2015年6月27日土曜日

赤血球より小さい3Dオブジェクトが作れる超高解像度3Dプリンターを開発

韓国発:蔚山科学技術大学校( UNIST )の研究者チームはこのほど、ヒトの赤血球よりも小さい3Dオブジェクトを生成可能な超高解像度の3Dプリンターを開発したと発表した。

同研究者チームを率いる材料工学科教授 Jang-Ung Park ( 박장웅 )氏によれば、新開発の3Dプリンターは最高 0.001 mm 四方の超極細オブジェクトの出力が可能だという。ちなみにヒトの赤血球の大きさは 0.006-0.008 mm だ。

この高解像度を実現したのが、Park 教授らのチームが独自に開発した electrohydrodynamic inkjet printing と名付けられた新技術。通常のインクジェットプリンターとよく似た機構だが、装填されるのは極小オブジェクトを積層するために開発された特殊インク。

Park 教授によれば、エレクトロニクス産業、特に半導体製造工程への応用が期待できるとしている。この超高解像度3Dプリンターは現行のフォトリソグラフィー技術では困難なパターンの精密回路も製造でき、同時に部品点数のスリム化により、製造コストの大幅な削減も期待できるという。また、現行の半導体製造工程におけるフォトリソグラフィーは高温環境が必要だが、同教授らチームの開発したこの3Dプリンターは常温で製造可能な点も大きな特徴だ。

市販の一般的な3Dプリンターは積層の痕跡が残り、滑らかな表面加工は困難だが、Park 教授のチームの開発したこのような超高解像度3Dプリンターなら、そのような欠点も一掃できるかもしれない。

Park 教授の研究者チームの開発したこの新技術は、さらに薄いスマートフォン、テレビ、ノート PC、あるいはエネルギー低消費型軽量ガジェットが求められている中で、多方面において非常に大きな影響を与える可能性がある。

同研究者チームの研究結果は Advanced Materials 電子版に発表された。

参照元記事1
参照元記事2