2024年5月1日水曜日

メキシコは3Dプリント産業のあらたなハブとなるか? 

カナダ発:米国勢調査局のデータによると、メキシコが中国を抜き、米国最大の輸入貿易相手国となった。メキシコの対米輸出総額は 2022 年初来の 11 ヵ月間で 3,807 億米ドルに達し、中国の 3,524 億米ドルを上回った。メキシコの対米輸出は、前年同期比で 18.1 % 増加した。
中国は 2015 年以来、長らく対米輸出で首位だったが、中国国内のゼロコロナ政策に関連した供給網の混乱や生産活動の停止の影響で、メキシコに首位を明け渡した格好だ。さらに、米国近くに生産拠点を置く「ニアショアリング」の取り組みにより、米国境の南接地域の生産能力はアップした。輸送コストも低く、納期の短縮も実現できるため、米企業の多くは海外の遠隔地からの輸入より、隣国メキシコからの輸入にメリットを感じている。 メキシコでは事業拡大のチャンスが見込めるため、3Dプリント関連企業はそれを活用すべきだ。以下は、メキシコで3Dプリント事業の展開を行っている 4社の実践例だ。
Axolotl Biosciences ─ メキシコの再生医療と組織工学に特化したスタートアップ。3Dバイオプリント技術を利用して、研究や移植のための生体組織や臓器プリントを目指す。同社はメキシコと米国の双方で事業展開を行っている。
Idinsa ─ 本社メキシコシティ。メキシコにおけるデジタルマニュファクチャリングのリーダー的企業。航空宇宙、自動車、医療、コンシューマ向け製品の各部門に対し、産業グレードの3Dプリントサービスを提供する。3Dスキャニング/モデリングから材料/技術の選択、最終部材の製造に至る幅広いサービスを用意。
● Mobility3D ─ メキシコ第2の都市モンテレイに拠点を置く、リハビリ市場に特化した3Dプリントモビリティデバイスの供給企業。患者個々のニーズを把握するため、理学療法士や医師と協力して患者の全身を3Dスキャンし、高度な義肢装具類を含む軽量デバイスを製作する。
● Zua Robotics ─ メキシコ国内の住宅不足を3Dプリント技術で解決することを目指す。コンクリート3Dプリント技術を使用し、廉価な住宅を短期間で建設する。住宅はデジタルモデルによるカスタマイズが可能で、専用マシンによりオンサイトでプリントが実行される。工程の合理化で人件費は削減され、工期も従来工法より 60% 短縮している。

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