2021年6月12日土曜日

米豪の共同研究チームが「目と頭脳を持った」新しい医療用3Dプリント技術を開発

オーストラリア発:クイーンズランド工科大学教授 Dietmar Hutmacher 氏とオレゴン大学教授 Paul Dalton 氏はこのほど、マシンビジョンと人工知能( AI )を組み合わせた医療用3Dプリンターによる、オールカスタムメイドの組織インプラント施術を可能にする共同研究を発表した。
それによると、両教授率いる米豪の共同研究チームはヒトの心臓弁、骨組織の足場材、歯の組織の再生医療用の膜組織、最小侵襲手術用のソフトアクチュエーター(ソフトロボティクス)など、過去に3Dプリントされたことがないさまざまな生分解性人工組織の3Dプリント化を可能にするという。
Hutmacher 氏は、次のように説明する。「我々は、メルトエレクトロライティング(MEW)プリンターとマシンビジョン、およびマシンラーニングシステムを組み合わせたビジョンシステムを開発した。これは、押し出された繊維状材料の軌道全体を画像化して、リアルタイムでエラーを修正し、同時にマシンラーニングシステムが送られてくる情報をもとに足場材の繊維径を予測して、より精確な最終製品を作るのが目的だ。マシンビジョンと AI が加わることで、MEWプリンターにはこれまで欠けていた “目”と“頭”が備わり、人間には認識不可能なプリントパラメータの自律的調節も可能になるだろう」。