2014年10月28日火曜日

ビクトリア州現首相が州内全ての公立学校に3Dプリンター導入を公約

オーストラリア発:来月29日、ビクトリア州首相 Denis Napthine 氏率いる連立政権が再選されれば、同州に約 400 ある公立中学校および特別学校全てに3Dプリンターが支給される模様だ。

これは同州政府が打ち出した総額 2,200 万 AUD に上る給付政策の一環として支給される計画。州政府は各校 3,750 AUD を上限として、3Dプリンターおよび関連製品の購入費用を負担する。プリンター支給対象となるのは州内の全公立中学校およびP-12 と呼ばれる小中一貫教育校の計 316 校、そして特別学校の 75 校。この3Dプリンター導入計画にかかる費用の合計は 250 万 AUD。

ビクトリア州首相 Napthine 氏は 27日、次のように述べた。「州政府は対象の全公立学校に3Dプリンター導入し、新しい仕事への対応準備としても活用してもらう。実際に3Dプリンターに触れさせることで、生徒達の学習意欲も刺激されるはずだ」。

Napthine 首相率いる連立与党は、向こう5年で新しい仕事を 20万件創出すると選挙公約した総額 334 億 AUDの雇用創出プランの一環として、州税から 100 万 AUD の基金を設立して雇用創出計画を打ち出してもいる。

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2014年10月27日月曜日

未来の撮影スタジオはこうなる ―― あるアーティストの試み

米国ニュージャージー州発:ザ・ハイツ地区マンハッタン アベニューにスタジオを構えるブルックリン出身のアーティスト Fred Kahl 氏は、XBOX One 用 Kinect イメージセンサーや市販パーツなどを組み合わせて3Dスキャナーを自作した。同氏は子供のモデル相手に「そのままじっとして」と懇願する。

Kahl 氏はこの3Dスキャナーを、全て Web 上で見つけたオープンソースデザインを使用し、垂直方向にセンサーを動かすためのプーリーシステムも含めて自作した。製作にかかった費用は約 500 USD。

「僕たちもメイカー ムーヴメントの一員だ。アートと科学が交差する点にあり、まさに革命的。この3Dスキャニングと3Dプリンティングでやっていることは、ラピッド プロトタイピングそのもの。デジタルイメージとして描き、実際のモノとしてカタチにする」。

Kahl 氏によれば、3Dスキャンした人体モデルを高解像度で出力するには6-12時間ほどかかるという。

「これからの人物撮影スタジオは、きっとこんなふうになるね」。

この日、3次元スキャナーの回転台の上に乗ってじっとしていたのは6歳の Freddie McCann 君。母親と妹の3人で「3次元ミニチュアモデルの撮影」のため、ビルの4階にある Kahl 氏のスタジオにやってきた。この日はハロウィーンにちなんだイベントが開催され、彼は最初の3Dスキャニング体験者となった。全身3Dスキャンが終了すると、Freddie 君の3Dデータはスタジオ内の3Dプリンターへと転送され、数インチほどの立体モデルとして出力される。

Freddie 君の母親 Jennifer Clowe さんによると、Freddie 君がビデオゲームなどのテクノロジー関係に興味があり、それでここに連れてきたという。Freddie 君に続き、4歳の妹 Louisa ちゃんもスキャン台に乗った。

同スタジオスペース設立者でオーナーの Eric Nadler 氏は、次のように述べている。「ここは iPhone ケースから宇宙船まで、なんだって作れる場です」。

今回のハロウィーンイベントは、いわゆるファブラボ展開の第1歩という位置づけもある。Nadler 氏は、子供も大人も含めた地元住民が、互いに知恵を出し合い、設計し、モノを作り、修理したりするワークショップにしたいという。

「みんなに3Dデザインの仕方や製品の作り方を教えたいと、心から願っているんです」。

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2014年10月25日土曜日

薬も3Dプリントでオーダーメイドの時代へ

英国 / 米国発:セントラルランカシャー大学( UCLan )は目下、個々の患者のニーズに柔軟にカスタマイズ可能な薬剤製造3Dプリンターを開発中だ。

このプリンターは現段階では現行の処方箋および市販錠剤の「複製」出力に限られるが、最終的には患者の必要な薬剤分量を正確に製造することができるようになるという。同大学開発チームは、この「オーダーメイド」薬剤製造3Dプリンターの特許出願も準備している。

