2015年8月31日月曜日

世界初、10 種類の多素材対応、7,000 USD の自律型3Dプリンターシステム「 MultiFab 」

米国マサチューセッツ州発:マサチューセッツ工科大学( MIT )コンピューター科学・人工知能研究所( CSAIL )研究技師 Javier Ramos 氏らのグループはこのほど、10 種類の異なる素材の同時プリントを可能にした低コストの新型3Dプリンターシステムを世界で初めて開発したと発表した。

この「 MultiFab 」は複雑な3Dプリンターシステムで、主制御コンピューター、3Dスキャナー、3Dプリンターから構成されている。コンピューターはプリンター内部のコンタクトレンズ経由で連続的に3Dスキャンしながらプリントする。 その精度は髪の毛1本の半分以下の 40 μm だ。

「現在、3Dプリンターの主な用途は試作品製造にあるが、この技術の目指すべき聖杯は、異なる特性を持つ多種多様な素材を組み合わせ、プリンターから出てきたオブジェクトが即、実用可能な機能を有していることにこそある」と Ramos 氏は述べる。同グループによれば、今回開発した「 MultiFab 」3Dプリンターにはさらに画期的な機能として、プリンター自身がプリント作業を監視して自己分析し、エラーを自動修正するロボティクス技術が搭載されている点を挙げる。これにより、ほぼプリンター任せで実用レベルのオブジェクトが製造できるとしている。

「 MultiFab 」1台の価格は破格の低価格とも言える 7,000 USD に設定されている。昨年 1 月、Stratasys が世界初のマルチ素材対応型3Dプリンターをリリースした時、販売価格は 250,000 USD だった。

また、「 MultiFab 」にセンサーや電子回路等を直接投入し、周囲の部材だけ追加的にプリントして最終製品に仕上げるといった使い方にも対応しているという。

Ramos 氏ら開発グループの研究成果は世界最大級のコンピュータグラフィックス カンファレンス SIGGRAPH 2015発表された。



参照元記事1
参照元記事2

2015年8月30日日曜日

Apple が国防総省と3Dプリンタブルなフレキシブル ウェアラブルデバイスを共同開発か? 

米国ワシントン D.C. 発:国防総省と米国政府は現地時間 8 月 28 日、産官学共同の新コンソーシアム設立と研究拠点設置を発表した。

新コンソーシアムには Boeing、GM、Apple 等民間企業と、ハーバード大学、MIT、スタンフォード大学、カラマズーバレー コミュニティ大学等の研究機関計 162 の企業と大学および研究機関が参加する予定。このうち Apple は、「 Apple Watch 」のようなフレキシブル ウェアラブルセンサーデバイスの共同開発を行う計画。新コンソーシアム研究拠点では、3Dプリントのような「ハイエンドな印刷技術」の研究開発にも取り組む。

Ash Carter 国防長官は次のように述べている。「ペンタゴンの人間には、以前から外側の世界について考え、シリコンバレーを始めとする米国のテクノロジーコミュニティにおける技術革新に投資するよう促してきた。今回の試みは、その歩みをさらに進めるものだ」。

新コンソーシアム拠点は「 Flexible Hybrid Electronic Institute 」と名付けられ、今後 5 年間で連邦政府から 7,500 万ドル、空軍研究所関連企業から 7,500 万ドル、地元州政府など他機関から 6 万ドルの総額 1 億 7,100 万ドルが拠出される。同コンソーシアム本部はサンノゼ市内に置かれ、米国内の製造分野の競争力復活を狙う。開発予定のフレキシブル ウェアラブルセンサーデバイスは兵士が身につける目的に限らず、たとえば航空機の機体表面に溶着させるなどの用途も想定している。

国防総省は 2012 年、3Dプリント技術開発推進のための最初のコンソーシアムを設置している。オバマ政権は、政権発足時からの基本政策の1つ「 STEM[ 科学、技術、工学、数学 ]教育」と同様、今回の新コンソーシアムと研究拠点の重要課題として3Dプリントを掲げており、このような米国内製造業を支援する目的のコンソーシアム設置は同政権発足以来これで 9 箇所目となる。

