2017年1月30日月曜日

墺研究者グループが3Dスキャナーとして機能する極薄透明フィルムを開発

オーストリア・オーバーエスターライヒ州発:ヨハネス・ケプラー大学リンツ校( JKU )コンピューターグラフィックス科の研究者グループはこのほど、厚さ 0.3 mm の極薄透明フィルム状の3Dスキャナーを開発したと発表した。

同グループを率いる同科主任教授 Oliver Bimber 氏によると、特殊な蛍光染料を塗布した透明フィルムを計測する物体を取り巻くように取り付け、外部の超小型プロジェクターで投影した光の当たり方の違いにより物体表面距離を測定、圧縮センシング法で陰影の付き方を 256 通りに分解したものを3次元データ化し、フォトメトリックステレオ法で形状を再構築するという。

同氏によれば、実用化にはまだ改善すべき点があるとしながらも、将来的にはスマートフォンやタブレット端末などに取り付けることで手軽に3Dスキャナー化する用途を想定し、たとえば外部光源ではなくフィルムを2層構造にしてコーデッドダイヤフラムとして組み込む方式にしたいと考えている。

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2017年1月28日土曜日

ヤマトがワンストップ3Dプリント配送サービスを開始

日本発:物流大手ヤマトホールディングス株式会社( YAMATO HOLDINGS CO., LTD. )は 1 月27 日、3Dプリント / 配送サービス事業を 2 月 1 日から開始すると発表した。

同社によると、同社傘下ヤマトシステム開発株式会社( YSD )が同社最大の物流拠点の羽田クロノゲートに3Dプリントセンターを開設、米国製3Dプリンターを複数台備えた製造設備でまずは医療用装具や医学模型等に限定したワンストップ3Dプリント配送サービスを展開するという。

同様のオーダーメイド / オンデマンド3Dプリント配送サービスは米 United Parcel Service( UPS )が先行しているが、YSD によると医療分野ではそれぞれの患者に最適なカスタマイズが3Dプリント製造方式では容易にできるため、この部門からのサービス開始となったという。また3Dスキャンデータを医療機関から直接受領して3Dプリントすることで、従来の3Dプリント配送サービスで通常 7 - 10 日かかっていた工程をわずか 3 日程度にまで短縮でき、時間的制約の厳しい顧客の要望にも柔軟に対処できるとしている。

YSD では今後、医療部門から順次取扱い品目を拡大して一般的な少量多品目生産および試作製造も引き受ける計画で、2025 年までに年間売上 100 億円を目指すとしている。

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2017年1月23日月曜日

B9Creations、新型 DLP3Dプリンター「 B9 Core 530 / 550 」

米国ノースダコタ州発:プロユース向け3Dプリンター製造スタートアップ B9Creations は現地時間 1 月 20 日、新型デスクトップDLP3Dプリンター「 B9 Core 530 / 550 」を発表した。

同社によると販売価格や販売時期などの詳細は不明だが、両製品とも高性能ながら価格を抑えたDLP3Dプリンターだという。「 B9 Core 550 」のほうが大型造形用( 96 x 54 x 127 mm)で、解像度は 50 μm。「 B9 Core 530 」の最大造形サイズは 57.6 x 32.4 x 127 mm で、解像度は 30 μm。産業向け HD LED ライトエンジン( 波長 405 nm )と同社の独自技術を搭載することにより標準的な DLP タイプの約 4 倍に当たる 100 mm / h 超の高速プリントを実現したとしている。連続出力にも耐えられる高耐久仕様で、キャリブレーションも一切不要、操作系も押ボタン方式で直感的に扱える。

使用樹脂は純正の B9R Emerald / B9R Yellow / B9R Black に対応するが、サードパーティー製素材にも幅広く対応可能。LAN / Wi-Fi 接続機能および USB メモリー対応、脱臭機構も内蔵する。

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2017年1月21日土曜日

LED 光源を採用した新型 DLP3Dプリンター「 UVital IP-45 」

スペイン・カタルーニャ州発:バルセロナ市に本拠を置くジュエリー関連機器製造 Hispana De Maquinaria, S.A. はこのほど、新型 DLP 3Dプリンター「 UVital IP-45 」をリリースした。

「 UVital IP-45 」は光源にキセノンランプではなく LED マトリックスを使用した製品で、プリント解像度は 50 μm。最大造形容積は 64 x 40 x 130 mm と比較的小さいため、宝飾、金型、補聴器の製造および歯科、生体工学分野に向く。同社によると、電球光源ではなく LED を使用することの利点としてキャリブレーション補正がほとんど不要で連続使用約 1 万時間保証および低コスト、そして高熱を発しないため冷却系もシンプルで済むことを挙げている。LED 光源の動作周波数は 405 / 385 nm。

他に厳密な層間ポジショニングが得られるZオフセットガイド、光硬化樹脂トレイと造形ベッドを平行に保つボールヘッドシステム、樹脂濃度を正確に維持する樹脂温度調節機構、複数層を同時にプリントする高速モードや高品質モード、樹脂低消費モードも搭載。操作は 7 インチのタッチパネルで行い、ワイヤレス接続にも対応する。