この新技術は、同大学薬学 / 生物医学部の Mohamed Albed Alhnan 博士率いるチームの開発した薬剤ポリマー フィラメント製造システムによって可能になった。一般的な3Dプリンターの樹脂フィラメントの代わりに使用でき、複雑な製剤工程および必要投薬量などを個々のケースに応じて高精度で割り出し、出力する。

Alhnan 博士は次のように述べている。「3Dテクノロジーのおかげで、このような新システム開発が行えるようになった。このシステムによって医療機関も新たな選択肢の提供が可能になり、以前は経験豊富なスタッフと専門施設が必要でコストが高くついた製剤工程も、ソフトウェア経由で簡単に必要な投薬量を正確に出力できる」。

同開発チームによれば、この新製剤システム技術を向こう5年以内に医療機関および製薬会社に導入可能にする計画で、10年以内にも一般向けモデルを市場に投入できるようにするという。

3Dプリント技術の医療分野への応用は広がっている。米国フロリダ州マイアミ大学の研究者チームは眼球にできる悪性腫瘍や先天性奇形などの外科手術による顔面にできた空洞をふさぐ人工頭骨や人工器官を3Dプリントで廉価に製造する技術を開発している。従来工法の補綴による顔面復元には約 15,000 USD もの高額な費用がかかり、しかも通常は健康保険の適用対象外だ。


また今年3月には、バイク事故で顔面を損傷した英国ウェールズ州カーディフの 29歳の男性が、3Dプリントによる複顔手術を受けている。執刀医チームは男性の顔の3次元 CT スキャン画像データから頭骨の正確な構造モデルを作成し、それに基づき3Dプリンターでチタン製ガイドとインプラントを製作した。昨年には、3Dプリント製「人工耳」の研究報告もある。この3Dプリント人工耳の外観は正常な耳と同様で、聴覚機能も至って正常に働いている。「人工耳」開発に当たったニューヨークの Weill Cornell 医学大学形成外科教授 Jason Spector 博士によれば、この3Dプリント人工耳は「事故、もしくは悪性腫瘍等で外耳の全て、または一部を切除した患者を助けることになるだろう」。

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2014年10月24日金曜日

世界初の3Dプリント踵骨移植術

オーストラリア発:ヴィクトリア州ラザーグレンに住む元建設業 Len Chandler 氏(  71歳 )は今年4月、右足踵に非常に稀な進行性軟骨癌があると診断された。同氏は6月に前立腺癌および膝の手術を受け、しかも作業現場の事故で片目も失っている。

Chandler 氏を診察したメルボルン市のセント ヴィンセンツ病院整形外科医 Peter Choong 教授によると、踵骨の進行性腫瘍の場合、患部除去後に踵骨を再生させるのは困難だとし、この部位の癌患者は膝下から足を切断する場合が多いという。

Choong 教授は、骨および軟組織腫瘍研究の世界的な第一人者として知られている。同教授率いる移植チームは、Chandler 氏に3Dプリントによる踵骨復元手術を勧め、Chandler 氏は7月にこの世界初の事例となる3Dプリント人工踵骨移植を受けた。

同市内に本拠を置くインプラント製造の Anatomics の協力で、Chandler 氏の健康な左足踵骨を CT スキャンし、3次元データ化したものを3Dプリンターに投入して、まず左足踵骨の「鏡像」を樹脂試作モデルとして製作。次いで、オーストラリア連邦科学産業研究機構( CSIRO )が試作モデルに基づき Arcam AB 製最新3Dプリンターを用いてチタン製人工踵骨を製作、そのチタン製インプラントを癌患部除去後に Chandler 氏の右足踵に移植した。

術後の経過は良好で、Chander 氏は松葉杖をついて歩行もできるようになった。「炎症も痛みも何もない。ぴったりフィットしている。最高だ。サッカーボールが蹴られるようになるかはわからないが、歩き回れるようにはなるだろう」。

執刀に当たった Choong教授は、この分野はオーストラリア国内の医療ビジネスにとっては大いなるチャンスだという。「我々には3D移植技術があり、それを実現させるチームもある。この事業をさらに推進するために今必要なのは、連邦政府の支援だ」。

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2014年10月20日月曜日

e-NABLE、5歳の少年に3Dプリント義手を贈呈

米国テキサス州発リーグシティに住む5歳の少年が、3Dプリンターで作られた義手を贈られた。

現地時間 17日、Keith Harris 君は通学する Sandra Mossman 小学校のクラスメートとハイタッチして嬉しそうに新しい手を披露した。「はじめてこの手をつけた時は使い方が難しそうだって思ったけど、すごく気に入ったよ」。

