2015年3月2日月曜日

辺境地に電気を! 3Dプリント小型風力発電装置の挑戦

カナダ・オンタリオ州発:ウィンザー大学博士課程に在籍する Kyle Bassett 氏は、3Dプリントを活用した小型風力発電装置を考案した。

同氏は、Ontario Centers of Excellence 主催の、辺境地帯のエネルギー問題解決を競うコンテストにこの小型風力発電装置でエントリーする。この風力発電機は3Dプリント製品を含む部材を現地で簡単に組み立てたり、分解してコンパクトに収納( 100 x 10 cm )することも可能な設計になっているため、輸送費用を抑え、辺境地帯への搬入もしやすい。リチウムポリマーバッテリー内蔵なので、無風の日には蓄電した電気を供給可能。

風力タービンの出力は5Vで、携帯端末、GPS といった USB 接続機器の充電が可能。Basset 氏は、将来的には風力タービンを複数基つなげて、さらに発電量を大きくしたい考え。

この風力発電装置の設計時に念頭にあったのは、どこにでもある部材で早く製造でき、完成品を早く現地に展開できるようにすることだった。この点において、3Dプリントはまさにうってつけの方式だった。Basset 氏によればこの発電装置の試作機はすでに大きな成果を収めており、もしコンテストに上位入賞すれば、風力タービンの設計仕様をオープンソースライセンスで一般公開し、多くの人に利活用してもらいたいとしている。

Basset 氏は修士号取得後、1年半をニカラグアのベネシアで過ごした。現地の共同体に電気が通じていないことを知った同氏は、この問題解決に立ち上がった。現在の装置の原型となる発電タービン装置を組み立ててつなぎ、ローカル発電所を作った。クリーンエネルギーから生み出される電気はたちまち現地の人を引きつけ、懐中電灯や携帯電話を充電しようと遠隔の地区からやってくる人も出始めたという。

Basset 氏がエントリーしているコンテストの最終結果発表は今月、発表される。また同氏は4月、Kickstarter 上でも出資者を募る予定だ。



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