2021年7月23日金曜日

オランダで世界初のステンレス鋼製3Dプリント橋が完成

オランダ発:アムステルダム市内の運河にこのほど、3Dプリントで建造された世界初のステンレス鋼製の橋「MX3D Bridge」が完成した。
「MX3D Bridge」は歩行者および自転車専用の橋で、全長は 12 m、溶接トーチを装着した市販の産業用6軸ロボットアーム4基を使用して、半年がかりで出力された。出力された橋の各パーツは、アムステルダム中心部アウデザイツ・アフテルバーフワル運河に「架橋」された。総重量は 4.5 トンで、これは金属3Dプリント構造物としては世界最大になる。
同橋は 2018 年 10 月に開催された、「 Dutch Design Week 」で展示公開されたものと同じ。 橋の出力完了後、同橋には 10 数個のセンサーが取り付けられ、通行量や天候の変化で橋の構造面に現れる歪みやズレ、振動、温度変化などを監視する仕組みが導入されている。収集された各種データは、今後の3Dプリント橋のデジタルモデルに反映されることになっている。
将来的には、このユニークなステンレス鋼製橋のデジタルモデルを活用して橋の構造的特性の研究や、データの変化を機械学習させてメンテナンスや補修の必要性の判断に役立てられるという。さらにはより大規模で複雑な建造物において、鋼鉄製の3Dプリント構造物をどのように利用するかの判断への活用も期待されている。