2017年3月29日水曜日

英研究者グループが高速 / 省エネのレーザー焼結3Dプリント新技術を開発

英国サウスヨークシャー州発:シェフィールド大学電子電気工学科および機械工学科の「先端 AM 研究センター( AdAM )」所属研究者グループはこのほど、SLS などのレーザー焼結3Dプリントの高速化を実現させる新技術「ダイオードエリア焼結( DAM )」を開発した。

同グループが開発したのは、半導体レーザー( レーザーダイオード、LD )を広範囲にパウダーベッド上に複数照射して効率的に積層造形するというもの。DAM 方式のメリットとしてプリント高速化の他、レーザーのオン / オフを行いながらプリントするためエネルギー効率も高いことが挙げられる。

LD は低出力で不安定のため、レーザー焼結3Dプリント用途には不向きだというのがこれまでの常識だったが、現行のレーザー焼結方式にはレーザー反射機構の介在が高速化を阻んでいた。同グループによると、波長 808 nm LD を複数配置することで 1,400 ℃ 超の溶融点を数ミリ秒で発生させることでこの問題を克服したという。DAM プロセスによる3Dプリント実験では、17-4 PH ステンレス鋼の稠密な部品製造に成功している。同グループはレーザー相互作用の検証を進めるとともに、光硬化樹脂など非金属の幅広い素材にオールインワンで対応可能な新型3Dプリンター開発も視野に入れる。

参照元記事1.
参照元記事2.

2017年3月25日土曜日

世界初のバクテリア3Dプリント技術を蘭研究者グループが開発

オランダ南ホラント州発:デルフト工科大学( TU Delft )研究者グループはこのほど、改造した市販の3Dプリンターでバクテリア利用による新素材生成技術を世界で初めて開発したと発表した。同グループは4 月 3 - 6 日に英エジンバラで開催される微生物学会年次総会でこの研究報告を行う。

発表によると、ある種のバクテリアは酸化グラフェン( GO )シート上に置かれるとグラフェンの性質を残した還元型酸化グラフェン( rGO )を生成するという。通常、rGO 生成するには超高温や強力な化学反応などの厳しい条件が必要になるが、バクテリア3Dプリント技術なら一般に市販されている3Dプリンターを改造するだけで生成でき、環境負荷も低く、そして何よりも非常に低コストで生成可能なメリットがあるとしている。

概念実証デモでは海藻から生成されたゲルと大腸菌の混合物を3Dプリンターでカルシウムイオンを含む物質上に出力するとバクテリアが定着し、幅 1 mm 層でプリント可能状態となったという。

研究者グループの 1 人 Anne Meyer 博士の話「従来のバクテリア利用法は抗生物質のような化学物質生成に留まっており、バクテリアから新素材を作るということはまったく新しい経験。我々もゼロから手探りで研究を進めてきた。バクテリアを使用する利点は低コストで簡単、環境に優しいということに尽きる。専門知識も不要で、ただバクテリアを出発物質となる素材に混ぜるだけで、翌日にはもう完成している。有害廃棄物も一切排出されない」。

同グループがこのバクテリア3Dプリント技術で次に目指すのは、月表面の塵から新素材を生成すること。現在、人工的に作成した月表土で珪土からシリコンの生成と、酸化鉄から鉄の生成に取り組んでいる。

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2017年3月22日水曜日

Prodways が歯科技工用3Dプリンター「 ProMaker LD 」3 製品を発表

フランス発:仏エンジニアリング会社 Groupe Gorgé 傘下の Prodways は最新歯科技工用3Dプリンター「 ProMaker LD 」を現在独ケルン市内で開催中の「ケルン国際デンタルショー 2017( IDS 2017 )」で発表した。

「 ProMaker LD 」は製品から構成され、いずれも同社の特許技術の移動式画像投影システム「 MOVINGLight 」を搭載。歯型など精巧な歯科製品を高速 / 大量に製造することができる。実効解像度はピクセル当たり 42µm、最大時間当たり 38 個の歯列弓を出力可能だが、従来製品より小型化を実現させており、接地面積はわずか 0.8 m² 。造形面積も 165 mm x 150 mm から 450 mm x 445 mm までの可変交換式で用途に応じて使い分けができる。タッチパネル搭載で操作性も改善されている。