参照元記事1
参照元記事2

2015年8月29日土曜日

3Dプリントで製造されたロケットエンジン重要部品の試験が成功

米国アラバマ州発:米国航空宇宙局( NASA )は現地時間 8 月 27 日、3Dプリントで製造されたターボポンプの性能試験をマーシャル宇宙飛行センターで実施し、試験は成功したと発表した。

このターボポンプは SLS 3Dプリンターで製造されたもので、ロケットエンジンに推進燃料の極低温液体水素を超高速回転で供給するための極めて重要な部品。性能試験は実際の打ち上げ時を想定した負荷( 毎分供給量 4,542 L、推進力 15.876 t )をかけて 15 回、行われた。このターボポンプは1分間当たり 9 万回転以上、3,315 °C 以上という過酷な条件にも耐えた。

今回の性能試験で使用された3Dプリント ターボポンプは従来の溶接などを使った製造法より 45 % 少ない部品で構成されており、製造時の省力化および低コスト化に貢献している。

このターボポンプ設計を主導した同宇宙センターの Marty Calvert 氏は次のようにコメントしている。「今回の試験成功により、NASA は積層造形( AM )技術分野に大きな飛躍をもたらした。このターボポンプに使用されている部品は今まで3Dプリントで作られた製品の中で最も複雑なものだ」。

同宇宙センター推進システム副局長 Mary Beth Koelbl 氏は声明で次のように述べている。「 AM 技術で製造されたこの燃料ポンプとその他関係部品の性能試験は、ロケットエンジン製造にまったく新しい工程を導入する際のリスクとコストの同時削減を目指す我々の取り組みを示すものだ」。



参照元記事1
参照元記事2
参照元記事3

2015年8月28日金曜日

Stratasys、東南アジアで開催の国際見本市に出品

タイ・バンコク発:Stratasys Ltd. ( NYSE:SSYS ) は現地時間 8 月 26 日から4日間開催されるプラスチック / ゴム業界国際見本市( T-PLAS )に同社の3Dプリントソリューションを出品している。

T-PLAS への出品について、同社はデザイン業界や製造業界向けに、3Dプリントの持つ可能性を広く訴えることが狙いだとし、「ラピッドプロトタイピングからダイレクト デジタル生産( DDM )まで全ての用途に対応する最新型 FDM および PolyJet テクノロジーを搭載する3Dプリンターと関連アプリケーション」を展示し、有利な立ち位置を確保したいとしている。

同社東南アジア太平洋地域統括マネージャー Ido Eylon 氏は、プラスチック工業生産の主要市場であるタイは、自動車、医療機器産業など、3Dプリント ソリューションにとって計り知れない潜在力を秘めていると述べる。

過去3か月、同社は完全子会社 MakerBot の販売不振により売上の低迷が続いている。MakerBot の伸び悩みには為替変動の影響もある。

そのため同社はこの T-PLAS に自社製品を出品することで、北米市場依存から脱却し、成長著しい東南アジア市場に本格参入したいとの思惑がある。調査会社 Canalys によれば、3Dプリント業界は今年に入って総売上が急伸し、昨年の 33 億ドルから 56 % 増の 52 億ドルに達し、さらに 2019 年には全市場規模は 202 億ドルに達すると予想されている。

参照元記事

2015年8月27日木曜日

増える公共図書館への3Dプリンター導入事例

米国カリフォルニア州発:ソノマ郡公共図書館は、図書館利用者が無料使用できる3Dプリンター「 MakerBot Replicator 2 」を導入している。

同公共図書館司書でこの3Dプリントサービスを統括する Rachel Icaza 氏は次のように述べる。「ここには利用者をあっと驚かせる要素がある。稼働中の3Dプリンターはつい夢中になって見入ってしまうし、眺めていて心地良いものだ」。

Icaza 氏によれば、この MakerBot Replicator 2 」購入資金は図書館友の会および匿名寄付者によって賄われたという。この FDM 3Dプリンターの購入価格は約 3,000 USD だ。「3Dプリントのような最先端テクノロジーこそ、我々公共図書館が市民に対し提供したいと考えているものだ」。

