2015年10月31日土曜日

ISS 用3Dプリント設備が来年前半にも本格運用へ

米国ノースカロライナ州発:カリフォルニア州マウンテンヴュー市に本拠を置く宇宙開発ベンチャー Made In Space, Inc. と、ホームセンター大手 Lowe's Companies, Inc. の研究部門 Lowe’s Innovation Labs( LiL、所在地 ノースカロライナ州ムアーズヴィル )は現地時間 10 月 29 日、国際有人宇宙ステーション( ISS )専用として共同開発した商用3Dプリント設備を来年前半にも 同ステーションに向けて打ち上げ、本格運用に入る予定だと発表した。

両社によれば、この3Dプリント設備は ISS に設置される初の恒久的積層造形設備( AMF )となる。また Lowe's は同社の VR デザインツール「 Lowe's  Holoroom 」第2世代も発表した。Made In Space は昨年 9 月末に ISS に設置された3Dプリント設備を Lowe's と共同開発後、Lowe's と正式に提携し、第2世代「 Zero-G 」3Dプリント設備開発を続けていた

ISS に設置される3Dプリント設備について、同設備管理は Made In Space が担当するが、プリント設備には Lowe's のロゴマークが表示される。

LiL の専務理事 Kyle Nel 氏は次のように述べている。「これは宇宙空間初のハードウェアストアだ。Lowe's は地上における販売方式と同じ方法で、宇宙空間においても必要な道具類を提供可能にする」。

Made In Space 代表取締役社長 Andrew Rush 氏は、今回の協業は、有人宇宙探査の可能性を開拓する同社の長期的目標への第1歩だと言う。

「 Lowe's との協業は宇宙技術開発から惑星探査まで、非常に有効な手段だと考えている。航空宇宙産業の今後の成長にとって不可欠なばかりか、この業界に対する一般の人々の認識にとっても非常に重要なものとなる」。



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2015年10月30日金曜日

ビールかすをリサイクルしてできた3Dプリンター フィラメント「 Buzzed 」

米国ノースダコタ州発:環境に優しいフィラメントの製品ラインアップを持つ 3Dom USA, Inc. はこのほど、ビールかすをリサイクルして作った世界初のフィラメント「 Buzzed 」の販売を開始した。

「 Buzzed 」フィラメントは、ビール醸造工程で出るホップと大麦の廃棄物を原料に使用する。フィラメント色もビールを思わせる黄金色で、自然な木目調の柄も入っている。

同社によれば、「 Buzzed 」は PLA フィラメントに対応する市販の FDM 方式3Dプリンターならその殆どの機種で使用できるとしている。

また同社は「 Buzzed 」に加え、コーヒーかすを原料に使用したフィラメント「 Wound Up 」もリリースしている。両製品とも同社 Web サイト上のショップで購入できる。販売価格は「 Buzzed 」フィラメント1 kg スプールは 49 USD から、「 Wound Up 」フィラメント1 kg スプールは 26 USD から。




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2015年10月29日木曜日

15 歳の高校生が3Dプリント人間型ロボットの製作に成功

ギリシャ発:15 歳の高校生 Dimitris Hatzis 君はこのほど、人間型ロボットを3Dプリンターで製作するオープンソースプロジェクト「 InMoov 」で、無事ロボットを組み上げた。

このプロジェクトは仏人彫刻家でデザイナーの Gael Langevin 氏が発案したもので、同氏が設計したロボットを3Dプリントで製作、組み立てるというもの。ロボット生みの親の同氏をはじめ、現時点でロボットの3Dプリント製作に成功したのはロシア、イタリア、ドイツからの参加者と、ギリシャから参加した Hatzis 君の計6人だけに留まっている。

Hatzis 君はギリシャ北部の港湾都市カヴァラ市に住む高校生。Hatzis 君は毎日、このプロジェクトの「課題」に取り組み、歳の離れた製作仲間と進捗状況をやり取りしながら、1年がかりで完成させた。

「 InMoov 」は、12 cm 四方の造形サイズを持つ一般的な家庭用3Dプリンターで複製可能な人間型ロボットを製作し、相互にシェアする。現在も、新しいアイディアを盛り込んだ提案がなされている。

