2015年11月16日月曜日

「触って見られる」3Dプリントアート制作会社が出資者を募集中

米国ニューヨーク州発:3Dプリントアートのスタートアップ 3D PhotoWorks は視覚障がい者向けの「触って見る」複製作品制作プロジェクト「 3D Tactile Fine Art Printing 」を立ち上げ、目下 Kickstarter 上で出資者を募集している。調達目標金額は 500,000 USD だが、募集開始から数日で既に 3,966 USD が集まっている。

同社共同設立者の1人 John Olson 氏は次のようにコメントしている。「弊社の目標は、世界最高品質の複製絵画および複製写真作品を制作し、視覚障がいのある来館者が楽しめるようにあらゆる美術館、科学文化施設に配給することだ」。同社は集まった資金で筆使いまで実感できるような、更なる高精細3D 化を実現させたいとしている。

3D PhotoWorks は視覚障がい者向け絵画複製制作を事業化するため 7 年前に設立された。同社は 2 年に渡り、米国視覚障がい者連盟所属者を対象にモニタリングも実施し、改良を重ねてきた。同連盟ワシントン州支部カンファレンスでは、12 歳の目の不自由な少年もこの「3D複製」絵画作品の広報担当として加わり、来場者に紹介した。展示作品には「モナ・リザ」や「デラウェア川を渡るワシントン」、「医師ガシェの肖像」といった定番の名画から、ワシントン州の精密な3次元地図まであり、とりわけワシントン州の3次元地図は非常に人気があったという。

同社はこのサービスの本格運用を米国から順次開始してゆくとしている。「 3D Tactile Fine Art Printing 」の出資者募集期間は現地時間 12 月 10 日まで。


→ 参照元記事1. 
→ 参照元記事2. 

2015年11月15日日曜日

MTU 学生グループの再生フィラメント開発が 25,000 ドルの資金を獲得

米国ミシガン州発:ミシガン工科大学( MTU )准教授 Joshua Pearce 氏とその学生5名から成る Open Source Hardware Enterprise はこのほど、再生プラスチック樹脂から3Dプリンター用フィラメントを開発する研究で、Ford Motor Company Fund の主宰する「 Ford College Community Challenge 」から 25,000 USD の資金提供を受けた。

Pearce 氏および学生リーダー Lucas Wilder 氏によれば、同コンペに入賞したプロジェクトは、地域社会から排出される雑多なプラスチックごみを再利用した完全リサイクル3Dプリント製品の開発と販売を行うというもの。同コンペは毎年、持続可能な技術開発を行っている学生とその団体の企画を審査し、秀逸なアイディアには資金提供して実現化を後押しする。

FDM / FFF タイプの3Dプリンター用フィラメントの主流製品は現在、生分解性プラスチック樹脂 PLA と 石油由来の ABS 樹脂とに大別され、共にカテゴリー7に属する汎用プラスチック樹脂。現時点で MTU 学生グループが再生フィラメント材の製造に成功しているのはカテゴリー2の HDPE に留まっている。だがコンペで獲得した資金を活用して、カテゴリー1に属する PET 製品からも再生フィラメント開発に取り組んでいるが、PET はフィラメントとして再利用する場合、極度の乾燥が必要な事と加工温度設定の難しさが技術的なネックとなっている。

アッパー半島等の自治体は遠隔地で処理施設までの運搬費用が高くつくといった問題もあり、リサイクルがあまり普及していない。同大学産業連携部長 Pete Cattelino 氏は、今回の資金獲得により、同学生グループの試みとこれら自治体との連携で事業化に弾みを付けたいとしている。

MTU 学生グループが試作を繰り返した結果、現段階では再生フィラメントスプール 1 kg 分の製造に牛乳容器 20 個が必要だという。再生フィラメント製造にはオープンソースの RecycleBot を使用、そのコストは 1 ドル未満だ。この RecycleBot はカテゴリー1と2に属するプラスチック製品にも対応可能に改造されている。

→ 参照元記事1. 
→ 参照元記事2. 

2015年11月14日土曜日

3Dプリントを使用した画期的手術法に蘭財団が 50,000 EUR の資金提供へ

オランダ南ホラント州発:ライデン大学およびエラスムス医療センターの研究者チームはこのほど、3Dプリント技術を援用して二分脊椎症を新生児段階で未然に防ぐ研究に対して、科学技術振興財団 STW から 50,000 EUR の資金提供を受けた。

同大学医学部教授 Dick Oepkes およびエラスムス医療センターの Alex Eggink 両氏は、子宮内3Dプリント技術を開発して侵襲性のほとんどない手法で新生児の脊椎に生じた「隙間」を埋める画期的な外科手術の開発に従事している。