3Dプリンターは今後、同公共図書館管内の全図書館を巡回する。現在は、ペタルーマ地区図書館にある。利用者はまず約 30 分の講習受講後、3Dプリンターが利用できるようになる。3Dプリンター使用法の講習は毎週開催されている。

同公共図書館では3Dプリント工程理解のために利用者に tinkercad.com を、既に用意されている3Dデザインを選ぶために thingiverse.com を推奨している。

3Dプリンター講習その他の情報についてはソノマ郡公共図書館公式サイトの図書館ニュースに随時掲載されている。

参照元記事

2015年8月24日月曜日

改修後の地下鉄駅を3Dプリント模型で再現

英国発:ロンドン交通局( TFL )は、所掌のロンドン地下鉄ヴィクトリア駅改修工事計画を建設請負業者、地元当局および地域住民に対し、3Dプリントによる縮尺立体模型を使った説明を試みる。同交通局では既に数年前から3Dプリントを活用している。

この縮尺立体模型製作に当たり、TFL は印刷関連総合サービス企業の Hobs Reprographics plc に打診、同社の保有する3Dプリントのノウハウを活かすことにした。

立体模型は、まずデザインチームが現行のヴィクトリア駅を数百万から成る標本データ点を使用してレーザースキャンし、それを基に駅構内の正確な3Dモデルを作る。次にこの基準モデルに改修計画案の数値を連係させて改修後の駅構内を3Dモデルとして再現し、これを精密な SLS 3Dプリントで出力した。

駅構内を構成する電気系統、配管、通路、改札などを分かりやすくするため、立体模型にはそれぞれ目立つ色で色分けして表現。さらに改修後の同駅と地上部との関係を示すため、地上部を再現した透明ケースに立体模型全体を入れた。

従来、このような模型製作作業は手作業に頼る部分が多く、時間もコストもかかっていた。関係者によれば今回の3Dプリント模型製作について、複雑な工程不要で比較的短時間で製作可能な点などで非常に有用だとし、既に他駅の改修計画でも3Dプリント模型を採用する計画だという。

TFL の Paul Kick 氏は次のように述べている。「 Hobs Reprographics の製作した3Dプリント模型はヴィクトリア駅改修工事の全体像が一目で分かり、問題解決に役立つ。地下工事の際、このような問題点は見過ごされる場合が多いものだ」。

参照元記事

2015年8月23日日曜日

世界初、コーヒーかすを再利用して作ったフィラメント「 Wound Up 」

米国ノースダコタ州発:ファーゴ市に本拠を置く3Dプリンターフィラメントのスタートアップ 3Dom USA は現地時間 8 月 21 日、コーヒーかすを再利用して製造した新しいバイオフィラメント「 Wound Up 」をリリースした。

現在、全世界で1日に消費されるコーヒーの総量は 20.25 億トンにもなる。この新フィラメントは、同じファーゴ市内に本拠を置くバイオ複合素材メーカー c2renew との共同開発製品第1弾として発売される。c2renew との共同開発フィラメント製品は現在後続製品を開発中だ。

また同社は先月末、世界初となる試みとしてガラスと PLA の複合材料から生成した「 Glass Filled PLA 」もリリースしている。いずれのフィラメントも市販の PLA 対応 FDM 3Dプリンターで使用可能で、スプールや包装も全てバイオ素材から作られている。同社によれば、MakerBot、LulzBot、FlashForge 等多数の3Dプリンターで互換性を確認済みだという。



参照元記事1
参照元記事2

2015年8月22日土曜日

世界初、実用可能レベルのガラス3Dプリント技術「 3DGP 」

米国マサチューセッツ州発:3Dプリント可能な素材は、今やヒートプラスチックや光硬化樹脂に限らず、金属、セラミック、バイオ素材、食用ペーストと急速に拡大しつつあるが、ガラス素材に関してはイスラエルのエクストルーダーメーカー Micron3DP の開発事例以外は進展がなかった。*