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2015年10月26日月曜日

Stratasys、「 Objet Dental Selection 」シリーズに大型造形タイプを追加

米国 / イスラエル発:Stratasys, Ltd は現地時間 10 月 26 日、歯科モデル専用3Dプリンター Objet Dental Selection シリーズに「 Objet500 Dental Selection 」を追加した。

同社は歯科モデル製作用途として、今年3月に「 Objet260 Dental Selection 」をリリースしているが、この「 Objet500 Dental Selection 」は、大容積の歯科3Dモデルを大量・高速に出力可能なマルチカラー、マルチ素材対応のハイエンド機種。同社の歯科用3Dプリント素材 VeroDent (MED670)、VeroDentPlus (MED690)、VeroGlaze (MED620)、Clear Bio-compatible (MED610)等に対応し、硬軟取り混ぜた多素材が1回の出力で同時使用できる。

「 Objet500 Dental Selection 」は口腔内スキャナーから実物を忠実に再現した3Dモデルまで、全工程をデジタル生産化することに関心のある歯科技工所にとって最適な選択肢となるかもしれない。

Objet500 Dental Selection の主な仕様

対応素材:
Clear Bio-compatible (MED610)
VeroGlaze (MED620)
VeroDent (MED670)
VeroDentPlus (MED690)
VeroWhite
VeroMagenta
TangoPlus
TangoBlackPlus
人工歯茎タイプ各種
ナチュラルタイプ人工歯各種

サポート材:SUP705

最大造形サイズ( XYZ ):490 x 390 x 200 mm [ Objet260:255 x 252 x 200 mm ]

層厚:水平方向最小値 16 μ

対応プラットフォーム:Windows 7 / 8

ネットワーク接続:LAN、TCP / IP 

本体寸法:
1400 x 1260 x 1100 mm 

本体重量:430 kg 

材料キャビネットサイズおよび重量:330 x 1170 x 640 mm、76 kg

解像度( X x Y x Z ):600 x 600 x 1600 dpi 

仕上がり精度:20 - 85 µm( 50 mm 以下 );200 µm( フルモデルサイズ )

造形モード切替:高品質:16 µm 
高速:28 µm  

電源:単相 1.5 kW、110 - 240 VAC 50 / 60 Hz  

CE, FCC 準拠

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2015年10月25日日曜日

バイオプリント新技術「 FRESH 」で、将来は MakerBot でも動脈や心臓組織が作成可能になる? 

米国ペンシルベニア州発:カーネギーメロン大学材料工学部材料科学および生体工学科准教授 Adam W. Feinberg 氏率いる研究者チームはこのほど、コラーゲンやフィブリン等のタンパク質から心臓や冠状動脈といった生体組織を出力する新たなバイオ3Dプリント技術を開発したと、現地時間 10 月 23 日付の学会誌 Science Advances 電子版に発表した。この研究成果は Creative Commons に準拠した形で無償公開されている。

Feinberg 氏らの発表した論文によると、今回開発した新方式「 FRESH [ freeform reversible embedding of suspended hydrogels ]」は、コラーゲン混合液から粥状の粘性を持つ半固体支持層を作成し、その中に3Dプリンターで液体分子を押し出し、化学物質や光線に曝して様々な粘性を持つゲルと結合させて人工組織を成形した。粥状支持層は人間の体温に近い温度に達すると、内部のゲル組織を残して自然溶解する。

この方式の利点は、作成したソフトマター組織が固結前に崩れる失敗がないことだ。Feinberg 氏は、「コラーゲン、アルギン酸塩、フィブリン等のソフトマターから、冠状動脈や白色レグホーン[ ニワトリの品種名 ]の胎生心臓などを MRI 画像や3Dイメージングを使用して、従来方式では実現できなかった高解像度での3Dバイオプリントが可能になった」と述べている。

Science Advances 電子版では、先月もソフトマターを使用した3Dバイオプリント技術を開発したフロリダ大学航空宇宙工学科助教 Thomas E. Angelini 氏らの研究グループによる研究成果を発表している[ → 既報記事 ]が、Feinberg 氏らの方式で画期的なのは、MakerBot 等の一般コンシューマー向けデスクトップ型3Dプリンターとオープンソースで従来よりはるかに低コストでこのような人工組織が作成可能になったということだ。バイオプリンティングは今後、大きな成長が見込める分野だが、市販3Dバイオプリンターのほとんどで価格は 10 万ドル以上と非常に高額で、操作には高度な専門知識も要求される。