Keith Harris 君は合短指という先天性疾患のため、右手首から先が正常に発育しない状態で生れた。母親の Kim さんは、この新しい右手のおかげで Keith 君がそれまで閉じこもっていた殻から抜け出したという。「息子はとっても活き活きとして、自信を持つようになった。こんなこと初めてよ」。

Keith 君の新しい右手を提供したのは、3Dプリント人工装具コミュニティの e-NABLE。同コミュニティは、南アフリカに住む手首から先が欠損した子どもに安価な義手を3Dプリントで製作するために設立された。以来、エンジニア、療法士、工業デザイナーなど世界中の賛同者らが、各専門分野の立場から義手などの人工装具を必要としている人々の支援を続けている。

「4万ドルもする一般的な義手なんてとても手が出なかったし、成長期だからすぐ新しい義手に交換しなければならない。私達親子は今回、無料で贈呈されたけれど、製作費用は 50ドルほどかかっているの」

Keith 君は、テキサス州では初の3Dプリント人工装具を贈られた子どもだという。Keith 君はこの3Dプリント義手で握手するだけでなく、スポーツも、キックスケーターにさえ乗ることができるようになった。

同様の事例として、父親に作ってもらった義手を贈られたマサチューセッツ州の Leon McCarthy 君もいる。彼の場合、YouTube で3Dプリント義手製作方法を見た父親から3Dプリンターで製作した義手を贈られている。

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2014年10月18日土曜日

失敗作よさらば! trinckle が3D CAD データエラー自動修復サービスを開始

ドイツ発:3Dプリント技術が普及するにつれ、切実な問題となってくるのが、プリンターに送られる3Dデザインデータのエラーだ。だが、出力ミスを減らすために誰かを雇うとか、さらに時間を割く訳にもいかない。3Dデザインデータの実に半数以上が、何らかのエラーを含んでいるという。

2013年1月、ベルリン自由大学が設立したオンライン3Dプリントの trinckle はこのほど、こういったユーザーのお悩み解決策として、「よくあるエラー」を自動修正するサービスの提供を開始すると発表した。同サービスの利用は、3D CAD データをアップロードするだけでよい。エラーがあれば自動検出され、修復される。あとは修復済みデータをダウンロードするだけ。3Dプリント上級ユーザーに限らず、3Dプリントビギナーでも手軽に利用可能なユーザーフレンドリー仕様となっている。そしてこの「データエラー修正サービス」は、無料で利用できる。

この新サービスは CAD ファイル内に存在するエラーをアルゴリズムを介して自動で発見、修正する。ただしめったにないようなエラーの場合は、「ユーザー自らの目で見て修正する必要がある」としている。

この自動修正サービスが取り扱えるデータ形式は .stl, .3ds, .ply の各フォーマット。Webブラウザ上で動作し、事前登録も不要。問題を解決する前に、どのような不具合なのかもユーザーに解説する。

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2014年10月17日金曜日

オハイオの中学生らが3Dプリンターの組み立てを体験

米国オハイオ州発:レイク郡のペリー中学校第7学年に在籍する男子生徒4人組がこのほど作ったのは、3Dプリンターだ。

同村在住の Charlie Kluznik 君ら4人は大のテクノロジー好き。彼らが作り上げた3Dプリンターは、「 MakerGear M2 」という DIY 組み立て型3Dプリンター。生徒達を指導した同校 STEM( 科学、テクノロジー、工学、数学 ) プログラム担当の Blanche Davidson 教諭は、ただ3Dプリンターを導入して生徒たちに与えるのではなく、生徒自らがプリンターを組み立てることにより、3D技術に対する理解をより一層深める狙いがあったと語る。

「表面的な学びに終わるのではなく、生徒達に本当に深く学んでもらうことが目的です。そのためにはただ3Dプリンターを差し出すだけでは足りない。自分達で3Dプリンターを組み立てることによって、3Dプリンターの仕組みについての理解も深まりますし、トラブル対処を繰り返すうちに、3Dプリンターのエキスパートに育っていきます」。

そもそもの始まりは昨年、Davidson 教諭が 担当する STEM の授業で、Kluznik 君に仲間を募って3Dプリンターを組み立ててみたらと勧めたことがきっかけ。Kluznik 君らの「 MakerGear M2 」は今月1日に無事完成し、現在はメーカー側から提供されているブレスレッド、六角柱、雪男の一種ビッグフットの頭部といったデザインの小物を造形している。造形にかかる時間は簡単な品物なら数分で仕上がるが、複雑な形状のオブジェクトだと十数時間はかかる。

