2021年12月17日金曜日

米研究者らが4Dプリンティングに遠隔操作される脆弱性を警告

米国ニュージャージー州発:4Dプリンティング技術にあらたな脆弱性が見つかったとセキュリティ研究者らが警告している。4Dプリンティングは、熱や湿気などの刺激にさらされると形状変化する部品製造を可能にする新技術。たとえば、ある温度に達すると自動開閉するバルブや、2Dシートがある温度を超えると複雑な3Dオブジェクトへと自律的に変化する、といったことが可能になる。
ラトガース・ニュージャージー州立大学(ニューブランズウィック)の Tuan Le 氏らによると、今回見つかったのは、攻撃者が遠隔で4Dプリンターを乗っ取る可能性がある脆弱性。もし航空機や医療機器などのクリティカルな用途で使用した場合、「壊滅的障害」を引き起こす恐れがあるという。
予防措置として研究者らが一様に推奨しているのは、CT スキャンだ。CT スキャンは既存のどの方式よりも、改ざんの検出に優れていると述べている。試験結果によれば、30分間のスキャンで、ハッキングされたプロペラを正常な工程で製作されたプロペラと識別できた確率は 94.6% だったという。
他の回避策としては、1回限りの用途の製品の製作ならば製品検査を徹底すること、そして何よりも品質管理を徹底することに尽きると述べている。