2017年4月27日木曜日

Desktop Metal、世界初の低価格デスクトップ金属3Dプリンター「 DM Studio System 」を発表

米国マサチューセッツ州発:3Dプリンタースタートアップ Desktop Metal, Inc. は現地時間 4 月 25 日、オフィス環境完全準拠の安全かつ高速な世界初のデスクトップ金属3Dプリンター「 DM Studio System 」と大量生産向け大型製品「 DM Production System 」2製品を発表した。

「 DM Studio System 」は従来製品のような有害な粉末粒子やレーザー、カッター等を一切使用せず、新開発の専用カートリッジから一般的な FDM ライクに金属配合素材を押し出して造形する同社特許技術「溶着金属堆積( BMD )」を搭載、同一形状製品の正確な繰り返し製造ができるとしている。焼結機構をプリンター本体と切り離したセパレート型にすることで安全性と低コスト化を実現している( 焼結温度は最高約 1,500 ° C )。価格も従来製品より 10 分の 1 ほどの 120,000 米ドル( 3Dプリンター本体とマイクロ波強化焼結炉のセット )から。最大造形エリアは 300 x 200 x 200 mm、プリント速度は 16 ³cm /h、層間解像度は 50 μm。クラウドベースソフトウェアとタッチパネル搭載で、3D CAD からプリントまでシームレスに行えるため、金属造形に関する専門知識がなくても操作できる。

同社設立者の 1 人で現 CEO Ric Fulop 氏の話「従来の金属3Dプリント技術はもっぱら産業現場の技術で、言わば 1970 年代のパンチカード式コンピューターのようなもの。金属3Dプリントは高コスト、加工の遅さ、有害な素材などで生産現場のニーズに応えられずにいたが、材料科学、機械工学分野の世界最高の頭脳を擁する弊社は複雑な形状でも高強度の金属製品を安全に生産可能にする金属3Dプリント技術開発により、従来の障壁を克服した」。

「 DM Production System 」は BMD と同様に同社の特許技術「シングルパスジェット( SPJ )」により、従来の直接金属焼結( DMLS )方式と比べて最大約 100 倍もの高速化を実現しているという。想定販売価格は 360,000 米ドル。

「 DM Studio System 」の先行予約は 5 月から開始、出荷開始時期は 9 月ごろを見込む。「 DM Production System 」も同様に先行予約は 5 月から受け付けるが、出荷時期は来年になる見通しだ。

同社は 2015 年に設立され、既にその斬新な発想による新技術に期待する IT ベンチャーキャピタルや業界( GV、BMW Group、GE、Lowe’s、NEA、Stratasys )などから総額 9,700 万ドルの出資を受けている。

参照元記事1.
参照元記事2.
参照元記事3.