大型コンテナ船だけで約 550隻を所有する同社は、今年で創業 110年目。現在コンテナ船に搭載している3Dプリンターは全て ABS 熱可塑性樹脂を素材として使用するタイプだが、今後は粉末金属等を素材に使用するレーザー粉末焼結積層タイプのプリンター導入も検討している。
航行中のコンテナ船で万一、部品破損が発生したら、迅速な補修は容易なことではないし、費用面でも高くつく。大海原を越えて何百万という大量の製品を輸送する業務において、まさに「時は金なり」。現時点での最善のソリューションは、3Dプリンター、ということになる。
「たとえば航行中の弊社船舶にこちらから設計図を送信し、それを受信した乗組員は 'プリント' ボタンを押せばいい。数時間後には部品が仕上がる」と、同社資材調達部 Märtha Josefine Rehnberg 氏は述べる。
エンジニアたちはコペンハーゲンのデスクに居ながらにして、地球を半周した海域を航行中の運搬船から連絡を受け、.STL サンプルファイルを運搬船のコンピューターに送信することが可能になる。数時間後に交換部品が完成したら、破損箇所と取り替えればよい。
使用可能な素材の幅が広がれば補修可能な部品も多くなる。そうなれば数年以内に、高精度なレーザー粉末焼結方式プリンターの船上搭載が Maersk 以外の大手海運にも広がるかもしれない。3Dプリンター高性能化と価格下落が続けば、この技術の持つ利便性はますます無視できなくなるはずだ。
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