2021年11月28日日曜日

英眼科病院が世界初のフルデジタル・3Dプリント義眼を患者に装着

英国発: ロンドンの眼科専門機関ムーアフィールズ病院はこのほど、フルデジタル・3Dプリントのみで製作された義眼を世界で初めて患者に適用したと発表した。
同病院医師によると、臨床試験でこの新技術が多くの患者に有効なことが証明され、義眼待ちの時間を少しでも減らせるものと期待する。
従来工法によるアクリル製義眼は眼窩形成で侵襲的処置が必須で、未成年者の患者では全身麻酔をかけなければならないケースがあるなど相当の困難が伴っていた。
義眼製作手順は、まず眼窩の簡単な3Dスキャンを行い、3Dプリンター用に患者の眼窩モデルを作成する。患者の正常に機能する眼球もスキャンを行って、義眼の精度を高めている。こうして作られた3Dデータが3Dプリンターに送られてプリントアウトされる。
3Dプリント義眼を装着した患者の Steve Verze 氏(47)は、「20歳から義眼を必要としていたが、問題は見た目の悪さ。しかしこの新しい3Dプリント義眼はすばらしい。今後どんどん改善されていくことでしょう」と喜ぶ。
現在の義眼製造工程は完成までに 6週間を要する場合があるが、3Dプリント義眼ではその時間は半分に短縮され、3Dスキャニングによって正確な義眼製作も可能になった。