2015年1月6日火曜日

電子回路基板まるごとプリント可能な世界初の3Dプリンター「 Voxel8 」

米国マサチューセッツ発:ハーヴァード大学生態学習工学教授 Jennifer A. Lewis 氏ら数名によって設立されたスタートアップ Voxel8 は、世界初の電子基板プリント可能な3Dプリンター「 Voxel8 」を、6日から開催される「 CES 2015」に出品すると発表した。この新型プリンター開発に当たり、同社は先月、ベンチャーキャピタル Braemar Energy Ventures から資金援助を受けている。

「 Voxel8 」は一般的な FDM / FFF 方式のデスクトップ3Dプリンターと同様に操作できるが、通常のエクストルーダーとは別のノズルから高導電性インクが排出され、電子回路を組み込んだ製品の出力を可能にしている。独自開発した銀素材の導電性インクは、現在市販されている導電性インクペーストの約 5000 倍もの導電率を持つ。最初に電子回路をプリントアウトし、それが終わると通常のサーモプラスチック フィラメントによる造形工程に移行する。集積回路や LED といった部品を造形中の製品に組み込む場合は自動停止後、造形ベッドごと取り外して手作業で取り付けられ、ベッドを戻せばプリント作業は再開される。「 Voxel8 」を使用すれば、部品組立工程不要で電磁石コイルやアンテナといった部品の設計・製造が可能になる。

PLA フィラメント4スプール、導電性インクカートリッジ 10 本パック、スペア造形ベッド付きの「 Voxel8 開発者向けキット」は先行予約が可能で、先行販売価格は 8,999 USD。頭金 500 USD で、残金は製品出荷時に支払う標準購入プランも用意されている。

「 Voxel8 」の主な仕様:

最大造形サイズ:10 x 15 x 10 cm
プリント方式:FFF / FDM、ニューマチック ダイレクトライト
層間解像度:200 µm
使用可能フィラメント径:φ= 1.75 mm 
導電性インクトレース幅:250 µm
導電性インクトレース長:60 m / カートリッジ
対応ファイル形式:AMF、STL、PLY、OBJ、OFF
抵抗率:5.00 x 10-7 Ω-m




なお Voxel8 はこのアナウンスに合わせて、「 Spark 」プラットフォーム ベースの設計ツール「 Project Wire 」への参画を表明した。同プロジェクトは、電子回路付きコンポーネントの設計の自由度を高め、多素材を組み合わせた3Dプリントによって簡単に製品化してもらおうとする試み。

Voxel8 の「 International CES 2015」展示ブースは、ラスベガス市サンズエキスポ国際会議ホール内 71726。

参照元記事