「 ProMaker LD 」シリーズ 3 製品
「 ProMaker LD-10 」、「 ProMaker LD-20 」:本体外寸 750 x 1,080 x 1,780 mm
最大造形容量:300 x 445 x 200 mm
層間解像度:25 - 100 µm
最大造形能力( 歯列弓 ):[ LD-10 ]20、[ LD-20 ]30 / h
「 ProMaker LD-45 」:本体外寸 900 x 1,080 x 1,780 mm
最大造形容量:450 x 445 x 200 mm
層間解像度:25 - 100 µm
最大造形能力( 歯列弓 ):38

Prodways は 2013年 5 月に Groupe Gorgé に買収され、子会社化されている。

IDS 2017 の会期は 3 月 21 - 25 日まで( Prodways 展示ブースは L029 in Hall 4.2 )

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2017年3月20日月曜日

公立学校教育に急速に普及する3Dプリント

英国発:ここ数年、英国各地の小中学校で3Dプリンター導入の動きが加速している。その多くは 500 - 1,000 英ポンドのエントリーモデルを導入し、3Dプリント関連企業側も3Dプリント教育プログラムを無償提供するなどして教育界を後押ししている。

その 1 つが「 Create Education Project 」で、もとはオランダの3Dプリンターベンダー Ultimaker B.V. によって設立された。現在は独立組織として活動し、英国各地の小中学校に講師を派遣して教職員へのレクチャーや講座運営企画等を指南する一方、ランカスター市内の女子中学生を対象としたモノ作りコンテストも開催する。このコンテストでは実際に教育現場で使用する動物細胞の3Dモデル設計 / 3Dプリント能力を競う。

英国で唯一国産3Dプリンターを生産する Renishaw plc( LSE:RSW )もカーディフ近郊にある同社工場で、地元の児童生徒を対象とするワークショップを定期的に開催。ワークショップスペースには 5 台の3Dプリンターが常備され、生徒はそこで3D CAD 作成からキーホルダーなどの小物製作までを学ぶ一方、同社の産業用3Dプリンターが歯型や顔面インプラントなどを実際にプリントする現場を見てもらい、ワークショップで学んだ内容を体感する。

このような試みの成果が、たとえば 3 月にバーミンガム市内で開催された学生メイカーズコンペ「 Big Bang Fair 」にも現れている。チェシャー州の総合中等学校に通う男子生徒はプラスチック樹脂の3Dプリントおよび金属切削加工、電子回路基板まで実行可能な3Dプリンター / CNC ミル複合機を設計してエントリーし、またスコットランドのアバディーン市から参加したチームは光造形型3Dプリンターを開発して出場している。

NPO 法人 EngineeringUK 事務局長 Paul Jackson 氏は次のように述べる。「2009 年に初めてこのコンペを開催した時、3Dプリントのような実例を見せられることになるとは考えもしなかったし、このような劇的な変化が起こったのもほんの数年のことだ。若者がこのような最先端ツールを最大限活用する姿を見るのは最高だ」。

現実も同氏の言葉を裏付ける。同氏によれば教育省が学校教育現場への3Dプリント技術の試験導入を開始したのが 5 年前、参加校も 21 校のみだったが、現在は主流の教育ツールにまで成長を遂げているという。

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2017年3月19日日曜日

部屋を丸ごと3Dプリンター化する「 Hangprinter 」

スウェーデン発:個人メイカーの Torbjørn Ludvigsen 氏はこのほど、「部屋」空間を丸ごと3Dプリンター化するユニークな発想のデルタ型3Dプリンター「 Hangprinter 」の試作機を発表した。

「 Hangprinter 」はオープンソースの RepRap 3Dプリンターの 1 種。Spectra や Dyneema といった超高分子量ポリエチレン( UHPE )製の釣り糸を含めた3Dプリンター本体は全て一般に市販されている製品で構成され、天井、壁面、床に固定した滑車および釣り糸から成る動作部を PC で制御して成形する。

