2017年2月21日火曜日

AR スタートアップが3次元ホログラム光硬化の超高速3Dプリンターを開発

米国カリフォルニア州発:サンフランシスコ市と英国ミルトンキーンズ市に自社ラボを持つ拡張現実( AR )関連機器スタートアップ Daqri はこのほど、3次元ホログラムを利用したまったく新しい光硬化3Dプリント方式を開発したと発表した。

同社によれば、この3次元ホログラム方式による試作機でペーパークリップを出力したところ、わずか5秒で完了し、通常の DLP 型3Dプリンターよりもはるかに短時間でより大きな造形物をプリントアウトすることが可能になるとしている。

同社の開発した新技術は、独自開発のホログラムチップを使用したもの。従来のようなレイヤーごとにレーザー走査する方式ではなく、3次元造形物を丸ごと投影して光硬化モノマーに重合反応を起こして固結させる。このホログラムチップは単純なシリコンウエハー上に調節可能結晶の微細格子を配し、このチップ上に反射したレーザー光の輝度、遅延時間、位相などをソフトウェアで調節してレーザー干渉パターンを作成してホログラム化し、このホログラムを数種類のモノマーの入った容器に照射させて3次元オブジェクトを生成するというもので、複雑な光学構造は一切持たない。

現段階ではホログラムチップの大きさの制約により、ペーパークリップのような薄い部品しか作成できないが、大型化すれば肉厚の部品も作成できるとし、今後は光硬化モノマーの重合過程で発する発熱問題の解決とホログラムチップの高性能化を図りたいとしている。

同社は現在、720p HD 画像を自動車のフロントガラス上と数メートル先に投影するヘッドアップディスプレイ装置の開発も行っており、将来的にはホログラム光硬化3Dプリントに応用した同じチップを使った情報を多次元表示可能なデバイスの開発も計画している。




参照元記事1.
参照元記事2.