次に Freiberg 氏が目指すのは、今回開発した FRESH に実際の生体組織を投入して人工組織が作成可能かを検証することだ。これまでのところ、単純な筋肉組織細胞シート内での細胞の生存は確認済みだが、今回発表の実験では、生体組織は投入されていない。今回の成果は、その外側の組織を FRESH でそっくり再現する段階に留まっている。

Feinberg 氏は寄稿論文を無償公開したことについて、「他の方も我々の開発した新方式を実際に試してほしいからだ。こちらがまったく思いもよらなかった方法が、そこから出てくるかもしれない」。



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2015年10月24日土曜日

Stratasys が Q3 業績予想を下方修正へ

米国ミネソタ州発:イーデンプレイリー市に本拠を置く Stratasys, Ltd. ( NASDAQ:SSYS )は現地時間 10 月 22 日午前、2015 年度第3四半期業績予想最新ガイダンスを発表した。

それによると、Q3 の収益予測は EPS で+0.03 から -0.02 USD の範囲であり、Thomson Reuters の予測値 +0.08 USD を下回った。収益予測は 1億 6600 万 - 1億 6800 万ドルで、こちらも当初予測の 1 億 8400.77 万ドルを下回り、2期連続の下方修正となった。

同社株価は 22 日終値が 30.87 USD( 前日比 -10.37 % )、時価総額は 1,411,613,000 USD。

また、GAAP[ 米国会計基準 ]に基づく純損失は 1 億 9000 万ドル[ 1株当たり -3.66 USD ]で、うち 1 億 8000 万ドル相当が子会社 MakerBot Industies 資産の評価損になる見込み。同社は 2013 年、MakerBot を約 4 億ドルで買収している。

Stratasys は今回の下方修正をした理由として、今年前半以降のマクロ経済環境が同社の世界展開になお影響を与え続け、主要顧客層が設備投資を控えている点を挙げている。

同社 CEO の David Reis 氏は声明で次のように述べている。「短期的には試練に立たされてはいるが、長期的な3Dプリントの成長のチャンスは確実にあるという弊社の立場は変わらない」。

同社 Q3 決算は 11 月 4 日に発表される。

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2015年10月23日金曜日

3Dプリント材料市場規模、10 年後に3Dプリンター市場規模を上回るか

米国ニューヨーク州発:市場調査会社 Market Research Reports は現地時間 10 月 21 日、3Dプリント材料市場に関する報告「 3D Printing Materials 2015-2025: Status, Opportunities, Market Forecasts 」を発表した。それによると、10 年後の 2025 年には3Dプリント材料の市場規模は3Dプリンター市場規模を上回る 83 億ドルに達すると予測している。

この報告では3Dプリント材料市場の現況と将来の見通しおよび市場予測等を、CooksongoldEvonikDSM N.V. といった世界の3Dプリント材料関連企業 16 社のプロファイルと共に記述している。

現在、3Dプリント技術の応用範囲は研究調査、航空宇宙、建設、自動車、宝飾、医学研究など多岐に渡り、かつては試作中心だった用途も最終完成品として生産に組み込まれる事例も増えてきた。同報告は主要各社へのインタビューと財務情報を開示した上で、2025 年に市場規模が 80 億ドル台にまで成長すると見込まれる3Dプリント材料として、1. 光硬化ポリマー樹脂、2. サーモプラスチックフィラメント、3. 粉体サーモプラスチック、4. 粉体金属、5. 砂型および粘結剤、6. 溶接ワイヤー、7. プラスター素材の 7つを挙げている。

また同報告は、導電性素材、シリコン、生体適合素材、カーボンファイバー、セラミック、グラフェン等の新素材が、高度医療、ロボティクス、航空宇宙分野における3Dプリント応用の立役者となるかどうかのディスカッションも併記している。

「 3D Printing Materials 2015-2025: Status, Opportunities, Market Forecasts 」は PDF ファイル 132 ページで、オンライン販売価格はシングルユーザー版が 4,495 USD、マルチユーザー版が 4,815 USD。

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2015年10月22日木曜日

Madesolid のフィラメント 200 本が当たる3Dプリントコンペが開催中

米国発:3Dプリントマーケットプレイス Pinshape と光硬化樹脂およびフィラメントベンダー Madesolid は合計 200 本の PET+ フィラメントスプール( 1.75 mm 径 )が当たる3Dプリントコンペを共同開催している。