このようなタイプの大型造形用3Dプリンターは Ludvigsen 氏の「 Hangprinter 」が最初ではないが、同氏によれば3Dプリンター構成部品の調達費は 250 ドルほどで足りるとし、とにかく安価に組み立てられることが大きな特徴だという。オープンソースの RepRap なので自己複製や自由な改変もできる。

Ludvigsen 氏の話「はっきり言って、3Dプリントにはある程度の作業をこなしたあとで自爆プログラムが作動する2Dプリントと同じ轍を踏んで欲しくなかった。それを防ぐ最善の回避策はオープンソースで、自己複製可能な設計にすることだ。Hangprinter の部品のほとんどは複製可能で、しかも組み立てや複製が容易な仕様となっており、収入源にもなる。自分にとってオープンソースとは富と力をごく普通の家庭に分配すること。自分もそういう家庭に育った」。「 Hangprinter 」動作デモ動画で、同氏はランプシェードを試作している。

Ludvigsen 氏によれば、素材品質や解像度を向上させればもっと多様な製品、家具、完動部品を含む機械製造用途も可能になるかもしれないとしている。現在、同氏はクラウドファンディングサイト上で開発資金を募っている。




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2017年3月17日金曜日

Carbon が CLIP 3Dプリンターを複数台接続可能な「 SpeedCell 」システムをリリース

米国カリフォルニア州サンマテオ郡発:「 CLIP[ 連続的液体面結合製造方式 ] 」搭載3Dプリンター製造で知られる Carbon は現地時間 3 月 16 日、連続3Dプリントシステム「 SpeedCell ™ 」をリリースした。

同システムは同社の最新産業用3Dプリンター「 Carbon M2 」および初号機の「 Carbon M1 」、製品仕上げ洗浄のために新開発された「 Smart Part Washer 」で構成され、生産規模に応じてこのユニットを最適な台数分接続して使用することが可能だとしている( Carbon 3Dプリンターは選択可能 )。

「 Carbon M2 」の最大造形サイズは 191 x 117 x 325 mmで、初代「 Carbon M1 」と比べて大きさ / 製作数ともに約 2 倍の出力能力を持つ。解像度は初代機と同じ 75 µm。「 Smart Part Washer 」はネットワーク経由で「 Carbon M2 / M1 」と接続し、連速的な洗浄工程を自動実行し、複数台数の「 Carbon 」3Dプリンターと接続可能な仕様になっている。

「 SpeedCell 」は試作機製造に特化したデザイナー向けの「 Design SpeedCell 」と「 Carbon 」3Dプリンターを複数台数接続可能な「 Production SpeedCell 」の 2 種類が用意されている。

「 Carbon M2 」の購入は最低 3 年の年間契約に入る必要があり、この契約での価格は 1 台当たり 50,000 USD / 年。「 Carbon M1 」は 40,000 USD / 年。「 Smart Part Washer 」も同様の年間契約ベースで 1 台 10,000 USD / 年となっている。



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2017年3月13日月曜日

Stratasys、2016 年 Q4 決算と 2017 年度予測を発表

米国ミネソタ州発:Stratasys, Ltd. ( NASDAQ:SSYS )は現地時間 3 月 9 日、2016 会計年度第 4 四半期( Q4 )および通期決算を発表した。

それによると、Q4 売上は 1 億7,530 万米ドル( EPS は + 0.15 USD )で、これは前年同期の 1 億 7,336 万米ドル( EPS は - 0.01 USD の純損失 )より若干損失額を圧縮し、またアナリスト予測値よりも上回っているが、同時に発表された 2017 年度通期売上予測が下方修正されたこともあり、発表を受けた同日の取引で同社株価は前日比 9.42 % 値を下げた。

