2018年2月25日日曜日

3Dプリントフラワーでミツバチの生息数を回復へ

オーストラリア・クイーンズランド州発:世界各地でミツバチ( セイヨウミツバチ )のコロニー崩壊と生息数減少が問題化して久しいが、オーストラリア在住の前衛芸術家が3Dプリントを用いてこの問題の解決を目指している。

ブリスベン市に住む Michael Candy 氏の「 Synthetic Polleniser 」は、3Dプリントで製作した一種のロボットフラワー。この人工の花には花粉と花蜜を供給するチューブがあり、通常の自然界の花の間にこの3Dプリントフラワーを混在させその花粉と花蜜でミツバチを誘ってハチの受粉活動を助ける、というアイディアだ。

この3Dプリントフラワーはナノハナ型で、雄しべまである。花蜜はモーター駆動で花びら表面までチューブによって運ばれる仕組み。

ただ、野生のミツバチをこの3Dプリントフラワーに引き寄せ受粉させるのはそんなに簡単ではなく、試行錯誤の連続だったと同氏は言う。「この人工の花にミツバチを誘引して受粉してもらうまでには何年もかかった。野生のミツバチの花を識別する能力には様々な方法があるため、ハチを惹きつける形状や色にするにはどうすればよいか、というのは重要になる。将来、遺伝子改変されたデザイナーズ・フラワーが自分で花粉を生産することができず受粉のみできるという状態になった場合でも、この3Dプリントフラワーシステムなら失われた生殖サイクルを回復させることができるかもしれない」。




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2018年2月18日日曜日

平昌五輪リュージュ競技、米国チームは3Dプリントスレッドで参戦

韓国発:韓国の平昌で開催中の第23回オリンピック冬季競技大会リュージュ競技に、米国チームは3Dプリントで製作されたパーツを組み込んだスレッドで臨んだ。

米国リュージュチームに3Dプリントパーツを提供したのは Stratasys の技術者グループ。選手に合わせて特注で製作されるリュージュ2人乗り用スレッドは、従来の製法では時間もコストもかかっていたが、3Dプリントなら比較的短時間で試作を繰り返すことができる。同技術者グループによると、競技用スレッドには高性能の複合素材が使用されており、性能を犠牲にすることなく自由なデザインの製品出力が可能な3Dプリントはまさに最適な製法だとしている。

[ 現地時間 2 月 14 日に行われた「リュージュ2人乗り」競技における米国チームの結果:8位 ]

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2018年2月10日土曜日

ブリストル大研究者が3Dスキャン調査で「年下の女性のミイラ」をネフェルティティと特定

英国発:ブリストル大学の考古学研究者らはこのほど、19 世紀末にエジプトの「王家の谷」で発見された「年下の女性のミイラ」が第 18 王朝のファラオ、アクエンアテン( Akhenaten )の妻ネフェルティティ( Nefertiti )の可能性があると発表した。

この「若い女性のミイラ」は 1898 年、仏人考古学者ロレ( Victor Loret )が「王家の谷」で発掘した「KV 35」と呼ばれるアメンホテプ2世( Amenhotep II )の墓所内部で発見した複数のミイラのうちの 1 体で、長年、その出自が謎とされてきたもの。同博士らのグループはエジプト考古省から許可を受けて同ミイラを保護ケースから取り出して3Dハンディスキャナーで顔を3次元マッピング。解析した結果現れた顔は、古来から伝えられてきたネフェルティティの顔の特徴と見事一致したという。

同大エジプト学者 Aidan Dodson 博士は3Dスキャン調査に基づく「年下の女性」ミイラのデジタル複顔を行い、2005 年にツタンカーメン王( Tutankhamun / Tutankhamen )の顔を復元した復元彫刻家 Elisabeth Daynès 氏によってその顔が甦った。

Dodson 博士の話「これは驚くべきことだ。最新の DNA 鑑定データと突き合わせると、この『年下の女性』のミイラはネフェルティティ王妃以外に考えられない」。

今回の成果をまとめた番組のプレゼンターを務める Josh Gates 氏も博士に同意する。「顔の骨格構造や特徴など、古代に彼女について書かれた記録と矛盾がない。私もこれがネフェルティティの真実の顔だと信じている」。

3Dスキャンデータから生前の顔を復元したのは仏人彫刻家の Elisabeth Daynès 氏。同氏は 2005 年、ツタンカーメン王の顔を復元したことでも知られる。今回の複顔と胸像製作には述べ 500 時間かかり、さらに Dior 所属デザイナーによるハンドメイドの装身具で飾られた。Josh Gates 氏の番組 Expedition Unknown は全2回シリーズで、Travel Channel で米東部時間の 2 月 14 日に放映される。




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2018年2月4日日曜日

技術者集団が共生可能な AI ロボットを3Dプリントで製作

スペイン発:バルセロナ市を拠点に活動する技術者、デザイナーおよび建築家の集団 Noumena はこのほど、人工知能( AI )やロボットがどのような進化を遂げて今後も発展するかについて、3Dプリントも一部活用したインスタレーション「 Robotic Habitats 」を製作した。

「 Robotic Habitats 」は 2017 年 9-10 月にかけてエストニアの首都タリンで開催された「タリン建築ビエンナーレ」で展示された。このインスタレーションのコンセプトは自律型 AI ロボットが人間の必要とするリソースをめぐって競合することなく「共生」するよう進化するというもので、ロボットの外観は巨大な昆虫を思わせる。

インスタレーションで展示された甲虫のようなローバー型 AI ロボットの場合、メイン回路に Arduino、Kinect モーションセンサーを搭載して直流モーターで動き、甲殻部分が3Dプリントされた数パーツを組み合わせてできている。タリン市内での展示では、これらの AI ロボットが 5 m 四方の人工の砂地環境に入れられ、動き回ったり排泄の要領で予め仕込まれた菌糸体を排出したりした。同集団によれば、こうすることで砂地に新たな生物環境が構築される助けになるという。

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