エントリー方法は、1). Pinshape からダウンロードしたデザインファイルを3Dプリントし、それを撮影した画像をアップロードしてエントリーする方法と、2). Facebook アカウントで登録後、Twitter 上で @pinshape をフォローする方法があり、両選択肢の併用も可。1). の場合、アップロード毎にエントリーがカウントされる。

部門1). では賞品として Madesolid の PET+ 製フィラメントスプール 150 本が用意され、「いいね」の獲得数に応じて各応募作品につき1スプールが贈呈される。部門2). のエントリーには登録者に対し、 50 本用意されたフィラメント1スプールの当選資格が与えられる。

Madesolid の PET+ フィラメントは PLA 並みの扱いやすさと ABS 並みの強度を兼ね備えた 100 % 再生利用可能な製品で、価格は 34.99 USD。

コンペの応募締切は今月末まで。

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2015年10月19日月曜日

3Dプリント人工歯で虫歯菌もやっつけるようになるか? 

オランダ・フローニンゲン州発: フローニンゲン大学高分子化学生体工学部教授 Andreas Herrmann 氏率いる研究者チームはこのほど、殺菌作用を持つ樹脂で人工歯を3Dプリントする技術を開発した。歯を失った人にとっては朗報かもしれない。

同研究者チームによると、従来製法の人工歯や矯正器具などは衛生対策にかかる費用負担が非常に高額になってしまう欠点があったが、新開発の手法では殺菌作用のある第4級アンモニウム塩を市販の光硬化ポリマー樹脂に混合した素材を作り、それを3Dプリントすることで製作する。素材内の陽性に帯電した第4級アンモニウム塩が陰性に帯電した細菌を破壊する作用を利用した。Hermann 教授は、「この素材は接触する細菌類を破壊する一方、人体細胞には無害だ」と述べている。

研究者チームはこの新開発素材で人工歯やブレースを3Dプリントして試作し、ミュータンス菌と唾液の混合物を塗布して実験した結果、ミュータンス菌の 99 % が破壊されることが確認された。第4級アンモニウム塩なしのサンプルでは破壊されたミュータンス菌はわずか 1% 未満だった。

現時点では市販の歯磨き粉との耐性など、商品化されるまでにはまだ数多くの試験が必要だ。Hermann 教授は次のようにも述べている。「今回開発した技術は今後の医療応用のあり方も示すだろう。新薬をゼロから開発するよりはるかに短時間で済むからだ」。

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2015年10月18日日曜日

CANON、早ければ2年後にも自社開発3Dプリンターで3Dプリンター市場に本格参入へ

フランス発:Canon Inc. は今月 13 日から2日間開催された「 Canon EXPO Paris 」において、初の自社製新型3Dプリンターで同市場に本格参入すると発表した。

同会場には開発中とされる新型3Dプリンター試作機で製作したオブジェクトが展示されたが、試作機自体は「日本国内のどこかに」あるとし、会場には展示されなかった。

この新開発3Dプリンターについて現時点では詳細は不明だが、液体樹脂ベースのラミネート加工方式を採用するのではないかと言われている。幅広い市販素材に対応する一方、プリントスピードの高速化とコスト削減を同時に実現させ、面倒で時間のかかる後処理不要な仕上がり精度を目指すとし、最終製品生産用としても使用可能な製品開発を目指す。

同社は既に 3Dスキャナーなどのデジタル機器と多数の3Dデータ形式をシームレスに扱えるソフトウェアを開発している。同社によれば参入は早くても2年後になる見通し。

CANON による3Dプリンター市場参入は、大手ベンダーによる動きとしては昨年の HP 以来となり、市場地図を大きく刷新する可能性がある。



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2015年10月17日土曜日

簡単、高速な FDM デスクトップ3Dプリンター「 Leapfrog Creatr HS Lite 」

オランダ・南ホラント州発:アルフェン・アーン・デン・レイン市に本拠を置く Leapfrog BV は現地時間 10 月 14 日、デスクトップ型3Dプリンター新機種「 Creatr HS Lite 」を発表した。

