Mark 氏はレースカー用エアウィングを製作する会社のオーナーでもある。通常、自動車用ウィングやスポイラーの材料はカーボンファイバーが使用され、その加工は労働集約型で、時間のかかる作業だった。同氏によれば、この時、3Dプリンターで簡単にカーボンファイバー素材が出力できれば、と思ったことが開発のきっかけだったという。市販の 3Dプリンターで、このきわめて高価な高剛性素材が出力可能な製品は1台もなかった。
「MarkOne」は、カーボンファイバー( アルミ合金 6061-T6 以上の強度重量比を持つ )の他にグラスファイバー、ナイロン、PLAといった素材が使用可能。最大層間解像度は熱溶解フィラメント方式( FFF, φ=1.75mm )の場合 100µm、コンポジット フィラメント方式(CFF, φ=4mm )の場合 200µmで、出力ヘッドを交換することで対応する。最大造形サイズは 305mm x 160mm x 160mmで、扱える 3Dデータファイルは STL および OBJ ファイル。ソフトウェアはクラウド対応で、主要オペレーティングシステムおよび Webブラウザをサポートする。
「MarkOne」なら、従来の ABS樹脂素材の製品に比べて 20倍の剛性と 5倍の強度を持つ部品の製作が可能になり、コンピュータ数値制御旋盤( CNC )で加工したアルミ材より高い強度重量比を持つ製品出力が可能になるという。
「MarkOne」は自動車用部品製作用途以外でも活躍できる可能性を秘めている。すでに医療用人工装具産業からも試用目的で引き合いが来ていると一部で報じられている。
→ 参照元記事1.
→ 参照元記事2.