2018年12月5日水曜日

ディープラーニングと3Dプリントを組み合わせた高忠実度の絵画複製技術を開発

米国マサチューセッツ州発:MITコンピュータ科学 / 人工知能研究所(MIT CSAIL)の研究者グループはこのほど、ディープラーニング技術と3Dプリント技術をベースにした油彩画などの絵画作品を高忠実に再現可能な新しい複製技術「 RePaint 」を開発したと発表した。

同グループによると、「 RePaint 」は人工知能(AI)と3Dプリント技術をベースにした「カラーコントーニング」という特殊な技術を利用し、10 通りの異なる透明度のインクを「キットカット」のような極薄レイヤー状に積層する。このカラーコントーニングと、伝統的なハーフトーン[網点]技術とを組み合わせ、原画の絵肌といったニュアンスまで捉えることができるという。油彩画複数を現時点での最新技術による複製品と比べた結果、作品ごとの色の階調再現性に関して、「 RePaint 」は 4 倍以上の再現性能を発揮したとしている。

ただし現段階では、複製可能なサイズは名刺判まで。これはプリント工程に時間がかかり過ぎるためだ。同グループは、将来的には市販のハイエンド3Dプリンターに組み込むことでさらに大きな判型を効率的に制作できるようになるだろうと期待し、家庭鑑賞用の複製画制作をはじめ、原画の経年劣化からの保全、名画ポストカード制作などを想定用途として挙げている。「 RePaint 」開発の一部は、米国立科学財団の支援を受けている。

「 RePaint 」は 12 月 4-7日、東京国際フォーラムで開催される CG およびインタラクティブ技術に関する国際カンファレンス / 展示会「 ACM SIGGRAPH ASIA TOKYO 」に出品される。




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