )から打ち上げると発表した。

ISS には 2014 年 11 月に初代 AFM 「 Zero-G 」が設置され、地上からの3Dデータ送信や指示を受けて工具や補修部品等を製作する実証実験が行われてきたが、同設備は今回 ISS に搬入される2代目 AFM に全面的に更新され、恒久的設備になる。

2代目 AFM の製作は初代と同じ Made In Space, Inc. が担当。初代設備の2倍の大きさがあり、強化プラスチックを始め加工可能なサーモプラスチックの範囲も増えた。

同無人補給船には ISS 用3Dプリンターの他に、ヤモリにヒントを得た剛毛状突起に微小電流を流して密着する実験装置「 Gecko 」や、地球に突入する直前の隕石から発する微粒子の化学的 / 物理的特性を高解像度で撮影、解析する「 Meteor 」、月や小惑星上の表土の微小重力空間における特性を調査する「 Strata-1 」などのプロジェクト装置が積み込まれる。

また ISS への積み荷搬入後、同無人補給船には廃棄物が積載され、発火実験にも使用される(「 Saffire-1 」プロジェクト )。無重力空間上で火炎がどのような燃え方をするかを確認するための実験で、このような実験を宇宙空間で実施するのは今回が初の試みとなる。

同無人補給船は United Launch Alliance( ULA )の「 Atlas V 」ロケットで打ち上げられる。同ロケット発射予備日は翌 23 日に設定されている。

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2016年3月14日月曜日

3D Systems、2015 年 Q4 決算を発表

米国サウスカロライナ州発:3D Systems Corporation ( NYSE:DDD )は現地時間 3 月 14 日、2015 会計年度第4四半期および通期決算を発表した。

それによると、同第4四半期売上は前年度売上 1 億 8,744 万ドルの 2 % 減の 1 億 8,340 万ドルで、コンセンサス予想の 1 億 6,638 万ドルを上回ったものの、GAAP 準拠 5 億 9,640 万ドルの純損失( DEPS は - 5.32 USD )となった。非 GAAP 収益は 2,090 万ドル( DEPS は 0.19 USD )だった。

14 日時点の同社株価の時価総額は 12 億 9,000 万ドル。第4四半期売上総利益率は 32.8 %で、同社コンシューマー向け製品 Cube 生産中止に伴う減損の影響が出た( その影響を除去した算出値は前年比 20 bp 減の 47.7 % )。減損に伴う経費総額は 6 億 2,610 万ドル。

2015 年度通期売上は前年比 2 % 増の 6 億 6,620 万ドルで、前年度の 6 億 5,365 万ドルは上回った。昨年 12 月末時点での同社保有現金総額は 1 億 5,560 万ドルで、負債はほぼゼロだという。

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2016年3月12日土曜日

HP が「 Multi Jet Fusion™ 」搭載新型ハイエンド3Dプリンターの詳細仕様を発表へ

米国カリフォルニア州発:HP Inc. ( NYSE:HPQ )はこのほど、「 Multi Jet Fusion™ 」を搭載予定の産業向け新型ハイエンド3Dプリンターについて、今月 11 日 - 20 日にかけて開催されるイベント「 South by Southwest( SXSW ) 」カンファレンスで詳細な仕様を発表することを明らかにした。

同社3Dプリンティング取締役社長 Stephen Nigro 氏はこの「 Multi Jet Fusion 」搭載の新型3Dプリンターについて、計画通り既に量産体制に入っており、今年後半にも出荷される見通しだと述べた。販売価格は 10 万 - 100 万ドルを予定しているという。同新型3Dプリンターは 2014 年 11 月に発表され、出力されたサンプルが展示されたりもしたが、同社がこの新製品自体について言及するのは今回が初めて。

同氏によると、「 Multi Jet Fusion 」新型3Dプリンターは従来製品に比べ 10 倍の高速化を実現する一方、導入コストは産業市場向け既存製品の約半額になっているという。また同氏は、ポリアミド等サーモプラスチック素材を使用する FDM 方式では 83 時間、SLS 方式では 30 時間かかっていた部品製造も、「 Multi Jet Fusion 」ならたった 3 時間で完了するとしている。

同社によると、Multi Jet Fusion 技術は2Dインクジェットプリント技術に非常に近いという。Multi Jet Fusion も SLS やパウダーベッド方式と同様にマイクロレベルで 1 層ずつ積層するが、プリントバーには 30,000 ものノズルが組み込まれ、このノズル群からパウダー素材に微細な結合剤を毎秒 3 億 5,000 万個噴射して造形するもので、フルカラープリントや素材テクスチュアや軟度、仕上がり精度、熱伝導や導電性等も自由に組み合わせ可能としている。使用素材は現時点ではサーモプラスチックのみだが、Nigro 氏は、将来的には金属やセラミックも使用可能にしたい考えだ。



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2016年3月10日木曜日

Ultimaker が既存製品ユーザー向けアップグレードキット提供へ

オランダ・ヘルダーラント州発:Ultimaker B.V. は現地時間 3 月 10 日、同社既存製品「 Ultimaker 2 」向けエクストルーダー アップグレードキット「 Extrusion Upgrade Kit 」をリリースした。

このアップグレードキットは「 Ultimaker 2 」および「 Ultimaker 2 Extended 」ユーザーが対象。このアップグレードキットを適用することで、既存製品ユーザーも今年 1 月にリリースした同社最新モデル「  Ultimaker 2 + 」および「 Ultimaker 2 Extended + 」並みの性能を手に入れることができるとしている。