同 Q4 の営業現金収入は 2,600 万ドルで現金相当額も含めて合計した現金総額は 2 億 8,030 万ドル、研究開発費用総額は 2,430 万ドルだった。

Stratasys によると、2017 年度通期売上は 6 億 4,500 万 - 6 億 8,000 万ドル( 非米国会計基準[ non-GAAP ]ベース EPS は + 0.19 - 0.37 USD )、純損失は 3,900 - 5,300 万ドル。

同社は 2016 年度 Q4 に業務用ハイエンド3Dプリンター「 Stratasys F123 」や PolyJet インク新製品「 Agnus 」やカーボンファイバー強化型 FDM フィラメント新製品「 Nylon 12CF 」などをリリースする一方、独 Siemens や仏 Dassault Systèmes との業務提携も発表している。

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2017年3月9日木曜日

多素材 / PCB 対応のマルチヘッド3Dプリンター「 HYDRA 」

米国ジョージア州発:Hyrel International はこのほど、新型3Dプリンター「 HYDRA 」を発表した。

「 HYDRA 」は据え置き型の「 HYDRA 640 」およびデスクトップ型の「 HYDRA 340 」の 2 機種で、両製品とも最大 5 基のプリントヘッドと多素材に対応する。 最大 5 基のプリントヘッドは 25 種類以上もある同社純正交換用ヘッドおよび付属部品の組み合わせから自由に選択できる。対応可能素材は ABS、BendLay、PMC、クレイ、Ninjaflex、ナイロン、PET、PLA、ポリカーボネイト( PC )、ポリプロピレン( PP )、ポーセリン、PVA、RTVシリコン、Sculpey、Sugru、T-Glase などで、腐食性薬品不使用で精密なプリント基板( PCB )の出力もできる。

「 HYDRA 」両製品共に造形ベッドはアルミ製の加熱式( 110 °C )で、オプションで最高 200 °C も選択可能。プリントヘッド取付部は3 段階ステッピングモーター内蔵のガントリータイプで高速静音、高トルク、正確な位置決めの再現性に優れているとしている。

「 HYDRA 640 」の最大造形サイズは 600 x 400 x 500 mm、「 HYDRA 340 」は 400 x 300 x 250 mm。販売価格は現時点では未定。




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2017年3月6日月曜日

英ウェールズの男性が新型3Dプリント義手製作会社を設立

英国ウェールズ発:心理学教師だった男性が片手を失った 2 歳の息子のために3Dプリント義手を製作し、話題になっている。

この男性はアングルシー島在住の Ben Ryan 氏。同氏の息子は 2015 年 3 月に誕生後、まもなく先天性血栓症で左手が壊死し始めたため、左前腕から先を切断する手術を受けた。Ryan 氏は医師から筋電型義手を装着できるようになるまであと 3 年はかかると言われ、また息子が次第に右手だけを使うようになり始めたことからできるだけ早く義手を自作したいと考えるようになり、乳幼児の身体発達についても徹底的に調査して開発に取り組んだという。

Ryan 氏は息子 Sol 君の左腕を自宅にあった 20 英ポンドの「 X Box Kinect 」スキャナーで測定し、Autodesk の「 Fusion 360™ 」でデザインした3D CAD データをStratasys の「 Connex 」3Dプリンターで出力した。試作品プリントまでわずか 5 日しかかからなかったものの、その後は使いやすいように改良を繰り返し、最終的な試作品を完成させた。

Ryan 氏が試作した義手は空気圧や水圧を補助力として利用する二重螺旋ベローズ機構( DAHB )により、義手の親指を開いたり閉じたりすることができ、補助力が切れても手動による操作は継続できる仕組み。同氏によるとこの独自機構は硬 / 軟素材の同時出力に対応する「 Connex 」だから実現したという。同氏はこの DAHB の特許も取得した。

Ryan 氏は同様の先天性要因で手の一部を欠損した乳幼児にも DAHB 機構内蔵の義手を提供するため Ambionics という会社を設立し、現在、医療器具として認証されるために必要な製品試験および CE 、米国食品医薬品局( FDA )認証にかかる経費捻出のために資金調達キャンペーンに専念している。