二分脊椎症( Spina bifida )は胎児の脊椎の先天的形成不全の1つで、本来は脊椎内に収まるべき脊髄組織が外に飛び出し、損傷や癒着を起こす。米国内で年間に誕生する新生児 400 万人のうち、1,500 - 2,000 人にこの発育異常が発症している。二分脊椎症に罹患している子供は約 166,000 人いると推定される。

二分脊椎症は初期段階で発見可能だが、その対処方法は中絶するか、母子共に危険を伴う外科手術を受ける以外に選択肢がないのが現状だ。また二分脊椎症は認知制御系に影響を及ぼし、ADHD 等の発達障がいの一因とも言われている。

Oepkes 氏らのチームが開発した方法は、妊娠の非常に早い段階で、胎児の背面の問題の箇所に3Dプリントした「シール」を貼り付けるというもの。このシールは人体に無害なフレキシブル素材からできており、胎児の発育に合わせて伸張する。同チームの研究開発が計画通り進捗すれば、向こう数年以内にも外科療法として適用される見通しだという。

STW はオランダ教育文化科学省および経済省傘下のオランダ科学研究機構( NWO )から年間予算1億 100 万ユーロを支出されている科学技術振興財団。Oepkes 氏ら研究者チームが受けた資金は同財団の Open Mind Grant と呼ばれる補助金提供制度によるもので、これは技術医療分野において独創的かつ野心的な研究開発を推進してもらう目的で設置された。



→ 参照元記事

2015年11月13日金曜日

IEEE-SA が医療用3Dプリント関連新標準規格を策定中

米国発:米国電気電子学会標準規格( IEEE-SA )は現在、医療用3Dプリントで使用されるバイオ CAD ファイルの新標準規格「 IEEE P3333.2.5 」の策定作業を進めている。

同規格は IEEE-SA が9月に正式承認した一般コンシューマー向け3Dプリンター向け標準規格「 IEEE P3030 」に次ぐもので、現時点では草案[ ドラフト ]規格。この規格に準拠した医療用3Dプリンターを使用すれば、標準化された手順に従うだけで人工装具等の医療機器の製作が容易になる。

IEEE は声明で次のように述べている。「医療用3Dプリント分野にとって便利でコスト効率の高い製品を生産可能にすること、そのようにして作られた製品に対して高い信頼性を持たせることはとりわけ重要だ。策定中の同規格が正式承認されれば、解剖 / 疾病モデル、および治療機器等を製造する医療用3Dプリントサービス標準化のために適用される」。

また IEEE-SA は、「生体認証オープンプロトコル標準規格( IEEE P2410-2015、BOPS )」を正式承認したことも合わせて発表している。こちらは eヘルス機器間での生体データのやりとりに関する新しいサイバーセキュリティ標準規格で、サーバー間のセキュアな接続を確保すると同時に、外部からの侵入者の検知も行う。

ほかにも IEEE-SA では医療関連標準規格「 IEEE 11073 」の策定作業も進めている。これは患者個人のデバイスと医療機器間で通信される用語を統一し、異なる機器間での診断の食い違いの防止を目的としており、国際的な医療関連命名データベース LOINC に準拠している。IEEE 11073 に関しては、米国標準技術研究所( NIST )と共同で今後2年半ほどかけて正式運用を目指すとしている。

→ 参照元記事1. 
→ 参照元記事2. 
→ 参照元記事3. 

2015年11月9日月曜日

点字楽譜よりはるかに使いやすい「3Dプリント楽譜」の開発が進行中

米国ウィスコンシン州発:ウィスコンシン大学の元学生 Yeaji Kim 氏は、3Dプリント技術を使って視覚障がい者が手軽に扱える「触って読む楽譜」の開発に取り組んでいる。

「 Tactile Stave Notation 」と名付けられたこの楽譜は従来のブライユ点字楽譜と異なり、通常の楽譜とまったく同じ様式のまま、浮き彫りのように立体化されている。Kim 氏によると、点字楽譜の欠点を改善するためにこの3Dプリント楽譜を思いついたという。

Kim 氏自身も視覚障がいを持つ音楽家であり、従来の点字楽譜は音楽初学者にとって非常に扱いにくく、また点字楽譜の読める教師も確保する必要がある。

同氏の指導教官で同大学音楽学部でピアノ教授法を講じる Jessica Johnson 氏は次のように述べている。「これはまさに画期的なシステムだ。[ 視覚障がい者が ]音楽を学ぶ方法を根本から変える可能性がある。より多くの人が多種多様な音楽を学習する機会を与えるもので、非常に素晴らしいと思っている」。

Kim 氏はこの3Dプリント楽譜の作成に当たって SLS 方式3Dプリンターを使用し、音符等を立体的に浮き出させている。解像度は 7 µm 以下と高精細で、細かな部分も忠実に再現されている。

大学卒業後に母国に帰国した Kim 氏は引き続き大学の研究者仲間から試作品を送ってもらい、自らテストして最良で、残留粉による怪我の心配もない安全な解像度を探り、3Dプリント楽譜の改良を続けている。同氏は現時点での問題点として、プリント中の急激な温度変化による収縮および反りが発生する可能性を挙げている。



→ 参照元記事1. 
→ 参照元記事2. 