「 Extrusion Upgrade Kit 」には3Dプリントの更なる高速化と簡便化のための新機能として機能強化型フィーダー、エアフローを最適化した新型ファンキャップ、 0.25 / 0.4 / 0.6 / 0.8 mm 各ノズル径に交換可能なスワッパブルタイプノズルの3点が含まれている。

同社はこのアップグレードキットを適用することで、少資源化と更に幅広いユーザー層の獲得の双方にメリットがあるしている。



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2016年3月7日月曜日

米研究者グループが3Dプリンターの「作業音」で勝手に複製される危険性を警告

米国カリフォルニア州発:カリフォルニア大学アーバイン校( UCI )研究者グループはこのほど、3Dプリンターから発せられる作業音をスマートフォンなどで録音したものをリバースエンジニアリング処理することで、プリント中の3Dオブジェクトをどこでも「再現」できる危険性があることを初めて突き止めた。

同グループを統括する UCI 先端サイバーフィジカル融合研究所長 Mohammad Al Faruque 氏によると、3Dプリンターから発せられる音から、プリンターヘッドの正確な位置や動作などが特定可能だとし、この作業音の録音データだけでコピーオブジェクトが作れるという。将来的には保護されるべき試作品等のデータ流出といった知財侵害行為につながる恐れがあるとしている。

「試作品段階でその製品の処理 / 製品情報が盗まれればその企業は多大な財務損失を被ることになる。今のところ、このような攻撃は防ぎようがないが、将来はなんらかの防御方式が開発されるかもしれない」。

Al Faruque 氏率いるグループは鍵形オブジェクトをプリントアウトする3Dプリンターで検証実験を行った。それによると、90 % 近い正確さでプリント中のオブジェクトの再現に成功したという。同グループはこの検証結果を来月オーストリアで開催されるサイバーフィジカルシステム( CPS )関連国際カンファレンスで発表する予定だ。

3Dプリンターの動作を制御する司令系統 G-code は強力な暗号化技術によって保護できるものの、一度プリント オペレーションが開始されれば保護されていた機密情報もあえなく漏洩してしまう。Al Faruque 氏はエンジニア達に対し、3Dプリンターから無防備に発せられる作業音をカットする方法、たとえばホワイトノイズ等の不規則音響を発生させたりアルゴリズム的解法を実装するといった方法を提案しているが、録音機能のあるスマートフォンを手にした人間を3Dプリンターに近づけないようにすることが最善策かもしれないとコメントしている。



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2016年3月5日土曜日

Stratasys、2015 年 Q4 決算は赤字に

米国ミネソタ州発:Stratasys, Ltd. ( NASDAQ:SSYS )は現地時間 3 月 4 日、2015 会計年度第4四半期決算( 4QFY15 )発表した。

発表によると、4QFY15 は米国会計基準( US-GAAP )で 2 億 3,230 万ドルの損失( 同社希薄後1株当たり利益[ DEPS ]は - 4.46 USD  )を計上し、前年同期の損失額 9,200 万ドル( DEPS は - 1.81 USD )より悪化した。4QFY15 総収益は 1 億 7,340 万ドルで、前年同期比 20 % の減少だった。

同社 4QFY15 サマリーによると、同期における3DプリンターおよびAM システム関連製品の世界総出荷数は延べ 4,629 件だった。2016 年度の同社 EPS ガイダンスではコンセンサス予測値 0.18 ドルを上回る 0.17 - 0.43 ドルとし、売上は 7 億 - 7 億 3,000 万ドルと見積もっている。

同社 2015 会計年度総売上は US-GAAP 基準で前年比 0.93 % 下落の 6 億 9,600 万ドルで、年度全体としては 14 億ドルの赤字となった。

一方、昨年末に Cube シリーズの生産中止を発表した 3D Systems Corporation( NASDAQ:DDD ) は減損会計処理上の不手際のため Q4 決算発表が遅れる見通しだが、事前予告では Q4 収益は前期比 2 % 減の 1 億 8,300 万ドルとしている。

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2016年3月4日金曜日

グラフェンエアロゲル素材の3Dプリント技術を世界で初めて開発

米国ニューヨーク州発:ニューヨーク州立大学バッファロー校およびカンザス州立大学の共同研究者グループはこのほど、グラフェンエアロゲル素材の3Dプリント技術を世界で初めて開発したと学術誌 Small 電子版上で発表した。

グラフェンは厚さわずか炭素原子1個分から成るシート状素材で、2004 年、英マンチェスター大学の研究者が初めて作成に成功した。高剛性素材で、熱伝導や導電性に極めて優れているとされる。エアロゲルはゲル中に含まれる溶媒が気体に置換された多孔性物質で、最も軽い希ガスのヘリウムよりも軽い[ 乾燥剤のシリカゲルもその仲間 ]。グラフェンエアロゲルは高圧縮性かつ高導電性を持つ近未来の素材と期待されるが、従来の3Dプリント技術では加工困難で、作成途中で素材自体が破壊される欠点があった。

同研究者グループはこの欠陥を解消しようと、酸化させたグラフェンエアロゲル素材を水と混ぜたものを温度 - 25 °C の基台上に積層する方式を開発。水は凍って固体となり、これがサポート材の役目を果たす。プリント完了後、凍ったままの出力物を液体窒素に浸して「フリーズドライ」の要領で脱水。後は加熱して余分な酸素原子を除去すればグラフェンエアロゲル素材製品のみが残る。

こうして3Dプリントで作成されたグラフェンエアロゲル製品の密度は 0.5 kg / m³ - 10 kg / m³ で、再軽量だった作成物の密度はわずか 0.16 kg / m³ しかなかったという( 水の密度は 1,000 kg / m³ )。同グループでは今回新開発した3Dプリント技術を、他のエアロゲル素材にも応用できないか検討しているという。



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