「 Creatr HS Lite 」は同クラス製品では最大の 13.6 L という造形容積を持ち、最大長 28 cm までのオブジェクト製作に対応する。誰でも気軽に扱える簡単操作を前面に押し出したコンシューマー向け製品。シングルエクストルーダー搭載機ながら、HS( high-speed )という名称が示すように、キャリッジの小型軽量化により、最高 300 mm / s という高速プリントも実現している。使用フィラメントは PLA のみ対応で、予熱からプリント作業までにかかる時間も 10 分以内だという[ ベースとなった Creatr および Creatr HS はデュアルエクストルーダーヘッド仕様の製品で、ハイエンドユーザー向け ]。

本体には4インチフルカラー LCD パネルと物理ボタン1つのみが付き、データファイルの入った USB メモリを挿すだけで直接プリントが可能。「 Creatr 」シリーズ向けにカスタマイズしたスライサー「 Materialise 」が付属する[ ベースモデルは Materialise Magics ]。販売価格は 1,699 EUR( VAT 込み価格は 2,055.79 EUR )。

Leapfrog は今年 1 月 に開催された CES 2015 で Materialise との提携を発表し、また欧州市場での同社製品販売代理店契約を大手プロバイダー Ingram Micro Europe と、また日本の Ricoh Europe と締結している[ → 既報記事 ]。

「 Creatr HS Lite 」の主な仕様:

層厚:0.1 mm 
ノズル径:Φ=0.35 mm 
本体外寸:63.3 x 48.6 x 52.3 cm
プリント速度:30 - 300 mm / s 
移動速度:40 - 400 mm / s 
最大造形容積:13.6 L 
対応フィラメント:PLA

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2015年10月16日金曜日

タコのような3Dプリント「人工筋肉」作成に初めて成功

米国ニューヨーク州発:コーネル大学研究者グループはこのほど、「タコ」のような軟体動物の触手の筋肉状組織を3Dプリントで人工的に再現する方法を開発した。

従来の3Dプリントでは、ここまで自由に素早く変形できる能力を備えた柔軟なロボットデバイスは製造できなかった、と論文執筆者で同大学機械工学 / 航空宇宙工学科助教 Rob Shepherd 氏は述べている。

研究者グループの開発した新方式は、人工筋肉に代表されるソフトアクチュエーターを市販の光硬化性エラストマー素材からデジタルマスクプロジェクション( DMP )と呼ばれる光造形3Dプリントで作成するというもの。応力集中による破断を減らすため、プリーツ状に加工して拮抗配置した場合の数値シミュレーションを行い、それを3Dプリントした。その結果、このプリーツ状オブジェクトは 70 分以内に180 ° 回転できたという。

同研究者グループの成果は生体科学誌 Bioinspiration & Biomimetics 最新号に発表されている。

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2015年10月12日月曜日

市販製品の6倍高速なコンシューマー向け3Dプリンター「 Readybox 」

米国メリーランド州発:今年3月に設立されたばかりのスタートアップ Potter Rapid Prototyping LLC は大手ベンダー製コンシューマー向け3Dプリンターの6倍以上も「超速」な新型3Dプリンター「 Readybox 」を開発、現在 Kickstarter 上で資金調達を行っている。現時点で当初目標金額 12,500 USD は既に突破している。

「 Readybox 」は同社設立者で CEO の Brett Potter 氏のアイディアから生まれた。現在 21 歳のメリーランド大学工学部学生の Potter 氏は、2013 年に自身の立ち上げた事業で使用するため初めて3Dプリンターキットを購入して以来、市販のコンシューマー向け / 業務向け3Dプリンターを何台も使用したきた。その結果、廉価帯機種のプリント品質の低さに不満を持った。プリントアウトに失敗し、その都度メンテナンスやパーツ交換などを常に要求される。プリントにかかる作業時間にも大いに不満だった。そこで、独自仕様の3Dプリンターを設計してこれらの問題を解決しようと試みた。

「 Readybox 」は、積層ピッチ 0.05 mm 当たり 400 mm /sでプリント可能だとしている。スピードのネックとなるのが一定時間内にノズルから吐き出されるフィラメント供給速度だが、特許申請中の新エクストルーダー技術を採用し、従来機種にあったような送り出し機構モーターの限界をクリアし、より高速にフィラメントを押し出せるという。

