2020年3月3日火曜日

スイスの研究者グループが世界最速の3Dプリント方式を開発

スイス発:スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)応用フォトニクスデバイス研究所(LAPD)の研究者グループはこのほど、ソフト素材を使用した小型・高精度パーツの製造を超高速で行う新しい3Dプリント方式を開発したと、専門誌 Nature Communications 電子版上に発表した

同グループによると、この新方式ではプリント開始から完成まで 30 秒もかからず、現時点で世界最速の3Dプリント方式だという。原理は CT スキャンで使用される断層撮影術を応用したもので、液体樹脂素材にレーザーを全方位的に照射して一気にポリマー化して固結させる。試作機は2cm 大のオブジェクトを 80 μm の精度でプリントアウトが可能。将来的には 15 cm 大のオブジェクトまでの造形性能を目指す。

今回の研究成果で画期的なのはその高速プリントもあるが、ソフト素材による超小型・高精細なオブジェクトを作成できる点。従来の積層方式では強度不足による破損がネックとされてきたが、この新方式はその問題も克服されている。同グループはおもにソフト素材が多く使用される再生医療向けに最適だとし、この新方式3Dプリンターを商品化するための会社 Readily3D も設立した。





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