2016年7月19日火曜日

屈折率の異なる電磁波から「見えなくなる」3Dプリント ナノ複合体を開発

英国発:ロンドン大学クイーンメアリーの研究者グループはこのほど、屈折率の異なる電磁波から物体を不可視にするナノ複合体を先端的3Dプリントによって作成する技術を開発したと、学術誌 Scientific Reports 電子版上に発表した。

論文共同著者で同大学電気工学 / コンピューター科学科教授 Yang Hao 氏によると、この新技術は「元となる発想コンセプトは透明マントのような光学特性変換」だとし、光学、ナノアンテナ開発および航空宇宙など幅広い分野での応用が見込めるとしている。

同グループによると、曲線表面に7層のナノ複合体からなるコーティング処理を3Dプリントで行い、異なる屈折率を持つ電磁波の反射 / 散乱を制御することで、電磁気的に「検知不能にする」、つまり見えなくすることが可能になるという。従来の研究手法では、単一の電磁波からの検出を不可能にするに留まっていた。

論文筆頭著者 Luigi La Spada 博士は次のように述べる。「我々は先端的積層造形技術によって、ナノ複合体を使用して表面波伝搬をコントロール可能なことを証明した。今回の成果で最も重要な点は、今回の手法が、波動方程式によって表わされるような他の物理現象、たとえば音響などにも応用可能なことだろう」。

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