2020年4月29日水曜日

英国の十代のきょうだいが始めた3Dプリント防護バイザー製作プロジェクトに賛同の輪

英国ウェールズ州発:ウェールズ北部の街レクサムに住む 13 歳と 11 歳のきょうだいがスタートさせた医療用3Dプリント防護バイザー製作プロジェクトに、賛同と協力の輪が広がっている。

Sparey-Taylor 家の Joseph と Isaac きょうだいは、クリスマスに贈られたデスクトップ型3Dプリンターを、当初はポケモンなどのキャラクター作りに使用していたが、地元の介護施設で COVID-19 から医療従事者を守るための個人防護具(PPE)、とくに防護用フェイスバイザーが不足していることを知り、手持ちの3Dプリンターを活用することを思いついたという。

現在、きょうだいふたりから始まった3Dプリント防護バイザー製作プロジェクトは「 PPE Hwb Wrexham 」というファブラボにまで発展し、地元高校や市民有志の協力により、高校内の 90 台の PC と9台の3Dプリンターが稼働して毎週 1,000 個の防護バイザーが製作されている。同組織によれば、今後は射出成型機も導入され、生産個数が飛躍的に向上するだろうと見ている。

発起人のひとり Isaac 少年の話「活動が一気にここまで大きくなってびっくりしている。いまはたくさんのことが進行中だけど、このプロジェクトを兄とともに始めて誇りに思う」。

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2020年4月19日日曜日

鉄鋼大手 ArcelorMittal も3Dプリント人工呼吸器の試作品開発へ

インド・西ベンガル州発:鉄鋼大手 ArcelorMittal のインド子会社 ArcelorMittal Design & Engineering Centre はこのほど、COVID-19 パンデミックにより世界各地で不足が深刻な人工呼吸器の供給に参加することを表明した。

同 R & D センターでは3Dプリント製人工呼吸器の試作品を開発し、この試作品はただちに病院で試用される。問題がないようならば、生産設備を強化して増産体制に入る。

同社によると現在、酸素の供給だけでなく、AI アルゴリズムが組み込まれた薬剤投与も可能な上位版の3Dプリント製人工呼吸器の試作品開発に注力しているという。

新型コロナパンデミックは世界の鉄鋼市場に大きな影響をおよぼしている。その影響は前年度鉄鋼総生産の 47% 近くを占める欧州だけでなく、感染者が急増[3月末時点]する米国にもおよび、また同社拠点のある南アフリカやインドでも感染報告が増えている。同社では生産水準落ち込みの影響を最小限に食い止めるため、手元資金の維持、および生産減に伴う経費削減のための思い切った措置を実行に移しているという。

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2020年4月4日土曜日

新型コロナ感染症:3Dプリント防護バイザー供給で立ち向かう人々

北マケドニア他発:WHO が正式にパンデミック(世界規模の流行)を宣言した新型コロナウイルス感染症 COVID-19。欧米の社会経済に深刻な打撃を与えているが、財力の乏しいマケドニアなどの旧ユーゴスラヴィア連邦諸国も例外ではない。

COVID-19 感染事例が 300 件近く確認されている北マケドニア共和国では、10 % 超が医療従事者の感染だという。そこでテック通、イノベーター、医療従事者が共同で Facebook 上に3Dプリントによる支援ページを立ち上げ、これまでに 500 以上の医療用保護バイザーを製造して医療機関に無償提供している。

セルビアでも 50 名ほどのメンバーがべつの Facebook ページを立ち上げ、北マケドニア同様、3Dプリント製バイザーの供給に当たっている。しかし彼らの場合、政府による外出禁止令発動前に必要としている人々にバイザーが届けられるかについて、困難な状況に陥っている。

ボスニア・ヘルツェゴビナでは地方都市リブノの高校生らが同じく、3Dプリンターを活用して保護バイザーを日産 15 個のペースで製造、地元医療機関に提供するプロジェクトに取り組んでいる。国内では物資が不足しているため、彼らは海外移住組の支援を求めている。

コソボでは、プリシュティナ大学工学部教授が、防護マスクの3Dプリント試作プロジェクトを始動させている。

モンテネグロでは企業からの寄贈のほか、デザイナー、写真家、アーティストなど各界のコラボグループによって同様に保護バイザーが製作され、うち 200 個ほどが前週までに医療機関に贈られた。

クロアチア沿岸地方の都市ザダルでもやはり一部のテック通らが3Dプリントでバイザー部品を製作して市内の医療機関に寄贈している。

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