MIT Media Lab メディアアーツ / サイエンス 科准教授 Neri Oxman 氏が同ラボ内に設立した研究ユニット Mediated Matter と MIT 機械工学部および MIT Glass Lab、Wyss Institute はこのほど、ガラス素材の高精度3Dプリント技術を開発したと発表した。

Oxman 氏らが開発した新技術「 3DGP 」は、従来の FDM 3Dプリンターとほぼ同じ要領で、溶融した透明ガラス素材を押し出して造形する。3Dプリンター上部には小型溶解炉が設置されており、ここにガラス素材を投入する。この溶解炉内でガラスは 1,000 °C 以上もの高温で熱せられて溶解する。この溶解炉直下にアルミナ-ジルコン-シリカ( AZS )ノズルがあり、ここから溶融ガラスが押し出されて3Dオブジェクトを造形する。プリントを中断する時は、圧縮空気でノズルを冷却してガラスフローを止める。

このガラス造形用3Dプリンターの外枠はアルミ合金および鉄製で、コントローラー基盤にはオープンソースの Arduino ベース RAMPS 1.4 を使用している。

同グループがテストサンプルとして造形したガラス オブジェクトの平均層高は 4.5 mm、平均層幅は 7.95 mm。彼らによれば、非常に多くの用途に応用可能な「世界初の透明ガラス3Dプリント技術」だとしている。

また、彼らの造形したガラスオブジェクトのうち数点が来年、ニューヨーク市アッパーマンハッタンのクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館に展示される予定だ。

* Micron3DP が開発に成功した3Dガラスプリンターでは 850 °C で半流動状態のガラスを、1,640 °C で完全な溶解ガラスを出力して造形する仕組み。同社は「3Dガラスプリントはアート、医療、セキュリティ、建築、航空宇宙と多種多様な分野での応用が見込まれる。我々は次世代のホットなこの分野での戦略的投資家を求めている」と述べている[ → 関連記事 ]。



参照元記事1
参照元記事2
参照元記事3

2015年8月21日金曜日

大型造形用新型 FDM 3Dプリンター「 The Beast 」

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州発:大型3Dオブジェクト造形用 FFF / FDM 3Dプリンターには既に独 Big Rep GmbH、米国 3DPUnlimited 等数機種が既に市販されているが、ワイオング市に本拠を置く cultivate 3D は現地時間8月 18 日、この市場に同社の新型 FDM 3Dプリンター「 The Beast 」投入を発表した。

現時点ではまだ詳細が不明だが、最大造形サイズ 470 x 435 x 690 mm に、Z軸方向= 0.00125 mm、X / Y軸方向=0.00625 mm の高精度設計だという。さらにエクストルーダーを4基搭載し、1回の工程で複数のオブジェクトの出力が可能。造形サイズの大小に拘らず、通常のデスクトップ3Dプリンターに比べて最大 10 倍の高速出力が可能であり、大量生産に適しているという。

「 The Beast 」主な仕様

本体外寸:690 x 715 x 1110 mm 
本体重量:30 kg 
最大造形サイズ / シングルノズル設定時:470 x 435 x 690 mm 
同 2x:230 x 435 x 690 mm 
同 4x:230 x 214 x 690 mm 
ノズルホットエンド径:Φ= 0.25 - 1 mm 
最小層高:0.05 mm 
対応フィラメント:( J-Head ノズルホットエンド ) PLA、( E3D ノズルホットエンド ) ABS、Φ= 1.75 mm 

販売予定価格はアナウンスされていないが、近日中に Kickstarter 上で出資者を対象とした先行予約を受け付けるとしている。



参照元記事

2015年8月17日月曜日

簡単操作、コンパクトな DLP 3Dプリンター「 3DWARF 」

チェコ発:首都プラハ市に本拠を置く FUTUR 3D s.r.o. は新型 DLP 3Dプリンター「 3DWARF 」を同社 Web ショップ上で販売している。

同社によれば、「 3DWARF 」は PC 接続不要で、すべての操作は大型タッチパネルスクリーン上で簡単に行え、スマートフォン等からインターネット経由で遠隔操作も可能な DLP 3Dプリンターだという。また最大造形サイズの割にコンパクトな筐体も実現した画期的なデザインを採用したとしている。オンライン販売価格は 79,990 CZK [ 日本円換算で約 41 万円 ]。

