2022年3月30日水曜日

ヒトの精巣細胞の3Dバイオプリントに世界で初めて成功

カナダ発:ブリティッシュコロンビア大学の研究グループはこのほど、ヒトの精巣細胞の3Dバイオプリントに世界で初めて成功した。
同グループによると、バイオプリントから 12 日後も人工細胞は生き残り、一部は特異性細胞へと進化した。そして将来的に、精子の生産能力を持たせるうえで期待できる兆候も見られたという。機能的で生存可能な男性生殖細胞のバイオプリントにはまだ程遠いが、男性不妊に対して医療的解決策を提示できる可能性を示す、重要なステップと言えるだろう。
不妊症の研究を含め、医療用 AM(積層造形)の進歩は驚くべき進化を続けている。草創期のプロジェクトでは 2017 年、不妊のマウスにバイオプリントした人工卵巣を移植し、健康体の子供を産んだノースウェスタン大学マコーミック工学院の成功例がある。今回のバイオプリンティングは男性不妊の解決を目指したもので、将来的には男女両性における生殖機能問題に医師が対応可能になる技術だ。