「僕らはトランペットを演奏するので、いつか自分でマウスピースをプリントしたいと思っています」と、4人組リーダーの Kluznik 君。「マウスピースだけでなく、楽器そのものをプリントしている人達を見てきましたが、自分で作らなくちゃだめだと思う」。

3Dプリンター組み立ての合間に、Kluznik 君らは製造元 MakerGear の工場見学にも出向き、同社主 Rick Pollack 氏と話したり、また同社従業員に組み立て中のトラブル解決法について質問したりして過ごした。生徒達が組み立てている3Dプリンターは3時間もあれば独力で完成させることができる設計だが、STEM の授業時間内だったため、組み立てに要した時間の合計は約 20時間で、完成までにほぼ1か月かかった。今後、3Dプリンターを組み立てるようなことがあったらもっと短時間で完成させられると生徒達は自信たっぷりに話した。

Kluznik 君らは、学年後半になったら3Dオブジェクトを設計から完成まで、全工程を自分達だけでやり遂げることを計画している。

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2014年10月13日月曜日

アイルランドの全ての学校に3Dプリンターを ―― LayerLabz の挑戦

アイルランド発:ダブリン工科大学( DIT )でプロダクトデザインを学ぶ Alan Donnelly 氏はある時、廃棄プリンターや PCパーツからでも3Dプリンターが製作できることを発見した。同時にあるビジネスのアイディアも生れた。

「大学では、50万ユーロもする産業用3Dプリンターを使っていたが、これなら1,000 ユーロくらいで製作可能だと考えた」。

同大学卒業後、Donnelly 氏は自身の構想を実現するため、幼馴染みで、ダブリンシティ大学( DCU )でマーケティングおよびイノベーション技術を学んでいた Robert McGrath 氏と共同で起業した。

「まったく独力での起業で、完全な見切り発車。他の大勢の起業家と同じく、ただ良いアイディアがあるというだけで投資を呼び込めるとは思わなかった」。McGrath 氏は Donnelly 氏に、自身の母校が主催する「UStart」という学生起業家育成コンペを紹介した。

「我々が今年度の UStart 最優良スタートアップ8社の1つとして選ばれると、それまで自宅裏の物置だった仕事場が、言ってみれば次の日には広さ 90m² の作業スペースに変わった」と、Donnelly 氏は言う。

Donnelly 氏らの会社はダブリンのリフィー河口に面するリバーサイドエリアの一角に建つビルに入居、Donnelly 氏ら自身も年内まで賃貸料免除のアパートメントを借りることができ、そして起業資金として 5,000 ユーロも支給された。

「無料で家まで借りられるなんて素晴らしい。生活を共にしているから、売り込みのための重要なプレゼンとか準備しているうちに朝になっていた、なんてこともよくある。すべき事は山ほどある。ちょうど子どもが生まれて、ぶじに成長することができるように毎日毎晩、世話を焼くようなもの」と Donnelly 氏。

彼らが起業した LayerLabz は主に教育界を対象とした大型3Dプリンターの製造販売と3Dプリントサービスを行い、また3Dプリンター組み立てワークショップも開催している。少数の学校現場で開発した試作機を使用してもらい、フィードバックに基き、各現場に最適な改善を加える。

教育現場に3Dプリンターを導入する際、彼らが直面したのは安全問題だった。子どもたちを保護するため、開発したプリンターはドア開閉式の完全密封タイプにした。

DCU から初期投資を得て以降、LayerLabz は着実な成長を遂げている。同社はこのほど、アイルランド政府商務庁から補助金5万ユーロを得、リトアニアで先月開催された「Intel Business Challenge Europe 2014 」にて最終選考 24社にその名を連ねた。

「目標は、アイルランド全土の学校に我々の3Dプリンターを届けること。教育分野にこそ、最大の販路があると考える。生徒たちが、信じられないようなすごいデザインの製品アイディアを持っていても、PC のデスクトップのフォルダーに入ったまま眠っているのが現状。せっかく思いついたカタチを現実の製品にできずにいる。それを変えたい」。

現在、LayerLabz はプラスチック樹脂およびゴム状フィラメントによる3Dプリントを提供しているが、金属などの新素材も取り扱えるようにしたいとしている。また同社では、アイルランドの各大学に、3Dプリンティングの研究開発へさらなる投資を働きかけるという。

