2015年7月3日金曜日

難病に苦しむ赤ちゃんのために3Dプリントで補助器具を製作

米国ミシガン州発:グランドヴァレー州立大学( GVSU )大学院生 Joseph Kissling、Samuel Brooks Schaefer の両氏はこのほど、脊髄性筋萎縮症( SMA )の赤ちゃんのために3Dプリントで補助器具を製作した。

1歳8か月になる Lylah Gritter ちゃんは、急性とされるI型 SMA という先天性疾患に侵されている。この遺伝性疾患は筋萎縮性側索硬化症( ALS )と同じ運動ニューロン病の一種で、四肢機能の麻痺から徐々に進行する難病だ。

Kissling、Schaefer 両氏は Lylah ちゃんが両腕を使えるようにするための補助器具の開発に取り組んだ。「 Angel Arms Exoskeleton 」と名付けたこの補助器具を製作するため、2人は大学側の協力により、学内の3Dプリンター「 Stratasys Dimension 1200es 」を使用して Lylah ちゃんの両腕をバネとゴムバンドで連結した計 12 のパーツで吊り上げる器具を完成させた。補助器具は ABS 樹脂製で、最大限の強度を持たせるため非中空構造にした。12 のパーツの出力は延べ 25 時間ほどかかった。

Kissling、Schaefer 両氏はこの経験をもとに、今回設計製作した Angel Arms Exoskeleton のデータをオープンソース化して、一般に市販されている部材で誰もが3Dプリントで自作できるよう公開する準備を進めている。

Kissling 氏は次のように述べている。「製作用ファイル群を公開すれば、皆が各自の用途に最適な形にカスタマイズできるし、誰かがさらに優れた仕様を案出してくれるだろう」。

この Angel Arms Exoskeleton は現在、5 x 5 night というミシガン州で毎月開催のコンペティションに参加中だ。Kissling、Schaefer 両氏は可能ならば優勝して、賞金 5,000 ドルを獲得し、その賞金で製品に改良を加えたいと考えている。投票結果の上位5つのエントリーが、今月 28 日に行われる公開審査に進出する。



参照元記事