「 3DWARF 」の主要な仕様
最大造形サイズ: 105 x 155 x 210 mm 
XY軸解像度:0.15 mm 
平均層高:0.05 mm( 50 μm )
レイヤー当たり露光時間:2-3 sec ( 層厚、ポリマー樹脂のタイプおよび色によって変動 )
プリント速度:約 3cm / h
本体重量:19 kg
本体サイズ:345 x 350 x 480 mm

接続 / インターフェイス:USB メモリ、インターネット

参照元記事

2015年8月15日土曜日

3Dプリントでマウスの大脳組織作成に成功

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州発:ウーロンゴン大学インテリジェント高分子研究所細胞生物学研究者 Rodrigo Lozano 氏らのグループはこのほど、ハンドヘルド型3Dプリンターを使用して大脳皮質組織と同様の人工組織作成に初めて成功した。

神経科学者にとって、ヒトの大脳組織を直接観察する機会はほとんどない。動物から切除した細胞組織をシャーレに入れて培養したものを使用して研究するのが一般的だが、複雑な立体構造を持つ大脳組織とは似て非なるものであり、この方法が有効なのは神経変性や細胞間シグナル伝達の発達プロセス等を調べる場合にのみ限られていた。

Lozano 氏ら研究グループは、この欠点を3Dプリント技術で解決しようと試みた。マウスの胎児から未発達の大脳皮質ニューロンを取り出し、ゲランガムポリマーハイドロゲルに封じ込めてカプセル化したバイオインクを作成。このバイオインクは内部の神経組織を保護するだけでなく、多孔質なので代謝機能も培地内で再現され、室温で容易に凝固するという特徴もある。同研究者グループは、この人工組織をハンドヘルド型3Dプリンターで出力し、それを走査型電子顕微鏡( SEM )や、共焦点顕微鏡法と直接蛍光抗体法とを組み合わせた手法で内部構造を調べた。

その結果、ハイドロゲル内の細胞は成長し、数百マイクロメートル以上に規模が拡大し、5日後にはマウスの成熟した大脳皮質とよく似た層状構造へと変化した。

ただし同研究グループによれば、この新手法は大脳の代替組織をラボで人工的に作成するために開発したのではなく、新薬開発や神経細胞の観察などに携わる研究者が安価で実験を行える手段を提供するのが主眼だとしている。

ウーロンゴン大学は、4Dプリント技術の独自開発も行っている。

参照元記事

2015年8月13日木曜日

米 FDA が3Dプリントで製造された錠剤を初認可

米国メリーランド州 / オハイオ州発:米国食品医薬品局( FDA )は現地時間8月4日、世界で初めて3Dプリントで製造された処方箋錠剤「 Spiritam 」を認可した。

この新薬を開発したのはオハイオ州に本拠を置く Aprecia Pharmaceuticals 。FDA から認証を受けた新薬は、癲癇患者のある特定の発作を抑えるための内服剤で、ごく少量の水分だけで急速溶解するという特徴を持つ。

同社によれば、1錠当たり最大 1,000 mg 分の有効成分を同社の持つ3Dプリントシステムで製造可能だという。販売開始時期は 2016 年第1四半期を予定している。

FDA は既に義肢など、医療機器分野での3Dプリント技術を使用した製品を承認している。大人用器具の使用できない子供の患者向けカスタムメイド器具への3Dプリント技術の応用を考える医師は急速に増えており、FDA は医療機器メーカーを対象に昨年、ワークショップを開催している。Aprecia も、自前の3Dプリント プラットフォームを使用して他の神経薬を含む新薬開発をさらに進めたいとしている。

参照元記事

2015年8月10日月曜日

ガーデニングに特化した3Dプリンター「 Print Green 」

スロヴェニア発:マリボル大学インターメディア アーツ科の学生チームは、ガーデニングデザイン用途に特化した3Dプリンター「 Print Green 」を開発している。

