2013年10月18日金曜日

宇宙船から人体器官まで:'3D: printing the future' が開催中

ロンドンの科学博物館は 10月 9日から、'3D: printing the future' と題する 3Dプリンティング・テクノロジー関連の展示を開始した。会期は2014年6月15日まで。大英博物館などと同様、同展も無料で誰でも楽しめる。

すべて 3Dプリントで製作された展示品は600 点を超える。航空機用の超軽量部材からインプラント、義肢、製作者自身の MRI 画像とセントポール大聖堂のデザインとを組み合わせた斬新なアート作品、火星の土壌サンプルを地球に持ち帰る探査計画で建造されるロケットに使用予定のチタニウムでできた複雑な格子細工など、多岐にわたる。

3Dプリント技術には従来の製造技術にはないさまざまなメリットがある。航空機用の部材を 3Dプリントで製造する場合、従来品よりさらに軽い部材の製作が可能なため、燃料コスト削減につながる。また、クイーンズランド工科大学からは生物分解性のパッチが出品され、たとえば頭蓋骨陥没などの損傷を受けた部位に使用し、これをベースに新たな頭骨の生成を促すといったことも可能になるという。同大学では他に 3Dプリントで人工の耳と鼻も試作している。またリヴァプール大学、ノッティンガム大学からも、同様な 3Dプリントアウトで製作した人工器官が出展されている( 3Dプリントで製作した人工膀胱と、義肢 )。

本展は主として 3Dプリント技術の切り開く未来像がどのようなものになるか、
に焦点を絞ったものだが、展示品の一部にはすでに実用化されている 3Dプリント製作品もある。

最先端テクノロジーに敏感なアーティストのみならず、日常生活から医療、宇宙に至るまで、その応用範囲の幅広さも、3Dプリントの持つひじょうに大きな特徴といえるのではないだろうか。

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