2016年12月30日金曜日

豪研究所が心臓に直接移植可能なバイオ3Dプリント技術を開発

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州発:シドニー市のハートリサーチ研究所( HRI )はこのほど、機能不全に陥った心臓に直接貼り付け治療することが可能なバイオ3Dプリント人工組織の作成に世界で初めて成功したと発表した。

この画期的なバイオ3Dプリンターを開発したのは同研究所のフェロー研究員で3D人工組織の世界的権威 Carmine Gentile 医博で、必要なのは患者本人の皮膚から採取した細胞だけで、それを担当医が3Dプリントで人工心組織として培養したものを問題の箇所に移植して治療する。Gentile 氏によると、今回の成果は患部に直接移植可能なバイオ3Dプリント心組織の実用化という究極の目標に向けた大きな一歩だとしている。「患者自身の細胞が幹細胞を形成し、それが心筋細胞にもなる」。

同研究所によると、今回開発されたバイオ3Dプリンターで作成した心筋細胞が「実際のヒトの心臓と同様、互いに拍動する」ことを確認したという。同国内では 35 万人以上が何らかの心臓疾患に罹患しているされ、治癒率が年々向上している一方で毎日平均 24 人の国民が心臓疾患のため命を死亡していると言われている。

また今回開発した手法で作成した人工心臓組織は、新薬の副作用の試験用としても使用可能で、既に Gentile 氏らはどのような副作用が出るのかをこのバイオ3Dプリント新組織を使用しての検証を開始している。

Gentile 氏らは今回開発したバイオ3Dプリント技術による心疾患治療法を 5 - 10 年以内に実用化したい考えだ。

参照元記事1.
参照元記事2.