「 Print Green 」の見た目は市販の FDM 型3Dプリンターに似ているが、通常の樹脂素材フィラメントの代わりに土、水、そして植物の種子といった 100 % 自然素材を使用する点が大きく異なる。CNC ミルのパーツを3Dプリンターとして転用し、成形可能かつ形状維持可能な最適な含水率で土と種子とを含むフィラメントをスポンジ等の下地に押し出す方法でロゴなどが製作できるという。

完成した造形物からは、デザインに基き素材に撒かれた種子から植物が育ち、やがて造形物は文字通り緑に覆われる。

参照元記事

2015年8月9日日曜日

電源不要の全人力方式3Dプリンター「 andi 」

スペイン・カタルーニャ州発:バルセロナ市で生まれ育った Irene Ródenas Sáinz de Baranda 氏は、極めてユニークな FDM 3Dプリンターを開発した。

「 andi 」と名付けられたこの3Dプリンターは、電源がなくても動作する「人力」方式を採用する。仕上げ精度面では市販製品に遥かに劣るものの、双方向性重視の設計により、教育部門での活用を想定している。

Irene 氏がこの人力式3Dプリンターを着想したのは、恩師の小さなファブラボで研究をしていた時。3Dプリンターはモノ作りの未来を体現する物という確信が芽生え、3Dプリンターがどういうメカニズムで動作するのかを正しく把握することが何より重要だと考えた。「子供達が、自分達の身近にあるテクノロジーがどんな仕掛けで動き、自分達がどこを作動させているかを完璧に理解して使用するのか、それとも手っ取り早く結果を生み出し、組み立てられるというだけでモノ作りをするのか。それを自問し続けていた。andi は子供達が互いに遊びながら、学習と新しいテクノロジーとの関係を問おうとする試みだ」。

「 andi 」は基本的にはX、Y軸が一方向のみに動くカーテシアン型。全て手作業で造形するため、結果は芳しくないが、「教育目的ならこれで十分」と同氏。「フィラメント」には粘着性のものなら粘土をはじめ、食材ペーストでも使用できる。

「 andi 」は最終学位取得のためのプロジェクトだが、まだ不完全なプロトタイプだ。Irene 氏は来たる 10 月からリンツ工科芸術大学インターフェイスカルチャー科修士課程に転じるので、それまでに「 andi 」を完成させたいとしている。

参照元記事

2015年8月8日土曜日

演奏可能な3Dプリント エレクトリック ヴァイオリン「 3D Varius 」

フランス発:ヴァイオリンプレイヤー Laurent Bernadac 氏はこのほど、演奏可能な3Dプリント エレクトリック ヴァイオリン「 3D Varius 」を公開した。

「 3D Varius 」のモデルになったのは、17-18 世紀に北イタリアで活躍した名匠ストラディヴァリ一族の製作したヴァイオリンの1つ。

同氏はこの3Dプリントヴァイオリンの製作に当たり、音響の再現性と耐久性において特に優れるステレオリソグラフィー( SLA )方式を採用。弦や糸巻きなどのパーツ以外は全て SLA 方式3Dプリンターで数時間かけて出力したという。「 3D Varius 」はプリントアウト後、面取り、洗浄、やすりがけ、UV 照射による強度確保、最終組立を経て完成した。同氏はこの3Dプリントヴァイオリンのデザインも手がけた。記念すべき作品1は、Pauline と命名された。デザインから完成まで3年かかったという。

Bernadac 氏は、「昔ながらのヴァイオリンの姿を取りながら、さらに美しくシンプルで、軽量かつ透明なユニークなデザイン」を目指したとしている。



参照元記事1
参照元記事2

2015年8月4日火曜日

Mac OSX 標準印刷システムが3Dプリントに対応

米国発:Apple は現地時間 8 月 1 日、UNIX オープンソース プリントフレームワークの最新リリース候補版「 CUPS v. 2.1 rc 1 」を公開した。最新版では市販の3Dプリンター( PWG[ Printer Working Group ]準規の製品に限る )サポート機能追加と、幾つかの機能変更とバグ修正が含まれる。