2015年11月7日土曜日

一部の3Dプリント製品はゼブラフィッシュに有害と研究者が発表

米国カリフォルニア州発:カリフォルニア大学リバーサイド校( UCR )研究者グループは現地時間 11 月 4 日、一般コンシューマー向け3Dプリンターで出力したオブジェクトに魚類の胚細胞に有害な物質が含まれていると Environmental Science and Technology Letters 電子版に発表した。

同大学内ボーンズ・カレッジ・オヴ・エンジニアリング( BCOE )生体工学科助教 William Grover 氏は次のように警告する。「このような3Dプリンターは、言わば箱に入った工場だ。工場には法規制がかけられ、一般家庭を工場にすることなど考えられない。だが我々は3Dプリンターという工場を、トースターと同じ感覚で自宅に持ち込んでいる」。

Grover 助教らのグループは、3Dプリンターを FDM/ FFF 方式と、光硬化液体樹脂を使用する「光造形( SLA )」方式とに分けて検証した。

Grover 助教によると今回の検証実験は昨年、同助教が研究用に3Dプリンターを1台購入したことがそもそもの始まりだったという。同助教率いる研究者グループの1人で大学院生 Shirin Mesbah Oskui 氏がゼブラフィッシュ調査ツール作りに3Dプリンターを使用したところ、プリントアウトされたオブジェクトに曝されたゼブラフィッシュの胚細胞が死んだことに気づいたからだ。

そこで両氏は3Dプリンターで造形した製品の毒性について検証実験を行った。実験に使用したのは FDM タイプが Stratasys の「 Dimension Elite 」、SLA タイプが FormLabs の「 Form 1 + 」で、共に直径1インチ[ 2.54 cm ]の平皿状のオブジェクトを出力した。それをゼブラフィッシュの胚細胞が入ったシャーレに移し、胚細胞の生存率と孵化率、発育異常を調べた。

その結果、FDM 方式3Dプリンターで造形した平皿に曝されたゼブラフィッシュの胚細胞はそうでない胚細胞と比べて生存率が若干低下した。一方、SLA 方式3Dプリンターで造形した平皿に曝された胚細胞の生存率は著しく低下した( 3日目に半数以上が、7日目には全ての胚細胞が死滅した )。辛うじて孵化した稚魚も、SLA 方式3Dプリンターの造形物に曝されると、発育異常率が 100 % だったという。ただし SLA 方式の場合はオブジェクト取り出し後に1時間ほどの UV 照射によって毒性が抑えられることも判明している。Grover 助教は、いずれは米国環境保護庁による有害物質規制法( TSCA )のような何らかの法規制の対象になるだろうとしている。

Grover 助教らによると、今後は3Dプリンターに使用される素材の毒性について、詳細な調査を行う計画だ。

Grover 助教は、「私も含めて多くの人が3Dプリントに興奮を覚えているが、ここで一歩下がって、プリントアウトされる素材がどの程度安全なのかを問う必要がある」と述べている。




→ 参照元記事1. 
→ 参照元記事2. 
→ 参照元記事3. 

2015年11月6日金曜日

クラシックレーシングカーが1/2 スケールの3Dプリントカーとして復活

ドイツ・バイエルン州発:Audi の技術部門 Audi Toolmaking はこのほど、1936 年製レーシングカー「 Auto Union Type C 」の1/2 スケールの忠実なレプリカを3Dプリントを使用して製作した。

今回、同部門が製作したのは Audi の前身 Auto Union がレース専用に開発した「 Type C 」。このレプリカ製作に当たり、選択的レーザー焼結方式( SLS )金属3Dプリンターが使用された。Audi によると、現在、同社組立工場では最大長 240 x 最大高 200 mm までの鉄およびアルミニウム部品は既に SLS3Dプリンターで生産しているという。3Dプリント方式の利点は従来の加熱成形、ダイカスト成形より密度の高いパーツが製作可能な点を挙げている。

Audi 生産部門執行役員 Hubert Waltl 博士は次のように述べた。「弊社は今後も生産部門に新技術を導入し、躍進する。現在、提携企業と共に新プロセスの可能性を探求しているところで、最終目標として金属3Dプリンターを連続生産現場に配備することも掲げている」。

今回、3Dプリントによって縮小スケールレプリカとして蘇った「 Type C」は 1930 年代、Auto Union がライバルの Mercedes-Benz とグランプリレースの優勝争いを繰り広げ、共に「 Silver Arrow 」と呼ばれたクラシックレーシングカーの名車。



→ 参照元記事1. 
→ 参照元記事2. 
→ 参照元記事3.