「 UVital IP-45 」は3Dテクノロジー関連オンラインソリューションサイトの Drawercad 上で 16,456 EUR( 税込 )で販売されている。

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2017年1月17日火曜日

Robo 3D が台湾の Foxconn と製造委託提携を発表

米国カリフォルニア州発:サンディエゴ市に本拠を置く3Dプリンターベンダー Robo 3D はこのほど、台湾の Foxconn Technology Group( 鴻海科技集団 / 富士康科技集団 )と製造委託提携を結んだと発表した。

今回の提携により、Foxconn は Robo 3D の「 Robo R2 」の初期ユニットの生産を請け負う。初回生産目標は年間約 1 万台になる見込みで、既に製造設備の準備が開始され、3 月頃には「 Robo 3D 」の出荷が始まるという。

「 Robo R2 」は昨年 9 月に Kickstarter 上の資金調達により Robo 3D がリリースしたデスクトップ FDM 3Dプリンター。最大造形サイズ 203 x 203 x 254 mm、5インチカラータッチパネルによる簡単操作、Robo アプリ経由による遠隔操作と内蔵カメラによる遠隔監視機能、Wi-fi 接続、取り外し可能なオートレベル加熱式プリントベッドを搭載。エクストルーダー追加機能により2種類のフィラメントを同時使用したプリントも可能( 追加するエクストルーダーヘッドは別売 )。同機は今月 8 日まで開催された「 CES 2017 」3Dプリント部門において、ベストイノベーション賞にも選ばれている。

Foxconn は Robo 3D の他に中国の Zhuhai CTC Electronic 製3Dプリンター生産も請け負っており、また Apple の iPhone / iPad、SONY の Playstation の生産請負先としても知られる。

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2017年1月15日日曜日

CELLINK が直感的に操作可能な新型バイオ3Dプリンター「 BIO X 」を発表

スウェーデン・ヴェストラ・イェータランド県発:2016 年 1 月にヨーテボリ市で創業したバイオ3Dプリンター製造スタートアップ CELLINK はこのほど、最新機種の「 BIO X 」を発表した。

「 BIO X 」は同社が年にリリースした「 Inkredible 」および「 Inkredible+ 」の後続製品で、皮膚組織、器官、軟骨組織、骨組織のバイオプリントが可能。再生医療研究者からバイオプリント実験を考える企業まで、幅広い用途に対応する。操作は全て簡単なタッチパネルで直感的に行える一方、用途に応じて温度調節やバイオインクの滴下方法をフレキシブルに変えられるため、幅広いバイオ素材にも対応可能。


同社共同設立者で現 CEO の Erik Gatenholm 氏は、「 BIO X 」の可能性は多岐に渡るとしながらも、特に創薬分野での応用が期待されると述べている。同機には高性能 HEPA フィルター内蔵の新技術「クリーンチェンバーテクノロジー( 特許申請中 )」も搭載されている。

現在、「 BIO X 」は同社 Web サイト上で先行販売価格 39,000 USD で予約を受け付けている。

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2017年1月9日月曜日

Markforged が低価格のコンパクトな金属3Dプリンターを今年後半にも発売へ

米国マサチューセッツ州発:3Dプリンター製造の Markforged, Inc. はラスベガス市で開催された家電見本市「 CES 2017 」で独自開発技術を搭載した新しい金属3Dプリンター「 Metal X 」を発表した。

同社によると、原子拡散積層造形( ADAM )と呼ぶまったく新しい積層技術により、巨大な設置スペースを必要としていた金属3Dプリンターの小型化と低価格化を実現したとしている。同社の独自新技術 ADAM は、樹脂結合剤を配合した金属粒子を使用して FDM 方式と似た積層造形を行った後、焼結工程で樹脂結合剤のみ除去して金属部品を生成する新技術で、同社によれば高強度の金属部品の製作が可能だという。

「 Metal X 」の最大造形サイズは 250mm x 220mm x 200mm で、プリント中の積層が正確に行われているかをクラウドベースソフトウェア「 Eiger 」によりリアルタイムでレーザースキャンする機能も内蔵する。対応金属素材はハイエンドステンレス鋼、工具鋼、インコネル、チタン、アルミニウム。

同社によれば「 Metal X 」の販売予定価格は従来製品より一桁下の 100,000 米ドル台になる見込みで、出荷開始時期は今年後半を予定しているという。

参照元記事1.
参照元記事2.