同社によると、この「改良」により、フィラメント供給のスピードアップのみならず、フィラメント詰まりといった問題も同時に解決され、またプリント精度も大幅に向上したという。また LCD 操作パネルと SD カードスロットも搭載し、PC フリーのプリンター単体のみでもプリントが可能。「 Readybox 」資金調達期間は現地時間の 11 月 4 日まで。

「 Readybox 」の主要な仕様:
独自開発高圧エクストルーダーによるフィラメント詰まり防止機構
自動キャリブレーションおよびプリント前の自動クリーニング機構
加熱式造形ベッド( PEI シート )
最大造形サイズ:330 x 330 x 330 mm  
LCD 操作パネルおよび SD カードスロット
32 bit ARM ベースコントローラー
Web インターフェイス
プリント容積:38,115 cm ³  
設置面積:550 x 550 x 560 mm
積層ピッチ:0.05 - 0.4 mm 
最大供給速度:55 mm ³ / s 
最大プリント速度:層厚 0.05 mm 当たり 400 mm / s 
ノズル径:Φ= 0.6 mm 
対応フィラメントおよび直径:PLA、Φ= 2.85 / 3 mm 

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2015年10月11日日曜日

世界最大の3Dプリント パビリオン「 VULCAN 」

中国発:北京市で先月 23 日から2週間にかけて開催された「 Beijing Design Week 2015 」において、世界最大の3Dプリント パビリオンが一般公開された。

VULCAN 」と名付けられたこの3Dプリント パビリオンは長さ 8.08 m、高さ 2.88 m。大型造形専用の3Dプリンター20 基を使用して出力した3Dプリントユニット 1,023 個を組み立てて建造されたモジュールタイプのパビリオン。名称の「 VULCAN 」は、うねるような純白の格子状構造物が「火山」を想起させることから、火山[ volcano ]の語源である鍛冶の神ウルカヌス[ Vulcanus, ラテン語 ]にちなんだもの。

この3Dプリント パビリオンを製作したのは、クリエイティヴデザイン研究所の Yu Lei、Xu Feng の両氏。名称こそ「火山」に由来するが、当初のデザインコンセプトは繭玉から触発されて生まれたものだった。

Yu Lei 氏は次のように述べる。「VULCAN は、デジタルデザイン / デジタルファブリケーションによってコンセプト段階から実際の建築まで、理想的デザインが獲得可能になったという新しい現実を示している。今後、テクノロジーとアートの境界線はますます曖昧になっていくだろう」。

「 VULCAN 」は世界最大の3Dプリント構造物として、「ギネス世界記録」に認定された。

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2015年10月10日土曜日

MakerBot が再レイオフを発表

米国発:Stratasys Inc. 傘下の MakerBot Industries は現地時間 10 月 8 日、全従業員の 20 % をレイオフすると発表した。

「弊社は1個のチームとして多大な成果を挙げてきたが、業界内での課題が山積するにつれ、その影響を被ることにもなった。直近の四半期決算でも弊社の目指す野心的目標には到達していない。弊社の将来の成長と成功を確保するため、抜本的変更を実施する必要がある」と、同社 CEO Jonathan Jaglom 氏は同社ブログに投稿した。

今年 4 月、MakerBot は 約 100 名の従業員のレイオフを実施している。同社は今回の発表の詳細についてコメントは差し控えるとしているが、約 80 名の従業員が解雇される見通しだ。

このような人件費削減策に拘らず、Jaglom 氏は教育機関やGE等の大企業との提携関係についても強調している。同社製3Dプリンターは米国全土で 5,000 以上の学校で使用されている。

同社は 2013 年、4億 300 万ドルで Stratasys Inc. に買収され、子会社となっている。

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2015年10月6日火曜日

スタイリッシュで高解像度の FDM 3Dプリンター「 ZERO 」

イタリア・トスカーナ州発:現地時間 10 月 2 日、Kenstrapper Srl. は高解像度のデスクトップ FDM / FFF 3Dプリンター「 ZERO 」をリリースした。

「 ZERO 」開発に当たって同社が目指したのは、シンプルで直感的な操作のみで完結し、出力ミスを極力減らすことだった。

そのため「 ZERO 」には 150 秒以内にプリントベッド調整を完了する自動キャリブレーション機構、指先だけで全操作を可能にする 2.8 インチタッチパネル「 Siaren 」、フィラメントの供給状況を監視し、フィラメント切れを起こしても交換するだけで作業が再開できる「 Filament Guardian 」、停電を自動検知して作業途中状態を保護し、再起動時に再開できる「 Pheonix System 」などが用意されている。「 Siaren 」パネルは見やすいように 30 度の角度をつけて取り付けられている。