Ryan 氏の話「私達は3Dプリントのような技術を利用することができて幸運だ。3Dプリントなら従来より早く、低コストで試作ができる。Ambionics を設立した今は、息子と同じ四肢不全の子供たちに従来の人工装具製作の遅さや様々な制約の一切ない装具を提供することが目標だ」。





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2017年3月4日土曜日

格安住宅を 1 日で建造可能な移動式建設用3Dプリンターを開発

ロシア発:移動式建設用3Dプリンターのスタートアップ Apis Cor. はこのほど、小型住宅 1 棟を 24 時間以内で建造可能な新しい3Dプリンターを開発し、実証デモを行った。

それによると、この新型移動式3Dプリンターは小型住宅 1 棟を現地で 24 時間以内に建造可能だとしている。同社はこの移動式3Dプリンターを開発会社 PIK と共同開発し、実証デモはモスクワ市郊外で実施された。プリンターノズルから吐き出されるコンクリートの固結を防ぐため +5°C に保温したテント内で建造作業が行われた。

この新型3Dプリンターで建造できるのは壁など住宅部材のみで屋根、窓、断熱および電気工事、塗装はプリント完了後に別途施工する必要がある。今回試作された住宅は3Dプリント方式ならではの工法を披露するため、ローターのようなユニークな形状の円筒住宅に仕上げられた。同社によると電気工事など追加工事にかかる諸経費を除いた3Dプリントのみの建築費用は 10, 134 米ドル( 1 m² 当たり 275 ドル )と低コストで、耐用年数は 175 年だという。

従来の住宅建設用3Dプリンターは数パーツに分かれた大規模な構造の製品だったり、ユニット毎に工場で事前プリントしてから建築現場に搬入して組み立てる方式が主流だったが、Apis Cor の3Dプリンターは完全なオンサイト型で、建設現場に持ち込んでプリント作業できることが大きく異なる点だ。

Apis Cor の移動的3Dプリンターは小型クレーンのような外観で最大長 5 m、最大高 3.1 m、本体重量約 2 トン。一般重機と同じようにトラックで現地に運び込んで使用する。同3Dプリンター開発者で同社創業者 Nikita Chen-yun-tai 氏は次のように述べている。「弊社は世界中の人々の住環境を向上させる助けになりたいと考えている。そのためには速く、効率的で高性能を同時に実現する工法が必要があり、これを実現するためには重労働を全て肩代わりできるスマートマシンが必要になる」。




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2017年3月2日木曜日

伊 WASP がグルテンフリーフード3Dプリンター試作機を発表

イタリア・エミリア-ロマーニャ州発:クレイハウス建造用超大型デルタ型3Dプリンター「 BigDelta 」開発元 WASP C/O CSP S.R.L. はこのほど、ペーストリー化したグルテンフリー食材の3Dプリントシステムの試作機を発表した。

この試作機は、1 月下旬に開催された世界最大の製菓 / 製パン企業展「 SIGEP 2017 」で参考出品されたもの。同社によると、この試作機はグルテンフリー食材開発会社を経営するシェフの Francesco Favorito 氏と共同開発したもの。ベース機は同社のデルタ型3Dプリンター「 DeltaWASP 20 40 」で、70 - 80°C に保たれたエクストルーダーノズルから半調理状態で出力されたペーストリーを、オーブンで更に加熱して提供する。WASP では SIGEP 2017 の出品以降、試作機の改良を続けている。

グルテンフリー食材の3Dプリントは WASP の他にも先月 25 日、ボローニャ市内で開かれた食の科学イベント会場でも披露されている。出品したのは建築家でデザイナーの Francesco Bombardi 氏で、同じく3Dプリントを含むデジタルファブリケーションによる新しい料理法を開発するファブラボ「 OffiCucina 」の創設者。

3Dプリント調理の利点は食材ロスが少なくすみ、またオンデマンドで調節可能なため厳密な規定食も容易に提供できることにある。WASP はこのデルタ型グルテンフリー食フード3Dプリンターの実用化時期について具体的には明らかにしていない。




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