2017年1月8日日曜日

Monoprice、自社ブランド3Dプリンター新製品 4 機種を CES 2017 で発表

米国ネバダ州発:ラスベガス市内で現地時間 1 月 5 日から 4 日間の日程で開幕した世界最大級の家電見本市「 CES 2017 」は今年も AM 関連企業の出展が相次いでいるが、オンライン家電小売の Monoprice( 本社 カリフォルニア州ランチョクカモンガ市 ) は自社ブランド3Dプリンター新製品 4 機種を発表した。

同社によれば今回の新製品投入により、自社3Dプリンターラインアップはビギナーからプロユースまで全ての顧客層に対応することになったという。このうち Wi-Fi 対応の最安価モデル( 149.99 USD )の「 MP Delta Mini 」および同社製品で最も売れている現行製品の更新版「 MP Select Mini v. 2 」3Dプリンターはビギナー向け、 400 x 400 mm までの大型造形可能な 「 MP 3 Series Commercial 」および同社初となる SLA 3Dプリンター「 MP Maker Prism Professional 」は産業用などプロユース向け。

価格は「 MP Select Mini v. 2 」が 199.99 USD、「 MP 3 Series Commercial 」が 799.99 USD、最上位機種「 MP Maker Prism Professional 」が 3,400 USD。

Monoprice は3Dプリンター新製品の他に、 オーディオケーブル Onyx シリーズ新製品や USB 3.0 / USB-C ケーブル新製品、新型ミキサーや IH 調理器、真空調理器も CES 会場の自社ブースで展示している。これらの商品の販売開始時期は 2017 年第 1 四半期中になるとしている。

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2017年1月4日水曜日

2Dグラフィックを簡単に3Dプリンタブルファイル化するフリーウェア「 gDraw 」

ドイツ発:ベルリン市在住の発明家 Niklas Roy 氏はこのほど、2Dグラフィックを3Dプリンタブルファイル( G-Code )に変換して立体化するフリーウェアのアイディアソフト「 gDraw 」を一般公開した。

使用法は 1. gDraw_V0_15 アーカイブファイルを別途ダウンロードしたプログラミング / 開発環境プロジェクト Processong 内 Sketches フォルダに解凍 2. ソフトを起動し、Free もしくは Fixed モードを選択( Free モードは自由曲線、Fixed モードは直線状の幾何学図形の描画に適する。ドラッグ操作によるズームイン / アウトも可能 ) 3. 描画が終了したら 'save G-Code' をクリック、拡張子.gcode を付けたファイル名で保存 4. 保存した G-Code を3Dプリンターに送信する。

Roy 氏によると、原理は Adobe「 Photoshop 」の「ストロークパス」機能に近い単純なベクターグラフィックスで、これをプラスチック樹脂の立体的なラインとして3Dプリントで出力する。Roy 氏はサンプルとしてクリスマスツリーをかたどったグリーティングカードを作成した。

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2017年1月3日火曜日

眼科医が3Dプリントで新しい手術器具を開発

米国ネブラスカ州発:ネブラスカ大学医療センター( UNMC )眼科 / 視覚科学部准教授 Donny Suh 医博はこのほど、同センター所属の大学院生やスタッフ有志で作る3Dプリントクラブ UNMC Makers と共同で3Dプリントを活用して新しい手術器具を試作した。

日常的に小児の斜視矯正手術を行う Suh 医博によると、持針器と呼ばれる器具の限られた空間内での使用は大変扱いづらく、そこで矯正手術をもっと安全に行えるような新しい器具開発を思い立ち、3Dプリントで試作することにしたという。

「新しい器具は非常に狭く、しかも視認しにくい箇所の手術も安全性を損なうことなく正確に行える」。Suh 医博考案の新しい持針器は、同クラブの大学院生 Tim Bielecki 氏と Tyler Scherr 博士らが試作した。現在はこの3Dプリント試作品をチタン製の試作品にしてもらうため、専門業者に製作を依頼をしている段階で、納品後に本格的な検証作業に入るとしている。

Suh 医博と試作品制作チームは今回の成果をハワイ州で開催予定の眼科研究関連の国際カンファレンスで発表する計画だ。

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2017年1月1日日曜日

米3Dプリントスタジオが Mercedes-Benz と共同で IoT スマートタイルを開発

米国カリフォルニア州発:3Dプリントスタジオの FATHOM ( 本社 オークランド市 )はこのほど、Mercedes Xtron Lab の開発した IoT 配送荷物管理システムを3Dプリント試作を支援した。

同社によると、今回開発支援したのは配送車内の荷物の位置をドライバーに知らせるセンサーを内蔵したスマートタイル。このタイル上に荷物を置くと荷重を自動認識し、LED ライトの色で配送車内の荷物の位置をドライバーに知らせ、配送効率を上げる。各タイルは小型ボックス状構造で、ボックス内に荷重検知センサーや配送順序を知らせる LED ライトなどが搭載され、配送会社にどの配送車がどの荷物を運搬中かを IoT 技術によりリアルタイムで知らせる仕組み。FATHOM 側はこのスマートタイル 240 個以上の試作と検証を繰り返し、製品版を 5 週間で完成させた。

今回 FATHOM 側で3Dプリントされたのは試作段階のタイルに限られるが、Mercedes-Benz 試作エンジニアの Christopher Kazanchyan 氏は、協業した FATHOM の持つ3Dプリント技術がなかったらこのような短期間でこれほど複雑なシステムを完成させることは不可能だったろうと述べている。

FATHOM は3Dプリンター販売会社として起業したが、現在は FDM、SLA、SLS、直接金属レーザー焼結( DMLS )各方式 AM 機と、イスラエルの Nano Dimensions の多層プリント基板( PCB )専用3Dプリンター「 Dragonfly 2020 」も配備し、顧客の幅広い要望に応えるプリントサービスを提供している。




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