2015年3月27日金曜日

「 CLIP 」よりもさらに高速? な新型 DLP 3Dプリンター「 GizMate 」等3機種

オーストラリア発:先週の  Carbon3D, Inc に引き続き、SLA( 厳密には DLP、Direct Light Processing )方式3Dプリント技術に一大飛躍をもたらす起爆剤となりうる新技術が開発された。

開発した Gizmo 3D Printers によれば、原理は Carbon 3D の採用する「 CLIP 」テクノロジーとほぼ同じく、光硬化樹脂に光を連続的に照射させてシームレスに造形するが、「 CLIP 」は光源が光硬化樹脂浴槽の底面から照射される「ボトムアップ」型であるのに対し、こちらは樹脂浴槽の上面から照射する「トップダウン」式。ボトムアップ式や FDM 型3Dプリンターと比べてシンプルな構造になり、その分不具合も起こりにくく交換部品点数も少なくなり、また Carbon 3D の開発した「 CLIP 」よりもさらに高速な造形が可能になったという。使用する樹脂を 22°C まで加熱することで、より滑らかなフローと高精度を実現し、異なる色の樹脂を使い分けられるマルチカラーバット仕様になるとしている。

同社を設立した Kobus du Toit 氏は次のように述べている。「トップダウン式は、ボトムアップ式のような樹脂の吸い付きトラブルがないため、より大型のオブジェクトの出力ができる。Form 1 のように、1層ずつレーザーで3Dオブジェクトを形成する SLA 方式では小型オブジェクトの場合はそれでよいが、一度に多くの3Dオブジェクトの製作には不向きだ。B9 Creator や Kudo 3D の Titan 1 といった既存の DLP 3Dプリンターはいずれもボトムアップ式であり、Carbon 3D では最下層に酸素透過膜( デッドゾーン )を作って吸い付き問題の解決を試みている。トップダウン式なら、そのようなトラブルを気にせず大型3Dオブジェクトがプリント可能になる」。同氏は、 150 mm x 80 mm x 26 mm までの3Dオブジェクトを、Z軸方向解像度 50µm で約6分でプリントアウトできるとしている。

また同氏によれば、製作請負先との調整がうまく行き次第、Kickstarter 上で資金調達を9月以降、開始する計画とのこと。計画では、「 GiziMate( 400mmx 200mm x 200 mm) 」、「 GiziPro( 400mm x 200mm x 350mm )」、「 GiziMax( 400mm x 200mm x 850mm )」の計3サイズの機種を用意する。機種ごとの出資金額は、「 GiziMate 」と「 GiziPro 」スタンダード仕様が 2,500 ドル、「 GiziMax 」が 6,000 ドルで、Carbon 3D にはない「企業秘密の超高速プリントを可能にする」アドオン搭載を希望する向きには、さらに 2,500 ドルを追加すればその機能も込みの仕様として出荷するとしている。



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参照元記事2
参照元記事3.