2017年10月15日日曜日

豪州立図書館が歴史的価値ある「点字地球儀」を3Dプリントで復刻

オーストラリア・クイーンズランド州発:今から60年以上前、実業家 Richard Frank Tunley 氏が制作した視覚障がい者のための「点字地球儀」は、同氏が遺した数々の作品のうち現在もなお学習ツールとして重要な位置を占めている。こうした同氏の功績を顕彰して、クイーンズランド州立図書館( SLQ )およびクイーンズランド州図書館財団は共同事業としてこの「点字地球儀」を3Dプリントで復刻する運びとなった。

「点字地球儀」は制作者 Tunley 氏が木製の球体表面に金属板を貼り付けて陸地を示したり、点字説明を付している。SLQ 技術者らは州から約 10,000 豪ドルの支援を受け、この3Dプリントレプリカを製作する。オリジナルは写真測量法で全方向から撮影し、その画像データを基に3Dモデル化して、それをプリントアウトするという。オリジナルは木製球体と金属板でできているが、3Dプリント復刻版はプラスチック樹脂製になる。それ以外はオリジナルとまったく同じように手で触って大陸の位置などを確かめたり回転させたりできる。

同図書館司書兼 CEO Vicki McDonald 氏の話「Tunley 氏の遺したこの点字地球儀は一般には知られていないものの、わが州にとっては掛け替えのない財産。今回の3Dプリントによる復刻事業は次世代にクイーンズランドの歴史を再発見し、触れてもらう機会を提供するものであり、われわれの取り組みに対し資金提供してくれた全ての方々には大変感謝している」。

オリジナルは経年劣化が進んで脆くなっており、保存処置を施されたうえで同図書館内で 12 月から開催される館内展示会で展示される予定。




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