2021年3月23日火曜日

カリフォルニア州に米国初の3Dプリント住宅分譲地が誕生へ

米国カリフォルニア州発:コーチェラバレーの砂漠地帯に、3Dプリント製住宅からなる分譲地がまもなく誕生する。
持続可能な不動産開発を手掛ける Palari は、建設技術会社 Mighty Buildings(本社オークランド州)と共同で、ランチョ・ミラージュの 2万m² の敷地に環境に優しい 15 棟の3Dプリント住宅を建設する計画を進めている。完成すれば米国初の3Dプリント住宅分譲地になる。
Mighty Buildings は本社の広大な倉庫内に設置された、ガレージほどもある巨大な3Dプリンターを使って住宅を製造している。この住宅専用3Dプリンターは、24 時間以内に床面積約 33 m² の住宅が製造可能。同社によれば、製造工程のうち最大 80 % まで自動化可能で、従来工法と比べて作業時間は 95 %、廃棄物は ¹/10 になるとしている。使用素材もすぐに固まる特殊建材を使用しており、オーニングや外装、断熱層などを一度の造形で住宅に追加できるという。
3Dプリント住宅は 20 世紀中葉のモダン様式を採用。135m² の敷地内に3つの寝室 ×2つのバスルームのメイン住居と、2つの寝室 ×1バスルームのサブ住居からなる。販売価格は 3BR/2BA のベースモデルが 59万5,000ドルから、2 世帯構成モデルにアップデートすると最高 95万ドル。
また各戸には 930 m² のバックヤードが用意され、プール、東屋、ホットタブ、焚き火台、屋外シャワー等のアメニティを追加購入できる。
こうした3Dプリント住宅建設の背景には、深刻なカリフォルニア州の住宅不足問題がある。同州では 2025年までに 180 万 ~ 350 万戸の新規住宅建設が必要と見積もられている。
メキシコのある NPO も2019 年、低所得者層向け3Dプリント住宅の建設計画を発表している。テキサス州オースティンでも、今年後半に3Dプリント住宅の建設が予定されている。 このような追い風に乗り、Mighty Buildings は 2月、4,000 万ドル資金調達に成功している。