Donnelly、McGrath 両氏は将来について、アイルランドに本拠を置くグローバルな大企業数社と共に3Dプリントのワークショップを開催したいと意気込んでいる。

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2014年10月11日土曜日

世界初の3Dプリント EV車「Strati」

米国発:将来、愛車が故障したり、買い換えたいと思ったら、新しいクルマをプリントアウトすれば済むようになるかもしれない ―― それもたったの 44時間で。

アリゾナ州フェニックスに本拠を置く Local Motors が世界初の3Dプリントで製作した電気自動車( EV )の走行試験をこのほど公開した。

「Strati( イタリア語で「層」の意味 )」と命名されたこの EV 車は、特製の3Dプリンターでシャーシごと一体成形されている。タイヤ、ホイール、バッテリー、電気系統、サスペンション、駆動モーター、ウィンドウシールドといったパーツのみ、従来の製法で製造されているものの、使用部品点数は従来製法で製造された自動車よりはるかに少なく、49点しかない( 通常、一般的な自動車には約 5,000 点の部品が使用されている )。最高速度は 64km/h。

「Strati」製作は先月、シカゴ市内で開催された 国際製造技術ショー 2014 の6日間の期間中に行われた。ツーシーター仕様の「Strati」は、黒のプラスチック樹脂を専用プリンターで積み重ねて造形され、さらにカーボンファイバーで剛性を高めてある。

Local Motors の CEO John Rogers 氏は次のように述べている。「弊社は、カーボンファイバー強化熱可塑性樹脂でできた世界初の3Dプリント自動車メーカーとなった。座席、ボディ、シャーシ、ダッシュボード、センターコンソール、フロントフード等はすべて3Dプリント製だ」。

同社では、今後「Strati」の一般市販も行いたいとし、販売予定価格を約 17,100 USD と設定している。

「Strati」製造に当たり、工作器具メーカー Cincinnati Inc3Dプリンターを提供した。この専用プリンターの最大造形サイズは1x1.7x3m。「Strati」製作時間は、わずか 44時間だ。

Local Motors は2007年に設立され、3Dプリントによる二輪車、電動スケートボード等の製作販売を行っている。Rogers 氏は、この廉価な3Dプリントによる生産方式が、従来方式よりも速くイノベーションを市場にもたらすことを期待している。

同社は Webサイト上で、近いうちに量産レベルの3Dプリントカーをリリースし、一般向けに販売する計画だと述べている。



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2014年10月10日金曜日

教育現場で重宝する「全自動クラウド制御」3Dプリンター「NVPrinter」

米国発:近い将来、3Dプリントは世界中の教育現場において履修科目の一部となるだろう。事実、英国では多くの学校で3Dプリント学習の導入が始まっている。今後、同様の学習課程を取り入れる教育機関の数はますます増加すると思われる。

とはいえ、生徒たちに使用可能なプリンターの台数は限られている。やがて少ない3Dプリンターをいかに多くの生徒に割り振るべきか、壁に突き当たる時がやってくるだろう。

MIT の現役学生からなる NVBOTS チームはこの点に着目して、いままでにないコンセプトの3Dプリンター「NVPrinter」を開発した。同プリンターの最もユニークな特徴は、全自動、そしてクラウドベース制御の3Dプリンターという点だ。

NVBOTS では現在、クラウドファンディングサイト Fundable.com 上で、主に教育機関向けと小規模事業者向けに「NVPrinter」を提供するための賛同者を募っている

「NVPrinter」の主な特徴:
  • クラウド制御3Dプリンター ユーザーはどんなデバイスからでもプリンター本体にアクセス可能。
  • 自動取り出し機能 特許出願中の独自テクノロジーによる3Dプリント製品取り出しおよび新たなプリントジョブの開始。
  • 全面保護パネルの採用
  • 内蔵カメラの採用 モニタリングにより、プリント状態と仕上がり品質の確認がどこでも可能
  • プリントキュー管理機能
NVBOTS CEO の AJ Perez 氏は、次のように述べる。「3Dプリントの持つ底力を真に活用するためには、次の世代を担う科学者、エンジニア、デザイナー、イノベーターを育てなければならない。NVPrinter のようなシンプルなモノづくりツールで彼らに3Dスキルを提供することにより、イノベーションサイクルに劇的な変革が起こるはずだ。とはいえ資本設備不足でせっかくのクリエイティヴな潜在能力が発揮できない場合もある。だから我々はクラウドファンディングによって資金面の障壁を除去したいと考えている」。

