2014年8月23日土曜日

ルイジアナ工科大学チームが3Dプリントの「ビーズ」作成に成功

米国発:3Dプリント技術の医療分野への応用は日増しに拡大している。義肢やインプラント、果ては人体細胞自体が3Dプリントされ、治療に活用される事例も見られる。このような医療分野のイノベーションが急速に進んでいるにもかかわらず、その多くは本体だけで 300万米ドル以上もする高価な積層造型機が必要なことがネックになっていた。

ルイジアナ州ラストンのルイジアナ工科大学( LTU )生体工学およびナノシステム工学研究者チームはこのほど、MakerBot 等の廉価なデスクトップ3Dプリンターで「ビーズ」と呼ばれる、狙った部位に抗生物質を的確に投与するインプラント作成に成功したと発表した。これは癌患者や感染症患者の治療法を根本から変えるかもしれない。

従来の「ビーズ」は、執刀医が骨セメントと抗生物質との配合剤として外科手術中に作られるが、これには発癌性物質が含まれ、また体内で吸収分解されないので、薬剤放出後のビーズを取り出すための手術も行う必要がある。今回、ルイジアナ工科大学チームが編み出した新方式は、バイオプラスチックを3Dプリンター用フィラメントとして生成し、そこに必要量の抗生物質を添加したビーズを作成するというものだ。

この方法では個々のケースに最適な形状のビーズが作成でき、配合する抗生物質や化学物質の分量もその都度調整可能で、副作用の軽減も期待される。そしてなにより画期的なのは、同開発チームの作成した生体適合性フィラメントとエクストルーダーは MakerBot 等、ごく普通のデスクトップ3Dプリンターに簡単に装着可能なことだ。

参照元記事1
参照元記事2