本体サイズは 520 x 590 x 575 mm、最大造形サイズは 260 x 260 x 280 mm、プリント速度は 10 mm - 330 mm /s、最大解像度は 20 μm( 低速モード、通常モードでは 100 μm )。

「 ZERO 」の販売価格は 2,750 EUR。

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2015年10月5日月曜日

3Dプリントモデルで難病の7歳の小学生を救え

アイルランド・ウォーターフォード州発:アードモア市に住む7歳の小学生 Katie Parke ちゃんは、ガス交換を行う肺胞内にタンパク質が蓄積する肺胞蛋白症という難病に侵されている。Katie ちゃんのような症例は極めて稀で、女性で罹患しているのは世界で彼女も含めて3人だけだという。

Katie ちゃんは年に2回、ロンドン市のグレート・オーモンド・ストリート小児病院( GOSH )に通院して肺胞内を「清掃」する必要があるが、母親の Sharon さんは「この治療には肺組織の一部を切り取る必要があり、そのためこのような治療法は実施されたことがなかった」。

そこで主治医らは安全に施術するために、Katie ちゃんの気管の3Dプリントモデルを作成してシミュレーションを行うことに決め、Katie ちゃんの気管の CT スキャン画像を基に3Dプリンターで出力した。

デリー市のソーンヒルカレッジ女子校の教師と生徒達は Katie ちゃんの通う小学校を訪問し、3Dプリンターがどのように Katie ちゃんの気管モデルを出力するかを実際に披露して、Katie ちゃんのクラスメートにも説明した。

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2015年10月4日日曜日

2015 年第3四半期に EC サイトで最も売れた3Dプリンターは? 

米国発:ワシントン州ベルヴューに本拠を置く調査会社 JeeQ Data LLC は、BestBuy.com、Amazon.com 等大手 EC サイトにおける 2015 年第3四半期3Dプリンターの販売実績データをまとめた結果を公表している。

それによれば、同期間内における BestBuy.com サイトで最も売れた3Dプリンターは、3D Systems の「 Cube Wireless 3D Printer ( 999.99 USD )」だった。次いで XYZ Printing の「 da Vinci 1.0 AiO 3D Printer ( 799.99 USD )」、そして 3D Systems 「 Sense 3D Scanner ( 399.99 USD )」がランクインした。

対して、同期間内における Amazon.com 上の3Dプリンター販売実績首位だったのは、Flashforge USA の「 Creator Pro ( 1,349 USD )」だった。次いで 3Doodler の「 3Doodler 3D Printing Pen 」、そして HIC Technologies のオープンソース DIY 3DプリンターPrusa i3 」だった。

また JeeQ Data は、第3四半期各週の3Dプリンターベンダー別販売集計データも公表している。

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2015年10月3日土曜日

ベルリンに3Dプリントキャンディーショップがお目見え

ドイツ発:大手製菓会社 Katjes Fassin GmbH + CO. KG は、3Dプリンターで出力したフルーツグミキャンディーをベルリン市中心部ミッテ区の同社直営店「 Cafe Gruen Ohr 」にて販売している。

「 Magic Candy Factory 」と名付けられた特設売り場では、同社ロゴを刻印したオリジナルの3Dプリンターが設置されている。顧客は備え付けのタブレット端末から、タコやピラミッドなど 14 種類のテンプレートデザインと数種のフルーツフレーバーとを組み合わせて選ぶ。キャンディーでオリジナルメッセージを作成することも可能だ。

Masali Public Relations の Stephanie Speckmann 氏は次のように述べる。「加熱したフルーツガムミックスを1層ずつノズルから絞り出して様々な形状や単語を作っている。常温に晒されると固まりやすいフルーツガムミックスの性質を利用してプリントアウトし、3D効果を出している」。

この3Dプリントグミキャンディーは1個当たり 5 EUR で注文できる。キャンディーメッセージ作成は 10 EUR から。

親会社 Katjes International の昨年の総売上高は 1 億 4600 万ユーロだった。同社はこの3Dプリントキャンディーをベルリンの同店以外の欧州各地の直営店舗での展開も計画している。



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