2014年8月26日火曜日

Sculptify がフィラメントフリーのデスクトップ3Dプリンター「David」を開発

米国コロンバス発:オハイオ州コロンバスに本拠を置く3Dプリンターベンチャー Sculptify は現在、Kickstarter 上で新コンセプトのデスクトップ3Dプリンター量産化に向けた資金調達を展開中だ。

新開発3Dプリンター「David」最大の特徴は、市販のFDM方式デスクトップ3Dプリンターに広く採用されている樹脂フィラメントを一切使用せず、その原料である樹脂ペレットをそのまま素材として採用した点だ。

従来のフィラメントスプール方式では、プリント途中で素材や色を変更することはできない。ペレットをフィラメントに加工するためのコストもかかる。この「David」ではそういった制約を解消し、なおかつコストダウンも実現するという。

現在、「David」試作機では ABS や EVA といった樹脂素材から木質配合素材まで様々な素材のペレットでテストを繰り返している。「David」用ペレットは約1kg( 2.2ポンド )ずつ袋詰めされて販売する予定だが、「自作ペレット」を投入することも可能だという。ペレット1袋の販売予定価格は 18米ドル。ちなみに市販のフィラメントスプールの価格帯は30-48ドルだ。

「David」で最もエキサイティングなのは、硬い樹脂素材に限定されないことかもしれない。「David」では樹脂素材の他、ゴムのような柔軟な素材からも造形が可能。最終的にはプリント途中での素材の切り替えおよび色の変更をできるようにするという( 素材や色を変える時はプリンターを停止させ、ホッパーからペレットを排出して別のペレットに入れ替える )。同社ではこれらの機能をすべて盛り込みたいとしている。

ただし、このプロジェクトでネックになっているのが、最低募集出資額の高さ。たとえば M3D LLC の「The Micro」の時と比べてみればその差は明らかだ。「David」は現時点で57,589ドルの出資申請を受けているが、目標金額の 10万ドルにはまだ道半ばだ。募集期間は9月19日まで。

フィラメントスプールの代わりにペレットを直接使用するという同社のアイディアは、間違いなく3Dプリンターにさらなる魅力を付加するだろう。ペレット素材がローエンドの3Dプリンターにまで波及すれば、デスクトップ3Dプリンターの未来像はもはやフィラメントではなく、ペレットで描かれることになるかもしれない。



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