Fundable 上での調達目標金額は 100,000USD。出資金額が 2,499USD 未満の場合、全額が低所得層地域の公立中学校を支援する NPO Citizen Schools のボストンおよびチェルシー支部経由で、最も3Dプリンターを必要としている教育機関へリースされる。




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2014年10月7日火曜日

HP が2つの上場企業に分社化へ

米国発: Hewlett-Packard( HP, NYSE:HPQ )は米東部標準時間の 10月6日、企業向けハードウェア事業とプリンター事業を分離すると発表、同時に分社化に伴って大規模なリストラ計画も明らかにした。「HP」ロゴは維持する。

分社化により、サーバ、ストレージ、ネットワーク、クラウドなど企業向けサービス部門と PC / プリンター部門は今後、独立した上場企業となり、企業向け部門は Hewlett Packard Enterprise と名称を変更する。

企業および一般コンシューマー向け PC とプリンター部門は HP Inc. という名称になり、3Dプリンターも含めた事業に集中する。同社の投資家向け情報によれば、新会社は「収益性および純現金収支の強化により、3Dプリンティングや新しいコンピューティング体験提供といった成長市場への投資が可能になる」という。

同社 CEO Meg Whitman 氏によると、今回の分社化とリストラ計画は HP に「マーケットと顧客の動向を敏感にキャッチし、対応可能なフレキシブルな機動性」を与えるだろうとしている。

同社のリストラ計画については、業務内容のスリム化および省コスト化、イノベーション加速の目的ですでに 2012年から着手している。今回の分社化完了は 2015会計年度中の見込み。

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2014年10月6日月曜日

3Dプリンターの IKEA を目指す「MakerMex MM1」

米国発:ヴァージニア州チェサピークに本拠を置く3Dプリンターベンチャーの MakerMex は現在、Kickstarter 上でまったく新しいコンセプトのデスクトップ3Dプリンター「MM1」の生産資金出資者を募集している。

「MM1」最大の特徴は、各パーツを自由に組み合わせ可能にしたモジュール方式を採用していることだ。Kickstarter 上の同社コメントを引用すれば、「MM1 は単なるデスクトップ3Dプリンターではありません。MM1 のユニークな点は、エクストルーダーヘッドが用途に応じて交換可能な上、他のパーツもアドオン方式なので、3Dプリンティング テクノロジーの進化に合わせたプリンター機能向上も可能です」。

「MM1」用エクストルーダーヘッドは現時点ではシングル、デュアル、ペースト( セラミックおよびチョコレート等食材用 )、高温タイプの4種類を用意。使用可能素材も幅広く、一般的な ABS や PLA フレキシブル PLA、導電体、ウッドフィラメント、PTE 等となっている。
「MM1」の主な仕様:
プリンター本体寸法:490x475x490mm
本体重量:11 kg
造形エリア200x200x200mm
層間:解像度:20μm( 0.02mm )
造形速度:300mm / sec
Windows、Mac、Linux ベース各 OS 対応

現時点で集まった資金は目標金額の半分ほどの 24,949 USD。期日は 11月1日まで。




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2014年10月4日土曜日

タブレットPC+デュアルヘッド搭載のハイエンド FFF 3Dプリンター「Leonardo」

イタリア発:デスクトップ型 FFF 3Dプリンターにはマルチカラー対応やタッチパネル操作を売りにする機種がすでに存在するが、デスクトップ型 CNC システム「Michelangelo」で知られる MeccatroniCore 初の3Dプリンター、「Leonardo」シリーズはさらにその先を行っている。PC がなくてもプリンター単体のみで作業の全工程が行えるのだ。

「Leonardo」には大型タッチパネル方式の Windows ベース タブレット コンピュータが内蔵され、WiFi に直接接続可能。このため、作業途中で何か問題が発生した場合、製造元の MeccatroniCore のサポートデスクにアクセスでき、またファームウェア更新も内蔵タブレット経由で実施することができる。ノズル径 0.4mm のデュアル エクストルーダーを搭載し、色や材質の異なるフイラメントを組み合わせて出力することも可能だ。フィラメントは標準的な1kg リールの PLA と ABS。

このように、コンシューマー向けデスクトップ型としてはハイエンド仕様なため、「Leonardo」シリーズの販売価格は 6,500 ユーロ( 約 90 万円 )と高価だ。最大造形サイズは「Leonardo 3D Printer 300 Cube」が 300x300x300mm、「Leonardo 3D Printer 500」が 500x300x300mm、「Leonardo 3D Printer 500 Cube」が最大の 500x500x500mm となっている。

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