「 CUPS 」は Common Unix Printing System の略で、UNIX 系 OS 用のモジュール化された印刷システム。Apple は 2002 年以降、「 Mac OSX 」の標準印刷システムとして採用している。今回の最新版リリースにより、組み込み型以外の殆ど全てのオープンソース3Dプリンターに対応可能となる。

Apple は 2007 年、 CUPS 開発主幹だった Michael Sweet 氏を雇用し、CUPS のソースコードを取得している。

参照元記事

2015年8月3日月曜日

チョコレート専用3Dプリンターの最新版「 Choc Creator 2.0 Plus 」がお目見え

英国デヴォン州発:エクセター大学の研究者が起業したスタートアップ Choc Edge は、2012 年にリリースした世界初のチョコレート専用3Dプリンター「 Choc Creator 」の最新版Choc Creator 2.0 Plus 」を発表した。発売開始は9月末の見込みで、販売予定価格は現行機種より低い 2,380 GDP。今月 20 日までの早期特別割引期間内なら、1, 665 GDP で購入できる。現時点では購入に際して事前登録が必要なので、同社オンラインショップ経由で問い合わせる必要がある。

同社によれば、「 Choc Creator 2.0 Plus 」は従来バージョンの改良版ではなく、まったくの新設計であり、小型化 / 軽量化を実現したとしている。

「 Choc Creator 2.0 Plus 」の主な仕様:

最大造形サイズ:185 x 185 x 50 mm 
本体外寸:445 x 450 x 300 mm 
本体重量:19 kg。
エクストルーダー:φ =0.4、0.8 mm 
最大線速度:2,000 mm 
層厚:0.4 - 0.8 mm 
予備ノズル / 30ml チョコレートシリンジカートリッジ2本付き
接続:Wi-Fi / USB 
対応ファイル:STL、OBJ、G-code
CE 準規、1年保証付き

参照元記事1
参照元記事2

2015年8月2日日曜日

初のオール3Dプリント ファッションコレクションがお目見え

イスラエル・テルアビブ発:あるアナリストによれば、3Dプリントの市場規模はこの Q1 だけでも2倍に拡大しているという。3Dプリント技術は既にモノ作りに限らず、人体器官、食品、傷ついた動物の新しい足など、多種多様な分野で実用化されつつある。

シェンカー工科デザイン大学で学んだ 27 歳 の Danit Peleg 氏は、3Dプリント技術はファッション業界の主流になると予言する。同氏は卒業制作として「初の3Dプリント ファッションコレクション」を手がけ、このほど作品を公開した。

Peleg 氏は、3Dプリントについてはほとんど知識がなかったが、服のデザインが全て3Dプリントで可能かどうか試してみたいと思ったのがきっかけだったという。

「家庭用3Dプリンターを使用してコレクション用作品を全て作れるかどうか、挑戦したかった」と Peleg 氏。「市場に出回る既成品からではなく、オリジナルの布地を自力で作りたかった」。

スペイン BQ 製「 Witbox 」と FilaFlex 製フィラメントを使用して、Peleg 氏は5点からなるコレクション用衣装を完成させた。製作期間は最適な素材の調査と試作等に9か月、実際の製作に 2,000 時間以上、1点当たり約 400 時間[ 約 17 日間 ]もかかった。同氏によれば、一般的な PLA は衣服用としては脆弱で柔軟性に欠け不向きだったため、フレキシブルで強度もあるスペインのフィラメントベンダー Recreus の「 Filaflex 」を使用することでこの問題を解決した。

Peleg 氏一番のお気に入りのジャケット Liberte の場合、まず下絵を描き、ファッションデザインソフト「 Optitex 」と3D CAD「 Blender 」を使用して3D モデルを作り、それを Witbox に送信して出力した。




Peleg 氏は次のように述べている。「一切の介在物なしにデザインから完成まで、独自の素材からオリジナルの服を作ることができ、しかも全て家に居ながら可能になるのを見たことはとても楽しい経験だった。売るために誰かが選んだ素材を買わずに、自分で服が作れる。でもこれはまだほんの始まりに過ぎない。技術がさらに進化すれば、近いうちに誰もが家に居ながらにして自分の着る服を作れるようになる」。

参照元記事1
参照元記事2