2015年1月26日月曜日

カナダでも地方の公立図書館が3Dプリンター導入を計画中

カナダ・オンタリオ州発:6歳の Sean O'Rourke 君は、1つ上の兄 Liam 君がWindows に標準搭載されている画像編集ソフトでデザインした可愛いおもちゃが、目の前のノズルから吐き出される溶けた樹脂によってカタチになってゆく様子にすっかり釘付けになった。他にも親子連れが数組、その光景に目を見張っていた。

オンタリオ州公認工学技師( C.E.T. )資格を持ち、サマーキャンプなどを通じてロボット工学を教えてきたセント フランシス ザビエル高校教員 Kirk Charette 氏は、孫の Thomas Werden 君と一緒に、ラムトン郡のサーニア市立図書館で、今月 17 日から来月 28 日までの毎週土曜日、図書館利用者を対象に3Dプリンター体験講座を開き、コンピューターで出力したデジタルデータから、プラスチック樹脂を溶融させてプリントアウトする工程を来館者にデモンストレーションしている。

Liam 君は、おもちゃが冷えて手で持てるようになると、こう言った。「とってもかっこいい」。同図書館でデモを披露しているのは、価格 1,600 CAD の FFF 方式の製品だ。 「今度はロケットブーツを作って欲しい」。

FFF 方式の3Dプリンターで作るのは少々厄介かもしれないが、いずれラントン郡の全公立図書館に3Dプリンターが配備されれば、Liam 君の希望も叶えられるだろう。

今、ラントン郡公立図書館では、3Dプリンターの配備を計画している。同郡図書館サービス部長 Laurel Van Dommelen 氏は、次のように述べた。「少なくとも1館には自前の3Dプリンターを手配したいと考えています」。ただし現時点では3Dプリンター導入時期や導入館数などは未定で、2か月後に郡予算が承認される時まで待たなければならないという。

同氏はまた、図書館利用者が3Dテクノロジーに触れられる機会を提供するという発想について、「とてもわくわくしています。図書館は、たとえば手に入れられない本を閲覧したりと、人々が希望する何かにアクセスしてそれを利用することができる場所なのです」。

「まだまだ新興技術なので、新入学児童向け3Dアプリが既にあることを知っている人も少ない」と講座主催者 Charette 氏。「中には3Dプリントにすっかりはまる子どももいて、そんな子達はさらに高度な高学年向けアプリを学習したりしています。この講座では公立図書館という場を活用し、新入学児童でも簡単に扱える内容から始めて、3Dテクノロジーを利用できるようにしています」。


サーニア図書館の3Dプリント公開講座:1/ 17 - 2/ 28 の毎土曜日、こども図書エリア( AM 11:00-12:00 )、一般向け図書エリア( PM 12:00 - 13:00 )

参照元記事1
参照元記事2